石炭時代の終りと淑女   作:小沼高希

53 / 53
核と中性子 3

 偉い人の挨拶というのはあまり楽しいものではない。物理学者がやるならまだしも地域の政治家とか大学の学長とか有名な研究者とかが言うとなるとね。いやまあ政治的な言葉の争いとしてみるのであればまあまあ以上の面白さはあるのですが、それは物理手学の議論を求めている時にはあまり楽しめないものです。

 

 これを聞くのもまあ仕事のうちである、と思って割り切ってしまって聞き流した。しかしそれが終わってしまえば楽しい議論の時間である。

 

「だからその測定手法には多くの問題があるわけで」

 

「じゃあ全部やれっていうのか、それをやる根拠を出せと言っているんだ」

 

「ならそちらこそ新元素の根拠を出してくださいよ」

 

 訂正。あまり楽しいものではないな。書記とかは会場を用意してくれたクローツルの伝手らしい形でそれなりに集まっていたが、私は私で国際集成(レペルトーリオ・インテルナツィオナーレ)に載せる記録をまとめなくてはいけない。打字機(ステイヴライター)で雑多に打ったものを後でフィーマに文章にして貰う形だ。

 

 さて、ここで議論されているのは中性子(ニュートラオン)に中性子を打ち込んでできる元素が何かというもの。今までの調査によってかなり色々な元素が放射性物質になること、その化学的性質は中性子(ニュートラオン)の数が違うが水質(ワータシャフト)核の数が同じ同位体とほぼ一致することが知られている。

 

 これがわかるなら、例えば放射線を出しているのがどの種の元素なのかをうまく分離することができるのだ。問題と言えば崩壊して別の核種になったり、あるいは放射線を出さなくなるまでの時間が数分間しかないのでかなり急いでやらねばならないことぐらいであるが。

 

 というわけでそこからどう分離しようかみたいな議論である。大陸帝国(コンチネンタル)内部の物理学における主導権の争いであるとか、物理系と化学系のどちらが核物理学において主導権を握るべきかみたいな話だ。まあ、それ以外についても結構面白いものは多いのだが。

 

 例えば中性子(ニュートラオン)がどのように水質(ワータシャフト)核の反発を引き止めているかに関するより具体的な計算。粒子を仮定するとどのような結合が許されることになるか。そう考えると仮定された粒子は思ったより重い、電子の数百倍の質量ということになる。となれば衝突があればかなり見つけやすい気がするがそれが相互作用をなかなか起こしにくい中性の粒子だからとすれば辻褄はあってしまうのだ。




L’unità del diritto europeo è esistita, per secoli. Il cosiddetto «diritto comune», durato tutto il Medioevo ed oltre, e che traeva la sua sostanza dal diritto romano, ha dato l’orditura e lo stampo alla vita civile dei popoli europei. Civiltà da ius civile. E quell’impronta è rimasta ed ha operato persino nella successiva e presente epoca, che potremmo chiamare del nazionalismo nel diritto. Il quale ha indubbiamente avuto le sue ragioni d’essere e la sua funzione; ma osservato nel piano tecnico, ha tanto poco senso quanto il voler fare della fisica nazionale.

欧州法の統一性は何世紀にもわたって存在してきました。いわゆる「共通法(ディリット・コムーネ)」は中世全体およびそれ以降も存続し、かつローマ法をその実質の基盤としてきており、欧州諸民族の市民的生活に骨組みと鋳型を与えています。市民法(ユス・キウィーレ)に由来する文明(チヴィルタ)。そしてその刻印は、法における国民主義(ナツィオナリズモ)の時代とでも呼ぶべき、後続の、そして現代の時代においても残り、影響を及ぼし続けました。この国民主義(ナツィオナリズモ)は、疑いなくそれ自体の存在理由と機能を持っていました。しかし技術的観点から見るのであれば、それは国家物理学なるものを創ろうとするのと同じぐらい無意味なものです。

SCIALOJA, Vittorio. Seduta inaugurale. In: Convegno di scienze morali e storiche (14-20 novembre 1932-XI). Tema: L'Europa, vol. 1: Atti preliminari, Processi verbali. Roma: Reale Accademia d’Italia, 1933, pp. 41–44.
ヴィットーリオ・シャロイヤ、倫理歴史科学会議、主題「欧州」、開会式演説、1932年
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

永遠の火は煌々と(作者:紺野遍音)(オリジナル:歴史/日常)

1820年、新たな熱源の期待に沸き立つ世界のなかで、エルステッド嬢はふたたび不思議な光線を発見した。▼かくして、人類が火を絶やすことはない。


総合評価:7/評価:-.--/連載:6話/更新日時:2026年09月10日(木) 19:14 小説情報

クソ女大戦(作者:石崎セキ)(オリジナル:ファンタジー/コメディ)

顔と頭はいいがガチで性格が終わっている聖女たちが、遊び半分でお互いを破滅させようとする話。周囲の脳はなぜか焦がされる模様。


総合評価:434/評価:8.4/連載:5話/更新日時:2026年08月18日(火) 00:09 小説情報

超越少女は路を示すが旅をするのは俺達だ(作者:小沼高希)(オリジナル:現代/戦記)

【完結】「一兆ドルで重力特異点制御ができますよ」と、アクリル板越しの彼女は言った。それを形にする方法を考えるのは、俺達の役目だった。


総合評価:1402/評価:8.9/完結:250話/更新日時:2026年08月20日(木) 00:00 小説情報

幽幻生物圏(作者:彼岸花ノ丘)(オリジナル:ファンタジー/ノンジャンル)

百五十年前、流行り病により亡くなり、その後悪霊となった少女・エリィ。▼人が立ち寄らない屋敷に一人囚われている彼女は寂しさで苦しみ、哀れな犠牲者を求めて徘徊する日々を過ごしていた。▼ところがある日、彼女の呪力から一匹の『生き物』が生まれる。▼その生き物が、彼女の死後を賑やかなものに変えていく――――▼※不思議生物の進化・生態系についてひたすら語るだけのお話です…


総合評価:146/評価:9/完結:21話/更新日時:2026年06月29日(月) 18:00 小説情報

国際ニュースで追われる私ですが、記憶喪失の妹です。ごはん探してるだけです(作者:宙うし)(オリジナル:現代/戦記)

目を覚ましたとき、“わたし”は自分が誰なのか分からなかった。▼ここがどこで、どうしてこんな奇妙な身体になっているのかも思い出せない。▼ただ──▼「お姉ちゃんに、なにかしてあげたかった」▼その気持ちだけが、やわらかな残響のように胸に残っていた。▼けれど、何をしてあげたかったのかは思い出せない。▼お腹だけが、きゅうっとすいていく。▼「……まずは、ごはん……探さな…


総合評価:8851/評価:8.9/完結:86話/更新日時:2026年03月08日(日) 07:40 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>