第28話 『ラッキーハッピー』
保須市。
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嫌な予感しかしなかった。
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本当に。
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「そんな顔するなよ」
風見が笑う。
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「するでしょう」
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即答だった。
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原作知識。
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ヒーロー殺しステイン。
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保須市。
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この二つが揃っていて安心できる人間はいない。
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少なくとも俺は無理だ。
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「とりあえず推測地点を見てみよう」
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風見は地図を片手に歩く。
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本人は完全に遠足気分だった。
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帰りたい。
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本当に。
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保須市 路地裏
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夕方。
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人通りの少ない区域。
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風見は何枚もの資料を見比べている。
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ヒーロー襲撃事件。
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失踪記録。
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目撃情報。
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全部まとめていた。
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「ほら」
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「やっぱりだ」
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風見が言う。
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「行動範囲が狭まってる」
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嫌な予感しかしない。
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「帰りませんか」
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「駄目」
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即答だった。
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理不尽だった。
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その瞬間。
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ドォォォォォォン!!
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轟音。
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地面が揺れる。
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反射的に顔を上げた。
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煙。
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建物の向こう。
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巨大な影。
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そして。
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異形。
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「脳無……」
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思わず呟く。
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見間違いじゃない。
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USJで見た。
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あの怪物だった。
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「七瀬!」
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風見が叫ぶ。
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同時。
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七武装輪転を発動する。
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黄金のルーレットが回る。
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カラカラカラ。
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数字が流れる。
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『1』
『2』
『3』
『4』
『5』
『6』
『7』
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嫌な汗が流れた。
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頼む。
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本当に。
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『2』
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心臓が嫌な音を立てる。
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やめろ。
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それだけは。
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絶対にやめろ。
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『5』
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続いて第5武装。
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こっちも嫌だ。
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まだ出したくない。
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そして。
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カチリ。
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数字が止まる。
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『1』
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第1武装。
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戒律の鎖。
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安堵した。
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本当に。
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「助かった……」
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「え?」
風見が振り返る。
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「何でもないです」
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本気だった。
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少なくとも。
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第2武装よりは遥かにマシだ。
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黄金の鎖が腕へ巻き付く。
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その直後。
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脳無が突っ込んできた。
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速い。
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異常に。
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拳が振り下ろされる。
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直撃。
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そう思った。
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だが。
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バキッ!!
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街路樹の枝が折れた。
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偶然。
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本当に偶然。
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その枝が脳無の顔面へ当たる。
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軌道がズレた。
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拳は地面へ直撃。
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轟音。
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クレーターができる。
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風見は無傷だった。
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「危なっ!」
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本人まで驚いている。
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脳無が再び動く。
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今度は蹴り。
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しかし。
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路上の自転車が倒れる。
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偶然。
◇◇◇
本当に偶然。
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脳無の足が引っ掛かる。
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体勢が崩れる。
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攻撃失敗。
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「……おい」
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俺は風見を見る。
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「何だ?」
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本人は首を傾げていた。
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「個性ですか」
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風見が固まる。
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数秒。
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そして。
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「ああ」
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納得したように頷く。
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「説明してなかったな」
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脳無が瓦礫を投げる。
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だが。
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近くの工事現場。
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シートが風でめくれた。
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視界が塞がる。
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命中しない。
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偶然。
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全部偶然。
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あり得ないほど。
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「俺の個性」
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風見が笑った。
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「ラッキーハッピー」
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沈黙。
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「……は?」
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聞き返してしまった。
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「楽しい時ほど運が良くなる」
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「それが俺の個性」
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意味が分からない。
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本当に。
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「今楽しいんですか?」
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「楽しいぞ?」
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即答だった。
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「職場体験中!」
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「連続襲撃犯!」
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「正体不明の怪物!」
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「最高にワクワクする!」
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終わっていた。
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色々と。
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脳無が再び襲い掛かる。
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だが。
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今度は近くの看板が外れた。
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偶然。
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脳無の顔面へ直撃する。
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止まる。
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本当に偶然なのか?
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いや。
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違う。
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全部。
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この人の個性だ。
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風見悠人。
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強いんじゃない。
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運に愛されている。
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異常なほど。
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「よし!」
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風見が拳を握る。
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「誘導するぞ!」
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「どこへ」
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嫌な予感。
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最大級の。
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「犯人がいる場所だ!」
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終わった。
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完全に終わった。
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俺は確信する。
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平穏な職場体験。
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それはもう。
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どこにも存在しない。
第28話 完