また、適宜再開していきます。
校門前で待っている『福山・ジャンヌ・幸恵』。『天宮・ソフィア・聖恋』。『松永・ブリジッタ・佳世』。『岸本・ルチア・来夢』。『黒木・フランシスカ・百合亜』たちが、レギオンとして親交のある一柳隊隊の面々と話しながら校門前で光輝を待っていたところに、光輝が校舎の方から走ってやって来た。
夢結「あ、来たわよ」
幸恵「っ! あの方が……!」
夢結との師弟関係の繋がりから、光輝のやったことを聞いていた幸恵。
その彼女が、光輝にどれほど深い敬意が込められていたのか。それは、光輝と会話を始めてから明かされることになる。
ルドビコ女学院の強化リリィ組である、幸恵、来夢、百合亜、聖恋、佳世の《アイアンサイド》の5人は、親G.E.H.E.N.A.である自分たちのガーデンの上層部の思想とは真逆で、ゲヘナに対して激しい反感を持っているレギオン。
そんな彼女たちの前で、世界規模のゲヘナ炎上を成し遂げた当の本人である光輝。
彼女たちからしたら、救い主のようだった。
幸恵「はじめまして。光輝さん。《アイアンサイド》のリーダーを務めております。『福山・ジャンヌ・幸恵』と申します」
光輝「あ、どうも。桐生光輝です」
凄く敬意の込められた挨拶に、少し驚く光輝。
来夢「光輝さん、今回のG.E.H.E.N.A.の件、ありがとうございました!」
まさかのお礼を言われるとは思っていなかった光輝。
光輝「向こうが技術盗もうとしたからバチが当たったんだよ。 俺自身は何もしてないよ」
とぼけて見せたら、彼女たちは「その冷徹な合理性、そして何よりリリィの尊厳を護るために『仕込んでおいてくれた』優しさ」に、笑みを浮かべた。
幸恵「ふふ、ご自身の手を汚さず、悪意ある者たちが『自ら罠を踏み抜く』ように仕向けておいたんですね。因果応報だわ。……光輝さん、貴方は私たちの学園を、ルドビコを縛っていた悪魔の呪いを、最も美しい形で解いてくださった。貴方という奇跡に、心からの敬意と感謝を捧げます」
光輝「ああ、うん。どういたしまして」
他にも来夢と百合亜は、長年ゲヘナの実験や戦術のプレッシャーにさらされながらも、気高く戦ってきたルドビコの中心リリィだ。
来夢「『盗もうとしなければ無害だった』……つまり、初めから私たちの安全を守るために、その罠を張ってくれていたんですね!」
キラキラさせた目で光輝を見る来夢に、ちょっと気まずくなる光輝。
百合亜「ええ。何もしなければ無害、手を出せば世界規模の壊滅。これほど合理的で、かつリリィに対して優しい『鉄槌』を私は知りません。……貴方のような方が百合ヶ丘にいてくれて、本当に良かった」
聖恋「あはは! 光輝さん、貴方がその罠を仕込んでおいてくれたおかげで、どれほど多くのリリィが救われたか分かってないでしょ?」
と、ポロポロと嬉し涙を流しながらも、笑顔を浮かべる。
佳世「私の好きなアニメの最終決戦みたいでした。悪の親玉に鉄槌が降る……。スッキリしましたよー!」
光輝「? アニメ好きなの?」
佳世「はい! "マジカル・リリィ"って言うアニメの大ファンなんです〜!」
光輝「へぇ、見てみようかな」
佳代「っ! 是非是非!」
布教のチャンスと、勧める佳代。
―――さて、本題に入ろう。
光輝「で、実際のところ、みんなとしては俺ってどうなの? ルドビコはガーデンとしては親G.E.H.E.N.A.だし、ゲヘナの研究者を親に持つリリィもいるって聞くしさ。……ていうか、親G.E.H.E.N.A.のガーデンだったら、たぶんルドビコの学校校舎も燃えてるでしょ?」
幸恵「いえ、そんなことはないですよ?」
幸恵の言葉に『?』が浮かぶ光輝。
来夢「かつては親G.E.H.E.N.A.派だったんですけど、前に起こった事件でG.E.H.E.N.A.の研究者だった大人たちや研究施設は全滅してまして……」
百合亜「そのおかげで、『今の』ルドビコには被害はなかったんです。『昔』だったら間違いなく燃えてましたけど」
佳世「そ、そうなんですぅ! 確かに当時の教師や一部の親はG.E.H.E.N.A.の研究者ですけど、やってることは完全に『マジカルリリィ』に登場する悪の組織そのものでしたけど、今の関係者はクリーンなので」
苦笑いする佳代。
幸恵「ええ。昔のガーデンの方針には反吐が出そうでしたが。あそこでルドビコは、変われて良かったんだと思います」
幸恵は一歩前に出ると、いつもの美しい、しかし一点の曇りもない澄んだ瞳で光輝を見つめた。
聖恋「勘違いしないでくださいね? 私たち全員、G.E.H.E.N.A.の研究者たちに対しては、ほぼ全員が『自業自得よ、ざまぁみろ』と魂の底からスカッとしています」
佳代「そうです! むしろ、自分たちが昔、親G.E.H.E.N.A.の環境にいたからこそ、光輝さんが『現場のリリィファースト』で動いてくれて、他のガーデンやリリィたちを危険から救ってくれたことが、どれだけ嬉しかったか。ガーデンの立場なんて関係なく、少なくとも《アイアンサイド》は全員、光輝さんの味方です!」
佳代の言葉に、頷くみんな。取り敢えずルドビコに被害はないようなので、取り敢えず一安心する光輝。
光輝「じゃあ、取り敢えず百合ヶ丘に入って? G.E.H.E.N.A.が壊滅したから、世間はリリィへの力の供給が止まったと思い込んでるだろうからさ? ちょっとみんなにも俺の作った装備を試し撃ちしてもらいたいんだけど……」
幸恵「! 喜んで!」
そして、百合ヶ丘の中に入り、仮想訓練室へと向かった。
― つづく ―
かなり無理矢理だったと思う(自覚はある)
明日は今作の鍵キャラ、松村優珂の誕生日なので、短編出ます。