七武装輪転の転生者は平穏に暮らしたい   作:ポーンδ

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休日

第38話 『休日』

 

休日だった。

 

◇◇◇

 

本来なら。

 

◇◇◇

 

家で過ごす予定だった。

 

◇◇◇

 

静かに。

 

◇◇◇

 

平和に。

 

◇◇◇

 

怠惰に。

 

◇◇◇

 

理想的な休日である。

 

◇◇◇

 

そのはずだった。

 

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前日

 

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放課後。

 

◇◇◇

 

麗日が声を掛けてきた。

 

◇◇◇

 

「明日みんなでショッピングモール行くんやけど」

 

◇◇◇

 

「七瀬くんも来る?」

 

◇◇◇

 

沈黙。

 

◇◇◇

 

数秒。

 

◇◇◇

 

「行かない」

 

七瀬。

 

◇◇◇

 

即答だった。

 

◇◇◇

 

耳郎が固まる。

 

◇◇◇

 

「早くない?」

 

◇◇◇

 

切島も苦笑する。

 

◇◇◇

 

「予定あるのか?」

 

◇◇◇

 

「ない」

 

七瀬。

 

◇◇◇

 

「じゃあ何で断るんだよ」

 

◇◇◇

 

「面倒だから」

 

◇◇◇

 

本音だった。

 

◇◇◇

 

非常に。

 

◇◇◇

 

クラス全員が納得した。

 

◇◇◇

 

七瀬だからである。

 

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当日

 

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朝。

 

◇◇◇

 

チャイムが鳴った。

 

◇◇◇

 

嫌な予感がした。

 

◇◇◇

 

非常に。

 

◇◇◇

 

扉を開ける。

 

◇◇◇

 

案の定だった。

 

◇◇◇

 

「おはよう」

 

アルトリア。

 

◇◇◇

 

「帰れ」

 

七瀬。

 

◇◇◇

 

「断る」

 

◇◇◇

 

即答だった。

 

◇◇◇

 

面倒だ。

 

◇◇◇

 

非常に。

 

◇◇◇

 

「行くぞ」

 

◇◇◇

 

「嫌だ」

 

◇◇◇

 

「買い物だ」

 

◇◇◇

 

「一人で行け」

 

◇◇◇

 

「荷物持ちが必要だ」

 

◇◇◇

 

「知らん」

 

◇◇◇

 

「知っている」

 

◇◇◇

 

会話にならなかった。

 

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十分後

 

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ショッピングモール。

 

◇◇◇

 

何故だろう。

 

◇◇◇

 

さっきまで家にいたはずだった。

 

◇◇◇

 

非常に。

 

◇◇◇

 

アルトリアは満足そうだった。

 

◇◇◇

 

七瀬は不満だった。

 

◇◇◇

 

非常に。

 

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買い物

 

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服屋。

 

◇◇◇

 

雑貨店。

 

◇◇◇

 

書店。

 

◇◇◇

 

あちこち連れ回される。

 

◇◇◇

 

七瀬は後ろを歩く。

 

◇◇◇

 

完全に荷物持ちだった。

 

◇◇◇

 

理不尽である。

 

◇◇◇

 

非常に。

 

◇◇◇

 

「これはどう思う」

 

アルトリア。

 

◇◇◇

 

服を見せてくる。

 

◇◇◇

 

「知らん」

 

◇◇◇

 

「参考にならないな」

 

◇◇◇

 

「聞くな」

 

◇◇◇

 

いつものやり取りだった。

 

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昼食

 

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フードコート。

 

◇◇◇

 

人が多い。

 

◇◇◇

 

騒がしい。

 

◇◇◇

 

嫌だった。

 

◇◇◇

 

非常に。

 

◇◇◇

 

七瀬は席に座る。

 

◇◇◇

 

向かいにはアルトリア。

 

◇◇◇

 

テーブルには昼食。

 

◇◇◇

 

平和だった。

 

◇◇◇

 

多分。

 

◇◇◇

 

アルトリアが飲み物を置く。

 

◇◇◇

 

そして。

 

◇◇◇

 

七瀬を見る。

 

◇◇◇

 

「食べないのか?」

 

◇◇◇

 

「食べてる」

 

◇◇◇

 

「遅いな」

 

◇◇◇

 

「普通だ」

 

◇◇◇

 

アルトリアは少し考える。

 

◇◇◇

 

そして。

 

◇◇◇

 

自分の皿からポテトを一本取った。

 

◇◇◇

 

七瀬の皿へ置く。

 

◇◇◇

 

沈黙。

 

◇◇◇

 

「何だこれ」

 

◇◇◇

 

「少ないと思った」

 

◇◇◇

 

「余計なお世話だ」

 

◇◇◇

 

そう言いながら食べる。

 

◇◇◇

 

普通に。

 

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その頃

 

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ショッピングモール内。

 

◇◇◇

 

A組一行。

 

◇◇◇

 

休日を満喫していた。

 

◇◇◇

 

その時。

 

◇◇◇

 

麗日が立ち止まる。

 

◇◇◇

 

「あれ?」

 

◇◇◇

 

全員が視線を向けた。

 

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発見

 

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沈黙。

 

◇◇◇

 

数秒。

 

◇◇◇

 

誰も喋らない。

 

◇◇◇

 

そこにいた。

 

◇◇◇

 

七瀬。

 

◇◇◇

 

そして。

 

◇◇◇

 

アルトリア。

 

◇◇◇

 

向かい合わせ。

 

◇◇◇

 

昼食中。

 

◇◇◇

 

さらに。

 

◇◇◇

 

アルトリアが七瀬の皿へポテトを入れた瞬間だった。

 

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A組

 

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「デートじゃん」

 

耳郎。

 

◇◇◇

 

即答だった。

 

◇◇◇

 

「デートやね」

 

麗日。

 

◇◇◇

 

「デートですわね」

 

八百万。

 

◇◇◇

 

「デートだな」

 

切島。

 

◇◇◇

 

「デートだと思う」

 

緑谷。

 

◇◇◇

 

満場一致だった。

 

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峰田

 

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ただ一人。

 

◇◇◇

 

峰田だけ違った。

 

◇◇◇

 

震えていた。

 

◇◇◇

 

ぷるぷると。

 

◇◇◇

 

非常に。

 

◇◇◇

 

「何で?」

 

◇◇◇

 

誰も反応しない。

 

◇◇◇

 

「何でだよぉぉぉ!!」

 

◇◇◇

 

突然叫んだ。

 

◇◇◇

 

周囲が振り向く。

 

◇◇◇

 

気にしない。

 

◇◇◇

 

峰田だからだ。

 

◇◇◇

 

「俺は休日に男とショッピングモール!!」

 

◇◇◇

 

「なのにあいつは美人先輩と昼飯!?」

 

◇◇◇

 

「しかも向かい合わせ!?」

 

◇◇◇

 

「ポテトもらってるぞ!?」

 

◇◇◇

 

実際にもらっていた。

 

◇◇◇

 

「爆発しろぉぉぉ!!」

 

◇◇◇

 

耳郎。

 

◇◇◇

 

「うるさい」

 

◇◇◇

 

「理不尽だろぉぉぉ!!」

 

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本人達

 

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全く気付いていなかった。

 

◇◇◇

 

非常に。

 

◇◇◇

 

アルトリアが言う。

 

◇◇◇

 

「実技試験では助かった」

 

◇◇◇

 

七瀬が顔を上げる。

 

◇◇◇

 

「そうか」

 

◇◇◇

 

「そうだ」

 

◇◇◇

 

「お前も助けただろ」

 

◇◇◇

 

アルトリアが少し笑う。

 

◇◇◇

 

「そうだったな」

 

◇◇◇

 

自然だった。

 

◇◇◇

 

あまりにも。

 

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撤退

 

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飯田が小声で言う。

 

◇◇◇

 

「声を掛けるべきだろうか」

 

◇◇◇

 

耳郎が首を振る。

 

◇◇◇

 

「野暮でしょ」

 

◇◇◇

 

緑谷も頷く。

 

◇◇◇

 

切島も頷く。

 

◇◇◇

 

珍しく。

 

◇◇◇

 

全員意見が一致した。

 

◇◇◇

 

「そっとしておこう」

 

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帰り道

 

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夕方。

 

◇◇◇

 

買い物は終わった。

 

◇◇◇

 

荷物は増えた。

 

◇◇◇

 

理不尽だった。

 

◇◇◇

 

本当に。

 

◇◇◇

 

「楽しかった」

 

アルトリア。

 

◇◇◇

 

七瀬が横を見る。

 

◇◇◇

 

珍しい言葉だった。

 

◇◇◇

 

「そうか」

 

◇◇◇

 

「そうだ」

 

◇◇◇

 

少し沈黙。

 

◇◇◇

 

そして。

 

◇◇◇

 

「お前はどうだった」

 

アルトリア。

 

◇◇◇

 

七瀬は即答した。

 

◇◇◇

 

「疲れた」

 

◇◇◇

 

アルトリアが笑う。

 

◇◇◇

 

本当に少しだけ。

 

◇◇◇

 

「だろうな」

 

◇◇◇

 

七瀬はため息を吐いた。

 

◇◇◇

 

休日とは何だったのだろう。

 

◇◇◇

 

非常に。

 

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一方

 

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峰田。

 

◇◇◇

 

帰宅後。

 

◇◇◇

 

ベッドへうつ伏せに倒れ込む。

 

◇◇◇

 

そして。

 

◇◇◇

 

「爆発しろぉぉぉ!!」

 

◇◇◇

 

魂の叫びだった。

 

第38話 完

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