この小説のLevel!は”Run For Your Life!”ではなく、”AND RED END”です。
“命懸けで走れ!”ではありません。
”そして、赤い結末”です。
↓!!結末??↓
https://www.youtube.com/watch?v=hOdQKfQsKpM
病院の中に入ると、そこには不思議というか、不気味というか、形容し難い光景が広がっていた。
「……エレベーター、1個だけ?」
広い空間があるわけでも、たくさんの部屋があるわけでもない。
エントランス……と言っていいのか分からないけど、
確かにエレベーター1個以外に、他は何も無かった。
「えっと……外から見た時もっと大きかったと思うんだけど……」
「そうだね。
でも、この光景だけがこの病院の全部とは限らないよ?」
「えっ?」
「ほら、エレベーター。
乗ってみよ?」
「う、うん」
ミクに連れられるままに、エレベーターに乗った。
——————————
「……えっと、その、ミク。
あの、えー……なんて言うか…その…」
「ん?」
きょとんとするミクだったが、ミクが大好きな私からすれば、エレベーターが狭いお陰で
ほぼ零距離にミクがいる状況になっており、
今更ながら恥ずかしさ(?)と嬉しさで心臓が爆発しそう。
「あ、着いたよ」
「あ……うん」
ポロン、という古めかしい音と共に、エレベーターが止まった。
そして扉が開いた時、私たちの目の前に広がっていたのは、
“先が見えないほどに長い、赤い照明で照らされた一本道”だった。
——————————
「……なんか、随分長くない?」
学校の空間でもこんな感じの一本道は通ったけど、流石に終わりが見えないほどではなかった。
今回は、本当に終わりが見えない。
「この廊下って、終着点みたいなのは……」
「あるよ」
「あ、あるんだ」
「その終着点に、出口があるんだ」
「出口ね、なるほど……」
ん?
「えっ、今出口って言った?」
「うん」
「……この空間の?」
「このセカイの」
「……ほんと?」
「うん」
静かに、でも確かに嬉しくなった。
——————————
「ていうことはこの一本道を歩き続ければ帰れるってこと?」
「まぁそうだね」
「……このすごい怖い廊下を?」
「うん」
出たいのは本心だけど、それと同じくらいこの廊下を通りたくない自分がいた。
いやだってすごい赤いよ!? 結構暗いよ!? それに病院だから自ずと怖くなるじゃん!?(?)
「まぁ安心してよ、雰囲気だけなんだからさ」
「うう……
じゃあその終わりに着くまでずっと話しててよ?(圧)」
「はいはい」
——————————
「ねぇミク」
「んー?」
しばらく歩いて、私はちょっと前から薄々感じていたことを聞いてみることにした。
「ミクも、もしかして元々はこのセカイじゃない、現実世界に住んでた人なの?」
「! ……どうして?」
その反応はある意味質問に対しての答えとも言えたが、一応、確認のために私も答えることにした。
「例えば、プールのでミクがスリッパを出したロッカーと、
学校の昇降口でミクが靴を出した下駄箱に書いてあった名前は、どっちも”イア”だったし、」
まぁ、ミクがよくその名前が書かれた場所を使う可能性もあるけど。
「それに、黄色い部屋でミクが好きな飲み物を言う時、
明らかに現実世界のことを知っているような口ぶりだったし」
「……」
ミクは黙って聞いていた。
「そして、関係ないかもだけど、ミクが時々寂しそうにしてたから」
「…ふふ、やっぱり隠すの下手なのかな、私」
歩くのは、やめない。
「私、元々は田舎に住んでたんだ」
ミクは、ゆっくりと話し始めた。
奥のセカイから出た時、その者が入った時の状況によって、帰り方が異なる。
誰にも見られずに、人知れずこのセカイに誘われた者は、
このセカイに来る前に最後にいた場所に現在の状態で戻される。
対して、このセカイに来る直前まで誰かに見られていた者は、
このセカイに来る前に最後にいた場所に、このセカイに来る直前の状態で戻される。
これが幸福か不幸かは、人によって変わる。