ホラー系の世界に転生したのにあまりにも怪異がカラっとしている   作:ない因習村:図書館に呪い本コーナーがある

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前回のない因習村:因習とは別に邪教がある
これにて第一回深夜は終わり。作者が言うのもアレだが脳みそを死ぬほど使ったので正直二度と出したくない。半日ほどユーモアを考えさせられた。


怪奇、カスユーモアパンデミック

「『お前らホントに何してんの……?』」

 

 カスの始末について話しを進めているとようやく人狼と化した狼(ロウ)が戻ってきた。毛むくじゃらでふっさふさである。その手の人が好みそうな純白の毛色は美しく、その大柄で猫背……犬背?な体躯は正しく人狼そのものだった。この形態になると喋るのが苦手になるのかノイズ交じりになる。

 

「このカスユーモアの処理を話し合ってただけですよ」

 

「コイツ殺せるときくんの?俺コイツに半日閉じ込められて授業サボったことにされたんだけど」

 

「ほら、拾った神様の件で」

 

「ついに神様を巻き込んで殺してもらうのか……神敵認定だな」

 

「多分神様もコイツの存在知ったら殺してくれると思いますよ」

 

「『怪異を嫌いになっても俺ちゃんのことは嫌いにならないで!“テク”い俺ちゃんの華麗なる“技巧”で皆殺しにしちゃうから!怪談クラッシャーから怪異“キラー”になっちゃうくらい“殺しちゃ(屋)う”から脳みそ洗ってよーく見てな。すぐに俺ちゃんかっくいーって見直すから。好き好き大好きちゅっちゅってラブコール止まらなくなっても“ファンサ”はしないからな?“ファ〇ザ”なら大歓迎』」

 

 口が減らねぇ~。へらず口がよぉ。俺は鼻の根本を押さえて耐えた。いけない。コイツのノリに付いていこうと思うな。雑音として処理するんだ。

 

「『コイツ暗に洗脳するって言ってねぇ?』」

 

「やっぱりコイツこの世の悪ですよ。許されないタイプの巨悪、絶許悪」

 

「お前もたまにカスのユーモア突っ込むときあるよな」

 

「俺がコイツと……?人に言って良いことといけないことの区別もできないんですか?今日を命日にする予定があると……」

 

「今のは狼、テメェがわりぃぞ。それは許されないタイプの冗談だ」

 

「すいません花子の姐さん。言葉が過ぎました」

 

 さすがにコイツのユーモアと同レベルは差別超えるぞ。だが……花子姐さんはそう続けた。

 

「コイツに近くなってるのはホントだ。ってぇよりコイツの近くに居るとアタシ等がカスのユーモアに寄ってくんだろうよ」

 

「カスユーモアパンデミック……?」

 

「みーむ汚染って奴だろ。坊から聞いたヤツ。あのなんか怪異みたいなのを隔離だか管理だかしてる団体の話」

 

「それじゃあ早く隔離しないと……あ、管理はしません。即刻処分しましょう」

 

「始末出来てるならとっくにしてんだよ。始末に負えねぇクソだからこうなってんだ」

 

「『言葉の切れ味鋭すぎて俺ちゃん泣いちゃう。“クソ”の“不始末”なんてトイレじゃよくある事でしょ?それなのに酷すぎ。“罵倒”の“抜刀”術?』」

 

「今のは隙を見せた花子姐さんが悪いかもしれないです」

 

「これ隙だったか?切ったみたいに言われてっけど切られたのアタシの方だろ。切られたことすら気づかなかったし切られてんのか微妙だぞ」

 

「『テクいだろ?惚れ直した?』」

 

「殺してぇ~~~」

 

 花子姐さん迫真の殺意表明。静かに同意する俺達を横目に狼は早速剃毛を開始した。デケェハサミと剣山みたいなブラシを取り出し、せっせこ毛を抜いていく。俺はこれ幸いと話をズラした。

 

「その剣山みたいなブラシって痛くないの?」

 

「『まぁ~~……痛ぇは痛ぇよ。でも足の毛剃るのもそこそこいてぇじゃん』」

 

「それは狼がブラジリアンワックス使ってるからじゃ……?」

 

「『剃るより早いし毛も生えにくいんだよ。人狼だから肌気にする必要ないし』」

 

「気にする必要ないんだ」

 

「『腐っても人狼なんだから皮膚も強靭なんだろ。まぁ毛根も強靭だから毎度不死鳥の如く生えてくるんだが』」

 

「教頭先生ずっと羨ましそうな顔して狼のこと見てるよね」

 

「『あの人は元から禿げてっから意味ねぇだろ。砂漠に種を蒔いた方がまだ生い茂る希望がある。教頭の頭は文字通り不毛の土地だぜ』」

 

「あ、カスユーモアパンデミック」

 

「『毛ほども笑えねぇ』」

 

「『今のは毛ほどよりも草も生えねぇの方が良いんじゃない?ユーモア足りてないね』」

 

「カスユーモア添削だッ!」

 

「そういうテメェは頭が足りてねぇだろボケナスコラ」

 

「ユーモアを指摘するという良心も足りてないわ」

 

「『元々ないものを足りてないっていうのはその人に失礼っすよ』」

 

「『センスもないけどな』」

 

「『“ナンセンス”ってコト……!?俺ちゃん的にはハイ“センス”だと思うんだけど。けどけど?』」

 

「煽りがウゼェ」

 

「『“扇子(センス)”に“煽り”で“煽(扇)って”るってこと……!?良いねぇ姐さん!俺ちゃん的にハイ“センス”だよッ!』」

 

「今のは想像できたので隙でしたね。大(おお)隙です」

 

「『“大好き”って言いたいんだろ?』」

 

「すみません、俺も隙を晒しました」

 

「『“好き”を晒すなんてそんな///』」

 

「お前を殺す」

 

 デデンッと音がなりそうな勢いで殺意を滾らせた俺は即座に塵取りの中に唾を吐き捨てる。その瞬間、俺の唾がまるで蠢く蛇のように動きだし、体積を増やし、カスユーモアを取り込んで手に持っていたビニール袋にボッシュートした。

 

 見れば、自身の髪をぞわりと持ち上がるほど圧力を発揮していた花子姐さんが親指を下に向けていた。花子姐さんはトイレにおいて最強だが、外でも多少の水なら操る事が出来るらしい。ケッと悪態をついて言った。

 

「殺すは遅ェ。殺した、なら使っていい」

 

「さすが花子の姉貴。一生ついていきます」

 

 そこに痺れる憧れるぅ!とひとしきり褒めそやした後、俺達は解散することにした。結局、猫又さんは来なかったし、変なものを持ち込まれた辻神様は大層迷惑そうな顔をしていた。




PS.今日は疲れたので更新はこれ以上しないです
PSS.本当に頭のどこか大事なものが吸われた気がする
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