邪神たちが異世界から来るそうですよ?   作:一反目連

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誤字脱字指摘感想評価、また、『ぼくのかんがえたさいきょうのうちゅうCQC』、その他諸々待っています。


第十二話

真尋「う~~フォークフォーク」

 

今フォークを求めて全力疾走している僕は市立昂(こう)陵(りょう)高校に通うごく一般的な男の子。

強いて違うところをあげるとすれば男に興味があるってとこかナ………名前は八(や)坂(さか) 真(ま)尋(ひろ)。

 

そんなわけで帰り道にあるデパートのフォーク売り場にやって来たのだ。

ふと見るとベンチに一人の若い男が座っていた。

ウホッ!いい男………

そう思っていると突然その男は僕が見ている目の前で学ランのボタンをはずしはじめたのだ………

 

十六夜「やらないか」

 

―――という同人誌を考えてみた」←クー子

ハス太「僕と真尋君のVer.(バージョン)もお願い!」

アト子「私そういうの嫌いじゃないから!」

 

真尋「命に代えてでも阻止して見せる………ッ!」

 

   *   *   *   *   *

 

『ギフトゲーム名 "ハンティング"

 

 ・プレイヤー一覧 久遠 飛鳥

          春日部 耀

          ジン=ラッセル

 

 ・クリア条件 ホストの本拠内に潜むガルド=

        ガスパーの討伐。

 ・クリア方法 ホスト側が指定した特定の武具

        でのみ討伐可能。指定武具以外

        は"契約(ギアス)"によってガルド=ガス

        パーを傷つける事は不可能。

 ・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利

       条件を満たせなくなった場合。

 ・指定武具 ゲームテリトリーにて配置。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下(もと)、"ノーネーム"はギフトゲームに参加します。

            "フォレス・ガロ"印』

 

「ガルドの身をクリア条件に………指定武具で打(だ)倒(とう)!?」

「こ、これはまずいです!」

 

ジンと黒ウサギが悲鳴のような声をあげる。真尋も横から覗(のぞ)きこみ、成程、と納得する。

 

「話を聞く限りだと余り頭の回らない奴なのかと思ってたんだけどな………」

 

ジンと黒ウサギを見て、飛鳥は心配そうに問う。

 

「このゲームはそんなに危険なの?」

「いえ、ゲームそのものは単純です。問題はこのルールです。このルールでは飛鳥さんのギフトで彼を操(あやつ)る事も、耀さんのギフトで傷つける事も出来ない事になります………!」

 

飛鳥が険しい顔で黒ウサギに問う。

 

「………どういうこと?」

「"恩恵(ギフト)"ではなく"契約(ギアス)"によってその身を守っているのです。これでは神格でも手が出せません!彼は自分の命をクリア条件に組み込む事で、御二人の力を克(こく)服(ふく)したのです!」

「すいません、僕の落ち度でした。初めに"契約書類"を作った時にルールもその場で決めておけばよかったのに………!」

 

そんなジンを見て、十六夜はニヤニヤとしながら告げる。

 

「敵は命懸(が)けで五分に持ち込んだってことか。観客にしてみれば面(おも)白(しろ)くていいけどな」

「気軽に言ってくれるわね………条件はかなり厳しいわよ。指定武具が、何かも書かれていないし、このまま戦えば厳しいかもしれない」

 

そう呟く飛鳥は厳しい顔で"契約書類"を覗きこむ。それを見ながら真尋はふと、とある案を思い付いた。その案を実行可能かどうかニャル子に聞くと、

 

「いや、できると思いますけど………真尋さんって偶(たま)に邪神(わたしたち)より凄い発想しますよね〜」

「ほっとけ」

 

できるのならやって貰おう。使えるモノは全て使うのが一番なのだ。という訳で真尋は決意を固めている飛鳥達に向き直り、告げた。

 

「僕に案があるんだけど、多分この案をやるだけでも勝率は上がると思う」

「へ?」

「えっとだな――――――」

 

話し終えると十六夜は爆笑し、それ以外の皆は何とも言えない微妙な顔をしていた。

 

   *   *   *   *   *

 

門の開閉がゲームの合図だったのか、生い茂る森が門を絡めるように退路を塞ぐ。光を遮(さえぎ)るほどの密度で立ち並ぶ木々や、下から迫(せ)り上げる巨大(きょだい)な根によって、周りが認識しづらい状態になっている。これでは不(ふ)意(い)を突かれる可能性もあるだろう。緊(きん)張(ちょう)した面(おも)持(も)ちのジンと飛鳥に、耀が助言する。

 

「大丈夫。近くには誰(だれ)もいない。匂(にお)いで分かる」

「あら、犬にもお友達が?」

「うん。二十匹(ぴき)ぐらい」

 

春日部のギフトは、獣(けもの)の友人を作れば作るほど強くなる。身体能力がずば抜(ぬ)けて高いのはそのためだ。嗅(きゅう)覚(かく)や聴(ちょう)覚(かく)などの五感は十六夜よりも優(すぐ)れているだろう。

 

「詳(くわ)しい位置は分かりますか?」

「それは分からない。でも風下にいるのに匂いがないのだから、何処かの家に潜(ひそ)んでいる可能性は高いと思う」

「ではまず外から探しましょう」

 

三人が森を散策し始める。黒ウサギは"フォレス・ガロ"に大きなゲームを仕(し)掛(か)ける事は不可能だと言っていたが、たった一晩で奇(き)怪(かい)な森を作り上げたガルドの力は油断ならない物だろう。

 

「彼にしてみれば一世一代の大勝負だもの。温存していた隠(かく)し玉(だま)の一つや二つあってもおかしくないということかしら」

「ええ。彼の戦歴は事実上、不戦敗も同じ。明かさずにいた強力なギフトを持っていても不思議ではありません。耀さんはガルドを見つけても警(けい)戒(かい)は怠(おこた)らないでください」

 

散策する二人とは別に、耀は一番高い樹に飛び乗ってガルドを警戒していた。そして耀が言葉を発する。

 

「………見つけた」

「あら、何処かしら?」

「本拠(ほんきょ)の中にいる。影(かげ)が見えただけだけど、目で確認(かくにん)した」

 

耀の瞳(ひとみ)は普(ふ)段(だん)と違(ちが)い、猛(もう)禽(きん)類(るい)を彷彿(ほうふつ)させるような金の瞳になっていた。

 

「そういえば鷹(たか)の友達もいるのね。けど春日部さんが突(とつ)然(ぜん)異世界に呼び出されて、友達はみんな悲しんでるんじゃない?」

「そ、それを言われると………少し辛(つら)い」

 

しゅん、と元気をなくす耀を、飛鳥は苦笑してパンパンと肩(かた)を叩(たた)き、三人は警戒しつつ本拠の館(やかた)へ向かい始めた。

 

「にしても、真尋君って普通の人だと思ってたんだけどね………」

「そうね。あんな策(さく)を思いつくなんて、意外と凄いのかしら?」

「黒ウサギは、裏切られたっ!みたいな顔をしていましたけどね………」

 

道中、話題に上がったのは真尋のこと。散々な事を言われているようだが、真尋はそれだけ突(とっ)拍子(ぴょうし)もない案を出したのだ。『朱と交われば赤くなる』とはよく言ったものである。




ニャル子「次回、ガルド=ガスパー死(し)す!」
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