希望と絶望は、不幸と幸運に似ている。   作:an-ryuka

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3.

 

 旧館は、全員を安心させるためのパーティー会場には見えなかった。

 

 日向が最後の椅子を運び込んだとき、開け放した窓から細い光が差していた。

 広さだけなら全員で集まれるが、ホテルのレストランに比べれば薄暗く、何年も使われていなかった場所の匂いがした。

 

「はい、そこで一旦止まって」

 

 小泉が部屋の中央から指示を出す。

 

「その椅子はあっち。机同士の間隔、もう少し空けた方がいいんじゃない?」

「これ以上空けたら、全員座れないぞ」

「でも狭すぎると、誰かが通るたびぶつかるでしょ」

 

「机を縦じゃなくて、少し斜めにすれば入るよ」

 

 葦原が壁際から口を挟んだ。

 

 紙ナプキンへ人体の絵を描いていたときより髪は整っていたが、寝癖が完全に直ったわけではない。その髪のまま床へしゃがみ、板の継ぎ目に沿って指を動かしている。

 

「この柱を避けて、こっちの通路を広くする。入口から奥まで一本で見えるようにすれば、誰が動いたか分かりやすい」

 

「なるほどね。じゃあ日向、この机の反対側持って」

「俺、今椅子運んできたところなんだけど」

「男でしょ。それくらい頑張る!」

 

 休む暇もなかった。

 

 日向が机へ手を掛けると、その下から白い頭が出てきた。

 

「うわっ!」

 

「あはは、ごめん。驚かせちゃったね」

 

 狛枝が床へ片手をついたまま、机の下から這い出す。袖には埃がつき、もう片方の手には雑巾を持っていた。

 

「そんなところまで掃除してたのか?」

「みんなが使う場所だからね。せっかくのパーティーで、才能あるみんなの服が汚れたら申し訳ないじゃないか」

 

「机の下に潜るヤツなんかいないだろ」

「落とし物をするかもしれないよ」

 

 狛枝はそう笑って、床に置いていた延長コードを拾い上げた。

 

「それ、何に使うんだ?」

「掃除道具を使うのに、近くのコンセントだけじゃ届かなくてさ。あとで左右田クンに返すよ」

 

 コードは丁寧に巻かれていた。

 妙なところはない。日向は机を運ぶ作業へ戻った。

 

「狛枝。掃除が終わったなら、次は倉庫を確認しろ」

 

 十神が入口から声を掛ける。

 

「刃物、工具、薬品。人を傷つける可能性がある物は全て俺へ報告しろ。勝手に移動させるな」

「了解。徹底してるね」

「当然だ。俺が開くパーティーで、くだらん真似はさせん」

 

 十神は既に、旧館のほとんどを調べ終えていた。

 

 厨房の包丁は本数まで確認し、花村以外には触れさせない。窓の開閉、倉庫の中身、トイレの位置。参加者が持ち込む荷物も入口で検査するつもりらしい。

 

 小泉が言っていたような安心できる集まりというより、厳重に管理された収容場所に近かった。

 

「日向、ぼさっとするな。次は厨房を手伝え」

「俺は全体の補助って言われたけど、便利屋じゃないぞ」

「不足がある場所を補うのが補助だ。違うか?」

 

 言い返せない。

 日向は花村のいる厨房へ向かった。

 

     *

 

 厨房は、旧館の中で最も暑かった。

 

 鍋から立つ湯気と、焼いた肉の匂いが充満している。花村は複数の料理を同時に進めながら、背中にも目があるような速さで指示を飛ばしていた。

 

「そのお皿は右! 生ものと火を通したものを同じ場所に置かない! ソニアさん、その盛りつけ最高だよ。王族の気品が野菜にまで乗り移ってる!」

 

「まあ。野菜にも身分が生まれるのですか?」

「僕の料理の上では、全食材が主役になれるのさ!」

 

 ソニアは素直に感心している。

 

 その横では、小泉が花村の言葉を半分ほど無視しながら皿を並べていた。

 

「褒めてないで手を動かす。開始時間に間に合わなかったら意味ないでしょ」

「真昼ちゃん、料理には愛を囁く時間も必要なんだよ」

「食材じゃなくてソニアちゃんに囁いてたじゃない」

 

「おい、これもう食っていいか?」

 

 いつの間に入ってきたのか、終里が揚げ物の載った皿へ手を伸ばしていた。

 

「ダメだよ! まだ人数分の盛りつけも終わってないんだから!」

「一個くらい減っても分かんねーだろ」

 

 花村が止めるより先に、大きな手が終里の手首を掴んだ。

 

「宴の前に盗み食いとは何事じゃあ!」

「弐大、離せ! 冷めたらもったいねーだろ!」

「ならば始まるまで腹筋でもして待たんかぁ!」

「余計腹減るだろ!」

 

 二人が厨房の入口を塞ぎ、小泉が揃って出ていけと怒鳴る。

 

 ソニアが口元を押さえて笑った。

 

 昨日、殺し合いを命じられた者たちとは思えない光景だった。

 

 日向もつられて笑いかけたところで、厨房の外から甲高い音が響いた。

 

 耳を刺すような音に、全員が顔をしかめる。

 

「ごめーん! マイクテスト中の事故っす!」

 

 澪田の声が続いた。

 

「事故で済む音量じゃねーぞ!」

 

 左右田の怒鳴り声が返る。古い建物の配線より、澪田の方がよほど危険だった。

 

「いきなり最大まで上げんな! スピーカー飛ばす気か!」

「最大を知らずして、ちょうどいい音量は決められないのであります!」

「一から順に上げろっつってんだよ!」

 

 澪田が接続した機材を一度外し、左右田はケーブルを繋ぎ直した。

 

 旧館の電気設備は新しくはない。だが、明かりと音響機器、厨房の調理器具を普通に使う程度なら容量に余裕はある。先ほど制御盤も確認した。異常は見つからなかった。

 

「容量どう?」

 

 横から葦原が盤面を覗き込む。

 

「普通にパーティーやってる分には落ちねえよ」

 

「ブレーカーはここだけ?」

「主幹は事務室。ここで落ちたら、そっち上げねえと戻らねえ」

 

 十神がやってきた。

 

「電源に問題はあるのか?」

「ねえよ。よくある古い設備の範囲だっての」

「なら問題ない。開始後、事務室と倉庫への出入りは禁止する」

 

 十神はそう決めると、返事も待たずに次の確認へ向かった。

 

「左右田さん!」

 

 広間の反対側からソニアに呼ばれた。

 

「はいっ! 今行きます!」

 

 左右田は即座に制御盤を離れた。

 

 ソニアは、田中と二人で壁へ飾りを取りつけていた。正確には、田中の肩に乗ったハムスターが紐へ興味を示し、ソニアがそれを眺めていた。

 

「この飾りを高いところへつけたいのですが、椅子をお借りしてもよろしいでしょうか?」

「そんな危ないこと、ソニアさんがしなくていいです! オレが全部やりますから!」

 

「ほう。この程度の高みすら恐れるとは、貴様の翼は随分と短いようだな」

 

 田中が鼻で笑う。

 

「誰の翼が短いんだよ! つーか、テメーはソニアさんに作業させて眷属と遊んでんじゃねえ!」

「破壊神暗黒四天王が、この脆弱な装飾の強度を見定めているのだ」

 

「左右田さん、田中さん。喧嘩はいけません」

 

 ソニアに言われ、左右田はすぐに口を閉じた。田中は最初から喧嘩などしていない顔でハムスターを撫でている。

 

「左右田さんには電気設備という大切なお役目がありますものね。こちらは田中さんと進めますので、どうぞご心配なく!」

 

「えっ。いや、もう点検は終わったんで、オレもこっちを――」

 

「和一ちゃん! 終わったならテーブルクロス運んで!」

 

 小泉の声が飛んできた。

 

「なんでオレばっか雑用なんだよ!」

「終わったって自分で言ったでしょ!」

 

 ソニアに笑顔で見送られ、左右田は布の山へ戻るしかなかった。

 

「雑用がんばれ」

 

 葦原が言う。

 

「うるせえ!」

 

「整備士のおにぃ、王女様の役にも立てないし、近くにすら置いてもらえないんだー」

 

 西園寺まで笑い、左右田の機嫌は地面まで落ちた。

 

 それでも準備は進んだ。

 

 机には白い布が掛けられ、料理が運び込まれる。澪田の音響も、今度は建物が揺れない音量に調整された。罪木は何かあったときのために救急箱を入口近くへ置き、七海は人数分のグラスを並べた。

 

     *

 

 開始時刻になると、十神は旧館の入口に立ち、一人ずつ確認を始めた。

 

「荷物を見せろ。上着の中もだ」

 

「そこまでやるの?」

 

 七海が目を瞬く。

 

「誰か一人でも例外を作れば、検査の意味がなくなる。嫌なら帰れ。もっとも、帰った時点で警戒対象にするがな」

 

「実質、選択肢が一個だね」

 

 七海は両手を上げ、素直に検査を受けた。

 

 辺古山は竹刀袋ごと十神へ預けた。田中は上着の内側から四匹のハムスターを見せ、「我が眷属を武器と呼ぶなら、その身で真価を味わうか」と凄んだ。

 

「動物は武器ではない。通れ」

 

 十神は相手が誰でも同じ調子だった。

 

 花村の厨房だけは刃物が必要になる。十神は全ての本数と置き場所を確認し、厨房から持ち出すなと念を押した。

 

 左右田は自分の番が終わるとソニアを追おうとしたが、十神に肩を掴まれた。

 

「お前は会場内を一周し、照明に異常がないか見てこい」

「さっき全部見ただろ!」

「直前にも必要だ。確認しろ」

 

 正論なのが腹立たしい。

 

 仕方なく壁沿いに歩くと、端の窓際で葦原と狛枝が話していた。

 

 二人とも皿は持っているが、料理はほとんど減っていない。

 

「今の状況は、狛枝くんの不運に入る?」

 

 またその話か、と左右田は顔をしかめた。

 

「殺し合いに巻き込まれたこと? そうだね。普通なら、十分すぎるほど不運なんじゃないかな」

 

「でも、今はみんなで料理食べてる」

「絶望へ屈しないために、こうして集まった。素晴らしいことだよ。昨日の絶望があったからこそ、みんなの希望が一つになったんだ」

 

「それは幸運の話じゃなくて、希望の話だよね」

 

 狛枝が少し笑う。

 

「葦原さんの中では、そこを分けないといけないんだね」

「別の言葉だからね」

 

「ボクにとっては近いんだ。深い絶望があるからこそ、それを乗り越える希望はより強く輝く。最悪の不運のあとに訪れる幸運と、よく似ていると思わない?」

 

「作りは似てるかも。でも、同じとは限らない」

 

 葦原は窓の外へ目をやった。

 

「希望が欲しいからって、不運を自分から作り出したりしないよね?」

 

 狛枝の笑みが止まった。

 

 ほんの一瞬だった。

 すぐに、先ほどまでと同じ柔らかな顔へ戻る。

 

「どうして、そう思ったの?」

 

「絶望があった方が希望は強くなるって思ってるなら、絶望を作ればいいって話にならない?」

「より大きな希望が生まれると信じられるなら、必要な試練を用意することも間違いではないかもしれないね」

 

「それは不運じゃない」

 

 葦原は迷わず返した。

 

「自分で原因を作って、そのあと望んだ結果が来ても、狛枝くんの幸運が起こした証拠にならない。能力を確かめたいなら、条件に混ぜたらダメだよね」

 

「……能力を確かめる話なんだ?」

 

「測り方がおかしいって話」

 

 狛枝は数秒、葦原を見た。

 

「本当に、キミは分けるんだね」

 

「一緒にする理由がないから」

 

「お前ら、パーティーで縁起でもねえ話すんな!」

 

 聞いていられず、左右田は割り込んだ。

 

「人が死ぬとか、不運を作るとか! 今まさに殺し合いさせられそうになってんだぞ!」

 

「だから聞いたんだけど」

「聞くな!」

 

「あはは。ごめんね、左右田クン。あくまで仮定の話だよ」

 

狛枝が宥めるように笑う。

 

日向は少し離れた場所から、その三人を見ていた。

 左右田は怒っているようで、二人を完全に放ってはおけない。葦原は狛枝を疑っているようで、話すこと自体を楽しんでいるようにも見えた。狛枝は楽しそうなのに、何をどこまで本気で言っているのか分からない。

 

その三人を眺めていると、七海が隣に来た。

 

「気になる?」

「まあ……少し」

「葦原さんと狛枝くん、会話のジャンルが似てるね」

「似てるか?」

 

「似てるというか、普通の人が止めるところで止めない感じ」

 

日向は否定できなかった。

 

七海は少し眠そうに瞬きをした。

 

「でも、左右田くんがいるとセーブポイントっぽい」

「セーブポイント?」

「戻ってこられる場所」

 

そう言って、七海は料理の方へ歩いていった。

 

     *

 

 花村が料理の説明を始めると、会場の空気は一気に騒がしくなった。

 

 終里は説明が終わる前に肉へ手を伸ばし、弐大も今度は止めなかった。澪田は曲を流しながら料理へ勝手に妙な名前をつけ、花村がそのたび訂正する。

 

「こちらは南国フルーツと魚介の――」

「名づけて、海と大地の禁断セッション!」

「今僕がちゃんとした名前を言ってるよね!?」

 

 田中は皿の端から味の薄い野菜だけを取り分け、ハムスターへ与えている。

 

「人間用の味ついたもん食わせていいのかよ」と左右田が言う。

「言われるまでもない。我が眷属の命を、貴様程度の知識で案ずるな」

「結局どっちなんだよ!」

 

 西園寺は罪木の皿から一番形のいい料理を勝手に取った。

 

「あ、それ、私も食べようと……」

「何? ゲロブタの手垢がついたってこと?」

「ま、まだ触ってませぇん!」

「じゃあいいじゃん」

 

 小泉が西園寺の皿へ別の一つを足し、罪木の皿にも同じものを戻す。

 

「ほら、二人ともあるでしょ。こんなときまで喧嘩しないの」

 

 モノミは部屋の端で、ハンカチを目に当てていた。

 

「ミナサンが仲良くお食事して……あちし、感動で前が見えまちぇん」

「元から片目潰れてるじゃん」

 

 西園寺の一言で、モノミはさらに泣いた。

 

 七海は少しずつ全ての料理を試しながら、日向に言った。

 

「こういう場面、ゲームだとイベントが起きる前の自由時間っぽいよね」

「不吉な言い方するなよ」

「楽しいイベントかもしれないよ?」

 

 日向は返事の代わりに、七海のグラスへ飲み物を足した。

 

 十神は確認だと言いつつ、料理を順番に平らげている。

 食べながらも入口と窓、参加者の位置を絶えず確認している。誰かが席を立てば、行き先を聞いた。

 

「少し席を外す」

 

 辺古山が立ち上がる。

 

「どこへ行く」

「便所だ」

 

 十神は時計を見た。

 

「長く離れるな」

 

 辺古山は短く頷き、広間を出た。

 

 それ以外は全員いる。

 武器は持ち込まれていない。出口は十神が見ている。照明にも異常はない。

 

 左右田は料理を口へ運びながら、ようやく肩の力を抜いた。

 

 十神のやり方は気に食わない。

 それでも、全員を同じ場所へ集めた判断は正しかったのかもしれない。

 

 一人でコテージに籠もり、隣の誰かを疑い続けるよりはましだ。

 

「次は全員参加型ゲームのお時間っす!」

 

 澪田がマイクを持った。

 

「ルールは簡単! 唯吹が音を鳴らしたら――」

 

 音が消えた。

 

 最初、澪田が機材を止めたのだと思った。

 

 次の瞬間、照明も全て落ちた。

 

 旧館が完全な闇に沈む。

 

「な、なんだ!?」

 

 誰かの椅子が大きな音を立てて倒れた。

 

「全員動くな!」

 

 十神の声が響く。

 

「動くなと言ってるだろう!」

 

「停電かよ!」

 

 左右田は反射的に立ち上がった。手をついた机の位置から、事務室の方向を探る。

 

「左右田、ブレーカー!」

 

 暗闇の中から葦原の声がした。

 

「分かってる!」

 

「ひとりで行動しないで! 今そっち行く!」

 

「ここだ! 机の端!」

 

 左右田は片手で壁を探りながら進んだ。

 

 背後で食器が割れる。誰かが床へ倒れ込み、罪木の悲鳴が上がった。弐大が全員落ち着けと怒鳴り、終里が「誰だ、足踏んだヤツ!」と別の方向へ叫んでいる。

 

 音だけで、人の位置がばらばらに動いていく。

 

「左右田、右。椅子倒れてる」

 

 近くまで来た葦原が言う。

 

「見えんのか?」

「触った。壁沿いだったよね事務室」

 

「お前、離れんなよ!」

 

「左右田もね」

 

 二人は声を掛け合いながら、広間の出口を探した。

 

 暗闇では、昼間に覚えた距離がやけに長い。壁の角へ手をぶつけ、左右田は小さく悪態をついた。

 

 背後で、床を擦るような音がした。

 

 続いて、低い呻き声。

 

「今の誰だ!?」

 

 返事はない。

 

 戻るべきか、ブレーカーへ急ぐべきか。

 左右田が足を止めた瞬間だった。

 

 照明が戻った。

 

 眩しさに目が焼かれ、左右田は顔をしかめる。

 

 まだ事務室には着いていない。広間を出る手前の廊下だった。葦原は一歩後ろに立ち、同じように目を細めている。

 

「勝手に戻った……?」

 

 左右田は天井の明かりを見上げた。

 

 ブレーカーが落ちたなら、誰かが上げなければ復旧しない。

 だが、自分も葦原も触っていない。

 

 広間から、息を呑む音が重なった。

 

「十神……?」

 

 日向の声だった。

 

 左右田と葦原は、同時に振り返った。

 

 部屋の中央で、机の一つが大きくずれている。白いテーブルクロスが半分床へ落ち、その下に、人の身体が見えた。

 

 十神白夜だった。

 

 うつ伏せに倒れ、身体の下から広がった血が床板を黒く濡らしている。顔のそばには見慣れない機械が転がり、開いた目はどこも見ていなかった。

 

「そ、そんな……」

 

 罪木の声が震える。

 

 誰も近づけないまま、時間だけが数秒進んだ。

 

 昨夜、誰も殺さなければいいと言った。

 今夜、皆を一つの部屋へ集めようとした。

 

 それでも、一人が死んでいた。

 

 左右田は隣を見た。

 

 葦原は十神の身体を見ていた。

 建物を調べているときのように口は動かず、仮説も出てこなかった。

 

 モノクマの陽気な放送が、旧館いっぱいに鳴り響いた。

 

『死体が発見されました!』

 

 旧館の照明は、もう全て点いていた。

 

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