「彩葉!当選した!SAOのβテストっ!!」「………は?」   作:未完成な人

1 / 5
超久しぶりなので初投稿です。


1話「彩葉!当選した!SAOのβテストっ!!」「………は?」

「つまんない〜ッ!!」

 

狭いアパートの一人部屋のなかに自分以外の人の声、それも隣の部屋から文句が出そうなくらいに大きな声が響き渡った。

 

「ちょっと!今何時だと思ってんの!?あんたには常識って…」

 

思わず自分が嫌いなはずの母親に似た言動でそんな声が出てしまうほどには大きく大げさだったその声の主はかぐや。

少し前の三連休に何の偶然なのか家の前のゲーミング電柱から出てきた赤ん坊を拾い、それがたった数日で自分と変わらない大きさまで成長した自称月から来たらしい宇宙人である。

 

「…って、常識なんて通じる相手じゃないんだった…。はあ…。」

 

彩葉は深々と溜め息をつき、自室のベッドに腰掛けた。額を押さえるその姿は、年相応の高校生というよりも完全に出来の悪い妹に振り回される苦労性の姉そのものだった。

「で、今度は何に文句言ってるのよ。」

「部屋の中だけで遊ぶの限界すぎる〜ッ!!あ、あとこれ!これこれ彩葉!なんなのこのゴツいヘルメット!彩葉自転車持ってなかったよね?それになんかケーブルも伸びてるし!」

 

かぐやが机の上から両手で持ち上げて見せてきたのは、どこか未来的ながらもどこか武骨なフォルムをした灰色の大柄なヘッドギア——『ナーブギア』だった。

 

「ナーブギアのこと?……あんだけネットに張り付いてたのに知らないの?今、世間でめちゃくちゃ話題になってるフルダイブ型の最新ハードだよ。」

 

「ふーるだいぶ?なにそれ」

 

「脳波を直接マシンと接続して、五感すべてで仮想空間を体感できる技術のこと。視覚も聴覚も触覚も、全部ゲームの中に持ち込めるの」

 

「へぇ~!それすごそうじゃん!じゃあさ、この中で超絶ド派手なライブとか、ズバババーンみたいなバトルのゲームができるってこと!?」

 

身を乗り出して目を輝かせるかぐやに、彩葉は少しだけ気まずそうに目を逸らし、言葉を濁した。

 

「……まあ、理論上はね」

「理論上?」

 

「要するに、ハードのスペックにソフトが全く追いついてないのよ。…まあモノは試しで、ほら、実際に被って中に入ってみたら?」

 

彩葉に促され、かぐやは「よーし!」と意気揚々とナーブギアを頭に装着した。布団に寝転がり、彩葉に教えられた起動ワードを叫ぶ。

「『リンク・スタート』!」

——数分後。

「……なにこれ」

 

ナーブギアを雑に脱ぎ捨てたかぐやは、露骨に退屈そうな顔で口を尖らせていた。

 

「なにあの無駄に立体的なジグソーパズル!あと『大自然の癒やし映像体験!』とか言って森の中をただ延々と歩かされるだけの奴!あんなの5分で飽きるんだけど!もっとこう……脳みそが痺れるような最高にハッピーでエキサイティングなやつはないわけ!?」

 

「だから言ったでしょ。五感を繋ぐ技術自体が新しすぎて、まだまともな『ゲーム』なんてどこも作れてないの。開発者だって試行錯誤の段階なんだから」

 

「ちぇーっ、期待して損した。せっかくのフルダイブなのに、宝の持ち腐れじゃん」

 

「私だって付属のゲームした後に損な買い物したーってめっちゃくちゃ後悔しまくったわよ」

「ぷっぷくぷー!」

 

ぶつぶつと文句を言いながらベッドの上でゴロゴロと転がるかぐや。そんな彼女を冷ややかに見下ろしながら、彩葉はふと思い出したように口を開いた

「……あ、でも。近いうちに『本物』が出るらしいよ」

「本物?」

 

「『ソードアート・オンライン』。ナーブギアの性能をフルに活かした、世界初の本格フルダイブVRMMORPG。……なんでも、今度大規模なβテストの参加者を募集するんだって」

「へぇ!どこ情報それ?」

 

「ヤチヨ。あの人、裏でVtuberだけじゃなくて、SAOの開発基盤のシステム構築にも一枚噛んでるらしくてさ……『最高の仮想世界が生まれる瞬間を、見てみたくはないですか〜?』なんて、思わせぶりに配信で言ってた。」

 

その言葉を聞いた瞬間、かぐやの目の色がガラリと変わった。飛び起きるようにベッドの上で立ち上がり、彩葉のスマホをひったくるように奪い取る。

 

「それだよ彩葉!かぐやが求めてたのはまさにそれ!ねえ、応募ページどこ!?今すぐ申し込む!!」

「ちょっと、勝手に人のパソコンいじらないでよ!……まあ、募集枠はたったの千人だし、どうせ当選倍率凄まじいことになってるから当たらないと思うけど……」

 

彩葉はあくびを一つ噛み殺した。すでに時計の針は深夜を回っている。ただでさえ突然転がり込んできた居候のせいで、ここ数日の睡眠時間は削られっぱなしだった。

 

「ねぇねぇ彩葉ぁ」

「ん……なに……もう寝るんだけど……」

 

「当たる確率少しでも上げたいからさ!応募フォームに彩葉の名前と住所も使っていいでしょ!二口応募!これ常識!」

「ん……好きにすれば……ふわぁ……おやすみ……」

 

彩葉は掛け布団を頭までかぶり、完全に背中を向けた。かぐやの「よっしゃー!」という歓声すら、すでに遠のく意識の中では心地よい雑音に過ぎなかった。

この適当な返事が、のちに自分たちをどんな事態に巻き込むことになるのか。

 

この時の彩葉は、まだ知る由もなかった。

 

——そして数日後。

「彩葉ーーーッ!!見た!?見た見た見た見た!?!?」

放課後、アパートのドアを開けて帰った瞬間にそのまま外に飛び出さん勢いで飛び込んできたかぐやが、いつの間にか買っていた自分のスマホの画面を彩葉の顔面に突きつけてきた。

「ちょっと静かにしなさいって!……何よ、一体」

「当たった!きたの!SAOのβテスト当選通知!!しかもね!当選確率上げるために彩葉のアカウントも借りて2つ申し込んでおいたんだけど……なんと、両方当たっちゃいましたーーーッ!!」

 

 

「……は?」

 

彩葉は一瞬、思考がフリーズした。

自分のスマホを取り出し、メールボックスを開く。そこには確かに、公式からの『【SAO】クローズドβテスト当選のお知らせ』という件名のメールが届いていた。

全国でたったの千人。

数万人?数十万人?いや数百万?が応募したと言われる超高倍率のプレミアチケット。それを、たった二口応募して二口ともブチ抜くなど、確率的に言ってもはや異常事態だ。

「やったぁぁぁ!これで彩葉と一緒にSAOができるじゃん!二人で最高のハッピーエンド目指して大冒険だよ〜っ!」

部屋の中でピョンピョンと跳ね回り、ダンスを踊るように歓喜を爆発させるかぐや。

 

(……二口応募して、両方当選……?)

彩葉はかぐやが泣いてるのか笑ってるのかよくわからない顔で狂喜乱舞する姿を、ただただ引きつった笑顔で見つめることしかできなかった。

宇宙人の持って生まれた異常すぎる強運と引きの強さに、心の底からドン引きしながら。




マジでノリだけで書いたから続きは考えてない。
誰かSAOと超かぐや姫!のクロスオーバーもっと書いてくれ…。
俺には…書く能力が…ない…ッ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。