パパ黒と手を繋ぎながらビルを出ると、漫画で見たあの韓国籍の元刑事さんと覆面パトカーっぽいト●タの車が待っていた。
パパ黒は覆面パトカーのドアが運転手によって開けられると乱暴に呪詛師を放り込んだ。
その光景に呆れながらも元刑事の人は「協力感謝する。金は振り込んでおいた」「二度と頼むな」「どうだろうな」とパパ黒と話していた。
が、刑事がこちらを見たことによって会話の内容が変わる。
「禅院......。手を繋いでるのはお前の子か?」
目が合わさる。「馬鹿言え。コイツは......」と、そこで言葉を止めるパパ黒が居た。
下手に言われるより前に、にこやかに「一般人です!」と言っておいた。
元刑事さんはブフッと吹き、パパ黒はマジかという目で凝視してきたけど知らん。
熱い視線はおやめ下さい。
パパ黒が居る側だけ焦げます。
パパ黒と視線を交わし合っているのも飽き、前を見れば、元刑事さんがパパ黒と私をじっと見ていた。やだ恥ずかしい。
「巻き込まれたんだ。早く両親の元に_____」
ぐきゅるるるるるる。
「......」
突如鳴り響いた音に元刑事さんとパパ黒の動きが止まる。
私は顔が急速に熱くなるのを感じた。
「......」
「......」
「......飯奢ってから両親の元に返せよ」
酷い音だ、と言われた。
その言葉が酷いのだが言い返せる筈もなく、顔を熱くさせながらうつ向いてしまう。
そのあと、元刑事さんは覆面パトカーに乗って行ってしまった。
ちなみにパーカーは回収された。
恐る恐る横を見れば心底面倒臭そうなパパ黒の姿が。
黙って置いていかれるかと思ったが、ひとまずそれは無いらしい。
数分して「使え」と一言だけ言われて、ぐいっと2つ折り携帯を渡された。早くスマホになって欲しいものである。
それにコレ、渡されただけだと私じゃない同じ年頃の幼稚園児ならすぐに理解出来ないぞ。
遠い目になりつつ親の携帯の番号を入力していく。
その様子を物珍しそうに見ていたのも薄々気付いてるけど、あえて無視させて貰った。
通話ボタンを押すとワンコールの内に出てくれた。
声からして父のようだ。
『仁志か!? 大丈夫か!? いま何処にいる!?』
「無事だよ。今は高そうなビルの前」
『そうか!! じゃあそこから近い店の中に入りなさい! 外にずっと居るのは危険だ! パパとママはな、直ぐに行きたいけど何でか警察に引き留められててな!! 今すぐにでも向かうから!! 待っててな仁志!! 必ず行くから!!!」
と、そこで思わず隣を見た。
頼むから『あちゃー』な顔をしないでくれ。犯人わかっちゃったじゃん。
言いづらそうに「......秘匿性の高い仕事だったんだよ」と言われたが、もはや幼稚園児に対する説明を省いている。
その方が伝わりやすいんだけど何とも言えない感が拭えないのは何故だ。
じっと見ていると耳に当てていた携帯を奪われ、勝手に切られた。
お互い黙り込む時間が出来るも、少し経ってから「上が何か伝えるだろ」と付け足された。
適当過ぎか!