ステータスに竜人って言われました。は?人間だが?   作:鋼色

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ステータスでは竜人、心は人

私、ステータス初めて開けたネ。これで探索者なれるネ。

 

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名称:朝倉奏多

レベル:1

種族:竜人

 

スキル:

竜王の血を引く者(ドラグーン)

 

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「は?」

 

失敬。少々動揺して「は?」などと汚い言葉が出てしまった。今後は控えるので寛容に受け入れてほしい。

 

--竜人

竜性種の幼体。出すか出さないかの意識的選択により、「竜翼」、「竜尾」、「竜角」が出現可能。それ以外にもドラゴン種、劣等竜種、竜性種、竜星種とのコミュニケーションが可能。また、無意識的魔力循環により常時身体能力上昇。

 

 

????

 

 

--〈竜王の血を引くもの(ドラグーン)

竜性種の基本スキル「*1竜性飛行」、「*2竜鱗顕現」、「*3竜性魔法」、「*4竜性式魔力操作」の使用可能。上記の基本スキルを獲得次第〈竜王の血を引くもの(ドラグーン)〉への強化統合、及び熟練度上昇。

 

 

イカれてんのかこいつァ!〈竜王の血を引くもの(ドラグーン)〉までは良いよ、別に受容できる。いやできねえわ。何だこいつ。

 

竜人もそうだが、〈竜王の血を引くもの(ドラグーン)〉もまあまあちゃんとイカれてやがる。飛行、防御、魔法を扱えるスキルなんてあってたまるか。

 

……はぁ、生まれて初めて獲得したステータスがこれとは、何の冗談なんだ?どこぞの番組がやっているドッキリなら即刻報告してほしいところだ。

 

まあ、そいつはあり得ないだろうが。本能が囁いている。ステータスが載せている情報は事実だと。

 

俺が人間ではなく、〈竜王の血を引くもの(ドラグーン)〉というスキルを持った竜人であることが。

 

一応試してみるが……うん、出たな。「竜翼」、「竜尾」、「竜角」。体を巡る魔力の出力と身体強度が上がっている……気がする。

 

いや…まぁさぁ、探索者にはなりたいと考えていたけど。なってダンジョンを攻略したいとは思っていたけど。

 

さすがにこれは想像してないってばよ。竜の力を振るえるのなら、きっと俺は探索者として大成するのだろうが。

 

果たして、こんなチートを使っても良いものか。明らかにバランスブレイカーじゃないか?

 

……こう、さぁ。批判されるのが、怖いよね。ただのチート野郎みたいな感じで。

 

ピコン

 

むむ、何か通知が……え、ステータスって通知くるの?

 

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スキル:

竜王の血を引くもの(ドラグーン)

竜王の意見(ドライサー)

 

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---〈竜王の意見(ドライサー)

種族も、血も、スキルも。大元はあれど、全て貴君の力、想いがままに世界を揺らしてみよ。

……数秒の間、自身を俯瞰的に見れる「天理化」を付与。

 

つまり、そんなくだらないもの気にしないで好きに力を振るいなってことなのかね。…それでも怖いのは消えないですけどネ。

 

この竜王様は俺に力を振るえと仰っているようですし、さっさと探索者免許勝ち取って探索者になるか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふっつーに要注意人物に認定されました。いや、うん。常識的に考えて当たり前なんだよな、そりゃ。

 

ステータスを得たばかりの新人は人間ではありません、しかもスキルを既に二つ持っています。加えて未確認スキル(らしい)。

 

そりゃなるよねって。いや要注意人物なんて分かりやすい単語は使われていないが、警戒されているのは間違いないだろう。

 

「……竜王…本当に、知らないんですね?」

 

尋問担当の美人さんは問いかける。

 

「えぇ。今日この日まで俺が竜人なことも知りませんでしたし、竜王の血を引くことも知りませんでした。このステータスの内容を100信じるのなら、ですがね」

 

「あなたは信じていないのですか?自身のステータスでしょう」

 

「……感覚的には、初対面の人にいきなり『あなた人間じゃないよ』と言われたようなものです。例えステータスと言えども、いきなり言われて信じられると思いますか?」

 

「なるほど、的確だ」

 

笑った、きゃわいい。え、配信しない?配信してるのなら推すよ?遠慮なく推すよ?

 

「竜王が誰を指すのか……本当に竜王と呼ばれる類の存在か、もしくは竜王を偽る存在なのか。どちらにしても、あなたを探索者にする以外は選択肢がないようだ。どうです?日本探索者組合直属の探索者になるのは」

 

直属、ねえ。大変魅力的なお言葉だが、それ相応のデメリットはあるとみた。

 

「正解ですよ。報酬、コネ、情報。それらが他探索者と比べて優遇はされますが、国に縛られる身となります。例えば……魔天衛星による監視下に置かせてもらう、など」

 

「…それ以外は?」

 

「さすが……鋭い。それ以外のデメリットはあります、もちろん。ダンジョン内での配信義務。帰還時、毎回のステータス確認。国が直接依頼を出したものは受けること。一ヶ月ごとに能力値検査を行うこと。主なデメリットはこちらでしょうか」

 

「ふむ…」

 

どれもこれも想定していた範疇に収まっている。直属探索者になる過程で様々なメリットに恵まれるのだから大きなデメリットがあると考えていたが、あまりにも小さい。

 

元より成り上がりたいとは考えていたし、それならばランクが早く上がるこのデメリットは理に叶っている。俺の意思関係なく昇格してくれるわけだしね。

 

監視に関しても、そこまでだ。直属探索者が悪さをしないように見張る程度なもの(と推測)で、プライベートを完全侵害するようなものでもない。

 

多くの探索者からの評判が悪いと聞くが、そこまで悪いようには思えない。つい不満に思ってしまう何かがあるのか。

 

「何か質問はありますか?」

 

「…いえ、質問というか。少し驚いてます。直属探索者というのはそれほどまでに優遇してくれるのかと。直属探索者の話を断る人もいると聞きますが、なぜそのようなことを…」

 

「縛られたくないのですよ。自分の主観で生きていたい、だからこそ国に身を置きたくはない。そのような理由でしょう」

 

感覚としても、論理としても理解できない内容だ。国から監視下に置かれるというのみで主観は消えるのか?

 

そこまで儚い代物で探索者をやっていけるのか。甚だ疑問だ。

 

……いや、そんな後ろ盾がいらないほど強いから受けないのか。そこまで強くないのに受けないヤツのことは知らん。

 

「では、直属探索者の件は…」

 

「えぇ、受けさせていただきます。初心者探索者にとって直属ほど安心できるものはない」

 

「感謝します。本人の意思により、日本探索者組合の直属探索者に認定。……では、探索者の免許取得とスキルの確認を行いましょうか。直属探索者が一番忙しいのはなる前ですから。乗り越えて、一流の直属探索者へとなってください」

 

うっそだろ……。うん、嘘じゃないね。この美人ちゃんの顔を見る限り「マジ」って顔してる。

 

え、あれじゃないの。探索者が直属にならないのって自由云々じゃなくてコレがあるからじゃないんですか?

 

「覚悟をしておいてください。朝倉さん」

 

あっ、きゃわわ。へへ、あなたと勉強できるのならどこまでもついていきますぜ。

 

 

*1
基本的に竜翼を出しながら飛ぶ。慣れたヤツは翼出さなくても飛べる

*2
自分の好きなところに鱗出せる。使い方が上手いやつは竜鱗を武器にしたりする

*3
人間が使う魔法とは論理が違う魔法。

*4
豪快かつ繊細な魔力操作。人間とはやり方が大きく違う

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