邪神たちが異世界から来るそうですよ?   作:一反目連

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誤字脱字指摘感想評価、また、『ぼくのかんがえたさいきょうのうちゅうCQC』、その他諸々待っています。


第十話

あらすじ

 

ハス太「僕は、君たちの願い事をなんでも一つ叶えてあげる。何だってかまわない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ」

ニャル子「アト子ちゃん、ごめんね。私、魔法少女になる。私、やっとわかったの。叶えたい願いごと見つけたの。だからそのために、この命を使うね」

アト子「貴女は優し過ぎる………。忘れないで、その優しさが、もっと大きな悲しみを呼び寄せることもあるのよ」

 

真尋「一つだけ言わせてもらっていいか?何でお前(アト子)が此処にいるんだよ!」

 

   *   *   *   *   *

 

真尋が空を見ると、十六夜(いざよい)の月が浮かんでいた。()()()()()()()()()()()()()()()()()真尋は現実逃避気味に「異世界の飯が不味いっていうのは定番だけど、不味い飯は嫌だなぁ」などと考えていた。

 

「おい真尋、いい加減に歩けよ。引き摺って歩くのは意外と面倒なんだぜ?」

「じゃあ引き摺るなよ!十六夜の趣味は会って間もない人を巻き込んで何処かへ向かうことなのか!?」

「んな訳あるか………っと、到着だぜ」

 

十六夜は立ち止まり、真尋を掴んでいた手を離す。真尋は受身を取って周りを見渡すと、そこはコミュニティの子供達が眠る別館の前であった。

 

「十六夜、どうしてこんな所に連れて―――」

「何しに来たんだ、お前ら?」

 

真尋はその言葉が真尋に対して向けられた物では無いと即座に察し、そして周りに知らない気配が複数あることに気づいた。

 

「十六夜………」

「おーい………そろそろ決めてくれねえと、俺が風呂に入れねえだろうが」

 

ザァ、と風が木々を揺らす。十六夜は面倒くさそうな顔をしながら言葉を続ける。

 

「ここを襲うのか?襲わねえのか?やるならいい加減に覚悟決めてかかってこいよ」

 

しかし返事が来るわけでもなく、周囲には風が木々を揺らす音だけが響く。呆れたように十六夜は石を幾つか拾う。真尋が嫌な予感で止めようとするも遅く、十六夜は石を木陰に向かって軽く投擲した。

 

「待っ―――!」

「よっ!」

 

ズドガァン!と軽いフォームからは考えられないデタラメな爆発音が響き、同時に現れた人影は空中高く蹴散らされ、真尋は尻餅をつく。

 

「〜〜〜っ、もう少し物を考えて行動しろよ!」

「何言ってんだ、俺だって色々考えてるんだぜ?」

 

真尋の言葉を馬が念仏を聞くようにサラリと流す十六夜。そこに爆音を聞いて慌ててやって来たジンが十六夜に問う。

 

「ど、どうかしたんですか!?」

「侵入者っぽいぞ。例の"フォレス・ガロ"の連中じゃねえか?」

 

空中からドサドサと落ちてくる黒い人影と()(れき)

意識を失っていない者もいるようだが、立ち上がってくる様子を見せない。

 

「なんだ?揃いも揃って腰抜けばかりなのか―――!?」

 

十六夜が近づいて見ると、侵入者と思われる人型の者共は全員()()()()()()。そして闇の中から女性らしき人影が出てくる。

 

「―――久し振りですね、真尋さん。そちらの方々は初めまして、ですね」

 

それは真尋の知っている人物であった。日傘を差しており、着物姿で羽織を肩からかけている。瑞々しい黒い髪と対照的な雪のような白い肌が着物から覗かせている。一言で言うならば美人、ただし本性を知る真尋からしたら二度と会いたくないと言える人物であった。

 

「アトラク=ナクア星人、(しろがね)アト子と申します………どうぞ、よしなに」

 

彼女は紛れもなくクトゥルフ神群(ニャル子達の同類)であった。

 

   *   *   *   *   *

 

真尋は十六夜と侵入者達がしている話に注意を向けながら、アト子に向けて問いかける。

 

「―――で、お前まで何の為に箱庭(ここ)に来たんだ?」

「では、それを説明しますね。真尋さんはニャル子達の職業を覚えていますか?」

 

ニャル子達の職業と言えば、惑星保護機構の事だろう。ニャル子曰く「地球にある希少動物を保護する機構の凄いバージョン」、つまり文明レベルが水準以下の惑星を保護するための機構だという。―――が、しかし。ニャル子やクー子のような馬鹿が多く所属していたり、法律無視が普通のアウトローな人物だらけだったり、普段寝てばかりだったりリサイタルで死者を出したりする課長がいたりするため、真尋は心の中で「惑星保護()機構」という蔑称で呼んでいたりする。

 

「覚えているが………それがどうしたんだ?」

「今より地球時間で17時間43分25秒前に、日本人男性八坂真尋が異世界No.2046765、通称『箱庭の世界』へ転移させられる。その3時間57分10秒後、ニャルラトホテプ星人のニャル子、クトゥグア星人のクー子、ハスター星人のハス太が輝くトラペゾヘドロンを通じて『箱庭の世界』へ転移」

「………異世界までお前ら宇宙人は把握しているのかよ」

 

真尋は呆れたように言葉を零す。それにニッコリと笑ってアト子は答え、話を続ける。

 

「そうですね、イ=ス人によって半分以上の異世界はデータが残されていますよ。では、話を続けます。宇宙総理大臣はこの転移自体は珍しい事では無いため放置しようと考えたが、一つ懸念が生じてしまった」

 

宇宙総理大臣などという初耳の単語が出てきたが、どうせこれも一発ネタの如く出るだけ出たら忘れ去られると思われるのでスルーする。

 

「それは、『我らこの世界の住民と箱庭の世界の住民との戦争の可能性』」

 

真尋は突然言われたその可能性に狼狽える。そんな事になればクトゥルフ神群は大丈夫だとしても、母親の八坂頼子のような地球に住む人々はどうなるかわからないからだ。

 

「なっ、なんでそうなるんだ!?」

「惑星保護機構に所属するニャル子、クー子。また、その協力者であるハス太、この惑星保護機構屈指の実力者三人を誘い出して、惑星保護機構による守りを弱めて侵略行為をするために八坂真尋を召喚したかもしれない。と考えたみたいね」

 

言われてみれば当然とも言えるだろう。あの三人はアレ(あたま)アレ(おかしい)だけれど、実力だけは確かだからだ。

 

「だからそれを確かめるために真尋さんやニャル子達と面識のある私が派遣されたんです」

「………ん?それはおかしくないか、いくら緊急事態だとしても民間人を巻き込むとは考えにくいんだが」

「……………」

「……………」

「………弱みって、握っておくと便利ですよね」

「お前まさか脅迫したのか!?」

 

まさかの行動に出ていた。

 

「まあ、それはともかく。そういう訳で私がここにいるんです」

「取り敢えずは、理解した。それじゃあ僕がそんな事ないと保証してやるから帰ってくれていいぞ」

「嫌です」

「―――は?」

 

ポカン、という顔の真尋にアト子は綺麗なお辞儀をして一言。

 

「実は私、250年ほど有給休暇がありまして………」

「―――お前もかよ!」




一言だけ言わせてください。

実は筆者(わたし)、アト子が個人的に好きなキャラクターでして………。原作ではややモブくらいの立ち位置だったのですが、それでも出したくて………。

ゆるしてニャン♪

真尋「(ゆる)さん」
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