前世の私が両面宿儺と仲良く古書に載ってた件   作:テン吉

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1話

 

 目が覚めると、そこは鬱蒼と生い茂った森の中だった。

 気温は寒くもなく暑くもなく。

 

 目線が以前よりも低いことに違和感を覚え、そこで初めて自分の手を見る。その際肩から不均等に伸びたボサボサの髪も見えた。

 

 

 ふぅわーお。白さが目立つちんまりとした幼い手に、ある言葉が頭に過ったね。ラノベでしか見たことがない設定だと思ってたけど、どうやら私にも適用出来たらしい。

 唐突だが、私には前世の記憶がある。ドラマや映画、アニメ、漫画などジャンルに富んだオタクを満喫していた記憶が。

 そんな雑食系とも呼ばれるオタク人生を歩んできた私だったが唐突に死にました。

 死因は覚えてません。けれども死ぬ前までハマっていたものは覚えている。

 呪術廻戦っていう、黒服の男たちが怪しい現場で悪と戦うっていう奴ね。

 説明が下手くそなので、某小学生探偵っぽくなってしまったのは許したまえ。

 

 それより、重大なことを1つ発見してしまった。

 身体からゆらゆらと湯気のように立っているコレ......。もしかして、もしかしなくても、ハン〇ーハ〇ターに出てくるオーラという奴では? オーラというのは簡単に言うと生命力が出すパワー的なもので、要約すると、これを放出してるってことはどんどん体力を消耗しているってことになる。

 

つまり......止めないと死ぬ。

 

ちなみにプロになると意識せずに身体に纏わせることなど容易らしい。

しかし如何せん、こっちは一般人! 

 

私なんかが出来るだろうかと涙目ながら踏ん張る。

 

 が、いくら経っても出来ない。

 

何度も何度も繰り返したが、見える光景は自分のオーラが未だに漏れている事実だった。それにしてもオーラを放出したままなのに、まだ生きているとは......。

 

もしかして私って生命力が凄い? 

 

と、嬉しくなった時点で、ガクンと膝が地面につく。

 

どうやら限界に近いようだ。ふぬぬぬぬ、と小さな拳に力を入れて、足も地面に押す感じで全体的に止めるイメージをした。

 

すると徐々にオーラが身体の内へ入っていくのが見える。イメージはそこらのおば様もびっくりな毛穴パック!! 

 

 

オーラ様、めちゃくちゃギリギリでしたが最後に言うことを聞いてくれてありがとうございます。

 

 

 

 

 そこで、タイミングよく私は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 偶然にも旅人のおっちゃんがぶっ倒れた私を発見し、介抱してくれたらしい。

 

聞けばここら辺は『鬼神』と呼ばれる怪物が時々出るとのこと。

 

 

「お主のような子供が山を彷徨くでない」と優しく嗜めてくれた旅人のおっちゃんは、これからその鬼神を退治しに行くとか。

 

 

神って名前が付いているのに退治とは中々に不思議なものである。

 

 

「おじちゃん、何か手伝えない?」と一応聞いてみたが「ならたんとお食べ」とおっちゃんの昼飯さえも貰ってしまった。

抗菌作用のある笹の葉に包まれたおにぎりは優しい味がした。

 

 

 おっちゃんを見送ってから私は少しこの先について考えた。

 

 

先ほどの話もあり、すぐに体力作りを始めた方が良さそうである。

 

オーラがあるということは、ここはハンターハンターの世界のはず。

 

鬼神というキャラクターは聞いたことも見たこともないが所詮は漫画の世界。何かしらアクシデントは付き物だろう。

 

 

つまり、吹き出しを変態グッズに使ったりする変態や、家が観光名所になってしまった暗殺一家がある可能性があるのだ。そこでだ、そんな所に私という一般人が入ったら一コマで終わる。

 

というわけで、そんなことが終わらないようにせめて1巻分は生き残れるようにしなければならない。

 

 

 オーラを強化するには、冒頭でも言った通り体力作りがメインとなる。ジャジャーン。そこで私はトレーニングメニューを木の棒で地面に書いてみた。

 

 持久走、スクワット、腹筋、腕立て伏せ、プランクなどなど......。

 

 

よぉーしやるか! 

 

と思っても、すぐに行動出来る訳がなかった。

 

 

悲報、運動する前に体力無くて倒れる私。

 

 

理由としては新しく手に入れた身体がまだ万全ではないということ。痩せ細っているこの身体にいま必要なのは健康だ。体力作りって、健康面も考えないといけないからね。

 

 

 

 

 そこでまず行ったのが山菜集めだった。

 ヨモギやつくし、タラの芽、コシアブラなど前世で覚えた食べられるものを手に取っていく。

 

タラの芽とコシアブラはヤマウルシという植物と似ており、触るともれなく触れた箇所がかぶれてくる。

 

といっても赤くなるのは早くて8時間後なので洗えば問題ないのだけれど。そこでもまた前世の知識が役に立った。

 

 

 次に肉だが、ウサギを狙おうとして速すぎて追い付けなかったり、時々凶暴なイノシシが出てきて最初は慌てたりしたものの、罠を設置して食べれるようにした。

硬くなっちゃうのは好きじゃないけど肉は十分に焼いて食べた。

 

 

 自分の分を集めたあとは、途中で会う旅人たちに売ったりもして資金を集めたりもした。

 

 

微々たるものではあるが無いよりはマシだし、交換してくれるだけでもありがたい。

 

 

 そしてその金は土に埋めて隠した。ここら辺は地形が関係してきて自分にしか分からない場所に埋めてある。

 

 

 ちなみに1週間まではそれでいけた。

 

 

 

 が、問題はそれ(食糧)だけじゃない。

 

 家や身だしなみとかも後々関わってくる。なんなら鬼神様の山(つまりここ)でもいいから風呂に入りたい。

 

 だが残念ながら天然温泉は無い。

 

 

 うーん? と寸分考えた末は、森から抜け出すことだった。

 

 

 えっと、旅人が来た方向が山の天辺だから......私は麓の方側に降りればいいのだろう。気づいたことの内の1つだが、旅人の足はそんなに汚れてはいなかった。

 

 ということは、直ぐ近くに民家や店があることになる。

 

 

 それか、足を綺麗にするものでも持っていたか。

 

 

 後者はこの時代の古さなので無さそうだから、必然的に前者の考えに至った。

 山を降りる際に木々の中から旅人から盗み聞いた話だと、鬼神というのは、女子供にも容赦しなくて、一部の地域だと信仰されてて、

 

 

 ......腕が四本あって、うん。

 

 

 ......身体には紋様が出ているんだね。

 

 

 

 「oh......」

 

 

 

 頭痛のするパワーワードばかりで思考が止まりそうになる。

 

 鬼神はジュジュツシらしい。

 

 

 そして今はあまり召集されてないものの、数多のジュジュツシが鬼神に葬られているとも。

 

 

 あ、頭が痛くなってきた。

 ジュジュツシ? 

 あっ、呪術師ね。

 

 オーケーオーケー......な訳あるかい。

 今のもろ両面宿儺の説明だったよね?そうだよね??

 

 

 あっれ可笑しいなぁ、ここハンターハンターじゃないの? 

 

 もし呪術廻戦だったらハンターハンターと生存率同じじゃないですかオイ。

 

 

 両面宿儺と言えば、女・子供を好き好んで虐めるっていうクラスの男子みたいな奴だぞ。それもラブじゃなくてキルの方の。

 

 

 と、そこまで来て私は身体をピタリと石のように止めてしまった。

 

 そんな馬鹿な......と事実を否定したいにも関わらず、脳内でとある考えに至った。

 

 否、至ってしまった。

 

 

 

 _____推しの五条悟よりも先に生まれてない?? 

 

 

 

 

 あたち、(見た目年齢的に)10歳。

 転生して約1週間、とんでもない事実に気づきました。

 

 

 

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