配信終わって、ダンジョンから出て、自室なう。
進化が強制的に行われるものでなくて良かった。強制の場合、最悪ダンジョンに倒れ伏していた可能性がある。
しかし……進化か。まさに魔物っぽいドラゴンの最もらしい性質かもな。
『貴君にとって竜とはなんだ?』
はは…こういうパターンか。個人個人に問いかけて、自分がなりたい姿へと近づいていく感じね。
『貴君にとって竜とはなんだ?』
そう焦んなよ。
…まあ、そうだな。俺にとっての竜は、俺が俺に送る俺だけの人間としての存在証明ってとこだ。
『竜と人は違う』
確かに違うな。人に翼は生えてないし、鱗もないし、ツノもないし、尻尾だって生えてない。使う魔法だって違うんだ。人と竜がイコールなんて言うつもりはねえよ。
『ならば、なぜ貴君の人としての証明が竜なのだ』
最初、俺は竜を否定したかった。これまで竜なんて知らずに人として生きてきたから、人として竜を否定したかった。
否定したい、そう竜と向き合うとさ、分かってくんだよ。人間として否定したかった竜は間違いなく俺だってことがな。
どれだけ竜としての能力を恨んでも、嫌ってても。それでも竜は俺に付き従うから……だから、思ったんだ。
存在っていうかさ、種族?を人間から竜人、竜性種に改めたとしてだ。果たして俺という存在、そして意識は急に変わるか?
その答えは否だ。だからよ、俺は竜を俺の一部だって思うようにしたんだ。
ま、言っちまえば俺にとっての竜は俺を証明するための一つの手段に過ぎないってことだ。不満か?
『……朝倉奏多。解答エラー。竜性種、竜星種、ドラゴン種、劣等竜種に前例該当者なし。……解答を真性として受理』
『種族進化と真性進化を同一とし、
『進化を開始します』
ステータスに赤文字が流れた瞬間、体が軋む。肉が鳴り、骨が新たなカタチへと適応しようとしている。
【
まるで、膨大な魔力が体を汚染しようとしているみたいだ…!
だが、決して耐えきれない度合いじゃない。この程度、呑み込んでやらぁ!!
『この世で唯一の
瞼を開けて、理解する。なぜか、妙に視野が広い。以前だったら見えていないような隙間も、当然のように理解できる。
これが、新たな種族。竜人が進化した……
肉体だけじゃない。スキル面でも大変素晴らしい進化を遂げている。
〈
〈
完全新規の獲得スキル、〈
コイツらだ。確証はないが、
解析解析〜。
……あぁ、そういう。なるほどね、俺が乗りこなすには結構鍛錬が必要系なやつだな、こりゃ。
……ふふっ、ははは!!上等だ!クソ乗りこなしてやるよ!!
俺のドラゴンパワーでフルスロットルで強くなってみせる……!
同日、直属探索者専用の地下の設備にて、相沢春香は剣を構える。
「まさか、貴君から申し出るとはな」
「……っは、はぁ……私は、推しには近づかないタイプだったから」
相対するのは、かつて相沢が師事され、現在『推し』として扱っている「武王」南雲真也。
彼の武道着に埃はなく、汚れはなく、返り血もない。
なんとか剣を握っている相沢は血がところどころ流出しているのを見て、絶対的な差があること再確認する。
極度の潔癖症であり、他の三王よりも自己に誇りを持っている。自他共にその認識がある真也は、今顔を崩している。
顔ファンの者たちには決して見せられないような、「意味がわからない」という表情だ。
「ならば何故、直属へとなった」
「……っ、今でも、推しに近づきたいなんて思わない。近くになんていて欲しくないし、遠くから見ていたい。私はそれをしても強くなれる才能がある」
「別に私は大きい名声とかいらないし、このままで良いと思ってた。ぶっちゃけ、そこだけ切り取るなら私は今のままでもいい」
彼女は知った。自身の相棒とし、共に高めあう仲間は成長力が異常だということを。
きっと彼には人間の尺度で測るのは不適切だということも学んだ。
今は同等か少し上を行っているかもしれない……いや、もしかしたらもう上に行っているかもしれない。
そのことを戦いで学び、心底悔しいと感じた。
竜相手に人間が張り合うのは無理にもほどがある。理屈は頭でわかっている。
しかし、人間は理屈よりも感情で動きたがる生き物なので……「絶対に負けたくない」と決意を固めたのだ。
「ずっと追い越していたい人がいる。そのためには私の全てを使うしかないから……だから、頼るの」
「なるほど……青く、美しいな。良かろう、至高の天才。我が絶技、人間の底力というものを教えてやろう」
落ち着いてきた息を再び荒げる覚悟を持ち、剣を構える。
意識を少しでも外すために剣を飛来させるが、無意味。一瞬で叩き落とされたのち、至近距離で打撃を受ける。
瞬間移動を思わせる超速で近づいてきた真也に舌打ちを奏でつつ、獲得したばかりの《
しかし、容易に避けられる。
腹部の奥底で熱い感覚が迸る。
《
多重爆撃が降り注ぐ中、真也は拳を喰らわせる。
再度、熱い感覚が迸る。
受けたダメージを反射し、与える。
(まだできる)
反射は反響する。スキルの詳細の説明は見ていないのに、何となく分かって……可能となった。
けれど、まだ。まだ行けると本能が囁きだす。
わざわざエネルギーをカタチとするのは効率が悪い。
その考えはあったが、技量がそれを許さなかった。けれど、熱が迸る今なら不可能などない。
事象を確定する能力は魔剣へと宿り、ただの烏合ノ衆から面倒臭い軍団へと早変わりだ。
「
編み込まれた事象は確定へは至らない。しかし、本来至るはずだった因果に影響を出すことは可能となる。
「
炸裂した魔剣は再起する。僅かな魔力の消費と粉々に砕け散った魔剣の残骸。
「
完全に元通りと化した魔剣は集い、大剣となる。避ける、避けない……そんなこと関係ない。
質量と範囲の徹底的な暴力が場を刻む。
「……及第点、と言ったところか。明日から鍛錬を激しくしていく。貴君、覚悟をしておけ」
名称:朝倉奏多
レベル:43
種族:
スキル
〈
《トライブースト》
《バックブースト》
《カラミティ・ヴェルスチア》
《ノヴァ・クライシス》
《
〈
《ドライグ・パンサー》
《
《
《
〈
〈
名称:相沢春香
レベル:59
種族:人間
スキル
〈魔力剣術〉
《エストパズル》
《魔力増強》
《魔力効率良化》
《魔力システム》
《軌道修正》
《軌道強化》
《軌道操作》
《纏付ノ剣》
《スピード強化》
《パワー強化》
《テクニック強化》
《属性記憶》
《魔法再現剣》
《記号支配剣》
〈支援魔法〉
《ヒール》
《スタンドアップ》
《アジリティ》
《グラノーセル》
《グレートヒール》
《オーラアタック》
《マインドブレイヴ》
《ファストアップ》
《リアクト》
《アンサーボイス》
《メンタルフラット》
《センスアップ》
〈
《
《
《