はいどうも、身が縮こまっている幼女です。
え? どうして身が縮こまってるかって?
では逆に聞くが、目の前に腐敗臭のする気持ち悪い呪霊が居たらどうする?
答えはビビるに一択でしょう。
だってまだ戦えないから☆
......。
「イヤァァァァァァ」
エンダァは要らない悲鳴が辺りに響き渡る。
あのあと___推しより年寄りっていうダジャレみたいな事実に悲観していたら、その場に急に出てきたんだ。
呪霊が見えるには『死の間際』か、『呪力を操れる者』のみ限定される。だけど見えるようになったのは、死の間際ではなくオーラを出せるようになってからだった。
半ば答えに辿り着いてなくもない。
つまりオーラが呪力の代わりになっているのだろう。
ちなみに呪力とか、なんか凄そうな力の雰囲気は今のところ私には無い。
それにしても頂上に両面宿儺が要るからか、戦って死んだ呪術師達のせいか。理由は絞れないものの、取り敢えず呪霊が引き寄せられているんだと考えられる。
待って、私めっちゃ不幸じゃん!!
木々を利用して身を隠しながら逃げていくと、追い掛けてくる呪いの容貌が見えてくる。
呪霊はスライムみたいな形をしていた。
と言っても水色の透明ではなく不透明の黒一色。
呪霊が目を反らすタイミングを狙い、運良く近くにあった木に背中を当てつつ、ズルズルとしゃがみこんだ。
チラリと呪霊に目を向ければ、呪霊は辺りを見回していた。
どうすれば逃げられる?
どうすれば助かる?
......落ち着け。
呼吸に意識すると自然と落ち着くことを思い出し、呪霊から目を離さずにスゥ......と息を深く吸う。
そしてゆっくりと息を鼻から出していく。
よし、落ち着いた。
呪霊は同じ類である呪力でしか祓えることは出来ない。......いや待てよ? じゃあオーラは? そもそも見えるようになったのはオーラのおかげ。
それにオーラはこの原作には無い能力だからもしかしたら効くかもしれない。
でも効かなくて、かえって呪霊を助ける役割を果たしてしまうかもしれない。嘘でしょ究極の選択じゃん。
考えに考えた結果____逃げることにした。
というのも、悩んでいる内に山を登ってきた呪術師たちにあっという間に倒されていた。
身の危険が無くなったあとで言うのもアレだが、私は普通の逃げをしたくはない。
次に会った時は絶対に強くなって究極の選択以前に倒してやる。
そう強く心に決めたとき、オーラが揺れた気がした。
さて、一刻も早く人里に行かなければ。
キャー! 宿儺さんのエッチ!!
っていう1秒もしない内に殺されそうな風呂でもいいから入りたいんだ。いや......やっぱり入りたくない。
もし両面宿儺の前で風呂に入れるとしたらヒロインポジションにいる伏黒恵ちゃんしかいない。
伏黒プロデューサーともファンの間で呼ばれてるみたいだし。
ちなみに風呂が誕生した時期は解明されてないので、下山して風呂っていうのは賭けである。
閑話休題。いざ、風呂へ......!!
と、思うでしょ。
結果的に風呂には入れた。
風呂には。
恐ろしいものを見るような目で見られながら入った。
旅人以外で初めて会った人に言われた言葉?
風呂屋の人で「金は要らないから早く出ていけ」って言葉だよ。
悲しみよりも先に無料に飛び付いた私はお礼を言って入った。
あ、でも山で採れた山菜はあげた。
目の前で踏まれて捨てられたけど。
何が言いたいか。人里には行った。
が、「あの山から下山してくるなんて」「人ならざるものは近づかない方がいい」だの、なんの言われ放題で、こう......クるものがある。
確かに見えない人からすれば、いきなり殺してくる正体不明の殺人鬼がいるみたいで怖いもんね。
でもそれを見た目子供の私までにする必要はなくない?
あ、もしかして私の正体知ってるとか。
やだなぁ、人付き合いに年齢なんて関係ないのに。
でもそれさえも分かってしまうのが悲しいものだ。
というわけで戻ってきたでござる。
迷惑承知だけど風呂は最低でも1週間に一回は行くとして。
......私、とんでもない時期に来ちゃったなぁ。