行ってみよー!
光輝「えっと……持っていく荷物は……これで全部だな」
千香瑠との、真琴の墓参りから帰ってきた光輝は、明日に予定されていた、神庭女子との技術協力のために、持っていく荷物を整理していた。
叶星さんと高嶺さんからすでに連絡は神庭女子藝術高校の上層部に通達されており、3日ほど前に『今日来てください』。と、光輝のパソコンにメールも届いていた。
光輝「よし、これでいいな。今日は早めに寝るか。明日の朝早いし」
そして、光輝はその日は早めに就寝し、翌日早朝の朝6時。用意をした後、荷物をマシンビルダーのパネルを操作して電子空間に収納し、東京、神庭にある、神庭女子藝術高校を向かった。
光輝が途中休憩を挟みながらも、マシンビルダーを走らせることおよそ1時間30分。
キッ!
光輝「ここだ………」
光輝は、神庭女子の校門前に着いた。すると、守衛さんが出てくる。
守衛「ここはリリィのガーデンだ。男が何のようだ?」
あれ? 聞いてないのか?
光輝「今日尋ねる予定が入ってるはずですが。桐生光輝と言います」
守衛「なに? 尋ねる予定?」
守衛さんは管理室に行き、来客予定者名簿を確認する。すると、名前を見つけたのか……、
守衛「名前はあったが……、技術支援になってるぞ? お前がか?」
光輝「はい」
守衛さんが怪しんでいる。すると、ガーデンの奥から紫色の髪をポニーテールにした生徒が出てきた。
?「すみません! その人通してください!!」
守衛「? 秋日さん、もしかして本当に?」
秋日?「はい! 今日来る予定になっていた桐生光輝さんです! 先ほど叶星と高嶺から連絡がありました!」
秋日と呼ばれた生徒に言われ、守衛さんが通してくれた。
光輝はマシンビルダーのパネルを操作して持ってきた荷物を取り出すと、手慣れた手付きで再度コンソールをタップする。
目の前の大型バイクが、光の粒子となって手のひらサイズのビルドフォンとライオンフルボトルに戻され、それをポケットにしまう光輝。
現代のCHARMの常識、いや、物理学的にもありえないオーバーテクノロジーに――、
守衛&秋日「「!?」」
びっくりした守衛さんと秋日さん。だが、秋日さんと呼ばれた生徒は叶星さんたちから聞いていたのか、「聞いていたとおりね」と、呟いた。
秋日「はじめまして。光輝さん。神庭女子藝術高校の生徒会長を務めている、本間秋日と言います」
光輝「桐生光輝と言います。よろしくお願いします。それと、叶星さんたちから聞いてるけど、同い年でしょ? 呼びやすい感じで呼んでもらえればいいよ?」
秋日「あ、本当に? なら、光輝って呼ばせてもらうわね」
笑顔を見せた秋日さん。すると、
秋日「じゃあ、案内するわ。施設制作の際は数日かかると聞いたから、我が校のゲストルームを、宿泊場所として用意したわ」
光輝「お気遣いありがとうございます。わざわざ毎日帰って、行ったり来たりはさすがに骨だったので、助かります」
秋日さんと一緒に神庭女子の敷地内を歩き、校舎の中にはいる。
廊下を歩いてまずは生徒会室に向かうが、途中で神庭のリリィたちから凄い見られた。
秋日「ここが生徒会室よ。みんな、光輝、来たわよ」
秋日さんが扉を開けると、中には4人の生徒と、背の低い1人の先生がいた。
悠夏「あ、秋日様。その人が?」
杏花「へ〜」
藤乃「あらあら」
鈴夢「よ、よろしくお願いします……」
光輝「どうも。桐生光輝です」
悠夏「横田悠夏です」
杏花「外崎杏花だよ。よろしく」
藤乃「石塚藤乃と申します。よろしくお願いしますね?」
鈴夢「塩崎鈴夢です」
挨拶を交わすお互い。すると、
秋日「こちらの悠夏、鈴夢、藤乃の3人と私を加えた4人が、神庭女子藝術高校、生徒会のメンバーになるわ」
悠夏「因みに、私たちも一応グラン・エプレなのよ」
光輝「え、でも……ああ。生徒会役員が長く学校を開けるわけには行かないから叶星さんたちだけが百合ヶ丘に来たってことか」
藤乃「はい。その通りです」
生徒会のメンバーと話す光輝。すると、
?「私は神庭女子藝術高校の教導官をしています。桑田一乙と言います。よろしくお願いしますね?」
光輝「はい。お願いします。早速ですが、作業を始めちゃいましょうか?」
悠夏「え? でも、荷物そのタブレットしか持ってないじゃない」
光輝「これに全部入ってるんですよ」
祖父・戦兎の開発した、分子レベルで物質をデジタルデータ化して空間に圧縮収納するシステム。
CHARMの素材から電子基板まで、この薄い端末一つにすべてに収納されている。
悠夏&鈴夢&杏花&藤乃&一乙「「「「「?」」」」」
秋日「あ〜……」
先ほど見ていた秋日さんが苦笑いする。
そして、百合ヶ丘に作った仮想訓練室と同型の訓練室を作る予定の場所に連れて行ってもらう光輝。
するとすでに、神庭女子の工廠科の生徒たちや、技術者の大人たちが待っていた。
一乙「みなさん、良いでしょうか?」
みなさんが整列する。光輝を値踏みするような目で見ている。まあ、こんなガキがあんな技術力を持ってるとは普通思わんわな。
光輝「桐生光輝です。よろしくお願いします」
秋日「皆さんには、事前に光輝さんが百合ヶ丘で作成した仮想訓練室や、4モードCHARMのデータは渡して、目を通してもらったあるはずです。皆さんには、光輝さんが去った後に自分たちでメンテナンスできるように育成するために、光輝さんと共同で施設を作ってもらう予定になっています。光輝、それで大丈夫かしら?」
光輝「はい。支援書の内容と変わらないので大丈夫です」
―――すると、
工廠科生徒「あの〜……」
おずおずと生徒の一人が手を挙げる。
秋日「何かしら?」
工廠科生徒「その人、私たちとほぼ歳かわりませんよね? そんな若い人があれを作ったなんて、にわかには信じられないのですが………」
秋日さんが「ちょっ!」と、声を上げる。が、光輝はそれを制する。
光輝「疑問は最もだと思うよ。だからまずは今日一日だけでいいから、一緒に仕事してくれないかな? そのうえで判断してもらえればいいから」
皆さんは顔を見合わせる。
工廠科生徒「分かりました……」
光輝「よし、じゃあ始めようか!」
光輝がタブレットのエンターキーを静かにタップする。――次の瞬間、虚空から幾何学的な光のレールが走り、使う工具や大型の工作機材、精密な電子基板、最高密度のCPUメモリなどが、数式を描くようにして大量にその場に出現した。
あり得ない科学の奇跡を目の当たりにし―――、
技術者&工廠科生徒『『!?!?』』
悠夏&鈴夢&一乙「「「えぇっ!?」」」
杏花「魔法!?」
藤乃「あら〜!」
みんな、目を丸くし、藤乃さんはイタズラっぽい笑顔。杏花さんは目をキラキラさせていた。
― つづく ―
まあ、光輝を初めて見た人は自分たちと同い年か、若造の男の子があれを作ったなんて思いませんわなww