ヘリオスフィアに愛の方程式を   作:松兄

29 / 29
仲良くなろう会

 

 あのあと、「エレンスゲ組と仲良くなろう会」が開かれ、散々質問攻めにされた優珂たちクエレブレと、七保たちバシャンドレ。

 

 それも落ち着いた頃、賑やかな料理の並ぶテーブルから少し離れ、窓際で静かにジュースの缶を傾ける鶴紗。

 

 そこへ、同じくリリィの輪から抜け出したクエレブレの結爾や美岳、そして一葉たちがふらりとやってきた。

 

 あのアルトラ級ヒュージ、《ジャガーノート・グランデ》とのガーデン、レギオンの垣根を越えた死闘の末、お互いに戦士としての敬意を抱いた彼女たちの静かな会話。

 

結爾「……安藤鶴紗。さっきは、悪かったわね。……あの時の戦い、貴女がゲヘナに囚われてるのを彼女たちが助けに来たって聞いて、あの時納得したわ。……私たちは、あの施設を潰しに来てたの」

 

鶴紗「……いや、気にしてない。……それより、G.E.H.E.N.A.の拠点が、世界中で一晩にして全部燃え尽きたってマジなのか?」

 

美岳「ああ、本当だ。私たちの明日の任務も、来週の襲撃予定も、全部灰になった。あの男が、キーボードを叩いてただけの間に……な。……本当に、あっけないくらい綺麗に、一つ残さず消えた」

 

一葉「ガーデンの『上』は、G.E.H.E.N.A.との癒着で大混乱しています。……ですが、私たちはただ、胸がすくような思いでした。あそこはマディックもリリィも人間扱いしない、闇そのものでしたから」

 

鶴紗「……そうか」

 

 鶴紗は缶ジュースを見つめ、それから小さく、本当に小さく、声音を震わせながら微笑む。

 

鶴紗「……光輝様がG.E.H.E.N.A.を全部燃やした時、アタシ……ちょっと嬉しくて、泣きそうになった……」

 

一同『!』

 

鶴紗「アタシたちの過去も、あそこで死んでいった奴らの無念も……光輝様が、力尽くで全部終わらせてくれたんだって思ったらさ……。なんか、やっと本当に救われた気がしたんだ」

 

 その言葉に、結爾は目を見開き、それから静かに視線を落として、自分の両手を握りしめる。

 

結爾「……ええ。私も、同じね。気に入らないけど、終わらないと思ってた泥沼を、あの男が全部終わらせてくれた。……正直救われたわ」

 

優珂「……当然よ。あいつは私の大切なマディック(仲間)を一人残らず無傷で護りきってみせた男よ? G.E.H.E.N.A.のクソみたいなゴミ装備なんか、あいつの技術の足元にも及ばないわ。……あいつは、私にとっても、その……」

 

 赤くなって口を噤む優珂。

 

七保「ふふ、そうね。規律や方針に縛られてきたけれど、個人としてはあんな非人道的な組織、大嫌いだったもん。学校が燃えたのは大変だけど、私たちの心は、今エレンスゲにいた頃よりずっと晴れやかよ」

 

 G.E.H.E.N.A.の人体実験により身体を蝕まれた者同士、G.E.H.E.N.A.に下った鉄槌に、心からの「ざまぁ」を感じる彼女たち。

 

美岳「でも、G.E.H.E.N.A.が壊滅したということは、世間ではヒュージへの対抗策が失われたという意識が産まれるはずだ」

 

 美岳の懸念は最もだ。G.E.H.E.N.A.のやってきたことは最低最悪だが、それにより人類の存続に貢献していたことも、また事実。

 

優珂「心配いらないわよ。あんな奴らいなくても、私たちには今度はアイツが作った装備があるんだから。他のリリィたちも感じるはずよ。G.E.H.E.N.A.とアイツ、どちらの装備がより安全で、強力か、って…」

 

一葉「ですね」

 

 今回ばかりは、一葉ともまともに会話した優珂。すると、

 

優珂「さてと、アイツが説教から解放されてることだし、少し話してくるわ。仲間を助けてもらった礼くらい言わないとね」

 

美岳「そうだな」

 

 そして、優珂は行ってしまった。

 

鶴紗「………なあ、一葉」

 

一葉「なんですか?」

 

鶴紗「なんか、松村優珂の、聞いてた噂と性格が違うような気がして……」

 

一葉「ああ……、よほど恩を感じてるみたいですからね」

 

 一葉たちが優珂を見ると、あの優珂が頭を下げて、光輝に対してツンとしながらも、「助かったわ。ありがとう」と、礼を言っていた。

 

鶴紗「光輝様も光輝様で、恩着せがましくないからなぁ……」

 

一葉「ですよねぇ……」

 

 見ると、千香瑠が光輝の腕を抱き、黒い笑顔で優珂を威嚇していた。

 

一葉「全く、あんな男性見たことありませんよ……」

 

結爾「同感ね」

 

美岳「さて、私はもう少しお腹を満たしてくるとしよう。緋紅が食い過ぎてるようだし、注意もしてこよう」

 

 そして、美岳も行ってしまう。

 

 すると、

 

藍「かずは〜! たづさ〜!」

 

鶴紗「藍、どうした?」

 

藍「たい焼きあった! 一緒に食べよう!」

 

鶴紗「……ああ。食べようか」

 

一葉「そうですね」

 

結爾「ら、藍! 私は……」

 

藍「ん? ……食べる?」

 

 首をぶんぶんと縦に振る結爾。

 

藍「じゃあ、一緒に食べよ〜」

 

 みんなで共に食事をし、交流会は続いた。

 

 ― つづく ―




結爾の口調が定まらない……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

BanG Dream!×仮面ライダー詰め合わせ(になる予定)(作者:湯豆腐に季節のエクレアを添えて~)(原作:BanG Dream!)

久しぶりにバンドリへの熱が再燃したため、書き始めました。▼一つの編ごとの話数は、10話~15話ぐらいになれたらいいなぁと思いますが、話によっては長くなったり、短くなったりしてしまうと思います。▼小説投稿は初めてですが、バンドリと仮面ライダーが好きなので、始めました。▼完全に趣味と妄想の産物であり、瞬瞬必生で書いているので、生温かい目で見守っていただけると幸い…


総合評価:13/評価:-.--/連載:16話/更新日時:2026年10月07日(水) 21:24 小説情報

星殺しの英雄 リメイクver(作者:Castella)(原作:アサルトリリィ)

ちょっと試しにリメイクしてみます、あまり満足のいく構成じゃなかったので。


総合評価:84/評価:-.--/連載:1話/更新日時:2026年07月14日(火) 19:58 小説情報

助けた女の子に「責任を取りなさい」と迫られてる件(作者:萩月輝夜)(原作:魔法科高校の劣等生)

崑侖方院によって全てを失い世界へ憎悪と破滅を望む少女の四葉真夜。それを現実世界での原作小説をみて一目惚れした男がとある事からスパダリの少年に転生し悲劇の前に救い出され脳を焼かれたらどうなるか。▼※この作品は一部劇場版魔法科高校の劣等生【四葉継承編】のネタバレを含みます。▼ご了承ください。▼劇場公開で真夜様の狂喜を見て救わなければ…となったので救済をします。▼…


総合評価:8981/評価:7.95/連載:21話/更新日時:2026年09月23日(水) 10:26 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>