邪神たちが異世界から来るそうですよ?   作:一反目連

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本っ当に久し振りの投稿。
大変お待たせしました。いえ、理由は勿論ありますよ?FGOでイベントが立て続けに起きていたり、趣味のTRPGに没頭してたり、受験が近くなって大変だったり、新作を執筆したいと考えて頑張っていたり……
はい、言い訳ですね。ごめんなさい。
それは兎も角、最新話です。どうぞ。

え?窓付きの方?……頑張ります。


第二十二話

あらすじ

 

魔王「私は魔王―――」

 

白夜叉「ヒャア!ロリっ子だぜェ!」

ニャル子「十二歳以上は―――年増である!」

ハス太「ッエーイ☆」

クー子「全く、小学生は最高だぜ!」

 

真尋「お前らそこに正座しろ!」

 

   *   *   *   *   *

 

―――境界壁・舞台区画。"火龍誕生祭"運営本陣営。

巨大で真っ赤な境界壁を削り出すように造られた宮殿、そこから奥へ繋がる通路を進むとゲーム会場へと到着する。

 

「ニャアアアア!!ニャ、ニャア!ニャニャアアアア!!」

 

三毛猫の鳴き声……いや、猫の応援の声が舞台に響く。三毛猫の向いている先には、"ノーネーム"の少女と同じく"ノーネーム"の少年―――春日部耀と八坂真尋、"ロックイーター"の自動人形(オートマター)・石垣の巨人との戦闘であった。

 

「これで、終わり…………!」

 

耀は鷲獅子のギフトを操り、石垣の巨人の背後へ飛翔すると、その後頭部を蹴り崩す。加えて耀は自分の体重を"象"へ変幻させて巨人を押し倒した。

 

「ニャアアアアアア!ニャオオオオオ!ニャアアアア!」

 

三毛猫が耀の雄姿に雄叫びをあげる。その雄叫びの意味が解る耀は、三毛猫に目配せと片手を向けて微笑を見せた。そこで宮殿の上から見ていた白夜叉が柏手を打ち、観衆の声を止ませる。

 

「最後の勝者は"ノーネーム"出身の春日部耀及び八坂真尋ペアに決定した。これにて最後の決勝枠が用意されたかの。決勝のゲームは明日以降の日取りとなっておる。明日以降のゲームルールは……ふむ。ルールはもう一人の"主催者(ホスト)"にして、今回の祭典の主賓から説明願おう」

 

白夜叉が振り返り、深紅の髪を頭上で結った幼い少女へ宮殿のバルコニーの中心を譲った。彼女こそ、龍の純血種―――星海龍王の龍角を継承した、新たな"階層支配者(フロアマスター)"、"サラマンドラ"の幼き頭主・サンドラであった。観察してみると、緊張した面持ちのサンドラに白夜叉が語りかけていた。緊張も少しばかり解れたサンドラは大きく深呼吸して、挨拶を始めた。

 

「ご紹介に与りました、北のマスター・サンドラ=ドルトレイクです。東と北の共同祭典・火龍誕生祭の日程も、今日で中日を迎える事が出来ました。然したる事故もなく、進行に協力くださった東のコミュニティと北のコミュニティの皆様にはこの場を借りて御礼の言葉を申し上げます。以降のゲームにつきましては御手持ちの招待状をご覧ください」

 

招待状に書き記された文章は、直線と曲線に分解されて別の文章へと変わっていった。

 

『ギフトゲーム名"造物主達の決闘"

 ・決勝参加コミュニティ

  ・ゲームマスター・"サラマンドラ"

  ・プレイヤー"ウィル・オ・ウィスプ"

  ・プレイヤー"ラッテンフェンガー"

  ・プレイヤー"ノーネーム"

 ・決勝ゲームルール

  ・お互いのコミュニティが創造したギフトを

   比べ合う。

  ・ギフトを十全に扱うため、一人まで補佐が

   許される。

  ・ゲームのクリアは登録されたギフト保持者

   の手で行う事。

  ・総当たり戦を行い勝ち星が多いコミュニテ

   ィが優勝。

  ・優勝者はゲームマスターと対峙。

 ・授与される恩恵に関して

  ・"階層支配者"の火龍にプレイヤーが希望す

   る恩恵を進言できる。

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、両コミ

    ュニティはギフトゲームに参加します。

           "サウザンドアイズ"印

             "サラマンドラ"印』

 

こうしてその日の大祭はお開きとなり、日も傾き始めて街を巨大な境界壁の影が覆い始めたのだ。

 

   *   *   *   *   *

 

「お風呂へ駆け足ッ!!今すぐです!」

 

境界壁の展望台・サウザンドアイズ旧支店で飛鳥を待っているとそんな一喝が聞こえてきた。

 

「飛鳥か?どうした―――」

「その様な薄汚れた格好で"サウザンドアイズ"の暖簾をくぐろうなどとは言語道断!衣類を此方へ!洗濯します!(ほつ)れは修繕してあげますから感謝なさい!―――は、なんです?生傷?そんなものはお風呂に入れば治りますッ!!さっさと身を清めてください!お店が汚れてしまうでしょうが!」

「え、ちょ―――」

 

真尋が唖然としてる間に、飛鳥はいつもの女性店員に連行されてしまった。

 

「………よし、もう少し待つことにするか」

 

真尋は湯殿から聞こえる騒がしい声も、白夜叉が走って湯殿に入った後の殴打音も、全て無視して待つことに決めた。

 

「いやー、満喫しました。やはりOMATSURIは最高ですねー!」

「ん?ニャル子か―――何してたんだよ」

 

真尋がニャル子の声を聞いてその方向を見ると、浴衣に金魚の入った袋、お面と綿菓子というある意味場違いな格好のニャル子がいた。

 

「いえ、ちょっとクー子と一緒に屋台巡りをしてました」「少年、戦利品があるけど見る?」

 

そう言ってクー子が戦利品とやらを出していき……そこで真尋はふと疑問を感じた。

 

「お前らが祭を満喫してたのは分かった―――で、お代はどうしたんだ?」

 

サッ、と目を背ける邪神二柱。無性に嫌な予感をして、邪神二柱を問い質す。

 

「まさか、とは思うが……無理矢理ギフトゲームを申し込んで、あの手この手で騙し取った……なんてことは、ないだろうな?」

「まま、まさかそんナコト、アルワケナイジャナイデスカー」

「おい、クー子。あの嘘発見器―――『宇宙嘘発見器〈バレるんですSYSTEM-∀99〉』を貸せ」

「少年、無理矢理は良くないよ?」

 

涙目上目遣いで見てくるクー子に真尋は微笑む。

 

「 つ べ こ べ 言 わ ず 貸 せ 」

「う、うん……!」

 

笑顔とは本来攻撃的な意味を含むというが、成程。真尋の笑顔に気押されたクー子は急いで真尋に嘘発見器を渡した。

 

「それじゃ、聞くぞ。お前ら、お代はどうした?」

「え、えーとですね……その、何と言いますか」

「御託はいい。結論を言え」

 

ダラダラと冷や汗をかき、目が泳ぎまくっているニャル子にじっ、と冷たい目線をやる。

 

「……一部は私達のへそくり、大半は白夜叉さんの名義でツケときました」

「よし分かった。僕はそれ伝えに行くからお前らそこで正座して待ってろ」

 

真尋は即座にその場から離れ、湯殿と隣り合った場所にある来賓室へと向かった。

 

   *   *   *   *   *

 

「ふむ、話はわかった。この事に関しては後程、無償でおんしらに依頼を受けてもらう事で許そう」

「その依頼の数と、その『おんしら』に僕も入ってるかどうかについては後で聞かせて貰うからな」

「……簡単には騙されてはくれないか」

 

軽く白夜叉と真尋の攻防が起きた後、レティシアと女性店員は来賓室から離れた。今は十六夜、飛鳥、耀、黒ウサギ、ジン、白夜叉、真尋、ニャル子、クー子、そして尖り帽子の精霊がこの場に残っている。

 

「それでは皆のものよ。今から第一回、黒ウサギの審判衣装をエロ可愛くする会議を」

「始めません」

「始めます」

「始めませんっ!」

 

白夜叉の戯言に十六夜が悪乗りし、黒ウサギが速攻で断じた。飛鳥がそれを見ながらふと思い出したようにして聞く。

 

「そういえば、黒ウサギの衣装は白夜叉がコーディネートしているのよね?じゃあ私が着ているあの紅いドレスも?」

 

それを聞いて真尋もあの衣装が黒ウサギのお下がりだということを思い出した。

 

「おお、やはり私が贈った衣装だったか!あの衣装は黒ウサギからも評判が良かったのだが、如何せん黒ウサギには似合わんでな。何よりせっかくの美脚が」

「白夜叉様の異常趣向で却下されたのです。黒ウサギはあのドレスはとても可愛いと思っていたのですが………衣装棚の肥やしにするのも勿体ないと思った次第で。飛鳥さんは赤色がとても似合うので良かったのですよ」

 

成程、そう言うことだったのか。真尋は納得すると同時にふと言葉を漏らす。

 

「飛鳥のその服って、確か結構良い素材何だよな?」

「ええ、動きやすいし、結構頑丈だから助かってるわ」

「……よし、後でその服を貸してくれないか?」

 

ガタッ、と椅子を引いて真尋から離れる飛鳥。真尋は疑問に思い、自分の言葉を思い返して―――顔を赤く染めた。

 

「いやっ、ちがくてっ!その服をアト子に調べて貰って、飛鳥以外の奴用に量産して貰おうかと!」

「そ、そうなの……?わかったわ、真尋君は十六夜君や白夜叉さんとは違うみたいだし、大丈夫よね」

 

思いの外、すんなりと納得してくれた飛鳥。日頃の行いの差が大きく出たようだ。

 

「のう、私はアト子とやらについて詳しく聞いた覚えが無いのだが……」

「私もアト子さんについては、その……(寝取り趣味)ってことと、ものづくりが好きという事しか聞いてませんのデスが?」

「アト子は、あー………ニャル子達の幼馴染みで、宇宙一のアパレルメーカーとやらの令嬢らしい。で、ニャル子達の日用品とかは大体アト子が作ってるらしいから腕も保証できる」

 

白夜叉と黒ウサギに軽く説明してやると、一応理解してくれたようだ。

 

「僕も一応作って貰った物があるけど、見るか?」

「あれ?真尋さん何時の間に作って貰ってたんです……か……」

 

真尋はポケットからほんのりと黄色に染まった三ツ又の小さな道具―――即ち、フォークを取り出した。

 

「僅かな情報から母さんの使っていた『シビレフォーク』を再現できるなんて、中々だと思ったよ。まだ数が心もとないけどこれでニャル子(じゃしん)達以外に心置きなく刺すことができるな!」

 

笑顔の真尋を見て、十六夜と飛鳥と耀は『もう絶対怒らせないようにしないと………ッ!』と固く誓った。

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