異世界帰りのTS美少女勇者、人気ダンジョン配信者に成り上がりながら、「性転換の薬」を追い求める 作:冰藍雷夏
「愛花ちゃん。人参の切り方はこうだぞ。シャトーに剥いて、手は切らないように気をつけてな」
「はふぅ! そんなユウ様直々に教えて下さるなんて、愛花幸せの至りです!」
「あ、そう。手は切るなよ~!」
「いきなり辛辣に!?」
これでも俺は料理ができる。
異世界で勇者をやっていたから当然だな。
「お料理スキルゼロのお兄が料理をしてる? 何で? 可愛い女の子のお兄が料理? 何で?」
そして料理ができるわけがない義妹は裸エプロンの状態で布団を使って簀巻きにしてソファーに座らせている。
放っておくと、屋敷内で必ず悪戯をかますので近くで監視しておく必要があるからな。
「……舞香様。こちらの舞香様に付けて頂いたこれは、舞香様に再び装着しておきますね。よくもさっきは…ではなく先ほどは人生で体験したことがない貴重な思い出をありがとうございました。お返しします!」
仲良さげに何やってんだあいつ等?
萌っちが両手に卵みたいなプラスチックとリモコン?を持って、モゾモゾと舞香を巻いた布団の中に足側から入っていく?
何の珍百景だ?
「………面白そうだから黙ってみてよう」
「ユウ様〜! 人参綺麗に剥けました~!」
よしよし、こちらの料理は順調。
いつもはお世話係のメイドさんたちが料理を作って食堂まで持ってきてくれるが、たまには手料理を作るのもよし。
「……………~♪」
「ちょっ! 萌さん…じゃなくて、もう本性なんてとっくにバレてんだからお嬢様モードなし! 萌ちゃん! 私の中で何してんのかなぁ?」
「―――――!! です! 舞香様のここ、プリっとしています!」
「何言ってるか全然きこえないんだけど?……んんんんんんん!? 本当に布団の中で何してるの!?」
布団簀巻き義妹が赤面しながらモゾモゾしている。
親友の萌っちと一緒に布団の中で体幹運動でもしてるんだろうか?
しかし流石は親友同士、暗黒義妹の本性がさらけ出されても時間が経てば関係性は元通り。
これが長年連れ合った親友同士の熱い女の子同士の関係性なのか。なんか良いな。
「鍋に富士山の高級水を入れて、野菜を煮込んでいこう。コトコトゆっくり攻めて野菜の旨味を水に馴染ませるんだ」
「はい、ユウ様!」
料理をする助手としての愛花ちゃんは完璧なサポートをしてくれる。流石は俺の昔からの
「…………舞香様ここ弱いですね」
「んんんんんんん!! 待って! 待って! 待って~! 萌ちゃん~! 熱い~! そこを重点的に攻められたら身体中が熱くなっちゃうから! お兄!!!! 私が何をしたの? 萌ちゃんを止めて! このままじゃ私壊れちゃうんだよ」
「……ぷはぁっ! すみません舞香様。もう、セッティングしてきちゃいました」
「んなぁ!? 何で萌ちゃんの顔が私の真っ正面に出て来るの? 近い近いって……それにセッティングって何? 私ここに何をををを!?」
「はい、頑張りました。舞香様が悪いんですよ。そんな面白い本性を今まで隠していたなんて、イジリがいがあります。このように」
「いじっちゃ駄目えええええん!!」
ガタゴトガタゴトソファーの上でうるさい2人、本当に仲が良いんだな。
そんで布団の中でモゾモゾモゾモゾ何してんだろうか。抱き合いっこかな?
「ユウ様~! 牛フィレ肉のスライスが焼けました~!」
「おう! それじゃあ、油を切って鍋に投入して」
「は~い!」
こちらはこちらで平和に愛花ちゃんとクッキング。トラブルメーカーがいないと本当に捗るな。今度から週末は萌っちを家に召喚するかな。
弱火でコトコトコトコト鍋を煮詰めていく。
氷室家御用達の高級スパイス店から取り寄せて作った自家製カレールーを少しずつ野菜と肉が交ざった鍋の中に入れていく。
「…………あ、あの舞香様。そんなに抱き付かれると恥ずかしいですし、わたしと舞香様に色々が交ざってしまいます」
「交ざってる!tっくに色々と交ざってるってば!私のお腹に新しく何をして、何を書いたの? 萌ちゃん」
「……は、はい。媚薬を舞香様のおへそに設置しました。これで、舞香様が氷室さんに危害を加えないと思ったので……(ポッ!)」
「(ポッ!)?! 萌ちゃん、何赤面して……はっ! ま、まさか、萌ちゃんは、既にお兄の色気に落とされてる?……お、おのれ、お兄~! 図ったね! 世界で一番大切な結婚できる義妹の私を図ったね~! お兄~!……んぁ!? 萌ちゃん、そこは触っちゃ駄目だから~! お兄たしゅけて~!」
義妹と、その大切な友人が楽しそうにじゃれ合っている。美しきかな女の子同士の友情。
「フフフ、久しぶりにユウ様とお料理できて嬉しいです。それに、舞香様が拘束されているので平和です」
「だな。こんな平和な日常がずっと続いていけば良いのにな」
「はい!」
……そうするには舞香の無力化と萌っちが居ればいいのだから。なんたる黄金比! これからも萌っちには定期的に家に来て舞香の相手をしてもらうかな。
◇
新宿とあるスタジオ内
「は、はぁ~?スカウトですか? 今話題の金色狐ちゃんを?」
「そう、アルカナよりも早くね。あそこの事務所サラも居るのに、あんな大型新人が入ったらうちが負けるもの」
「えっと……でもアルカナは株価も暴落して倒産寸前なんじゃ」
「あんなの話題作りと、意識ずらしに決まってるでしょう。現にナナは社長復帰、サラも活動再開して金色狐とのコラボまでやってるんだから、これ以上先を越されるのはまずいのよ」
「はぁ、それでウチはどこに行けばいいんですか?」
「東京ビッグサイト。そこに金色狐は現れるわ」