喪った友
御台場女学校との技術提携の話を終えた光輝。翌日―――、いつもの日課で百合ヶ丘で今までに亡くなったリリィたちの墓石に手を合わせていると、
光輝(………真琴)
そして、その日の朝食時、光輝が朝ごはんを食べていると、千香瑠がやってきた。
千香瑠「おはよう光輝くん」
光輝「おはよう………」
素っ気ない挨拶を返してしまう光輝。
千香瑠「? ……光輝く…「なあ、千香瑠」な、なに?」
光輝は
光輝「久しぶりに真琴
と、誘った。
千香瑠「っ!?」
瞬間、千香瑠は一瞬だけ驚きに目を見張った後、笑顔を見せた。
G.E.H.E.N.A.の仕組んだハザードコントローラーによる暴走から救われた千香瑠が胸に抱いた『真琴に続き、
千香瑠「光輝くん……」
光輝から、今、「真琴」の名前が出るとは思っていなかった千香瑠。
最初きょとんとした後、光輝が自分の
千香瑠「光輝くん……。……うん、うんっ! 私、行きたい。一緒に行きたい、光輝くん……!」
差し出された光輝の手を、千香瑠は壊れ物を扱うように、だけど二度と離さないと言わんばかりの強さでぎゅっと握りしめる。
その瞳には、悲しい涙ではなく、自分の弱さも過去もすべて包み込んでくれた幼馴染への、溢れんばかりの愛おしさが滲んでいた。
光輝「ん、じゃあ一緒に行こう」
そして、一葉や叶星、梨璃たちに出かけることを伝える光輝と千香瑠。
理由を説明したら、「真琴さんによろしく」と言ってくれた。
光輝「みんな、いい人達だよな」
千香瑠「うん。本当に……」
そして、ビルドフォンに《ライオンフルボトル》を挿して投げる。
《ライオン!!》
――電子音と共に眩い光が弾け、瞬時にマシンビンルダーが構築される。
光輝はパネルを弄ると、ヘルメットを2つ取り出す。
光輝「千香瑠、乗って」
千香瑠「うん。お願いします……」
バイクに2人でまたがる。
走り出す前に、千香瑠が振り落とされないように光輝の身体にしがみつく。
ムニュッ!
光輝(ッッ!!)
千香瑠の胸が光輝の背に当たっていた。光輝は心臓がバクバクいっているが、
光輝「じゃあ出るぞ!」
そして、真琴の墓がある小田原のお寺まで、マシンビンルダーを走らせた―――。
甲州撤退戦で亡くなった甲州出身のリリィの墓は、当時甲州がデスゾーンになり立ち入り不可能になったこともあり、別の地域へと移されて埋葬されていた。
そして、真琴の墓があるお寺まで来た光輝と千香瑠。前に
光輝は、途中で買った墓参り用の花束を墓に備え付けられている花瓶に入れる。
そして、千香瑠と2人で手を合わせた。
光輝(科学は人を傷つける兵器じゃない。誰かの明日を、ラブ&ピースを守るための力だ)
祖父である桐生戦兎の魂を継いだその拳を静かに握り締め、光輝は墓石へ語りかける。
光輝(真琴。お前が命を懸けて守った千香瑠の未来は、俺が受け継いだ
千香瑠「真琴……。私ね、光輝くんに助けてもらったの。私たちの大切な幼馴染はね、とっても格好いいヒーローなんだよ……?」
そしてしばらく手を合わせ、真琴の墓石に向かって近況を報告する2人。
――だが、そろそろいい時間になる。
光輝「帰るか……」
千香瑠「そうだね」
2人が、墓石に背を向けて歩き始めると、強い風が吹いた。
光輝「っ」
千香瑠「わっ…」
そして、その風が止む瞬間……。
『2人が死なないように、私が守るから……』
光輝&千香瑠「「!!??」」
バッ! と、2人は墓に顔を向ける。だが、そこには誰もいない。
光輝「今の声……」
千香瑠「光輝くんも、聞こえたの?」
2人は顔を見合わせる。
光輝「……千香瑠」
千香瑠「なに?」
光輝「ヒュージとの戦いは、俺たちの代で必ず終わらせるぞ。そしたら、また真琴に会いに来よう」
千香瑠「……うん!」
そして真琴への報告を終え、この帰り道、千香瑠は光輝に、限界突破して甘えまくっていた。
バイクの後部座席で先ほど以上の力でぎゅっと抱き着き、耳元で
千香瑠「もう絶対に離れないからね、私のヒーロー」
と囁く千香瑠に、光輝はヘルメットの中で終始顔を真っ赤にさせるのだった。
― つづく ―
どうでしたかね?
たまにはこういうのもいいかな?と思いました。