異世界帰りのTS美少女勇者、人気ダンジョン配信者に成り上がりながら、「性転換の薬」を追い求める 作:冰藍雷夏
【オゲェ……オエエェエエ……オゲエエエエ……エゲゴオオオオンンオオ!!!】
屋敷の外から美しい鳥のさえずりが響いてくる。
「……んぁ? もう朝なの? 起きないと」
今日も朝5時に起きれた。
目覚めは良し、俺と一緒に寝てくれる娘のおかげだろうか?
「…………ユウしゃま」
「お~い! 起きなよ、サラ……いや、まだ朝早いし寝かしといてやるかな」
きわどい下着姿で俺のベッドに一緒に寝ていたサラが、気持ち良さそうに俺へと身体を寄せていた。
数日前に起きた暗黒義妹変態事件以来、サラと愛花ちゃんが交互《こうご》に俺の護衛をしてくれることになった。
「……ユウしゃ…まぁ。おはようございますぅ」
「まだ寝てていいよ。8時くらいまでね」
「ふぁ、ありがとうございますぅ……スゥースゥー」
あの大事件以来、サラは俺に献身的になった。
なぜか? 自身を越える義妹の変態性を目の前で見てしまったからだ。
義妹恐るべし。
コンッコンッ!
『ユウちゃ~ん! 朝ごはんできてるから着替えて出てきなさい~! ママと一緒に朝ごはん食べましょう』
「あ! は~い、ママ」
ノック音の後、義母の声が聞こえた。
数日前から海外から日本に戻ってきた俺の義理の母、ユリカお母様だ。
◇
「お母様、おはようございます!」
「はい、おはようございます。ユウちゃんは……今日も可愛いわね。男の子の時はイケメンだったけど」
「……………フガフガ」
リビングに行くとエプロン姿のユリカお母様と……猿ぐつわをはめられた変態義妹が居た。
いや、朝から何してんだよ、こいつ。
「あ? この子? 深夜に大人の玩具を持ってユウちゃんの部屋に突入しようとしていたからお仕置きしてるのよ。ほんと誰に似たのかしらね? パパかしら? オホホホ」
「ぷはぁ!! そんなのママに似たに決まってるでしょう! いいからそろそろ許してよ! お兄を襲ったことは、深海よりも深く反省してるんだから許してよ! 私は定期的にオニイニウムを摂取しないと死んじゃう病があるの、ママ」
「お黙り、舞香」
「ごふっ!?…………」
スゲー!!
あの変態義妹を一方的な暴力でねじ伏せた?
これが舞香を御せる者。舞香を産んだユリカお母様の力か。
「それじゃあ、舞香もおとなしくなったし朝食にしましょうか。それともわたくがユウちゃんに朝ごはんを食べさせてあげましょうか?」
「い、いや、俺だけで食べれるよ。ありがとうユリカお母様」
「ま、まぁ…い、いいのよ! その言葉だけでママは満足だもの」
「? そ、そう。ありがとう」
「フガフガ!!!」
ブシュッ!とユリカお母様の鼻から鼻血が出た。大丈夫だろうか? それと舞香はフガフガうるさい、何興奮してんだこいつ。
氷室ユリカ。
俺の義理の母で、舞香の実の母親。
俺にはただただ優しく甘やかし、舞香には優しくも厳しく育てる教育ママだ。
じつは数日前に舞香が起こした俺へのエッチ未遂事件の全てを録画した動画を、俺の新たなるボディーガードとなった愛花ちゃんがユリカお母様に送りつけたらしい。
それを見たユリカお母様はブチギレ、アメリカで仕事をしているはずが緊急で我が家へと帰還。
舞香のお尻を腫れるまで叩くと数時間にも渡りお説教の末、舞香を監視するために数ヶ月の間俺たち兄妹と一緒に暮らすと言い始めた。
ちなみに俺が女の子になってしまった異世界帰りのことをユリカお母様に話したが……
(まぁ、ダンジョンとか普通にある世界だし。女体化なんてこともあるのね。不思議ね~!)
なんて言って普通に受け入れてくれた。
いや、むしろ俺の女の子姿に大喜びで跳ね上がり、ここ数日は俺への接触も多く感じるくらいにベッタリ親子としてのコミュニケーションを密に取ってくれるんだよな。
「はい! ユウちゃん、あ~んして」
「は、はい、あ~ん!」
舞香が見ている前で親子でのはい、あ~ん!
をやるのは正直恥ずかしいが。俺を心配してアメリカから帰って来てくれたユリカお母様のためならなんでもいいか。
「フフフ、美味しいかしら? ユウちゃん」
「は、はい! 美味しいです。ユリカお母様」
「それは良かったわ! ユウちゃんは舞香と違って純粋無垢だから素敵よ。どす黒くないもの」
「そ、それは……そうですね」
「んんんんん!! フガフガフガフガフガフガフガフガフガフガフガフガ……(逃げてお兄!! 義理の母とは血が繋がってないのをなんで分からないの? ママの両目をよく見て! 欲望まみれだよ! ママは私のママなんだからヤバいママに決まってることになんで疑問にも思わないわけ? アホお兄!!)」
さっきから俺にとんでもない数々をした罪深い愚義妹がうるさいがオール無視だ。
俺には今すごい味方が居るんだからな。
静かにしていろ暗黒義妹よ。
「あらあら、ユウちゃん。首元に変な汚れが付いてるじゃない」
「へ? 汚れ……ですか?」
「ええ、仕方ないわ! これからわたしと一緒にお風呂に入って洗い流してあげる。一緒に行きましょうか」
「へ? あ、はい、ユリカお母様」
「楽しみね~! とてもとても……フフフ」
ユリカお母様は嬉しそうに笑った。
本当に何もかも暗黒義妹と違うな。この人は昔から俺にはとても優しい、義母なのに本当に優しく接してくれるんだ。
「フガフガガガカガガガカガガガカガガガカガガガカガ!! (お兄逃げて! 全力で拒否して逃げるの! ママは私のママなんだから、全力で逃げないといけないんだってば! 早く気がついてよ。お兄~!)」