異世界帰りのTS美少女勇者、人気ダンジョン配信者に成り上がりながら、「性転換の薬」を追い求める 作:冰藍雷夏
・待機
・待機
・全●待機。
・倒産寸前大手事務所に救済を
・サラちゃんの緊急生配信
・待機
・緊急謝罪会見始まり始まり
「こんにちサラサラ~! 絶賛謹慎中のサラちゃんだよ~! 数日ぶりの生配信で緊張してるけど、頑張っちゃうからね~!」
・今日も可愛い、サラサラ~!
・え? え? なんで夏なのにレインコート?
・いつもの制服水着着てない
・これはこれで肌面積少なくて健康的で素敵
・サラちゃんは今日も可愛い
「ありがとう~! 何日も配信できなくてごめんね~! うちの事務所の社長さんは逮捕されちゃったけど、頑張ってアルカナの暴落株価を復活させていくよ~!」
・1人で健気
・応援します。スパチャどうぞ
・不謹慎……でも可愛い。5万円受け取って
・俺の10万円
・新社長サラたん大爆誕。20万円分割で贈るね
「本当に沢山のスパチャきた~! ありがとう。お礼にスパチャをくれた皆にはサラの際どい非売品グッズを贈るから楽しみにしててね」
・5万円贈りました
・50万円贈ります
・サラちゃんが着たTバ……Tシャツ贈って。30万円スパチャ贈るから
・サラちゃんの水着写真集楽しみにしてるね
「あんがとね~!」
「何してんだお前?」
「へ? ご主人様! だ、駄目ですよ。今はお久しぶりの生配信中です。稼ぎ時ですよ」
「は? 生配信だと?」
・え? え? え? この声
・コンチューブの切り抜き雰囲気美少女動画トレンド1位の金色狐ちゃん?
・サラサラと金色狐ちゃんのコラボ? 本当に?
・雰囲気可愛い~! 5万円のスパチャどうぞ
・ご主人様ってどういうこと? 秘密の関係?
・2人共可愛い。10万円贈ります
……俺がサラの生配信映像に映った瞬間、スーパーチャットの課金電子音が鳴り止まなくなった。さっきから、スマホに自撮り棒なんて付けて怪しげに動いているから何してるかと思えば、どうしてこうなった。
学園から出た後、ずっと認識阻害の「金色狐の仮面」を付けといて良かったぜ。
「こ、こんにち、コン、コン、き~つね! 金色狐の仮面です」
「こちらはサラの新しい雇用主で、ご主人様だよ、ユウ様って言うの、皆も応援してあげてね。事務所は勿論、最近不祥事を起こしたアルカナ事…むぐぅ!?」
「個人配信者です。サラさんとは最近仲良くなって、初コラボしようって言われたからやってみました。よろしくお願いします。それとこっちは幼馴染みのアイカちゃんです」
「よ、よろしくお願いしましゅっ!」
・可愛く噛んだ。
・可愛い、可愛い舌大丈夫?
・黒スーツに黒サングラス……もしかして認識変化の魔法で姿変えてる? 雰囲気可愛い
・3人美少女コラボ配信。嬉しい、ありがとう
・白ワンピース、レインコート、黒スーツ。皆服装カオスだけど、統一感なくて可愛い
「わぁ~! 皆ありがとう~! これからの配信応援よろしくね~!」
「よ、よろしくお願いします~!」
「よろしくお願いしましゅ!」
「「あ、また噛んだ」」
・トリオ可愛い
・ハモった、アイカちゃん頑張って
・今回の配信楽しみ
・……………………………見つけたよ。オニイ何してんの? スパチャ121(オニイ)万円贈ります。(後で回収するけどね。覚えてお――――
濁流のように流れる清らかなコメント。
最後が意味不明過ぎるコメントだったが、すぐに流れ去って行ったので最後まで読めなかった。
良かった。
サラの配信を見ている視聴者は、沢山のスパチャをくれるし皆優しい人たちみたいだな。
「それじゃあ、今回は葛西ダンジョンからの配信だよ。ダンジョン初体験のアイカちゃんにご指導しながら初心者コースをサクッと攻略しちゃうね~!」
「よ、よろちく」
・また噛んじゃった
・アイカちゃん頑張って
・応援する
・黒スーツ美少女可愛い
・気をつけて進んでね
「あ、ありがとうございましゅ……あ、また噛んでしまいました」
「フフフ、アイカちゃん。配信者向いてるかもね~! 頑張って行こう」
「は、はい! サラさん」
最初は険悪になるかと思ったが、サラの登場で俺にちょっかいをかけられないと判断した愛花ちゃんは借りてきた猫の様に大人しい。
俺に黙っていきなりレインコートを脱いで水着生配信するとか言い出したから、尻を叩いて分からせたサラも満足したのか静かだし、なんだかんだこの3人でダンジョン攻略するのも悪くないのかもしれない。
◇
・すごいすごい、どんどん進んでる
・ボスフロア来た
・3人共気をつけて
・触手を伸ばす液状スライム
・たしか服も溶かす
・……楽しみ
・楽しみ、楽しみ!
・楽しみ、楽しみ、楽しみ!
俺たちは順調にダンジョンの中を進み、初心者用のボスフロアまでやって来た。
そして、俺たちの服が溶けることを期待して盛り上がっているコメント欄。
「エクスカリバー!!!」
【ピギュウウ!?】
を粉砕するように、俺は黄金の光の一撃でフロアボス「液状スライム」を瞬殺した。
・……一瞬で勝負ついた
・エッチ系イベントなし悲しい
・黄金の光眩しい
・コラボ配信終わるの悲しい
・またコラボ配信して、サラちゃんの服溶けなかった悲しい
・黒スーツ溶けなかった悲しい
・ユウちゃんの白ワンピース溶けなかった悲しい
……サラの配信を見る視聴者たちは、好い人たちなのだろうが。むっつりスケベが多いことが発覚して悲しい。
「「「お疲れ様でした~!」」」
・お疲れ様
・また配信して
・3人共カッコ可愛いかった
・サラちゃんの使用済み非売品楽しみ
・……………………オニイ早く戻って来なよ。楽しい私刑のお時間だよ
・何? 最後の怖いコメント
・サラチャンネルでこんなコメントする人いない
・怖い怖い……サラちゃん、ユウちゃん、アイカちゃん帰り気をつけて
こうして、俺たち3人で初めてのダンジョンの攻略と生配信をなんとなく完遂して………
「こ、これは!? まさか?」
「どうしました? ご主人様。配信も終わりましたし、ここでエッチしますか?」
「な? ユウ様と初エッチするのはワタシですよ!」
「え〜? じゃあ、3人でする?」
「な、なんでそうなる?」
今回のボスフロアの宝箱。
ドロップ品の中に……「性転換の薬」の作り方が書かれた紙切れを手に入れたんだ。
◇
ダンジョン探索も終え、サラと愛花ちゃんを引き連れて家へと帰って来た。
なんでかって? これは保険だ。
舞香に手懐けられたサラはともかく、氷室家本家に仕える愛花ちゃんが俺の直ぐ側に居てくれれば、舞香ちゃんはいつもより俺の身体を好き勝手できない。
「お茶淹れますね~! ご主人様」
「ん? おー、お願いするわ。サラ」
「は~い! お役に立ってみせますね」
「な? そ、それはワタシがやります!」
「えー、それじゃあ2人でしますか? 一緒に」
「き、貴様。どこを触っている? お茶を淹れる作業じゃないのか? あ♡」
「へ~! いい声で鳴くね。アイカちゃんは…ん♡」
何し始めてんだあいつ等。
変態同士のコミュニケーションはよく分からん。
それよりも俺はさっさとメイド服に着替えてこないと、あれを着てれば舞香ちゃんに襲われてもスパッツしか脱がされないで済むからな。
『『――――!!』』
「……? 何だ? 俺の部屋から獣みたいな声が2つ?」
恐る恐る自室へと近づいて行く。
リビングではサラと愛花ちゃんがふざけ合っているので、2人の声ではない。
「まさか? 強盗か?」
『『―――――!!』』
更に気配を消して自室へと近づいた。
そして、少し開け放たれたドアの隙間から中の様子を見ると……
「ま、待って下さい! アリスちゃん、そんな高速手……」
「ま、任せて下さいですわ! 舞香ちゃん、アリスはサラお姉さまにいつもマッサージをして慣れていますので、気持ち良くさせてあげられますの。舞香ちゃんのストレスを限りなく減らしてみせます」
「そ、そうじゃなくてぇ……ぎも”ぢい”よ”ずぎる”がら”……どめ”でえ”」
…………俺の部屋のベッドの上で下着姿の舞香と有栖川が何かをなさっていた。
眼を細めて中の様子を更に詳しく見る。
「舞香が足を開脚させて……有栖川が舞香のショーツの中に……」
ガタッ!
しまった。入口近くに立て掛けてた魔道具が床に倒れちまった。
「「え?」」
……こうなったら仕方ない、行くか。
「…………俺の部屋で……しかも俺のベッドの上で何してんの? お前たち」
「え? お、お兄!? こ、これは違うの! 浮気とかじゃなくて、私はお兄だけを」
「……氷室さん」
よく分からない言い訳を始める舞香と、とんでもない光景を見られたことで放心状態の有栖川。
これはチャンスだ。
舞香という俺の全てを管理する義妹ちゃんから解放されるための最初で最後に訪れたチャンス。
生かさないわけないだろう。
「人の部屋でエッチでもしてたのか?」
「ち、違うもん! これはストレス解消の一貫で……それだけだもん! ねえ? アリスちゃん」
「…えっと、これは……そのですわね」
「言い訳はいい。今目の前で起こったことが事実だ」
舞香には内緒で超小型の監視カメラも付けて、証拠映像もバッチリある。
そして俺はそれを駆使して自由を得る。
俺は頭の中で今後の舞香牢獄からの脱出計画を緻密に練り始めた。