『ログインユーザーからしか受け付けない』に、なっている事に今まで気付いてなかったww
光輝が仮想訓練室に顔を出した時、御台場のリリィ、船田純と、夢結が対戦していた。
《ルナティックトランサー》を持つ者同士の戦い。どうなるのかな……。
光輝がモニターを見ていると、
?「光輝って、あんた?」
光輝「? そうだけど……たしか」
楪「あ、自己紹介してなかったな。御台場女学校、ヘオロットセインツ副将、川村楪」
光輝「川村さんね」
楪「楪って呼んでくれない? みんなそう呼んでるからさ」
光輝「了解。楪さん」
楪「ん。サンキュ」
すると、観戦していた他の御台場のリリィ2人も来た。
椛「初めまして、桐生さん。御台場女学校、ヘオロットセインツ主将、月岡椛と申します」
ペコリとお辞儀をする椛さん。育ちの良さを感じさせるな……。
光輝「よろしく。もしかして椛さんって呼んだほうがいい? それか月岡さんのほうがいい?」
椛「よろしければ、椛でお願いします」
光輝「了解」
するともう一人、長い白髪を伸ばした、着物のような服を着た美人さんが話しかけたきた。
初「初めまして。ロネスネス副将、船田初です」
光輝「よろしく。呼び方は初さんでいい? 船田さん呼びだと、純さんも船田だから……」
初「そうですね。それでお願いします」
光輝「ん………」
すると、
楪「にしてもさあ、光輝この訓練室なに? やってる事ガチの殺し合い訓練なのに、死んでもホントに死なないって……。何度でも戦略を試してそれを自分の死から改良できるんでしょ?」
光輝「うん。そうだね」
初「正直、御台場にも欲しいですね」
光輝「ああ、今度、神庭女子にも作ってくれて言われてるから、ガーデンに許可取りさえしてくれれば作りに行くよ?」
?「あら、それは良いですわね」
声のした方を見ると、
初「あら、純、終わったの?」
純「ええ。姉さま。さすがは夢結ですわね。あと一歩及びませんでしたわ」
夢結「純さんも、かなり実力を上げているようだったわよ?」
純「もちろんですわ。あの映像を見た時から、血の滲むような鍛錬を積み重ねましたもの」
光輝「あの映像?」
椛「前に百合ヶ丘近海に現れた、マギジャミング波を持つギガント級ヒュージですよ。マギを封じられたにも関わらず一人の死傷者も出さずに討伐して、『一体どんな手を使ったのか?』と、騒ぎになったんです」
楪「そしたら、光輝の事を聞いてさ? マギを使わずにヒュージを倒す装備の話を。正直、ヒュージにはマギしか効かないと思ってたから……」
初「リリィの間では、それが常識でしたものね……」
なるほどね……
光輝「じゃあ、そのマギ・非マギ両対応CHARM、使ってみる?」
椛&楪&初&純「「「「え?」」」」
光輝は研究室に戻り、台車にCHARMを乗せて持ってきた。
光輝「これだよ。ここの上部のレバーのロックを外して倒すと、マギ攻撃と非マギの物理攻撃が切り替えられるよ。取り敢えず、この間百合ヶ丘近海に出たマギジャミング波ヒュージと同じ能力を持ったヒュージのデータ作ってあるから対戦してみようか」
そして、光輝と4人は対戦ブースに入ると、コンパネを練習用モードに切り替えて仮想空間に入る。
光輝が管理者タブレットを弄ると、ラージ級ヒュージが8体出現した。
楪「ラージ級が8体!?」
光輝「うん。このCHARMを使って戦ってみて? 切り替え方は教えたからな」
椛「分かりました」
初「…………」ガチャ
純「ふむ。手に持った感じは……違和感はありませんわね」
光輝「始めるよ!」
そしてバトル開始アイコンをタップする光輝。ラージ級ヒュージが4人に襲いかかる。
楪「ふっ!」
ギィンっ!!
CHARMをマギモードで運用し、攻撃を弾く楪さん。そこへ、
純「そこっ!」
ズバアッ! ボンッ!
楪「おいっ! 横取りすんな!」
楪さんが前線で受け止め(タンク)役になってしまい、そこを純さんが討ち取った。すると、他のヒュージは一人突出した純さんを狙う。
光輝(なるほど、これが御台場の凹凸コンビか。荒削りだが、連携する気が無いのに何故か連携になっている。ならばあとはチャーム側の出力追従性をあとコンマ数秒詰めれば、さらに化けるな……)
タブレットのデータを見つめる光輝の目は、完全に技術者のそれだった。
純「この程度っ!」
ギン ギンッッ!!
ヒュージの触手攻撃を、身体を反転させた勢いでCHARMを振って弾く純さん。
そこへ、
初「純!」
バン バン バンッッ!!
初さんの射撃が、正確にヒュージの目に突き刺さり一撃で沈黙させる。
純「姉様! お次は貴方ですわ!」
純さんが、次のヒュージに斬りかかる。
楪「横取り返し!」
ズバアッ! ボンッ!!
楪さんが今度は横取り返し。純さんよりも先にヒュージを倒す。
純「楪!!」
楪「純だって横取りしたでしょうが!!」
椛「ゆずも純も、少し落ち着いて。ここには光輝さんもいらっしゃいます、あまり騒がしいとデータの収集などしづらいかもしれませんわ」
ボンッ!
冷静にヒュージを仕留める椛さん。なんか大変そうだな……。
すると、
ブゥウウウウンッ!!
純「ッッ!!」
楪「マギが!」
初「これは!?」
椛「っ、みんな! マギ非対応モードにCHARMを切り替えて!」
椛さんの言葉に、弾かれたようにプロテクトの安全弁を跳ね上げる彼女たち。
カチリ、と重厚な金属音を響かせてレバーを押し下げる。マギ駆動から物理駆動へ、システムが瞬時に再構築されていく。
楪「くらえっ!」
バン バンッッ!!
楪さんの放った物理の弾丸が、ヒュージに迫り、
ボンッ!!
ヒュージの装甲を粉々に粉砕し、核まで一撃で破壊した。
楪&椛「「!?」」
純「これは……」
初「想像以上ね……純! 私たちは近づきますわよ!」
純「分かりました姉様!」
初さんと純さんはブレードモードにしてヒュージに斬りかかる。
マギを宿さないその斬撃は、まるでヒュージの装甲を、熱したナイフでバターを切るかのようにアッサリと両断。
一撃で粉砕した。
純「何ですの……コレ」
初「切れ味がすごすぎますわね……。コレを、マギを使わずに……?」
それを見る光輝が、内心で少し誇らしげに顎を引く。
光輝がチャームの超硬質ブレードに施したのは、ビルドの技術を応用した『分子結合を強引に断ち切る特殊粒子加工』だ。
マギの強化がなくとも、物理的な破壊力だけでヒュージの装甲を容易く両断できる。
――それこそが、光輝の導き出した非マギ対応の方程式だった。
そして、最後の1体が襲いかかってくる。
楪&純「「はあああっ!!」」
ザンッッ!! ボンッ!!
2人の斬撃が同時に叩き込まれ、ヒュージは爆散。すると、
純「私の方が早かったですわ!」
楪「いーや、私だね!」
喧嘩を始める2人。仲がいいやら悪いやら……。
初「もちろん、純が早かったわ」
純「そうですよね姉様!」
すると、
椛「光輝さん、ホントのところはどうなんでしょうか……?」
椛さんが聞いてくる。純さん、初さん、楪さんも見てくる。
光輝「ん〜、言いにくいんだけど……コンマ数秒の狂いもなく、同時だね……」
超高性能タブレットのログデータをミリ秒単位で視認し、寸分の狂いもないその数値を告げる光輝。
口では言いづらそうにしつつも、二人の驚異的なシンクロ率には内心で舌を巻いていた。
光輝「2人とも、仲良しなんだね。」
楪&純「「よくない(ですわ)!!」」
御台場女学校の面々との顔合わせと、作ったCHARMを使ってもらった仮想戦闘を終えて、次は応接室に場所を移動することになる。
― つづく ―
さて、先に技術交流を終えてしまい、次は裏で御台場でどんな事があったのかが、4人の口から話されます。