アニメや漫画に関する話題が教室へ定着し始めてから、数日が経過していた。
当初は櫛田や軽井沢、
池や外村といった一部の生徒だけが盛り上がっていたものの、
今では休み時間になるたび、
教室のどこかで必ずアニメやゲームについての会話が始まっている。
流行に直接関心を持っていない生徒であっても、
頻繁に耳へ入ってくる作品名や登場人物の名前くらいは覚えるようになっていた。
オレも、ひよりから借りたライトノベルをすでに二冊読み終えている。
堀北は須藤から借りたバスケットボール漫画を五巻まで読み進めていた。
それでも、オレたちは自分たちが作品へ熱中しているとは考えていなかった。
ライトノベルについては、
二次元文化を理解するために必要な資料を読んでいるだけであり、
堀北も漫画に描かれた選手たちの心理状態や、
成長過程を確認しているにすぎないと説明していた。
少なくとも、本人たちはそのつもりだった。
しかし、周囲の生徒たちは、すでにオレたちを初心者として扱い始めている。
「綾小路、昨日貸したゲームの実況動画見た?」
朝、席へ座って間もなく、池が振り返って尋ねてきた。
「途中までは見た」
「どこまで?」
「主人公が最初の街を出たところだ」
「そこから一気に面白くなるぞ。仲間が増えるし、最初のボスも出てくるからな」
「一時間以上見たが、まだ序盤なのか」
「序盤どころか、ほとんどチュートリアルだぞ」
池は当然のように答えた。
オレが見た動画は二時間近くあったが、それでも物語全体のごく一部にすぎないらしい。
映像作品とは違い、ゲームでは自分で登場人物を操作しながら進めるため、
一つの作品へ費やす時間が長くなる。
その代わり、自分の選択や行動によって物語へ参加している感覚を得られるのだという。
「綾小路は、ああいうゲーム向いてそうだよな」
「なぜそう思う」
「考えるの得意そうだし、戦闘もすぐ上手くなりそうだから」
「実際に操作したことはない」
「だったら今度やろうぜ。俺の部屋来いよ」
池が気軽に誘ってくる。
以前なら、池から部屋へ来るよう誘われても、特に理由がなければ断っていただろう。
しかし、ゲームというものを理解するためには、実際に操作してみるのが最も早い。
「時間が合えばな」
オレが答えると、池は嬉しそうに笑った。
「絶対来いよ。初心者向けのやつ用意しとくから」
「綾小路くん、随分と順調に染まってきたね」
池の隣から櫛田が笑顔を向けてきた。
「染まっているつもりはない」
「でも、アニメも見てるし、ラノベも読んでるし、今度はゲームも始めるんでしょ?」
「知識の範囲を広げているだけだ」
「そういう言い方、堀北さんとそっくりになってきたよ」
櫛田の視線が、オレの隣へ向けられた。
堀北は机の上へ教科書を開き、こちらの会話には関心がないような顔をしている。
ただし、教科書の下には須藤から借りた漫画が隠されていた。
表紙の一部が机の端から見えている。
「堀北さんは、もう八巻まで読んだんだよね?」
櫛田に話を振られ、堀北は僅かに眉を動かした。
「六巻までよ」
「昨日は五巻までだったよね?」
「須藤くんが次の巻を持ってきたから、返却する前に確認しただけよ」
「一晩で一冊読んだんだ」
「漫画一冊程度なら、それほど時間はかからないでしょう」
「どうだった?」
「何が?」
「試合のところ」
櫛田が尋ねると、堀北はすぐに答えなかった。
興味がないと言い張るなら、内容について話す必要もない。
しかし、堀北は考え込んだ末、教科書を閉じた。
「あの状況で主人公を交代させた監督の判断は正しかったと思うわ。
本人はまだ出場したがっていたけれど、疲労で視野が狭くなっていたし、
無理をさせれば次の試合へ影響が出るもの」
「やっぱりちゃんと読んでるじゃん」
「読んだ以上、内容を把握するのは当然でしょう」
「主人公が交代を嫌がったところ、ちょっと可哀想じゃなかった?」
「感情だけで試合を組み立てることはできないわ。
ただし、ベンチへ戻った後も声を出して仲間を応援していた点は評価できると思う」
堀北は、そこで一度言葉を止めた。
「以前の彼なら、交代させられたことに腹を立てて、
周囲へ当たり散らしていたでしょう。自分が試合へ出ることより、
チームが勝つことを優先できるようになったのは、明確な成長だわ」
櫛田は楽しそうに堀北を見つめている。
「何かしら」
「ううん。堀北さん、漫画の感想を話す時は結構熱いんだなって思って」
「私は客観的に分析しているだけよ」
「そういうことにしておくね」
櫛田が笑うと、堀北は不満そうに視線を逸らした。
その直後、教室の中央から軽井沢の大きな声が聞こえてきた。
「ねえ、ちょっと待って。今の声、もう一回やって!」
軽井沢は佐藤や松下と共に、端末の画面を見ていた。
何かの映像を再生していたようだが、その視線は画面ではなく堀北へ向けられている。
「何の話?」
櫛田が尋ねると、軽井沢は端末を持ったまま近づいてきた。
「今、昨日のアニメ見返してたんだけどさ」
「授業前から何をしているの」
堀北が冷たい目を向ける。
「堀北さん、今の台詞もう一回言ってみてよ」
「今の台詞?」
「ほら、さっき言ってたやつ。感情だけで試合を組み立てることはできない、とかいうやつ」
「なぜ私が同じことを言わなければならないの?」
「いいから、お願い」
軽井沢は何かを確信したような表情をしている。
堀北は面倒そうにしながらも、軽井沢を追い払うために同じ言葉を口にした。
「感情だけで試合を組み立てることはできないわ。これで満足?」
その瞬間、軽井沢だけでなく、隣にいた佐藤と松下まで目を見開いた。
「やっぱり似てる!」
「似てるね」
「思ったよりそっくりかも」
三人が顔を見合わせながら頷く。
「何が似ているの?」
堀北は怪訝そうに尋ねた。
「待って!」
佐藤が勢いよく手を挙げる。
「もう一つお願い!」
「まだあるの?」
堀北は眉をひそめる。
佐藤は期待に満ちた目で身を乗り出した。
「今度は『んー!んー!』って言ってみて!」
「……は?」
堀北は一瞬、何を言われたのか理解できなかった。
「嫌よ。どうしてそんな意味不明なことをしなければならないの?」
冷静に言い返す。
しかし、軽井沢と佐藤、そして少し離れて話を聞いていた外村まで駆け寄ってくる。
「お願い!」
「一回だけ!」
「拙者もぜひ聞いてみたいのでござる!」
三人は綺麗に頭を下げた。
「お願い!なんでもしますから!」
あまりにも必死な三人を見て、教室のあちこちから笑いが漏れる。
堀北は額へ手を当て、大きく息を吐いた。
「……今、なんでもって言ったわね?」
その一言で三人の動きが止まる。
「次の特別試験では、必ずクラスへ貢献すること。それが条件よ」
軽井沢は真っ先に敬礼した。
「イエッサー!」
佐藤も負けじと姿勢を正す。
「了解です!」
外村まで胸を張る。
「拙者も命を懸けるのでござる!」
「そこまで大袈裟にしなくてもいいわ……」
堀北は小さくため息をつき、周囲を見回した。
教室中の視線が自分へ集まっている。
断れば、また延々と頼み込まれるだろう。
そう判断した堀北は、観念したように肩の力を抜いた。
「一回だけよ」
そう前置きすると、軽く咳払いをする。
そして、少しだけ頬を赤らめながら、小さな声で口を開いた。
「んー……」
教室が静まり返る。
「……んー……」
柔らかく、どこか愛らしい響きが教室へ流れた。
数秒の沈黙。
その直後だった。
「すごい!」
軽井沢が思わず机を叩く。
「本当にそっくり!」
佐藤は両手で口を押さえながら目を輝かせた。
「かわいい!」
外村は感動したように何度も頷く。
「拙者、完全に脳内再生されたのでござる!」
周囲の生徒たちも口々に歓声を上げる。
「本人じゃん!」
「声優さん本人かと思った!」
「やっぱり堀北ってすごい!」
堀北は耳まで赤く染めながら、じろりと三人を睨んだ。
「……これで満足?」
「大満足!」
堀北は呆れたように肩をすくめたものの、
その表情にはほんのわずかに照れ隠しのような笑みが浮かんでいた。
軽井沢は端末の画面を操作し、動画の再生位置を少し戻した。
「これ聞いてみて」
画面から、女性キャラクターの声が流れ始めた。
舞台は大正時代を思わせる町並みで、
和服姿の少女が傷ついた主人公を守るように立っている。
少女は普段は口数が少ないらしく、落ち着いた低めの声で敵へ言葉を投げかけていた。
「この人?」
堀北が映像を見ながら尋ねた。
「そう。今すっごく人気の大正剣戟奇譚アニメのヒロイン」
櫛田も映像へ顔を近づける。
「確かに似てるかも。声の高さもそうだけど、言葉の最後の感じがそっくりだね」
「私には分からないわ」
「本人だから分かりにくいんじゃない?」
佐藤が言った。
池や本堂も会話を聞きつけ、こちらへ近づいてくる。
「何だ何だ?」
「堀北の声がアニメのヒロインに似てるんだって」
軽井沢が説明すると、池は端末から流れる声と堀北の顔を交互に見た。
「本当だ。結構似てるぞ」
「お前も知ってるのか」
オレが尋ねると、池は当然のように頷いた。
「今期で一番話題になってる作品だぞ。
あのヒロイン、喋ることは少ないけど人気がすごいんだ」
「なぜ人気がある」
「可愛いし、強いし、主人公のお兄ちゃんを守ろうとするからだろ」
「それだけ?」
堀北が尋ねる。
「それだけって、十分だろ」
「台詞が少ないなら、人物像を理解しにくいのではないかしら」
「表情とか動きで分かるんだよ」
外村も席から立ち上がり、会話へ加わった。
「大正剣戟奇譚に登場する妹姫は、言葉による表現を抑えているからこそ、
細かな仕草や視線の動きが重要なのでござる。
特に主人公を庇う場面では、戦闘の激しさと兄妹の絆が同時に描写され、
視聴者の心を掴んだのでござるよ」
「妹姫という名前なの?」
堀北が尋ねた。
「正式な名前は別にあるのでござるが、
ファンの間では親しみを込めて、そう呼ぶ者も多いのでござる」
軽井沢が堀北の顔を眺め、急に笑い出した。
「堀北さんも妹じゃん」
「それがどうしたの?」
「声が妹姫に似てて、本当にお兄さんがいるんでしょ。条件揃いすぎじゃない?」
「勝手に条件を揃えないでちょうだい」
「しかも黒髪だし、強いし、普段あんまり喋らないし」
佐藤も数え始める。
「ちょっと近寄りがたいところも似てるかも」
松下まで加わった。
「顔立ちも整っているから、衣装を着せたら似合いそうだね」
「着るつもりはないわ」
堀北は即座に拒否した。
しかし、周囲の生徒たちはすでに堀北の言葉を聞いていなかった。
軽井沢は端末で何かを検索し、妹姫の画像を次々と表示している。
「見れば見るほど堀北さんに見えてきた」
「全然違うでしょう」
「髪型ちょっと変えればいけるって」
「いきません」
「櫛田さん、今度堀北さんに衣装着せようよ」
「楽しそうだけど、本人が嫌がってるから」
櫛田は笑いながらも、完全には否定していない。
池が調子に乗るように声を上げた。
「じゃあ今日から堀北のこと、姫って呼ぶか」
教室の空気が一瞬止まった。
堀北はゆっくりと池へ顔を向けた。
「池くん」
「な、何だよ」
「もう一度言ってみなさい」
「いや、冗談だって」
池はすぐに視線を逸らした。
しかし、軽井沢は気に入ったらしい。
「いいじゃん。鈴音姫」
「軽井沢さんまで悪ふざけをしないで」
「だって似合うし」
「似合うかどうかの問題ではないわ」
「堀北姫でもいいよ」
「どちらも認めないわ」
堀北が強い口調で否定するほど、周囲は面白がっていた。
須藤までバスケットボール漫画から顔を上げ、堀北を見ている。
「確かに姫っぽいかもな」
「須藤くんまで何を言っているの?」
「いや、普段から偉そうだし」
「誰が偉そうなの?」
「悪い。今のは忘れてくれ」
須藤は視線を漫画へ戻した。
平田は困ったような笑顔を浮かべながら、騒ぎを収めようとしている。
「みんな、堀北さんが嫌がっているから、そのくらいにした方がいいんじゃないかな」
「平田くんの言う通りね」
堀北は救いを求めるように平田を見た。
「でも、本当に声は似ていると思うよ」
平田が続けると、堀北の表情が固まった。
「平田くんまで……」
普段は周囲から距離を置かれがちな堀北が、
アニメのヒロインと声が似ているというだけで、クラスの中心へ引き込まれている。
本人にとっては不本意だろうが、
周囲の生徒たちは堀北をからかうだけではなく、明らかに親しみを持って接していた。
それまで堀北を冷たく近寄りがたい人物だと考えていた女子生徒たちまで、
彼女へ積極的に話しかけている。
「姫、この問題教えて」
授業前、佐藤が教科書を持ってきた。
「その呼び方をやめなさい」
「じゃあ堀北さん、この問題教えて」
「最初からそう呼べばいいでしょう」
「やっぱり教えてくれるんだ」
「分からないまま授業を受ければ、クラス全体へ影響が出るもの」
堀北は文句を言いながらも、佐藤の教科書へ目を通した。
少し離れた場所では、軽井沢が他の女子生徒へ妹姫の画像を見せている。
「ほら、この表情とか堀北さんっぽくない?」
「本当だ。似てる」
「今度、同じ髪飾りつけてもらおうよ」
「本人に聞こえるわよ」
「聞こえてるわ」
堀北の低い声が飛び、女子生徒たちが笑った。
本人が望んでいない形ではあるものの、
堀北は以前より明らかにクラスへ馴染み始めていた。
オレはその変化を観察しながら、流行が人間関係へ与える影響について考えていた。
共通の話題は、立場や性格の違いを越えて人を結びつける。
堀北の声がアニメの人物に似ているという発見は、
それまで彼女へ話しかける理由を持たなかった生徒たちに、新しい接点を与えていた。
「綾小路くんはどう思う?」
櫛田が突然尋ねてきた。
「何についてだ」
「堀北さんの声、本当に似ていると思う?」
オレは再び端末から流れる声を聞いた。
音の高さや話す速度、語尾の抑揚には確かに共通点がある。
「似ていると思う」
オレが答えると、堀北が鋭い視線を向けてきた。
「あなたまで周囲に合わせるの?」
「質問へ正直に答えただけだ」
「少しくらい否定してくれてもいいでしょう」
「似ているものを似ていないと言う理由はない」
「あなたには協調性というものがないの?」
普段の堀北なら、周囲へ合わせて事実を曲げる必要はないと言うはずだった。
自分が話題の中心になったことで、いつもの主張を維持できなくなっているらしい。
「それに、姫という呼び方も完全に間違っているとは思わない」
「どういう意味?」
「お前は以前から、周囲へ命令することが多い」
「私は必要な指示を出しているだけよ」
「扱いとしては近いかもしれない」
「後で覚えていなさい」
堀北が低い声で言うと、近くにいた軽井沢が笑い始めた。
「今の言い方も妹姫っぽい!」
「もう黙りなさい!」
堀北の声が教室へ響き、さらに笑いが広がった。
その日の昼休みには、堀北の声に関する噂が他のクラスまで伝わっていた。
廊下を歩いていると、すれ違う生徒が堀北を見て小声で何かを話している。
「本当に似てるのかな」
「ちょっと喋ってもらいたい」
「でも怖くて声かけられないよ」
堀北にも聞こえているはずだが、すべて無視して歩いていた。
「いつまで続くのかしら」
「流行が収まるまでじゃないか」
「その頃には、別の呼び方として定着していそうで嫌なのだけれど」
「可能性はあるな」
「他人事だと思って楽しんでいるでしょう」
「楽しんでいるわけではない」
「では、その僅かに緩んだ口元は何?」
「気のせいだ」
オレたちは図書室へ向かっていた。
ひよりから借りたライトノベルを返却するためだ。
図書室へ入ると、ひよりは前回と同じ窓際の席にいた。
今日は小説ではなく、漫画を読んでいる。
こちらへ気づくと、本を閉じて微笑んだ。
「綾小路くん、堀北さん。こんにちは」
「こんにちは」
「本を返しに来た」
オレは借りていた二冊を差し出した。
ひよりは受け取りながら、少し嬉しそうに尋ねた。
「いかがでしたか?」
「読みやすかった。主人公の考え方にも理解できる部分が多かった」
「それは良かったです」
「ただし、自分は一人でいいと言いながら、
誰かに理解されることを期待している点は矛盾している」
「人間は、いつも自分の気持ちを正確に理解できるわけではありませんから」
ひよりは穏やかに答えた。
「一人でいたいという気持ちと、
誰かと繋がりたいという気持ちが、同時に存在することもあると思います」
「両立するのか」
「すると思います。誰とも関わりたくないのではなく、
傷つきたくないから距離を置いている人もいますから」
ひよりの説明を聞き、オレは物語の主人公についてもう一度考えた。
彼が避けているのは人間関係そのものではなく、拒絶される可能性なのかもしれない。
「次も借りますか?」
「そうだな」
「学習のためでしょうか」
ひよりは少しだけ楽しそうに尋ねた。
前回、オレが二次元文化の学習だと説明したことを覚えているらしい。
「今のところは」
「いつか、普通に読みたいと言える作品が見つかるといいですね」
ひよりは棚から次の巻を取り出し、オレへ渡した。
その間、ひよりは堀北を何度か見ていた。
「何かしら」
堀北が気づいて尋ねる。
「失礼しました。少し気になってしまって」
「私の声のこと?」
堀北はすぐに察した。
「はい。先ほど、図書室でも噂を聞きました」
「ここまで広がっているのね」
堀北は深く息を吐いた。
「椎名さんも、私の声がその人物に似ていると思う?」
ひよりは迷った様子を見せた。
正直に答えれば堀北が不機嫌になり、否定すれば嘘になると考えているのだろう。
「雰囲気は似ていると思います」
ひよりは慎重に答えた。
「声だけではなく、雰囲気まで?」
「凛としていて、近寄りがたく見えるのですが、本当は優しいところも似ていると思います」
堀北は言葉を失った。
からかう意図のないひよりから言われたことで、反論しにくくなったらしい。
「私は、あの人物のように誰かへ甘えたりしないわ」
「妹姫も、ほとんど甘えませんよ」
「そうなの?」
堀北が思わず尋ねる。
ひよりは僅かに微笑んだ。
「気になるのでしたら、作品を見てみますか?」
「気になるとは言っていないわ」
「そうでしたか」
「ただし、私と似ているという評価が正しいか確認する必要はあるかもしれないわね」
また学習や確認という言葉を使っている。
ひよりはそれを指摘せず、作品を視聴できる場所だけを教えた。