「はい、これで大丈夫です」
「ありがとうございます」
綺麗にまかれた包帯を見て、チナツさんにお礼を言う。やはり本職の人だからか少しも緩むことはなく、かといって締め付けられる感覚もない。見事な手腕に感嘆していると、千夏さんが話しかけてきた。
「それにしてもナイアさん、あなたはなぜ風紀委員に入ろうと思ったんですか?」
ただの質問、そのようにふるまっているが圧を感じる。裏切るようなら、という覚悟を感じる。私はその質問に答える。
「そうですね……負けたから、というのもありますが、ヒナ委員長の意志が気に入ったからですかね」
その答えに、チナツさんは少しホッとしたような表情になったが、続いた言葉は彼女に警戒心を抱かせた。
「ただ、『治安と秩序の維持』などの理念はどうでもいい、むしろあまり好ましくないですけどね」
「……では、その『意志』とは?」
私の腹の内を探るようにチナツさんは問う。ゲヘナ学生はたいてい頭がどこかしらブッ飛んでいるからな。治安なんかどうでもいい、というやつが怖くないはずがない。
「彼女の理念自体ではなく、その覚悟、そこに惹かれたんです。必ずやり遂げて見せる、守るという意思が」
「なるほど……」
そう答えると、チナツさんは納得したようだった。そこから少し雑談をしていると、ヒナ委員長がやってきた。
「ナイア、準備ができたわ」
「そうですか」
私は自分のロングコートの襟を正しながら、立ち上がった。今から私が正式に風紀委員に入ると紹介される。ヒナ委員長の品位を落とさないようにしっかりと身を整えてから、全員で部屋を出た。
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「今日から風紀委員会に入ることになった、千貌ナイアです。これからよろしくお願いします」
天雨アコは新しく入った新人の挨拶を聞きながら、内心悪態をついていた。
(なんでこんな奴が……)
冷静な秘書は私情を挟まない。血のにじむような努力をしてきたアコにとって、スカウトで入ってきたナイアは気に入らないのだろう。先ほどから全く崩れない、あいつの口元の笑みも気味悪く思えてしまう。
(しかも……ヒナ委員長のそばにいるなんて!!そこはいつもの私の位置ですよ!)
アコはナイアを後でこき使ってやると思うことでどうにか留飲を下げた。だがナイアは突然、自身の銃を取り出した。
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「あなた!いったい何をしているんですか!?」
青い髪を持つ、確かアコさん? が叫んだ。周りの風紀委員もいきなり銃を構えた私を見て、銃口を向けてくる。それに対して、私は左腕に自分の右腕をかけるいつもの射撃体制のまま端的に告げる。
「敵襲。推定10人、扉前」
そう告げた瞬間、ゲヘナ生たちが扉を蹴破ってきた。
「風紀委員長ヒナ!私は今日、お前を打ち倒っ」
パァン
その宣言の途中に乾いた音が響く。そして宣言をしたゲヘナ生の頭がのけぞる中、机の上を影と白い閃光が走る。ナイアは机上を走りながら残った5発を放ち、その弾丸は後ろにいた取り巻きは崩れ落ちた。
「……撃てっ!撃てぇ~!!!」
その惨状を見たほかの襲撃者は、一斉射撃でその動きを止めようとした。しかし、
「ガッ」「グァッ」「ゴフッ」
ナイアは次々と敵を倒していく。いくら
「あなたが最後ですか」
その声と同時に届いた弾丸によって、逃げようとした残党は気絶させられた。
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教えてほしい!
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教えないでほしい。