異世界帰りのTS美少女勇者、人気ダンジョン配信者に成り上がりながら、「性転換の薬」を追い求める 作:冰藍雷夏
『星条女学院』の昼休み。
俺は舞香と多目的トイレでコアラの親子の様に抱き合っていた。
俺がトイレへと座り、舞香が俺と向き合うように座り抱きついている構図。
何だこの状況は?
「お兄に大しゅきホールド~! 結婚できる義妹の特権だね~! お兄」
「……おい、義妹様よう。そろそろいいだろう? 離れろ、マジで離れて下さい」
この馬鹿力め。
ぜんぜん舞香の大しゅきホールドから抜け出せねえじゃねえか。
「ふひぃっ! お兄の匂いたまらないよ~! スゥー……ハァー、うはぁ~、お兄の匂いたまにゅ~!」
「ちょっ! 俺の胸に顔を埋めて吸うな。気持ち悪いキモウトがぁ!」
鼻息荒くして、両手足を俺の身体にくっ付けるな。こ、こいつ酔っぱらってんのか?
「いやいや、お兄の素晴らしく甘美な女体を学校で堪能できるんだから、なにを言われても白飯三杯超はいけるよ。誰も見てないし、このまま最後まで平らげてあげてもいいんだよ? 女体化お兄♡ ふひぃ!」
「キ、キモ! 俺の義妹マジキモ!」
「何それ? すごい褒め言葉じゃん。お兄お兄~!」
「……………キモ」
どうしてこんな状況になっているかというと、勿論、俺の幼なじみでお世話係だった愛花ちゃんについてキモウトに聞こうとしたからだ。
そう。あれは午前の授業中にまで遡る。
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「おいおい、舞香お嬢様。なんでこの学校に愛花ちゃんが居るんだよ? なんで同じクラスだって俺に言わなかった?」
「あん? 何ですか? おに…優羽……あぁ、愛花さんですか。今日は登校していたんですね。良かったです」
「今日は登校? 何だそりゃあ」
「あん? なんですか? 優羽さん。ご主人様である私に向かって、反抗期ですか?」
あー、ヤバイ。
舞香の奴、朝から学校の生徒に囲まれてたから機嫌めちゃくちゃ悪いわ。俺には分かる兄妹だもの。
そしてこのストレスは、絶対に俺へと向けられる。サラも居ないしな。俺には分かる、いつもストレス発散のはけ口にされているんだから。
「……説明必要ですか? 私、おトイレで義理のお兄様のエロ動画を見て落ち着きに行きたいんですが」
「絶対に行かせるか! つうか消せ、すぐに消せ、その盗撮動画」
話が噛み合わない。う~ん、流石兄妹。
「えっと、愛花さんのことでしたか?」
「そうだよ。なんで愛花ちゃんが同じクラスって教えなかったんだ? 愛花ちゃんと俺は昔から」
「……うるさいですね。私の専属メイドさん、そんなに知りたかったら、昼休みに二人きりで私とトイレに行きましょう。お楽しみ……いえお話はその時にしてあげます。ふひぃ」
「お、おう。それならいいんだけどな。助かるわ」
……今こいつ、一瞬だけとんでもない気持ち悪い笑みを浮かべたぞ。何考えてたんだ?
(やった~! これでお兄にセクハラして、昼休みを堪能できる。ありがとうお兄。私をトイレの中で甘やかして癒してね~! ランラン~!)
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「お兄、お兄、学校でもやっぱり最高にお兄~!
お兄だけは私を優しく甘やかして癒してくれるんだから~!お兄♡お兄♡お兄♡お兄♡しゅきしゅきしゅきしゅき♡」
「止めろ! 離れろ舞香ちゃん! 学校でも甘えんな~!」
ここが学校だと油断した。
学校の多目的トイレで二人きりなんて、このどす黒義妹のやりたい放題できる最高峰じゃねえか。
俺たちが通う『星条女学院』の校訓は、清楚潔白、品行方正、純粋無垢だったか? 舞香には全て当てはまらない言葉の数々だ。
「おい、義妹様よう。言われた通りにお前の大好きな「大しゅきホールド」だったか? させてやったんだから、愛花ちゃんについての情報をそろそろ教え……」
「それじゃあ、次は便座に座りながらスカートをたくし上げてスパッツを恥ずかしそうに私に見せてよ。お兄」
「……は? 舞香ちゃん何言ってんだ?」
「今回のシチュエーションとして、スマホの録画はあえてしないってコンセプトだね。その方がお兄に恥じらいが自然と出るし。(隠し撮りは勿論するけどね)」
舞香ちゃん壊れちゃった。
マジで何言ってんだこいつ?
「…………何かな? お兄。その人を頭のおかしい美少女を見る目は?」
「いや、実際にそう見てるんだが?」
「何それムカつく! いいの? 私の体勢はこのままお兄のファーストキスを奪えるポジショニングなんですけど? そんな暴言吐くお兄のファーストキス奪いますけど?」
「や、止めろ、止めろ! やる! 便座に座ってスカートたくし上げてスパッツ見せるから、それ以上接近するな!」
「…………そんなに拒否することないじゃん。私たち義理の兄妹なんだからさ」
舞香は俺から下りて真っ正面に立った。
そして俺は身に纏っているメイド服のスカートを持ち上げていく。
くそぉ、なんの罰ゲームなんだこれは?
恥ずかし過ぎる。
「あぁ、お兄。便座にはうんち座りでお股を広げてね。じゃないとスパッツのラインがくっきりかっちり私に見えないから」
「は? なんでそんな…やだよ。恥ずかしい」
「エロ担当のサラっちは学校に居ないんだから仕方ないじゃん。今の疲れてきた舞香の心を癒してくれるのは、お兄の恥ずかしい姿しかないんだよ。私を癒してよ。お兄ちゃん、ね? それとも愛花さんについての情報知りたくないの? ん?」
絶対に嫌だ。そしてこのキモウト、悪魔的性格してやがる。
数日前に有栖川から聞いた屋上の話で、感謝した俺の心を返せ。
「いいからお兄。さっさとやりなよ。それとも私が襲いかかってもいいの? これでも結構我慢してるんだけど」
「なにを我慢してんだよ……くそぉ、分かったよ。やればいいんだろう。やれば……恥ずかしいよぉ」
「…………何それお兄? 女の子みたいな反応。さっきから可愛いんだけど。なんか女の子らしすぎない?」
キモウトに言われた通り便座の上におうんち座りして、スカートをたくし上げた。
スカートの中は黒いスパッツと、いつも着用しているニーハイソックスが少し汗ばんでいる。
「……絶景かな。すごい足綺麗だねお兄はさぁ。ナイス絶対領域展開」
「うるさ、まじまじと見るな変態義妹」
「黒スパッツと白いニーハイソックスのミスマッチなコントラスト。そして、嫌悪感と羞恥心で悶えるお兄はたまらないよぉ」
……蕩けた顔で俺のスカートの中に顔を突っ込む舞香。
こいつ最近ストレス溜めまくってたな。
そして、その全てを今、ここで、俺にぶつけてやがる。
「お兄のここ、今はこんな形してるんだね。触っていい?」
「は? 駄目に決まってるだろう。そこは俺の……んぉ!?」
「プニプニしてるね。お兄は下着着けてないから浮き彫りやすいよね。胸にはサラシ巻いてるんだよね? 見ていい?」
「だ、駄目に決まってんだろうぉ……ぉん!」
こ、こいつ。調子にノリ始めたな。
つうか俺のスカートの中で何してんだよ。
「プニプニプニプニと……? どうしたのお兄。お兄の太もも辺り蒸《む》れ始めてるよ」
「はぁ……はぁ……いったい誰のせいだと思ってんだよ」
「ん~? 何が?」
「ひゃぁん! 立て……なぞるのだめぇ……やめぇ……舞香ちゃん」
つい女の子みたいな反応をしてしまった。
いや、今は女体化してるから俺は女の子なんだけど……なんかこれはヤバイ。
「んふふ。なにその新鮮な反応。ねぇ、お兄。もしも下着も履いてない黒スパッツだけのお兄のここを解放してあげたらどうなっちゃうんだろうね?」
「……舞香……ちゃん……いったい……なに……を……」
手を優しく上下するな。
このままだと……ヤバくなる。
「そういえば。お兄は愛花さんの情報が知りたかったんだよね?」
「……そ……う」
「それじゃあ、このメイド服脱いで下着だけになってよ。お兄」
「……な…に……言って…」
舞香は俺のスカートの中で両手をイヤらしく動かしている。
「このメイド服って、異世界のお洋服で持ち主のお兄しか脱がせられないんでしょう? 私が脱がせようとしても無理だったもんね。だから、お兄……」
「……舞香……ちゃん?」
「トイレで下着姿になってよ。そうすれば、愛花さんの情報も教えてあげるし、前の私からのメッセージを無視した件許してあげる、よ!」
「……んぉ! だめぇ、それぇ、舞香ちゃん」
「なにを言ってるのお兄。私はただお兄のツルツル鼠径部を興味津々に触ってるだけだよ。お兄の義妹としてね」
そうか。
俺に対して舞香はちゃんと怒っていたのか。
そしてちゃんとお仕置きされ、最終的には裸になるように言われて、義妹の恐ろしさを再確認させられた。
つうか俺の身体に密着して舞香が極上マッサージしてくれただけなんだけどな。途中から俺の記憶は飛んで最後は何されたか分からないけど。
変なことは……されてないよな?
◇
それから数時間後。
流石はお嬢様学校の多目的トイレ。豪華絢爛な綺麗なトイレだったのに、アホ義兄妹二人のせいでアレになってしまった。
俺たちは多目的トイレのお掃除を入念に行った。いや、最初に入った時よりも綺麗にしようとしただけなんだ。本当だよ。
「はぁ? 愛花ちゃんが俺を探すために日本中を旅して回ってた?」
「うん。ほら、チンコあったお兄は私の情報操作で海外留学してるってことにしたんだけどね」
……こいつ、氷室家でどんだけ権力掌握してんだよ。
「お兄を昔から慕う側近の娘たちは、私を目の敵にしてるから信じてくれなくてね。今の一部の娘は男の子バージョンのお兄を探してるんじゃない? 本物のお兄は私が独占してるのにね? ねぇ、お兄」
「……うざぁ」
「はぁ? 酷くない? さっきも最後には私のお尻をな……」
「黙れ……義妹様よう。思い出させるな」
愛花ちゃんが俺を探している?
男の俺を今でも……そうか。
別に俺が女体化したことを隠す必要はないんだ。愛花ちゃんに俺の正体を明して味方になってもらおう。
この義妹地獄から抜け出すためにもな。
「あ、お兄。今度は私のここ早く揉んで……」
「……おう、両肩な。いちいち卑猥な表現で言うな。舞香お嬢様!」
「ふにゃん……ぎもぢい″い″よお兄!!」
「反応キモ」
この義妹との秘密の関係の打破は、愛花ちゃんとの接触にかかってる。
放課後、どうにか舞香の目を盗んで必ず愛花ちゃんにコンタクトを取ってやる。
ガチャッ!
「お疲れ様です。舞香お嬢様と……新人メイドの
目の前に髪が短めでスーツを着こなしたボーイッシュガールが待ち構えてたわ。
「………速攻でコンタクト取れたわ」
「もしかして私たちの声、愛花ちゃんに丸聞こえだったかな? お兄、にひぃ」
こ、こいつ。絶対わざと俺を多目的トイレに連れ込んだろう。この野郎~!