七武装輪転の転生者は平穏に暮らしたい   作:ポーンδ

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家族

第39話 『家族』

 

放課後。

 

◇◇◇

 

帰る時間だった。

 

◇◇◇

 

素晴らしい。

 

◇◇◇

 

非常に。

 

◇◇◇

 

今日は特に何もなかった。

 

◇◇◇

 

平和。

 

◇◇◇

 

最高だった。

 

◇◇◇

 

だから帰る。

 

◇◇◇

 

早く。

 

◇◇◇

 

非常に。

 

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二年教室

 

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七瀬は廊下を歩く。

 

◇◇◇

 

目的地は決まっていた。

 

◇◇◇

 

二年ヒーロー科。

 

◇◇◇

 

アルトリア回収。

 

◇◇◇

 

理由は簡単だった。

 

◇◇◇

 

帰り道が同じだから。

 

◇◇◇

 

それだけだ。

 

◇◇◇

 

多分。

 

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違和感

 

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教室の前まで来る。

 

◇◇◇

 

そして気付く。

 

◇◇◇

 

騒がしい。

 

◇◇◇

 

妙に。

 

◇◇◇

 

今までならあり得なかった。

 

◇◇◇

 

アルトリアの教室は基本静かだ。

 

◇◇◇

 

少なくとも。

 

◇◇◇

 

アルトリア本人が原因で騒ぐことはない。

 

◇◇◇

 

珍しい。

 

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教室内

 

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七瀬は扉から中を覗く。

 

◇◇◇

 

知らない顔がいた。

 

◇◇◇

 

一人。

 

◇◇◇

 

二人。

 

◇◇◇

 

三人。

 

◇◇◇

 

結構いる。

 

◇◇◇

 

教室の中心。

 

◇◇◇

 

アルトリアがいた。

 

◇◇◇

 

周囲には同期達。

 

◇◇◇

 

復学組だった。

 

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不和真綿

 

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「アルトリアちゃん」

 

◇◇◇

 

ふわりとした声。

 

◇◇◇

 

女子生徒だった。

 

◇◇◇

 

不和真綿。

 

◇◇◇

 

アルトリアの同期。

 

◇◇◇

 

復学組の一人。

 

◇◇◇

 

「久しぶりだねぇ」

 

◇◇◇

 

アルトリアが頷く。

 

◇◇◇

 

「ああ」

 

◇◇◇

 

「久しぶりだ」

 

◇◇◇

 

柔らかな会話だった。

 

◇◇◇

 

珍しく。

 

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発見

 

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その時。

 

◇◇◇

 

不和が扉の方を見る。

 

◇◇◇

 

そして。

 

◇◇◇

 

「あれぇ?」

 

◇◇◇

 

教室の全員が振り返った。

 

◇◇◇

 

視線。

 

◇◇◇

 

集中。

 

◇◇◇

 

七瀬。

 

◇◇◇

 

帰りたくなった。

 

◇◇◇

 

非常に。

 

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初対面

 

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「その子が七瀬くん?」

 

不和。

 

◇◇◇

 

アルトリアが頷く。

 

◇◇◇

 

「ああ」

 

◇◇◇

 

「そうだ」

 

◇◇◇

 

復学組の視線が集まる。

 

◇◇◇

 

七瀬は面倒そうな顔をした。

 

◇◇◇

 

いつも通りだった。

 

◇◇◇

 

非常に。

 

◇◇◇

 

「聞いてるよぉ」

 

不和。

 

◇◇◇

 

「体育祭優勝したんだって?」

 

◇◇◇

 

「そうか」

 

七瀬。

 

◇◇◇

 

「いや本人でしょう?」

 

◇◇◇

 

不和が笑う。

 

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話題

 

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「教師二人相手に勝ったらしいな」

 

◇◇◇

 

同期の一人が言う。

 

◇◇◇

 

アルトリアが訂正した。

 

◇◇◇

 

「二人だ」

 

◇◇◇

 

「私もいた」

 

◇◇◇

 

「そっちじゃない」

 

◇◇◇

 

即座に返された。

 

◇◇◇

 

アルトリアが少し首を傾げる。

 

◇◇◇

 

七瀬は帰りたかった。

 

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仲良し?

 

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不和が二人を見比べる。

 

◇◇◇

 

そして。

 

◇◇◇

 

「仲良いんだねぇ」

 

◇◇◇

 

沈黙。

 

◇◇◇

 

「違う」

 

七瀬。

 

◇◇◇

 

「違うな」

 

アルトリア。

 

◇◇◇

 

即答だった。

 

◇◇◇

 

完璧な同時。

 

◇◇◇

 

教室中が静かになる。

 

◇◇◇

 

数秒。

 

◇◇◇

 

不和が笑った。

 

◇◇◇

 

「息ぴったりだねぇ」

 

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沈黙

 

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七瀬が黙る。

 

◇◇◇

 

アルトリアも黙る。

 

◇◇◇

 

反論できなかった。

 

◇◇◇

 

事実だからである。

 

◇◇◇

 

非常に。

 

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施設

 

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「そういえば」

 

不和。

 

◇◇◇

 

「同じ施設なんだよねぇ?」

 

◇◇◇

 

アルトリアが頷く。

 

◇◇◇

 

「ああ」

 

◇◇◇

 

「ひなた園だ」

 

◇◇◇

 

教室が少し静かになる。

 

◇◇◇

 

知っている者もいる。

 

◇◇◇

 

知らない者もいる。

 

◇◇◇

 

だが。

 

◇◇◇

 

誰も茶化さなかった。

 

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家族

 

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不和が優しく聞く。

 

◇◇◇

 

「じゃあ」

 

◇◇◇

 

「家族みたいなもの?」

 

◇◇◇

 

アルトリアは少しも迷わない。

 

◇◇◇

 

「みたいなものではない」

 

◇◇◇

 

沈黙。

 

◇◇◇

 

そして。

 

◇◇◇

 

「家族だ」

 

◇◇◇

 

即答だった。

 

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七瀬

 

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家族。

 

◇◇◇

 

その言葉を聞く。

 

◇◇◇

 

頭に浮かぶ。

 

◇◇◇

 

ひなた。

 

◇◇◇

 

ナイチンゲール。

 

◇◇◇

 

アルトリア。

 

◇◇◇

 

園の皆。

 

◇◇◇

 

血は繋がっていない。

 

◇◇◇

 

だが。

 

◇◇◇

 

それ以外なら。

 

◇◇◇

 

確かに。

 

◇◇◇

 

家族だった。

 

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返答

 

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不和が笑う。

 

◇◇◇

 

「そうなんだぁ」

 

◇◇◇

 

「素敵だねぇ」

 

◇◇◇

 

七瀬は少し考える。

 

◇◇◇

 

そして。

 

◇◇◇

 

「まあ」

 

◇◇◇

 

「そうかもな」

 

◇◇◇

 

教室が静かになった。

 

◇◇◇

 

アルトリアがこちらを見る。

 

◇◇◇

 

少しだけ。

 

◇◇◇

 

嬉しそうだった。

 

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帰宅

 

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「帰るぞ」

 

七瀬。

 

◇◇◇

 

アルトリアが立ち上がる。

 

◇◇◇

 

「ああ」

 

◇◇◇

 

不和が手を振った。

 

◇◇◇

 

「またねぇ」

 

◇◇◇

 

「また会おう」

 

アルトリア。

 

◇◇◇

 

教室を出る。

 

◇◇◇

 

廊下を歩く。

 

◇◇◇

 

静かだった。

 

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帰り道

 

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しばらく無言。

 

◇◇◇

 

その後。

 

◇◇◇

 

アルトリアが言った。

 

◇◇◇

 

「どうだった」

 

◇◇◇

 

「何が」

 

七瀬。

 

◇◇◇

 

「復学組だ」

 

◇◇◇

 

少し考える。

 

◇◇◇

 

そして。

 

◇◇◇

 

「思ったより普通だった」

 

◇◇◇

 

本音だった。

 

◇◇◇

 

アルトリアが小さく笑う。

 

◇◇◇

 

「そうだろう」

 

◇◇◇

 

「多分な」

 

◇◇◇

 

七瀬はため息を吐いた。

 

◇◇◇

 

面倒だった。

 

◇◇◇

 

非常に。

 

◇◇◇

 

だが。

 

◇◇◇

 

悪くはなかった。

 

◇◇◇

 

多分。

 

第39話 完

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