邪神たちが異世界から来るそうですよ?   作:一反目連

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第十六話です。
誤字脱字指摘感想評価、また、『ぼくのかんがえたさいきょうのうちゅうCQC』、その他諸々待っています。


第十六話

あらすじ

 

ニャル子「諸君、私は虐殺が好きだ。諸君、私は拷問が好きだ。諸君、私は処刑が大好きだ。

 

平原で、街道で、草原で、凍土で、砂漠で、海上で、空中で、泥中で、湿原で、異世界で、

 

この世界で行われるありとあらゆる虐殺行動が大好きだ。

 

諸君、私は戦争を、宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)な拷問を望んでいる。

諸君、私に付き従う大隊戦友諸君

君達は一体何を望んでいる?

 

更なる拷問を望むか?

情け容赦のない糞の様な処刑を望むか?

鉄風雷火の限りを尽くし三千世界の魑魅魍魎を殺す嵐の様な虐殺を望むか?」

 

ハス太・クー子・アト子・十六夜・飛鳥・耀『虐殺(ジェノサイド)拷問(トーチャー)処刑(エクセキューション)!』

 

ニャル子「よろしい、ならば戦争(ギフトゲーム)だ」

 

 

真尋「やめろよ、やめろよぉ………」

 

   *   *   *   *   *

 

()(しき)に招かれた三人は"サウザンドアイズ"の幹部二人と向かい合う形で座る。長机の対岸に座るルイオスは舐め回すような視線で黒ウサギを見続けていた。黒ウサギは()(かん)を感じるも、ルイオスを無視して白夜叉に事情を説明する。

 

「―――"ペルセウス"が私達に対する無礼を()るったのは以上の内容です。ご理解いただけたでしょうか?」

「う、うむ。"ノーネーム"の元・仲間であったヴァンパイアが"ノーネーム"の(しき)()に来て、それらを()(かく)する際における数々の暴挙と暴言。そしてそれによって仲間が負傷した事。確かに受け取った。謝罪を望むのであれば後日」

「結構です。あれだけの暴挙と無礼の数々、我々の(いか)りはそれだけでは済みません。"ペルセウス"に受けた(くつ)(じょく)は両コミュニティの(けっ)(とう)をもって決着をつけるべきかと」

 

八坂真尋は黒ウサギの意図、つまり両コミュニティの直接対決が狙いだと、すぐに気付くことができた。何故なら、誰も負傷などしていないからだ。そして、負傷したと偽る事のできるのは、この中で一人しかいない………。真尋はニャル子に視線を向けると、ニャル子は「任せとけ!」と言わんばかりのサムズアップを真尋に送った。

 

「"サウザンドアイズ"にはその(ちゅう)(かい)をお願いしたくて参りました。もし"ペルセウス"が拒むようであれば"主催者権限(ホストマスター)"の名の(もと)に」

「いやだ」

 

唐突にルイオスは言った。

 

「………はい?」

「いやだ。決闘なんて(じょう)(だん)じゃない。それにそれに君のお仲間が負傷したって(しょう)()があるの?」

「あります。ニャル子さ―――」

 

黒ウサギはニャル子の方を向き、固まる。真尋もニャル子の方を向き、固まる。どういう訳か、ニャル子の姿が無いのだ。

 

「あ、あれ?ニャル子さんは―――」

「ただいま戻りたましたよー!」

 

そして、ニャル子が西瓜(すいか)大の大きさの球体が入っていると思しき唐草模様の風呂敷を二つ持ち、何故かクー子とハス太、アト子も連れてやって来た。

 

「ニャ、ニャル子さんは何をしていたのですかー!これじゃあ私の計画も台無しではないですか!」

「黒ウサギ、ゲロってるゲロってる」

 

真尋の指摘にしまった!という顔をする黒ウサギ。そしてそれを見てルイオスは大笑いし、

 

「あっははは!で、嘘で塗り固めた計画がバレた次はどうするのかな?"ノーネーム"さん」

「そ、それは―――」

「えーと、黒ウサギを言葉()めするのは後に回してもらっていいですか?―――」

 

狼狽える黒ウサギを他所にニャル子がルイオスに話しかけた。

 

「―――ボンボンマジ()()坊ちゃんさん」

 

―――奇妙な呼び名と共に。

 

「よしちょっと待とうか今誰を何て呼んだ?」

「?ボンボンマジ下衆坊ちゃんさんをボンボンマジ下衆坊ちゃんさんと呼んだだけですが」

「僕の名前を()(めい)()()つ定着しそうな呼び名で呼ぶな。僕の名前はルイオスだ」

「失礼、()みました」

「違う、(わざ)とだ」

「かみまみた!」

(わざ)とらしい!?」

「神でした」

「お前神格持ちだったのか!?」

 

何処かで見たことのあるやり取りを見つつ、真尋は「あ〜、ボンボンマジ下衆坊ちゃん、ね。確かに定着しそうだ………特に十六夜達を見ると特に、な」と十六夜達の(わる)(だく)みをしている様な顔を見て考えていた。

 

「と、本題を見失うところでした」

「お前のせいでな」

「シャラップ!では、本題です………ボンボンマジ下衆坊ちゃんさん、貴方のコミュニティ"ペルシアン"にギフトゲームを申し込みます!」

「僕の名前はルイオスだしコミュニティの名前もペルセウスだ。………ギフトゲームはいやだって僕はそこのウサギにも言ったんだけど?」

 

そこにアト子が笑顔でルイオスへ近づく。

 

「おお?君も清楚な感じでいいじゃん。それにそこの後ろに居る小動物的な子も、無表情な感じの君も、う〜ん、この子達も欲しいな………」

「………ふふ、そのお気持ちは、本当に嬉しいです。殿(との)(がた)にそのように(おも)われるという事は、女(みょう)()に尽きます。ですけど―――」

 

アト子が鈴の転がるような()()とした声音で笑うのを見て、「あ、なんかこれって既視感(デジャビュ)」と真尋が思う。―――そして、アト子は跳躍する。

 

「え?」

 

ルイオスの間の抜けた声が出てくる。

アト子の着物の(そで)から伸びるのは、幾重(いくえ)にも(たば)ねたアトラク=ナクアの(よう)()だ。

それがルイオスへ殺到し、巻き付き、その身体を空中へ引き上げていく。そして、いつの間にか八本の蜘蛛の足に変貌していたアト子の脚がドリルのように回転し、

 

「―――身の程を知るのね、豚」

 

冷酷な言葉と共に。引き寄せられたルイオスの(たい)()(つらぬ)―――

 

「アト子、やめろ!」

 

―――こうとするところで、真尋は止めた。アト子は真尋の方を向くと、ルイオスに巻き付けていた糸を(ほど)き、脚を元に戻して着地する。

 

「真尋さん………どうなさいましたか?」

「お前ら、(いく)つか確認させてくれ。まず一つ、お前らは"ペルセウス"に(けん)()を吹っ掛けにきたんだよな?次に、お前ら()()()()()()()んだ?」

 

そこで黒ウサギ達の視線はニャル子の持つ二つの風呂敷に集まる。ニャル子はどう見ても悪役な笑みを浮かべて、一言。

 

「真尋さん、分かっているんですよね?」

「ああ、"ペルセウス"という有名な英雄のコミュニティ、そんなコミュニティが挑戦権を賭けたゲームを()()()()()()()()()。ニャル子が持っている物が二つだから、ゲームは恐らく海魔(クラーケン)とグライアイの試練辺りだろうな」

()()()()!」

 

ニャル子の意味不明な賛辞を適当に受け流しつつ、真尋はルイオスの方を向き、告げる。

 

「―――で、ルイオス。挑戦権を持ってこられたら受けなきゃいけないよな?」

 

真尋の言葉にルイオスはニャル子の持って来た二つの宝玉―――"ゴーゴンの首"の印のある、紅と蒼の宝玉を見つめて盛大に舌打ちした。

 

「ハッ………いいさ、相手してやるよ。元々このゲームは思いあがったコミュニティに身の(ほど)を知らせてやる為のもの。二度と逆らう気が無くなるぐらい(てっ)(てい)的に………()()()()()()()()()。その後でウサギでも銀髪美少女でも大和撫子でも手に入れてやるよ」

 

突然の展開に戸惑いながらも、黒ウサギは慌ててルイオスに向けて言い放つ。

 

「え?えっと、それでは"ノーネーム"と"ペルセウス"。ギフトゲームにて決着をつけさせていただきます!」

 

   *   *   *   *   *

 

後日、ギフトゲームが行われる事となり、黒ウサギ達は"ノーネーム"への帰路を歩いていた。そこで十六夜がニャル子達に告げる。

 

「にしても、そんな面白い事やるなら俺も誘ってくれればよかったんだが?そこんところどうなんだニャル子」

「あ、十六夜さんにとって物足りないと感じるような敵なので、気にしなくていいと思いますよ」

「十六夜の戦闘力と海魔(クラーケン)、グライアイの戦闘力の差は倍以上ある」

 

クー子の注釈に十六夜は笑い、問いかける。

 

「なんなんだ?クー子には何処ぞの超戦士みたく戦闘力を数値化して視認できる道具があるのか?」

「ある。その名も『星々から(うたげ)に来たりて(むさぼ)るスカウターⅡ』。(ヤマンソ).com(ドットコム)製の最新スカウター。これを使えば戦闘力から身長体重体脂肪率握力腕力脚力スリーサイズあらゆるステータスを数値化して視認できる」

「なんだそれ、本気で欲しいぞ!」

 

そう笑いつつ、獲物を狙う獅子のような目でクー子の持つスカウターを見る十六夜。そこで、ふと気付いたかのように十六夜は真尋に話しかける。

 

「そういえば、真尋。お前結構ペルセウスの話について知っていたみたいだが、なんでそんなに知っているんだ?まさか異世界に来る(こんな)事が起こると予想していた訳じゃないんだろ?」

「ああ、それか………」

 

真尋は苦笑いしつつ言った。

 

「僕の所にニャル子達が襲来してきたのは知ってるよな?それで、僕は他の邪神群が来てもそれなりに対処が出来る様に少しイメージトレーニングしてたんだよ。で、気付いたんだ」

「何にだよ?」

「クトゥルフ神群以外の神群が襲来するという、最悪の可能性。それで、僕は他の神群について調べたんだよな………」

 

遠い目をして真尋が語る様子を見て、十六夜も流石に同情してきた。

 

「あと、大体の話は(すで)に結構(おぼろ)げになっているからな?ペルセウスの話を覚えているのは僕もあんな風になりないな、っていう英雄視みたいなものだ」

「どういう事だ?」

「僕もペルセウスみたいに力を持ってしてニャル子達を追い返せたら良かったのに、ってことだよ。なぁ、ニャル子?」

 

真尋の刃の様に鋭く氷の様に冷たい視線に、ニャル子達は身体を震わせる。

 

「今回はまあ、いい方向に向いたから良しとしよう。けど、次勝手な単独行動をしたら、どうなるかわかるな?」

「「「「レバーに(めい)じておきます………」」」」

 

その様子を見て、十六夜達は「既に力を持ってこいつら(ニャル子達)を従わせる事はできてる気が………」と思ったが、考えない事にした。




10/18 12:05 誤字修正
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