魔法 : 【選択肢】 作:ゴリラの右地区美
初投稿かも。
「あ、お…おはよう、ございます…」
「…はよー。毎日早いネ、メルルは」
俺達が持ってるスマホには特にアラーム機能とかはない。よって、起きる時間はマジで人によって違うし、大体は音量をMAXにしてゴクチョーからの自由時間通知をアラーム代わりにしてるらしい。
一方で、俺はメルルに起こしてもらってる。メルルはいつの間にか寝ていつの間にか起きてるから、なんか老人っぽいヨネ。
「その……体は、大丈夫ですか…?」
「ダイジョーブ、ダイジョーブ。痛くはないから」
メルルは俺の右腕に視線を向ける。ほんのりと赤く、真ん中が青く変色した腕。若干重度の打撲ダネ。
事が起きたのは一昨日。三馬鹿のエマ、シェリー、ハンナが看守に襲いかかって、無事失敗した。前回はヒロが殺されたから看守の恐ろしさが皆に伝わってたけど、今回はそーゆーの無かったから。
看守を甘くみたのと、シェリーの魔法が戦闘向きだったのが勝機を演出してしまった。失敗だけじゃなくて、シェリーが殺されそうになりまして。
そこでマーゴが【モノマネ】の魔法でゴクチョーの声帯模写をして止めようとしたけど、悪い意味で看守が反応してマーゴに襲いかかりまして。
きゃー、危なーい。となったトコロで【強制選択肢】くんがアホな選択肢を出しまして。色々あってマーゴは脇腹を軽く刺されて、俺は庇う形で大鎌の柄を右腕で受けてべキリと折られて。メルルの【治療】で骨は繋がったからモーマンタイやけど。ナノちゃんを盾にするよりはマシだね。
てか【強制選択肢】さんはどーして看守が関わるとナノカを盾にしたがるの?
「無茶はしないでください…!私には、重傷は……治せないんです……」
「たはは、ごめんごめん」
そうは言われても、無茶の基準って難しいよねってハナシ。そーゆーのって、正常な危機感があって初めて認識出来るラインじゃん。
残念ながらソレが曖昧だ。俺としては、【結果】を比べてマシな方を選ぶのが普通で。過程はさほど重要じゃないワケで。
例えば今回、もし俺がマーゴと傷の分け合いをしなければ、マーゴが脇腹を抉られて死亡、或いは重傷で暫く動けなくなる。
対して【強制選択肢】で俺が動いた結果、俺は右腕を粉砕されてマーゴは脇腹を数センチ刺された程度。俺のは活動可能な範囲までメルルの【治療】で治って、マーゴは出血こそ酷かったけど怪我自体は大したこと無かった。
俺の腕が優先的に治されてマーゴが後回しになったから、昨日までメルルの付き添いで医務室で過ごしてたけど、今は完治してるハズだし。
マーゴが死ぬか重傷だった【仮定】と、俺とマーゴがそれぞれ傷を負うけど一日二日で復帰する【仮定】。それを比べて、俺は後者を取った。メルルはそれを無茶と言うし、死んでいてもおかしくなかったと言い張るけど、そん時はそん時だし。
人の気持ちは、やっぱ分かんないや。
「マーゴは大丈夫そう?」
「はい……傷の重さから、カエデさんを優先していましたので、すぐには治せませんでしたけど……昨日の夜に、ほとんど完治してます。もう部屋にも戻ってます…」
「そりゃよかった」
「うぅ……むしろカエデさんこそ、医務室に居ないといけなかったのに……」
「や、だって極力男女が同じ部屋で寝泊まりするのは避けるべきじゃん?監房はしゃーないけどさ」
特に、マーゴは俺を一番警戒してる。明らかに魔法を隠していて、しかも一人だけ男。普通に話してくれるケド、目が笑ってないのよ。あ、でも庇ったあとからは多少マシになった。
「でも……ゴクチョーさんも、問題ありませんって…」
「なんかゴクチョー、メルルに甘くね?友達だったりする?」
「えっ、ち…違いますよ…」
「冗談だって。本気にしないでネ」
「うぅ……」
んー、何故かメルルと話してると毎回気まずそうな反応をされる。相性が悪いのかな。個人的にはどーとも思ってないケド。もし目の前で爆散したら、哀れだなーっては思う。でも多分、悲しくはないかな。精々、美少女が死んで惜しいなぁってのが関の山。
ふむ、もっと親しい間柄になれば俺の中に別の感情が生まれるのだろうか。学友では何も変化しなかったけど、親友とか恋人なら…………悪目立ちするから止めよう。
「そんじゃ、俺は朝飯食ってくるけど。メルルは?」
「まずは……マーゴさんの様子を見に行く予定、です」
「おっけー。じゃあ先に行くネ〜」
とっくに朝の自由時間は迎えてるので、鍵の空いた牢を出る。皆それぞれ、監房の鉄格子をカーテンやらで遮ったり、好き勝手に飾り付けたりしてる。
当然、俺らの監房にもカーテンと、ついでに使えそうな棒を盗んできて俺とメルルでそれぞれの空間を仕切って確保している。男女の組み合わせってコトもあり、ヒロも思うところがあったらしく、積極的に手伝ってくれた。てか右腕がボロボロだったから手を出させてくれなかった。
「おはよう、カエデ」
「カエデくんおはよ〜」
「ん?ヒロにノアじゃん。おはよー、何で出待ちしてんの?」
灰色のカーテンを捲り、監房の外に出ると見慣れた二人の少女が壁に背を預けて俺を待っていた。記憶を溯るが、別に彼女達と約束事を交わした覚えはない。
でも俺の監房は一番端にあるので、偶然顔を合わせたという事もまずないだろう。
「手隙なら手を借りたい」
「要件次第」
「のあはね、前にヒロちゃんと約束したんだよ。一緒に絵を書く場所を探すって」
「そっかぁ。おい保護者、説明って概念をこの子に教えてあげなよ。五回くらい反芻したけど、何にも分からんのよ」
「ほ、保護者……まあ、端的に説明しようか。キミも何度か見ただろう?ノアが監房や牢屋敷の至る場所に落書きをしているのを。いくら拉致監禁の現場とは言え、好き勝手に振る舞うのは【正しくない】。絵を描くなら、相応の空間に留めるべきだ」
「ほぉん。そりゃそーだ、で?何で俺が関係してるワケ?」
「カエデ、キミは放っておくとすぐに怪我をする。先日の件然り……なりふり構わず無茶をするだろう?よって、近くで監視する事にした。極めて合理的な判断だよ。ノアも構わないだろう?」
「のあはカエデくんが一緒でもいいよ?カエデくんたまーに変なことするけど、面白いし」
「変なこと?ノアっさんや、言い掛かりはよしてくれタマエ。ねぇ、ヒロっさん」
「一つ、初日からシェリーと野球拳を始める」
「おっとヒロさん?目が怖いよ」
「二つ、アリサと【発火】の【魔法】は線香花火の代わりになるのかを実験し、花畑を火の海にした」
「次の日には再生してたなぁ。魔法のチカラってスッゲー」
「三つ、レイアと牢屋敷の屋根に登って、二人で落下しかける」
「レイアが悪い。馬鹿と煙は高い所が好きだから。高笑いしながら屋根にぶら下がってる自称王子って怖いヨネ」
「誘ってたのはカエデくんだけどねー?」
「楽しげに乗っかったのはレイアだし」
「四つ、エマと外の植物を食い荒らした」
「言い方に悪意ない?エマが美味しいご飯食べたいって言うから、土筆とか木の実とか……何か食べれそうなヤツを片っ端から試しただけダヨ。全部エマの口には合わなかったけど」
「エマに変な物を食べさせないで欲しい……一晩中唸ってて煩かったんだ」
「食い合わせか、毒か……メルルが看病してくれてたナ」
「カエデくんは問題児だね〜」
「ノアには言われたくない」
「どっちもどっちだ」
まあ、全部全部【選択肢】のせいだけど。他の選択肢が地雷しかなければ、それを選ぶしかないじゃん。それでも使ってしまう、罪な【魔法】よね。
取り敢えずべちゃべちゃな朝飯を食べてから、仕方なくヒロに監視されながらノアの絵描き部屋を探す事になった。アレって栄養とかあるんかな…?
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「さ、何処に行くの?」
ヒロとノアに問い掛ける。スプレー缶で絵を描ける場所……ヒロ風に言うなら、相応しく【正しい】場所。んー、牢屋敷内って考えたら俺には思い付かない。
「出入り可能な部屋を順に周ろう。どうせ……時間は余るほどあるんだ」
……悠々と余裕を演出しているワリには、妙に言葉の端が速い。こーゆー場合、単純に言葉とは逆の意味を受け取ればいい……とは誰の言葉だっただろうか。
【時間がある】の逆は【時間が無い】……ヒロは内心、何かを焦っている?【死に戻り】で情報のアドバンテージを得たか、単に牢屋敷での生活にストレスを感じているか。
前者を否定は出来ないけど……後者に紐付けるなら、【魔女化】を恐れてるとか?普通、人間ってのは害されると酷くストレスを受ける。
ヒロは一度殺されてる。それで魔女化が進行しててもおかしくはないし、この先もずっと同じメンバーで変わらずに生活を……なんて頭お花畑でもないだろーし。
「むぅ……ヒロちゃん、のあは早くお絵描きしたいんだよ?」
「ヒロの腹に顔を描けば?いつでも腹踊りが出来る面白生物になるヨ」
「あ、それいいかも!ヒロちゃんヒロちゃん、服脱いで?」
「手伝う?任せて、得意よ」
「馬鹿を言ってないで足を動かしたらどうだ。行き先が決まってないなら私が決めよう………そうだな、図書室にしよう」
「気ぃ触れた?」
「……失敬だな、キミは。絵を描きに行くのではなく、洋館の地図や隠し部屋を探しに行くんだ。魔女図鑑の地図は未記入部分が多いし、そも、図書室だけじゃなくて他の部屋も、明らかにデッドスペースが見受けられる。それらの探索は、少なくとも魔女図鑑に記された牢屋敷内でのルールからは逸脱していない」
「ほぉん…?」
してない……のか?若干グレーな気もする。一応は自由行動可能エリアは決められてるし、その一つが図書室だ。雑に【図書室は自由エリア】と断言がされている以上、もし仮に隠し部屋を見つけたとしても図面上の範囲から外れてなければ自由行動可能エリアと解釈出来なくもない。
ともあれ、弁の立つヒロが言い出したのであれば、もしゴクチョーに見つかったとしても上手く言い訳をするだろう。ゴクチョーもゴクチョーで、仕事が増えるから魔女が関係ない場合での殺人は面倒だとは言ってたし。
ノアもヒロに任せる姿勢だ。こうなりゃ下手に【選択肢】でかき乱すのも無為だし、黙ってついて行こう。
階段を上がり二階ホールに出て、左手側のフロア。相変わらず古臭いけど致命的なまでには劣化していない、ビンテージを感じさせる豪奢なドアを開ける。
微かな埃と古紙の匂い。ほんのりと灯る明かりは並ぶ本棚の通路側に取り付けられたランプによるモノだ。
図書室自体の造形は他の部屋と同様だけど、一つだけ異質なのは部屋の中央に生える巨大な桜の木だ。天井ギリギリまで伸びた桜は、石の床を飾るように花弁を撒いているケド、異様にも枯れた花弁が見当たらない。
外の花畑然り、過去に暮らしていた【魔女】か【魔女候補】の【魔法】なんだろうネ。ノアの、血が蝶に変わる魔法もそうだけど、一度発動したら本人の意思が介入しない魔法ってのもあるらしい。
まあ、それを言ったら前回のヒロが死んだ後に俺の【選択肢】に介入してきたのも同じだろうケド。あん時は、髪に付着して取れなかったヒロの血が媒介になったっぽいし……もしかしたら、他の【魔女候補】でも同じ事が起こるかもしれない。
考え事をしながら図書室に入ると、シェリー、エマ、ハンナの三人がいた。
「あ、三馬鹿だ」
「だぁれが三馬鹿ですわよ!!」
「あはは、じゃあカエデさんを入れて四馬鹿ですね!」
「うへ」
「ヒロちゃんとノアちゃんも来たんだ……えっと、なんだか珍しい組み合わせだね」
珍しい組み合わせ、と言われればそーかもしれない。ノアとは、互いに深く接触する機会は前回も今回もなかったし、ヒロは……まあ、うん。
それぞれの関係性は程々、三人で行動するのは初めてダネ。なんたってヒロの負担だけが増え続ける編成なんだから、ゲーム的なバランスを考えるならマーゴかミリアが欲しいトコだナー。
「君達は何をしているんだ?」
「ヒロさん、今日は私たち、図書室の本を色々と調べまわってるんです!ほら、ここって古い屋敷じゃないですか。なので昔の本には牢屋敷の抜け道とか、秘密があるかもしれません!!」
「……でも読めない本ばっかりで、困ったねって話してたところだよ」
「法則さえ掴めば、なんとなく解読できる気はするんですけどねぇ〜」
「見せて見せて。んー?………何だこの文字。知らない言語ダネ。でも……ふむ、シェリーの言ってるコトも解るカモ。この本って多分、植物の図鑑だよナ〜。各ページにそれっぽい絵が付いてるのと、各所に決まった単語が使われてるし。この単語が【植物】とか【薬草】、それらに類するモノと仮定して。同じ文字列を見つけるだけ見つけて、番号を振って付箋とか貼っつけて……他の本も同じ言語だから、それぞれの内容に沿った意味を見つけていけば……死ぬほど面倒だけど解読できるネ」
「……………驚きましたわ。カエデさん、あなた……アホなだけでバカではなかったんですわね」
「だから四馬鹿には含まないでヨ?」
「あ、じゃあカエデくん!これも読めるかな?」
別に読めるワケではないケド……エマは嬉々として机上の本を指差した。分厚く豪華な装丁、他とは一線を画する造りは一目見て察しがつく。
既にノアは興味を無くしたのか、桜の木を揺らしたり適当な本をペラペラと捲って挿絵を眺めたりしている。少なくとも絵を描いたりしないのは、ヒロが見張っているからだろう。
でもあまり暇を与えたら何をしでかすのか分からないから、手短に分厚い本をパラパラと流し見る。
「この本には、どうやら魔女や魔法のことが書かれてるようなんです。他と同じく独自の言語ですので読めませんが、挿絵は他の本よりも多くてハッキリと意味もありそうです!」
「独自の言語で書かれたこれだけの書物……やはり見せかけの飾りというわけではなさそうだ。どうやら運営側は私たちとは異なる文化や歴史を持っているらしい」
それが【魔女】や【魔女因子】に関わるモノであるのは、言わずもがな。俺たちとは別の種族、【魔女】が築いてきた時代。
そも、【魔女化】と【魔女】が別モノっぽいから、【魔女因子】には悪意が込められているようにも思える。
「……特にこの絵が気になるな」
ヒロが指を差したのは、複数人の【魔女】が手を繋いで囲み、剣を掲げた偉そうな人物が降臨している図解だった。
遊びの光景、と言うには仰々しい。儀式だネ、多分。ゴクチョーの言っていた【大魔女】なのだろうか。
「これは【サバト】の絵じゃないでしょうかね?魔女が大魔女を召喚する儀式的な。つまり……!む、む、む……ん〜、あとはさっぱりですね。カエデさん、出番です!」
「無茶いうねぇ……まあ、大魔女の召喚の仕方なら、みんなもわかったんじゃない?絵の通り、13人の魔女……俺達のことを差すなら、
「つまり、私たちが集められたのは…サバトをするため…?」
「それは違うんじゃないですか?エマさん。サバトが目的なら、看守が簡単に私たちを殺そうとするのは変ですし、魔女化の殺人衝動が発動した時点でまともにサバトをするのは不可能じゃないですか?」
「殺人衝動が嘘だったり、看守が殺すふりをして魔女化を促してる可能性はありませんの?」
「……ないな。先日、看守がマーゴを殺そうとしたのは明確だ。カエデが右腕を犠牲にしなければ、マーゴは死んでいた可能性が高い。出血に至った時点でフリも演技もない」
……ま、そもそもヒロは一度殺されてるからなぁ。人数的には一人欠けても儀式は出来そうだけど、殺人衝動をほっといて殺人事件を起こしてる点は言い訳出来ないからナ。
気長に解読し続けるしかないね。もしかしたら、魔女化しても正気を保つ方法がどっかにあるかもだし。
その後、軽く【大魔女】を呼び出す方法や魔女化による【魔法の進化】について話してから図書室を後にした。
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「ん?ヒロ、これどー思う?」
廊下に出て、次の目的地を定める為に魔女図鑑の地図を見ていると、違和感を覚える。
図書室を出て右手側の通路。行動規制のされていないエリアの内、不自然な空白がある。最初にヒロが指摘していた、自由行動可能エリアの中にあるデッドスペース。
まるで部屋ひとつ分がまるまる隠されているような図面。ここが二階である以上、屋根裏か、一階の天井からの侵入しか出来なそうだけど……なんせ【魔法】が絡み合った屋敷だ。
「これは……隠し部屋、と言うやつか。すぐ近くだ。行ってみよう」
一分すら掛からない距離。壁を叩いてみると、確かに音の響きが違う。シェリーみたいに破壊でもしたら、中に入れそうだけど……流石に懲罰対象になるか。
「ん〜、扉とかはないね。魔法で消されちゃったのかな?んー、うーん…?あっ」
「……ノア?なにを――」
何かを思い付いたノアは、ヒロが止める間もなくカラースプレーを取り出して壁に扉を描いてしまった。エラくリアルで、凹凸すらありそうに見える……てかあるし。何かリアルにドア出現してない?
ドアノブを捻ってみると、開いた。ノアの【魔法】は絵を描く為の【液体操作】であって、絵を実現させるモノではないと記憶してるケド……?
「えーっ!?ホントのドアになっちゃった!?」
「書いた本人がおどれぇてらぁ」
「……どうやら、ノアの【魔法】が上手く屋敷の【魔法】と不可思議に作用したみたいだ」
「魔法の干渉、ねぇ……」
やっぱり不可思議だ。再現性を見い出せば、ヒロの【死に戻り】が【選択肢】に干渉したように、他の【魔法】も【選択肢】で使用可能になる……と、思うんだけどなぁ。
「のあね、他の場所でもやったけど、本物になったのはここだけだよ」
「ではノアの【魔法】の効果が変わったのではなく、今回限りの特殊な状況という訳か…」
「ちなみに、扉は消せる?元はノアの絵だけど」
「むぅ〜……消せない。液体じゃなくなったからかなー?」
干渉し終えると消える。これも俺のときと同じだ。案外、魔法ってのは色が多いだけで本質は同じなのかもしれない。そう願ったから、そうなった……みたいな。
だとしたら、俺は……あの日から、自分で選ぶ事をやめたから。だからこんな【魔法】になったのかもしれない。
その後、出現した部屋は【ノアのアトリエ】と名付けられた。
主人公くんは殆ど自己判断しません。全部描写されない【選択肢】です。