異世界帰りのTS美少女勇者、人気ダンジョン配信者に成り上がりながら、「性転換の薬」を追い求める 作:冰藍雷夏
ターミ○ネータという大作映画をご存知だろうか?
俺、
そう、シュワっちが全裸で膝を着いて登場するシーンがカッコ良くて仕方がなかった。
そんなポーズをしながら、俺は地球へと帰還した。
「……やっと帰ってこれた。数年振りの地球によぅ」
ライトノベルの主人公がよく出くわす設定、「異世界召喚」。
これが実際に自身の身に起こり、数年もの間、異世界で魔王を倒す旅をして帰って来たと言っても、誰も信用しないだろう。
「女神は言っていた。魔王を倒してくれれば元の世界へと帰還させ、飛ばした時間軸まで身体の成長を戻してくれると。だから俺は今、高校一年生の…………あれ? 俺の声、こんなに高かったか?」
慌てて部屋にあった鏡台を見る。
……結論、声だけじゃなかった。
「な、なんだよ……この超絶美少女? 鏡の中に俺好みの美少女が居るんだが!?」
黄金のような金髪、宝石のような美しい碧眼、彫刻のような美しい容姿。
まるで女神のような少女が、ビックリした顔で俺と目を合わせていた。
「てっ! これ、俺じゃねえか! 馬鹿野郎〜!」
『お兄〜! うるさいよ〜! 何、三連休の初日の朝から騒いで……誰?』
不作法に開け放たれた扉。その前に立っていたのは、義妹で同い年の舞香だった。
「ま、舞香ちゃん。お兄ちゃんだぜ、た、ただいま〜」
「………は? 超絶美少女?」
お互いにフリーズ。数年振りの義兄妹の再会だった。いや、俺は女の子になってんだから義姉妹か?
◇
「ほうほう。異世界『ターメリック』って世界を支配していた魔王を倒して帰還したら、バ美肉お兄ちゃんに女体化していたと?……馬鹿にしてんの? あんた?」
「いや、1ミリも馬鹿にしてねえわ。事実だ! 事実! チート魔法だって、生活魔法も使えるんだぞ! ほれ!」
手の平から、どこからともなく花束を取り出して舞香に手渡した。
「……こんなのマジックじゃない。それにダンジョン全盛期、魔法もあるこんな現代社会で手品なんて笑われるよ。女装好きなお兄ちゃん、さっさと着替えてきたら」
そ、そうだった。この世界はダンジョンやら魔法やらが当たり前の世界だったじゃねえか。
つうか、お優雅に紅茶を飲んでんじゃねえよ、義妹ちゃんよ! もっと慌てろ! 身内の不幸なんだぞ。
「いや! だから……これは女装じゃなくてだな」
「それならチンポ見せてよ」
「は?」
突然なにを言ってんだ? この愚義妹は。
「女の子になっちゃったんなら、チンポは無くなってるはずだよね? だからお兄のチンポ見せてよ。家族なら当たり前だよね? 私とお兄ちゃんは血が繋がらない家族だから、結婚もできるハイブリッド義兄妹だもん。だからチンポ見せて」
こいつ、マジでなに言ってんだ?
「い、いや、たしかに俺にはチンポは付いてない綺麗なアレだけどよ」
「……なら、さっさと全裸になりなよ。それとお父さんたち、この三連休は旅行に行って私たちだけの暮らしだから、何が起きても大丈夫だよ。だからチンポ見せてよ」
「どういう会話だ? 俺たちは家族なんだぞ! 兄妹なんだ!」
「義の兄妹は結婚もエッチもできんだよ。お兄」
氷室舞香。黒紫色の髪に大和撫子のような可愛らしい容姿、俺の義妹。
俺たちの両親は、俺たちが幼い時に再婚して家族になった。血は繋がっていない。
そういえば、俺が異世界に飛ばされる前の舞香は、性に興味津々な女の子だったな。
「お兄、早くチンポ。ソファーでする?」
「何する気だ? だから俺は、本物の氷室優羽。舞香ちゃんのお兄ちゃんだろうがあぁ!!」
俺は履いていたズボンを下ろした。
超恥ずかしい。義兄妹同士で何やってんだ、俺たち。
「これがお兄のチン……ポ?……付いてない?」
当たり前だ。TSしてんだぞ、俺。
頬を赤面させながら、俺の鼠径部を両目を見開いてよく見ている舞香。
超恥ずかしいんだが。なんで俺、家族にまじまじとアソコ見られてんだ?
「こ、これで分かったろう? 俺はTSして女の子になっちまったんだ。チンポも消失した」
ん?……チンポ消失し……た?
「うん。すごくツルツルだね。お兄、これからの人生突けないね。可哀想。そんなに美少女だと男の子が群がって来るから、突かれる側で疲れそう。可哀想なお兄」
この義妹、紅茶を飲みながら、明後日の方向を向きつつプルプル震えてやがる。
他人事だと思って笑い始めたぞ。
「マジで付いてね……マジでねえ」
俺もまじまじと見る。身体も豊満だった。出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいた。
綺麗な美少女の身体(自分)だった。超絶美少女だ。こんな美少女が街なんか歩いていたら、ナンパされまくるだろうな。ヤバいわ。
そして、脳裏によぎるのは、義妹の先ほどのセリフ。
(そんなに美少女だと男の子が群がって来るから、突かれる側で疲れそう。可哀想なお兄)
「いやいやいやいや、待て待て待て待て……俺は男だぞ。やっと元の世界に戻って来たんだ。彼女を作って青春を謳歌したい」
「チンポ無いのに? 謳歌したいの?」
「チンポないけど、謳歌したいの!」
こいつさっきからチンポチンポうるさいぞ。
見た目は今の俺と変わらないくらい可愛いんだから、隠語を連発するなよな。それでもお嬢様学校に通う淑女かよ。
「くそ、こうなったら仕方ない。こっちの世界で探すぞ。"性転換の薬"。そして俺は男に戻って生やしてやる!」
「……何を? お兄の何を?」
舞香が俺の鼠径部を興味津々に触れている。
「うるさ。つうか、まじまじと俺のここ見るな! 触るな! ていうか、俺を兄貴と認めてんじゃねえか、舞香!」
「ふぅ〜、たしかにそれは私も将来的に色々と困るから協力する。秘宝を求めるならダンジョン。私はお兄を立派なダンジョン美少女配信者に育ててあげる……本当にお兄のお兄がないなった」
「いや、なんでそんな話に……どこ触ってんだ!?」
こうして俺は男に戻るために、義妹の舞香と共に行動を開始した。