今回だいぶ巻いてるから内容薄くなってるかも…
感想など送ってくださる読者の皆ありがとうございます!
とても励みになってます。
わたしは目を覚ます。気がついたら閉じ込められていたみたい。出口を探さなきゃ。
大きな部屋を見つけた。何かあるみたいだけど、暗くてよく見えない、電気を探さなきゃ。
「ふぅ…」やもりさんの家から飛び出した後、わたしはなんとか窓から図書館に入ることができた。
「ここに来るまでに石も10円玉も温存できたし、準備万端!」
そう意気込んでライトを点けたその時、すぐに視界の端を動く何かが通っていった。
慣れてきた目をよく凝らすと、見覚えのある赤いリボンの人影が見えた。
「ユイ!ユイ!わたしだよ!待って!」
わたしの声を無視してどこかに去っていくその人影は階段を降りて見えなくなった。
「ユイ!待ってってば!」
すぐに階段を駆け降りた、ユイはわたしの声なんて全く聞こえていないような様子で廊下の奥の大きな扉に入っていってしまった。
わたしもその扉を入ろうとしてガチャガチャとノブを回してみても、ノブはユイが入っていった直後で鍵も閉めていないはずなのにどんなに力を込めても開くことはなかった。
「鍵を探さなきゃ」
図書館の中を探索してみよう。
「あぶなかったぁ」息を大きく吐きながら立ち上がる。
音にだけ反応して襲ってくるおばけと光る目に見つかったら大きい声で鳴いて他のおばけを呼んでくる厄介なおばけから石を投げたり、やもりさんから貰った布で光を遮ったりしてなんとか見つからないように立ち回りながらなんとか鍵を手に入れた。
「やっと入れる!」さっきの扉の元まで戻ってきて扉を開けた。
そこには昔テレビで見た土偶というらしい人形がたくさんあった。
人型のものから動物のような不思議な形をしたものがずらっと並べられて、その中には大事にガラスの中に入れられた人にそっくりなものもあった。
「ユイ〜!どこにいるの〜!」
パリン
瞬間、電気がいきなり消えてガラスが割れるような音がした。そしてドタドタと奥の扉に飛び出していく足音。
「ひっ、うわっ!」
それに驚いて躓いて転んでしまった。
埃を落としながら立ち上がって
「も、
「ユ、ユイ?一緒にかえろう?」
扉の先にいるであろうユイを追いかけようと奥の扉の手をかけたとき。
ジャキン!
頭で考えるより先にわたしの体は勝手にわたしの体を横に逸らしていた。
次の瞬間、わたしがさっきまでいた場所を赤黒い何かが通り過ぎていった。
一拍遅れてその姿をはっきり認識する。
やもりさんと出会う少し前に出会ったおばけ、赤黒い鋏を持つ手と口のおばけだった。
■■■■■■■■■■■―――!
鋏を乱暴に鳴らしながら鋏のおばけはわたしの体を真っ二つにしようと突進してくる。
「うわわわ!」なんとか避けたわたしの後ろでガラスケースが割れる音がする。
言うまでもなく、もし避けられなかったら一瞬で両断されてしまうだろう。
■■■■■■■■■■■―――!
「ひぃ!」
■■■■■■■■■■■―――!
「あぶなっ」
■■■■■■■■■■■―――!
あれ? 意外と直線的で避けやすい?
何度目かの突進を躱して余裕が生まれたわたしは考える。
確かに素早い動きだけど、ただただまっすぐ突っ込んでくるだけだし避けるだけなら簡単だ。でも少しでも気を抜いたら鋏が体を掠めそうになるしこのままじゃ疲れて動けなくなる。
何度も突進を繰り返して割れたガラスまみれになった部屋を走りながら出来ることはないかと思考を巡らせる。
「やもりさんが『怪異にはそこにいる理由がある』って言ってた!」
「何かあるはず!考えなきゃ、考えなきゃ、考えなきゃ、考えなきゃ、考えなきゃ、あっ」
一瞬世界が回った。
少し遅れて土偶につまずいたんだと理解する。
そしてもう一つ理解した。
ここでわたしは死ぬ。
鋏を持ったおばけがわたしに向けてその刃を向ける。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■―――!
何度も聞いたその音がわたしを切り裂いてやろうと一層強く鋏を唸らせ迫る。
「ユイ、ごめんね」
目を閉じてその時を待つ。
ガチン!!
「え?」
一向に来ない痛みに疑問を持ち目を開ける。
「いない…」
そこには何もいなかった。
既に鋏のおばけは消えていた。
残されたのは土偶の切り離された首と胴体とその中に入っていた奇妙な石、そしてわたしだけだった。
「生き、てる…」
立ちあがろうとした足が今にも崩れそうだ。「あれ、なんで足が」
理由は分かってる。怖かった。今にも泣きだしそうだ。体は震えているしまだ心臓が強く鳴っている。
でも、絶対に泣かない。ここで泣いてたらユイを助けられない。わたしは強く頬を張った。
「ユイを探さなきゃ」
次回 大鏡戦!デュエルスタンバイ!