第32話 『結果発表』
試験が終わった。
◇◇◇
終わってしまった。
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問題は。
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手応えがなかったことだ。
◇◇◇
非常に。
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ヒーロー科A組
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教室は騒がしかった。
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「終わったぁぁぁ!」
上鳴が叫ぶ。
◇◇◇
「無理だ!」
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「補習確定だ!」
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知ってた。
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芦戸も似たような状態だった。
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瀬呂も死んでいる。
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平常運転だった。
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俺は机へ突っ伏す。
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疲れた。
◇◇◇
本当に。
◇◇◇
「どうだった?」
緑谷が聞く。
◇◇◇
「分からん」
◇◇◇
本音だった。
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出来た問題もある。
◇◇◇
出来なかった問題もある。
◇◇◇
つまり。
◇◇◇
分からない。
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放課後
ひなたの家
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ナイチンゲールが紅茶を置いた。
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アルトリアもいる。
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最近よくいる。
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何故だろう。
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「どうでしたか?」
ナイチンゲール。
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「微妙」
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即答だった。
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「何点くらいだと思う」
アルトリア。
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少し考える。
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「五十から七十」
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「幅が広いな」
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「分からないからな」
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本気だった。
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ナイチンゲールが苦笑する。
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「落ちても責任は感じませんよ」
◇◇◇
「助かる」
◇◇◇
本当に。
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アルトリアが腕を組む。
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「私は受かると思う」
◇◇◇
「根拠は」
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「私が教えた」
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自信満々だった。
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少しだけ不安になる。
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翌日
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運命の日だった。
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結果発表。
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つまり。
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処刑日である。
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ヒーロー科A組
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相澤が入ってくる。
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静かだった。
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珍しく。
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誰も騒がない。
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皆結果が気になるのだろう。
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当然だ。
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俺も気になる。
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「結果を発表する」
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来た。
◇◇◇
教室が静まる。
◇◇◇
モニターが起動する。
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順位。
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点数。
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一覧が表示された。
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視線を動かす。
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自分の名前を探す。
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あった。
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七瀬刃人。
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六十四点。
◇◇◇
沈黙。
◇◇◇
六十四点。
◇◇◇
もう一度見る。
◇◇◇
六十四点。
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嫌な数字だった。
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「惜しいな」
相澤が言う。
◇◇◇
惜しいらしい。
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全然嬉しくない。
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「合格ラインは六十だった」
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助かった。
◇◇◇
心の底から。
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一点足りなかったのではない。
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四点余裕があった。
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十分だ。
◇◇◇
非常に。
◇◇◇
「よっしゃぁぁぁ!!」
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上鳴の声。
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一瞬喜んでいた。
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その直後。
◇◇◇
モニターを見る。
◇◇◇
補習。
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確定。
◇◇◇
沈黙。
◇◇◇
そして。
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絶叫。
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昼休み
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屋上。
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久しぶりの平和だった。
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補習回避。
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素晴らしい。
◇◇◇
その時。
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扉が開く。
◇◇◇
アルトリアだった。
◇◇◇
「受かったな」
◇◇◇
「一応」
◇◇◇
「私が教えたからな」
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相変わらず自信満々だった。
◇◇◇
だが。
◇◇◇
少しだけ感謝している。
◇◇◇
ナイチンゲールも。
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同じだ。
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教わってなければ。
◇◇◇
多分落ちていた。
◇◇◇
確実に。
◇◇◇
「ありがとう」
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言った瞬間。
◇◇◇
アルトリアが固まった。
◇◇◇
珍しい。
◇◇◇
非常に。
◇◇◇
「どうした」
◇◇◇
「いや」
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アルトリアが咳払いする。
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「当然のことをしただけだ」
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少し耳が赤かった。
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気のせいだろう。
◇◇◇
多分。
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放課後
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再び教室。
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相澤が教壇へ立つ。
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嫌な予感。
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非常に。
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「それじゃ実技試験の説明をする」
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来た。
◇◇◇
本番だった。
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筆記は前座。
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知っていた。
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でも認めたくなかった。
◇◇◇
相澤が続ける。
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「今年から二年も同形式の試験を受ける」
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教室がざわつく。
◇◇◇
そして。
◇◇◇
扉が開く。
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見慣れた金髪。
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アルトリアだった。
◇◇◇
A組が騒然とする。
◇◇◇
当然だった。
◇◇◇
「二年ヒーロー科」
◇◇◇
「アルトリア・ペンドラゴンだ」
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紹介が終わる。
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モニターが起動した。
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ペア発表。
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全員の視線が集まる。
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俺は嫌な予感しかしなかった。
◇◇◇
本当に。
◇◇◇
そして。
◇◇◇
七瀬刃人。
◇◇◇
アルトリア・ペンドラゴン。
◇◇◇
名前が並んだ。
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予想通りだった。
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問題はその下。
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教師。
◇◇◇
対戦相手。
◇◇◇
二名。
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モニターを見た瞬間。
◇◇◇
思考が止まる。
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◇◇◇
◇◇◇
沈黙。
◇◇◇
教室も静かだった。
◇◇◇
「終わった」
◇◇◇
思わず呟く。
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個性抹消。
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睡眠ガス。
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最悪だった。
◇◇◇
アルトリアも隣で頷く。
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「奇遇だな」
◇◇◇
「私もそう思う」
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珍しく意見が一致した。
◇◇◇
だが。
◇◇◇
逃げ場はない。
◇◇◇
実技試験。
◇◇◇
その幕が。
◇◇◇
今まさに上がろうとしていた。
第32話 完