異世界帰りのTS美少女勇者、人気ダンジョン配信者に成り上がりながら、「性転換の薬」を追い求める 作:冰藍雷夏
起きたら暗い部屋に居た。両手両足には大人の玩具の鎖が嵌められている。
手錠への鍵はかけられていない。
どこかのアホ義妹が、この場の雰囲気作りのために付けたのだろう。
「んぁー!
「フフフ、駄目ですよ。サラ、お行儀の悪い娘にはあげられません」
大手事務所が誇るトップアイドル有栖川サラが、舌を出しながら四つんばいになり、アへ顔しなからアホ義妹に何かを懇願している。
そして舞香はというと……なんだあれ? お菓子のうまいぞぉ棒か? 部屋が暗くてよく見えん。
「……おい、変態な舞香お嬢様よぉ。その変態アイドルに何してんだ?」
「んぉ? お兄? やっと起きたの? 起きるの遅かったじゃん。待っててもう少しで撮り終わるからそうしたら次はお兄の出番だよ」
「俺はずっと起きてるだろうが。それよりも何だこの状況は? いったいどうなっている? 説明しろ、義妹様よう」
「アイドルの再育成だよ。ここの社長さんに頼まれたの。あ! でも、その社長さんも今は警察に出頭したからここには居ないけどね」
「おいっ! ちょっと待て、俺が寝ている間に何やらかした? 義妹様よう」
「ん~? 何にもしてないよ。私はただお願いしただけだもん。ねぇ? サラ」
右手にうまいぞぉ棒を指揮棒の様に上下させながら、舞香はつまらなそうに有栖川サラを見上げている。
「はぁ、はぁ、くだしゃい! あたしの大好物のうまいぞぉ棒サラミ味を食べさせてくだしゃい! あたし、それを定期的に摂取しないと駄目なんです! 舞香しゃまぁ! はぁ、はぁ……後は、服を脱がせてくだしゃい! せめて水着にさせてくだしゃい!」
「だ~め、サラはお兄に手を出しちゃったんだから教育が必要なの。だからこれから耐久訓練だよ。ほら、貴女の嗜好品と敏感肌を我慢させられる気分はどう? 私のお兄に手を出したんだから、教育OR分からされるのは当たり前だよね? サラ、ごめんなさいは? ちんこびは?」
「ご、ごめんなしゃぃ! しましゅ、何でもしましゅからうまいぞぉ棒くだしゃい! 舞香しゃまぁ~!」
トップアイドルの舌出しからのワンチャンポーズ……マジで目の前で起きている光景が意味不明過ぎる。
俺が意識を失う直前まで、頭のネジがぶっ飛んだ奴だった有栖川サラが舌をだらしなく出して、舞香に媚びへつらってるなんて。素敵な夢でも見てるのか俺?
「うまいぞぉ棒にそんな効果があるのか?」
「いえ、あれは単なる撮影会ですわ。氷室さん」
「撮影会?……て! うわあぁ! 有栖川、いつの間に俺の隣に?」
「さっき、おトイレから戻って来ましたの。入口はあそこですわ」
「入口?」
俺は有栖川が指差す方向を見た。
入口扉があり、どこかのスタジオのような通路が奥に見える。
「ん? スタジオ?……ということはここは……どこだ?」
「アルカナ事務所ですの。それで今はサラお姉様の撮影会ですわ」
「サラの撮影会?……あれがか?」
「はい、あれがですわ」
サラの方を見る。
「舞香しゃまぁ、舞香しゃまぁ! くだしゃい!」
「ウフフフ、駄目よ。サラ、貴女にはお兄とそのお友達を苦しませた償いをさせなくてはいけないもの」
「はぅぁ……はい。ごめんなさい、舞香様」
ミニスカポリスと囚人服を着て、うまいぞぉ棒を餌付けされている光景が撮影会? 狂ってんのか?
いや、狂ってるな。俺の義妹も、有栖川の姉も最初から狂ってたわ。
狂い×狂いならそりゃあ超化学反応してかけ狂いにもなるわ、この光景にも納得する。
「……そういえば、サラの奴はちゃんと有栖川に刃物を向けたことは謝ったのか?」
「へ? は、はい。勿論ですわ。氷室さんが眠ってしまった後に、舞香ちゃんに脅されながら謝ってくれましたの。土下座で」
「土下座?……俺が寝ている間に何があったんだ」
それに有栖川の義妹に対する呼び方も変わってるのが気になる。舞香ちゃんだと? あいつ、俺以外にそう呼ばれるの嫌いだったよな?
マジで何があったんだ。気になり過ぎるが……そんなこと舞香に聞いたら、何をされるか分からないんだよな。
「その……色々ありましたわ。舞香ちゃんは、氷室さんに危害を加えたサラお姉さまやおば様にすごく怒ってましたの。特にサラお姉さまがわたくしに日本刀を向けた事を知った舞香ちゃんは……すごかったですの」
「そうなんですの……舞香の奴が俺と同じ反応したのか。流石は兄妹。怒るポイントが一緒とはな」
だから今も容赦なく舞香は有栖川サラにお仕置きしてるのか。
服装はともかくうまいぞぉ棒のお預けなんて可愛い悪戯。俺からしたら生温いにもほどがあるけどな。
あいつが俺にお仕置きする時なんて、俺が風呂に入ってる時に「一緒に入ろう、お兄」とか言って、無理やり身体を密着させてくるんだ。最悪の恐怖でしかない。
「欲しい? うまいぞぉ棒が本当に欲しいの? サラ」
「はぁぃ、欲しいですぅ! あたしはうまい棒を食べないと禁断症状が出ちゃうんですぅ。何でもしますから食べさせてくだしゃい!」
「ん~? 駄目、お兄を傷つけた事を反省するためにあと1時間は駄目」
「そんにゃああ!!」
ほれ見ろ。邪悪な笑みを浮かべながら愉悦に浸った顔してやがる。
お前いいのかそれで? ここには同じ学校に通うクラスメイトの有栖川も居るんだぞ。
「……ていうか。そうか、有栖川はとうとう知っちまったのか。超絶腹黒舞香の本性を」
「本性ですの?……それは舞香ちゃんのことですの?」
「そうそう。そうか~! これで、舞香の本性は世間に明るみに…」
「
有栖川が少し怒っている? 何でだ?
「……へ? いや、だから、舞香は腹黒って話をだな」
「何を言ってるんですか。舞香ちゃんはすごくすごく素敵な方ですわ」
「……は?」
有栖川はいったい何を言っているんだ?
「氷室さんとサラお姉さまの戦いに乱入してきた怪しい黒いフードの方々を言葉1つで追い払ってくれたんですの」
いや、多分それ、舞香を慕う崇拝者たちだろう。
「そして、舞香ちゃんを実の姉妹の様に慕う氷室さんを介抱しながら、サラお姉さまにご説教されて、サラお姉さまはわたくしに誠意をもって謝ってくれましたの」
いやいや、俺が寝ている間に俺の身体を堪能してただけじゃねえか。
後は、自分よりも目立つ変人行動をしたサラにぶちギレてただけだろう。予想だけど。
「そのうえ、わたくしとお友達……いえ、親友になりましょうと言ってくれたのです。舞香ちゃんは本当に素晴らしいお友達ですわ~!」
お友達になろうって誘惑されてるだけだろうそれ。それであの悪魔義妹を信用するとか駄目すぎるぞ。有栖川~!
「それに、警察に捕まったおば様に代わって、今日のサラお姉さまの撮影会の演技指導までして下さるなんて、舞香ちゃんは古代女神の生まれ変わりのような聖人君子ですの」
「……そうか」
「はいですの!」
か、完全に舞香によってマインドコントロールされ始めてるじゃねえか。有栖川~! 戻って来い~!
……なるほど。だから、いつも人前で隠しているどす黒い本性を有栖川姉妹にさらけ出せているのか。
有栖川には自分は好い人と洗脳して、サラは撮影会の演技指導とかいって、身体を調教してんのか。
相変わらずとんでもない義妹様だぜ。舞香お嬢様よう。
「あれ? それにしては俺へのお仕置きがないのはなんでだ? ん~? おかしいな。いつもなら全裸土下座しろとか普通に要求してくるのによう」
「ウフフ、面白いことを言いますのね。氷室さんは、そんなことを言う人なんて居るわけありませんわ」
「……さいで」
有栖川がコロコロと笑う。
いや、目の前に居るだろう。俺の心と身体をもてあそぶ悪魔義妹が。
「あっ! でも、舞香ちゃんはすごく心配されてましたわ」
「心配?……悪舞香様が?」
「はい。氷室さんの身体に傷がないか、泣きながら心配していましたの。高級回復ポーションも大量に用意して氷室さんの傷ついた箇所にかけていましたの……泣いておりましたわ。動画もありますのよ」
(お兄! お兄に身体が擦り傷だらけじゃん! お兄を傷つける奴は絶対に許さないから!)
(氷室舞香さん。落ち着いて下さいですの!)
(落ち着いてる! 今治してあげるからね! お兄!! だからしっかりしてよ! お兄ちゃん!)
戦いが終わった後、身体中ボロボロで放心状態の俺を寝かせた後は、泣きながら治療してたのか。
「……さいで」
………………目の前ではとんでもない事をしている義妹。
そして俺が見ていないところでは泣いていた義妹。
「ギャップ萌えありすぎだろう。舞香ちゃん……ありがとよ」
俺はトップアイドルの調教に全集中して聞こえないだろう義妹に向かって、心からの感謝を口にした。
「フヒヒィ、だらしない顔だね、サラ。身体の方はだいぶ仕上がったし、これからサラはお兄ののボディーガードとして付き従うんだよ?」
……ん? あの
「ひゃい! 従いしゅ! 従いましゅから、私を水着にさせてくだしゃい! だいしゅきなうまいぞぉ棒をたべさしぇてくだしゃい~!」
有栖川サラは義妹に調教され俺の言うことだけを聞くようにアイドル矯正されてしまった。
つうかそんな変人俺に押し付けんな! 義妹様よう。
「ほらほら、サラ。お兄に一生の誓いを立てなさい。そうすれば全裸にだけになってもいいよ」
「しゃ、しゃい、有栖川サラは一生、ユウ様の物でしゅ、一生逆らわず。付き纏いましゅう!!」
こうしてメス堕ちしたトップアイドルは、舞香のうまいぞぉ棒誘惑作戦により俺のボディーガードになった。
いや、いらねえんだわ、全裸アイドルのボディーガードなんて。
◇
一方、都内某所「とある留置所」
アタシの名前は愛花。
氷室優羽様の元側近の一人。
「ち、違うんだよ! ボクはただ未来のスターアイドルを育成しようとしただけなんだよ!」
「黙れ! なんで名家である氷室家のご令嬢を襲おうとした? さっさと答えてもらおうか? 行方不明中の優羽様を……お坊っちゃまをどこに隠した?」
「ぴええぇぇ!! だから知らないんだよ。……え、お坊っちゃまって誰なんのことなんだよ?」
「いいからこちらの質問に……情報局の質問に答えろ」
「ご、ごめんなさいなんだよ~! だから警察に出頭させてほしいんだよ~!」
合法ロリおばさんを尋問をしている。
そして私は内ポケットから写真を取り出し……吸う。
「すううぅ……はぁ、はぁ、優羽お坊っちゃま。今貴方はどこに居るんですか? 昔のようにもう一度お世話を担当させて下さい。愛花の大切な大切な幼なじみで、貴方のお世話係の愛花はお会いしとうございます。優羽様」
「ひいぃぃ!! 気持ち悪いんだよ。美少女が写真をなめてるんだよ~!」
「黙れ!!いいから貴様はお坊っちゃまの居場所をさっさと吐けこら」
「びゅえええ!! ごめんなさいなんだよ~!」