おちん◯達郎、中2のガキに性的暴行を加える 作:ハッピーエンド大好きクラブ
それは必然の出会いだった。と、彼女は語る。
煙草の煙は揺らめきながら天井へ。
暗い鉄格子に彼女は一人。
彼女は「あの子」との大切でほろ苦く、甘酸っぱい日々を思い返す。
その目は虚ろだが、瞳の奥には微かな光が視えた。
長い沈黙、十分は経っただろうか。彼女はやっと口を開いた。
「一目惚れ…………だったんです。イカれてますよね、32歳のいい大人が中2の男子にのめり込むなんて……ほんと、狂ってます………」
そう、彼女は罪を犯した。
13歳の男の子に肉体関係を迫ったのだ。それはエロ漫画だからこそ許される展開だ。悲しきかな、彼女はプロのエロ漫画家。
エロ漫画を描く者が、己の性欲に抗えず凶行に走ってしまった。
これほど皮肉の効いた話はない。
背筋にヒヤリとするものを感じながらも、彼女の話し相手になっていた看守はこんな質問を投げかけた。
『彼の何が好きなんだ?』
「……………長くなりますよ」
看守は構わないと返す。彼女は目を細め、天井を見上げる。思い出に浸るように浅い息を吐ながらぽつりぽつりと話し始めた。
プロのエロ漫画家、辰野沙織は行き詰まった執筆作業を打開するために運動がてら散歩に出ていた。
風景や街を歩く人を眺めれば自然とネタが浮かんでくるかもしれない。
ただの散歩と言えど遊びではないのだ。漫画家は一分一秒を無駄にしない。
沙織はコンビニで買ったハイライト・メンソールを吸いながらてくてくと歩いていく。
かれこれ1時間は歩いているが、ネタと呼べるものが一つも降ってこない。
さらに1時間かけても何も浮かばなかった。どうしたものかと悩みつつも、彼女は帰路につくことにした。
腹も空いたし、まずは食事にしよう。
そう決めて、帰り道を歩いていると──────
「おうおうおう!見窄らしい女が何アタシら
面倒くさそうな連中に絡まれた。
「あの……次からここは通らないので今回は勘弁してくれませんか?」
「駄目だねっ!アタシらはボスにここを任されてんだ!ていうかテメェの事情なんて知ったことじゃねぇよ!さっさと通行料1万円寄越しなっ!」
話にならない連中だ。沙織は思わず溜息をこぼす。相手の数は8人、全員獣人で一人鉄バットを肩に担いでいるのがリーダーか。丸腰で相手にするのは骨が折れる。
というより原稿の締切があと2日しかない状況で怪我なんてすれば笑い事では済まされない。
なので、沙織は全力で逃げることを選ぶ。
32歳エロ漫画家の体力を舐めるなよガキ共。沙織は悟られないよう、足に力を込める。
タイミングを見計らって振り返り、そのまま全力疾走。
────いける。タイミングさえ掴めば────
「おい、何やってんだ」
背後から幼くも芯の通った声が聞こえた。沙織は振り返り、声の主を視界に納めた。
日に照らされた髪はほんのり紅く輝き、黒一色のジャージは彼のアイドル顔負けの容姿を更に際立たせる。
顔に深い切傷のようなものが何箇所もあるが、それが逆に似合っている。
沙織の心臓がドクンっと跳ね上がった。血圧が急上昇し、じんわりと汗をかく。顔が火照り、彼から目を離せない。
否、彼から目を離したくない。
「なんだぁ!?テメェ何者────」
「だ」を言い出すよりも早く、リーダーの顔面に鉄拳が炸裂していた。
縄張りを仕切っているリーダーが反応できない速度で殴られ、宙を四回転して電柱に激突した。
残された下っ端達は状況を理解できず狼狽える。
「俺は川原隻狼。最近このにゃがみ原に引っ越してきたんだ。見ての通り、俺はお前らみたいなどうしようもねぇ連中が嫌いだ。だから、この街にいる不良共を一人残らず叩き潰す。ボスのところに案内しろ。ぶっ飛ばしてやる」
下っ端共は完全に伸びたリーダーを即席担架に乗せた。
「後悔するニャよ、お前なんかボスが一発ニャ。ついてくるニャ」
隻狼は沙織の方へ顔を傾ける。何も言わず、ただ彼女と視線を交わした。
「あ、あの………」
「じゃあな」
小さく呟いた後、隻狼は
沙織は胸に手を当てる。心臓が爆発しそうなくらい激しく脈打っている。
こんなの初めてだ。息が荒くなり、顔の熱さが上がっていく。
確信した。同時に恥ずかしくもなった。
三十路を超えたおばさんが、無垢な少年に恋をしたなんて。
「エロ漫画の導入かよ」
自然と言葉が漏れていた。
翌日。沙織は気分転換のために早朝から部屋を出た。階段を降りていると、駐車場から楽しげな話し声が聞こえてきた。
一人は知っている声だ、今現在沙織がお世話になっているアパートの管理人、大家さんだ。
そのまま階段を降りて、駐車場まで向かう。すると、大家と黒一色のジャージを着た少年が掃き掃除をしているのが目に入った。
「──────あ」
思わず言葉を漏らす。
「お?先生!丁度良かった、コイツ一昨日からここに住むことになった──」
「隻狼……くん?」
「なんだ、知り合いだったんですか?おい隻狼、お前も隅におけねぇな」
「うるさぇよおっさん。別に知り合いってわけでもねぇよ」
両手は包帯を巻かれ、顔には大きな絆創膏が三カ所も張られている。
沙織は昨日不良グループから助けてくれた少年がどうしてこのアパートにいるのか、脳みそをフル回転させて答えを導き出す。
少年は脳みそフル回転中の沙織へ左足を引き摺りながら近づき、左手を差し出した。
「改めて、今日からこのアパートに住むことになった川原隻狼です。何かとご迷惑をおかけするかと思いますがよろしくお願いします」
「え、えぇあえええあ、ああ、はい、あの、辰野沙織です、プロの漫画家やってます、よ、宜しく……」
「漫画家?すげぇな今度読ませてよ」
差し出された手をしっかりと握り込む。その瞬間、沙織に電流走る。
「──────あ、イクッ」
「あ?」
プロのエロ漫画家、辰野沙織。
ペンネームは「おちんぽ達郎」
彼女は今までにない熱い恋心を13歳の子供に抱き、史上初、握手しただけで潮を噴いた。
それはもう盛大に。
快楽は脳天を貫き、その場に倒れ込む。感じたことのない重くねちっこい快感に、沙織はきったねぇ喘ぎ声を漏らすしかなかった。
残された隻狼は静かに天を仰いだ。
〜あとがき〜
薔薇野入唖は隻狼の手によって壊滅したぞ☆