邪神たちが異世界から来るそうですよ?   作:一反目連

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第十七話です。
誤字脱字指摘感想評価、また、『ぼくのかんがえたさいきょうのうちゅうCQC』、その他諸々待っています。


第十七話

あらすじ

 

ハス太「箱庭の星が輝く(かげ)で」

十六夜「ボンボンマジ下衆坊ちゃん(ルイオス・ペルセウス)の笑いが木霊(こだま)する」

クー子「星から星に泣く人の」

飛鳥「涙背負って組織(ペルなんとか)の始末」

アト子「冒涜旋風イアイアー」

ニャル子「お呼びとあらば即参上!」

 

真尋「せめてきちんと呼んでやれよ………」

 

   *   *   *   *   *

 

"契約書類(ギアスロール)"文面

 

『ギフトゲーム名"FAIRYTALE in PERSEUS"

 

 ・プレイヤー一覧 逆廻 十六夜

          久遠 飛鳥

          春日部 耀

          八坂 真尋

          八坂 ニャル子

          八坂 クー子

          八坂 ハス太

          銀 アト子

 

 ・"ノーネーム"ゲームマスター

               ジン=ラッセル

 

 ・"ペルセウス"ゲームマスター

            ルイオス=ペルセウス

 

 ・クリア条件 ホスト側のゲームマスターを打

        倒

 

 ・敗北条件 プレイヤー側のゲームマスターに

       よる降伏。プレイヤー側のゲーム

       マスターの失格。プレイヤー側が

       上記の勝利条件を満たせなくなっ

       た場合。

 

 ・舞台詳細・ルール

  *ホスト側のゲームマスターは本拠・白亜の

   宮殿の(さい)(おう)から出てはならない。

  *ホスト側の参加者は最奥に入ってはいけな

   い。

  *プレイヤー達はホスト側の(ゲームマスタ

   ーを除く)人間に姿()()()()()()()()()()()

   。

  *姿を見られたプレイヤー達は失格となり、

   ゲームマスターへの挑戦資格を失う。

  *失格となったプレイヤーは挑戦資格を失う

   だけでゲームを続行する事はできる。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、"ノーネーム"はギフトゲームに参加します。

            "ペルセウス"印』

 

   *   *   *   *   *

 

"契約書類"に(しょう)(だく)した直後、十人の視界は間を置かずに光へと()まれた。次元の(ゆが)みは十人を門前へと追いやり、ギフトゲームへの入口へと(いざな)う。門前に立った真尋達が()り返ると、白亜の宮殿の周辺は箱庭から切り(はな)されていた。未知の空域に()かぶ宮殿は()(はや)、箱庭であって箱庭でない場所なのだ。

 

「姿を見られれば失格、か。つまりペルセウスを暗殺しろってことか?」

 

白亜の宮殿を見上げ、胸を(おど)らせるような(こわ)()で十六夜が(つぶや)く。その呟きにジンが(こた)える。

 

「それならルイオスも伝説に(なら)って(すい)(みん)中だという事になりますよ。流石(さすが)にそこまで甘くは無いと思いますが」

「YES。そのルイオスは最奥で待ち構えているはずデス。それにまずは宮殿の(こう)(りゃく)が先でございます。伝説のペルセウスと(ちが)い、黒ウサギ達はハデスのギフトをもっておりません。不可視のギフトを持たない黒ウサギ達には綿密な作戦が必要です」

 

黒ウサギが人差し指を立てて説明する。このギフトゲームは、ギリシャ神話に出てくるペルセウスの伝説を一部倣ったものだ。宮殿内の最奥まで"主催者(ホスト)"側に気づかれず(とう)(たつ)せねば、戦うまでもなく失格となる。"契約書類"に書かれたルールを(かく)(にん)しながら飛鳥が難しい顔で復唱する。

 

「見つかった者はゲームマスターへの挑戦資格を失ってしまう。同じく私達のゲームマスター―――ジン君が最奥にたどり着けずに失格の場合、プレイヤー側の敗北。なら大きく分けて三つの役割(ぶん)(たん)が必要になるわ」

 

飛鳥の(となり)で耀が(うなず)く。その様子を見て、真尋は呟く。

 

「………いや。役割分担しなくても、どうにかなるかもな」

「「「「え?」」」」

 

その真尋の呟きに(おどろ)く一同。真尋は不敵な笑みを浮かべて、一言だけ告げた。

 

「まあ、すぐにわかると思うぞ。僕達の仲間には―――公式チート(ニャル子達)が居るんだからな」

 

   *   *   *   *   *

 

―――白亜の宮殿は混乱に陥っていた。門が蹴り破られた音がして、ゲームが開始されたはずなのだが………()()()()()()姿()()()()()()()()

 

「お、おい………どういう事だ?」

「門を蹴破った音はした。だから逃げたって事は無いだろうが………」

 

白亜の宮殿でざわめきが広がる。すると突然―――轟音が響いた。そして、二階へ上がるための階段が崩れ落ちる。その光景をみてしばし放心した後、"ペルセウス"の騎士の一人が一つの事実に気づき、叫ぶ。

 

「敵は既に潜入していた!あいつら、姿を消すギフトを持っているぞぉーー!!」

 

その事実は、"ペルセウス"の騎士の持つ前情報では無かった、ギフトの存在を相手が持つという事実であった。

 

   *   *   *   *   *

 

「―――名付けて『宇宙CQCApocrypha(アポクリファ)、風に乗りて歩む風王結界(インビジブル・エア)』ってところかな?」

「よくやった、ハス太。褒美にたこ焼きをやろう」

 

さて、これはクー子が言った通り、ハス太の力である。真尋がハス太の能力である『風を操る能力』、これを使って某英霊が聖杯求めて戦うエロゲの某腹ぺこ王の能力のうち一つを再現してもらったのだ。因みに気配を消す為に、ニャル子にはあの割と万能な『結界』を張ってもらっている。

 

「これは邪神の私から見ても台無し感が(はん)()じゃないですね………」←ニャル子

「本来鬼畜ゲーだった物をチートツール使ってぬるゲーにしたような気分」←クー子

「ぼ、僕は真尋君がオルタ化していても見捨てたりしないからね!」←ハス太

「流石真尋さんですね。私達(邪神群)すら思い付かない鬼畜の(しょ)(ぎょう)を思い付くとは」←アト子

「おいおい、俺は血()(おど)る戦いを(しょ)(もう)しているんだが?」←十六夜

「神聖なる戦いを(けが)された、みたいな気持ちね」←飛鳥

「ラスボス戦で絶対に勝利を掴む事ができる最強装備を使った、みたいな感じ」←耀

 

………どうやら、この案は(おおむ)ね不評のようだが。

 

「でも確実に勝ちたいならこの位しなきゃ駄目だろ。戦いは(たの)しむ物じゃなく、本来()()されるべき物なんだ。全力を尽くして自分達の()(せい)を少なくするのが一番だろ」

 

真尋の言葉は実際正しいと言えるだろう。あくまで、その常識が問題児達に欠けているというだけである。

 

「四階到達。下の奴らが上がってこれないように壊すぞ」

「真尋さん、本気で下衆いですね………やりますけど」

「少年の意外な一面に私のハートがときめきメモリアル」

 

真尋の言葉を聞き、ニャル子は宇宙CQCパート2ダッシュ『名状しがたいバールのようなもの』で、クー子は精神感応型無線誘導式機動砲台『クトゥグアの配下』で、それぞれ壊す。

 

「よし、さっさと上に上がるぞ―――」

「真尋さん、伏せて下さい!」

 

ニャル子の言葉に真尋は咄嗟(とっさ)に伏せると、何かが頭上を通過した気がした。

 

「なっ―――」

「階段を壊せるってことは、その近くに敵が居るはず、と考えたんでしょう!中々に頭の回る人が居たみたいですね!」

 

なるほど、そこは考えてなかった。十六夜と耀は苦虫をかみつぶしたような顔をする。

 

「私の五感でも察知できなかった―――」

「つまり、レプリカのハデスの兜ではなく、本物を使っている奴がいるって事だろうな」

 

十六夜に対してニャル子は問い掛ける。

 

「別に気配を完全に遮断しているだけで、攻撃が摺り抜けるとか、そういう訳では無いんですよね?」

「ああ、ハデスの兜にそんな効果は無いはずだが………頼めるか?」

「私を誰だと思っているんですか?―――かの有名な無貌の邪神を嘗めないでください」

 

ニャル子が耳に手をやると、頭上のアホ毛が垂直に立つ。そしてニャル子はカッと目を見開く。

 

「私の宇宙CQCデジタルリマスター版!言いようもなく呪われたアホ毛!」

 

ニャル子の頭上のアホ毛が複雑怪奇な軌道を描き、しなるようにして不可視の敵を叩き付け、吹き飛ばす。

 

「どうですこのアホ毛の威力は!」

「………本当にそのアホ毛、攻撃用に転換できたんだな」

「え、いやいや私実際そう言いましたよね!?」

「信じてなかった」

「あァァァんまりだァァアァ!!」

 

真尋とニャル子の間に生まれた素頓狂(すっとんきょう)な空気とは裏腹に、不可視の敵の方は吹き飛んだ先にクレーターを作り出し、気絶してしまうほどの威力があったようだ。真尋は不可視の敵に近づき、兜を取るとジンに投げ渡す。

 

「ジン、念の為にそれ付けておくといいと思うぞ」

「あっはい………」

 

   *   *   *   *   *

 

八人は、白亜の宮殿を真っ直ぐ突き進んで最奥、最上階に着いた。最奥に(てん)(じょう)はなく、まるで闘技場のような簡素な造りだった。真尋はハス太に目線をやると、ハス太は不可視化を解除する。

 

「皆さん………!」

 

最上階で待っていた黒ウサギは(あん)()したように八人の姿を確かめてため息を漏らす。眼前に開けた闘技場の上空を見上げると、見下ろす(ひと)(かげ)があった。

 

「―――ふん。ホントに使えない(やつ)ら。今回の一件でまとめて(しゅく)(せい)しないと」

 

空に浮かぶ人影には、確かに(つばさ)があった。膝まで(おお)うロングブーツから、(ひか)(かがや)(つい)の翼が。―――ん?

 

「………いや、その理屈はおかしい」

「は?」

「ヘルメースの靴のギフト"タラリア"は本来サンダルの形のはずだよな?なんでロングブーツなんだよ」

 

真尋の()(てき)に数刻ばかりの(せい)(じゃく)(おとず)れる。その後、ルイオスは口を開く。

 

「………そういえば、一体何故なんだ?」

 

決戦まで(わず)かとなったにも関わらず、何とも言えない微妙な雰囲気が(ただよ)い始めた。

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