あ、ライトセーバーね~。ふ~ん…   作:遺物

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EP・14

『いや本当に…お恥ずかしい限りで…』

 

『いえいいんですよ。アイシャが治療のためにと服を脱がせてたんですから』

 

誤解は解けた

 

だが、俺の尊厳には消えない深い傷を負った気がする

 

『じゃあ俺は帰るよ。治療については、世話になったな。』

 

『ま、待ってくださいスモーク!せめてお礼をさせてください。あの後どうなったかも知らないで…』

 

そう言えば、何日たったんだろう

 

ゼニスやパウロ、エリナリーゼ達のあの後どうなったのかも知らない

 

『確かに…皆の様子は?』

 

『まずはあなたのことでしょう…あなたは、丸3日眠り続けていたんですよ。他の皆さんは、大したけがはしていません。ただ…』

 

…ただ、ね

 

その言葉を聞いた瞬間、嫌な予感が胸をよぎった

 

『ゼニスは…身体的な傷などはないのですが…その、記憶が全て無くなってしまい…』

 

『…そうか』

 

その時、ルーデウスがアイシャに目で合図をした

 

しばらくして、アイシャがゼニスを連れてきた

 

『ゼニス…』

 

彼女の眼はうつろで、何も分からない赤子のような表情を浮かべていた

 

『そうか…残念だったな…』

 

『はい…ですが、助かったのは事実ですし、今も治療法を探しています』

 

なら良かった、となるのか

 

でも、別に家族でもない俺がそんなことを気にかけていいのだろうか

 

『あ、それと、ロキシーと結婚しました』

 

『へ~そう、おめでと…え?』

 

結婚?

 

ロキシーとルーデウスが結婚

 

…でも?

 

シルフィとルーデウスも結婚

 

…ほう?

 

『それはその…どういう流れでルーデウスさん?』

 

『敬語にならないでください』

 

『いや、急に新婚さんが別の女と結婚したって言われたら、そりゃ敬語にもなるだろ』

 

そして、俺は彼とロキシーの思い出を聞いた

 

『なるほどね。それは納得だ。納得だけどさ~?』

 

俺は肘をガンッとつき、不機嫌をあらわにした

 

『シルフィは納得してるわけですかね~?』

 

『彼女は…その…』

 

ルーデウスは萎れてしまった

 

『納得というか、許してはくれました。ですが…彼女を裏切ったという思いと、ロキシーが馴染めるかという不安が消えません』

 

『そうか…』

 

彼もあの戦いで相当参ってしまったのだろうか

 

そこをロキシーに突かれたのだろう

 

言い方は悪いが

 

『じゃ、今度こそ帰るよ。家族だんらんを邪魔しちゃ悪いしさ』

 

『だから待ってくださいって!せめてお礼をさせてください。みんなが待ってるんですよ!』

 

『だからいいってば…え、皆?』

 

 

 

俺はルーデウスに連れられ、酒場へと連れていかれた

 

そこには、共にあの戦いを乗り越えた皆が居た

 

「やぁっと起きたかスモーク!あれ?先輩、ロキシーはどうしたんだ?」

 

「ロキシーはもう少し後で家から来るそうです。さぁ、皆で飲みましょう!」

 

「なぁ…ルーデウス…」

 

俺は机の陰でひっくり返っているパウロを指さしながら言う

 

「パウロ…もうだいぶ飲んでるぞ…」

 

「飲んでねぇ!!」

 

「ハァ…パウロ…」

 

俺達はその後しこたま飲んだ

 

エリナリーゼが脱ぎだしたり、ギースが吐いたりしていた

 

タルハンドの目つきが…なんか怖かった

 

後から来たロキシーが、俺の酒を間違って飲んでしまい、一口で顔を真っ赤にしてしまった

 

そんなことがあったが、まぁ楽しかった

 

皆が潰れたころ、パウロが話しかけてきた

 

「よぉスモーク…あぁ~頭が痛ぇ…」

 

「はは…飲み過ぎだ…パウロ」

 

「お前…意外と酒に強いんだな」

 

まぁ確かにな

 

俺ももう自分が何杯呑んだか分かっていない

 

「まぁな…で…ルーデウスとは…どうなんだ…」

 

「…それを聞くかよ」

 

それ以外聞きたいことが余り無いからな

 

彼らの関係は親子というより…何て言うんだろう

 

友達か、仲間

 

親子らしい素振りは見えなかったな

 

「…アイツには、そろそろ子どもが生まれる。俺はアイツに父親らしいことを余り出来ていない…」

 

「…なるほどね…」

 

俺はパウロのジョッキに酒を注ぎながら聞く

 

「アイツは天才だ。俺が教えるまでもなく、勝手にどんどんと成長していった。どうせ、ゼニスのこともアイツがなんとかしてしまうんだろうな…」

 

「そうか…そうか…」

 

確かに、生まれたころからあんな要領の良さをしていれば、子育てを不安に感じることもあるだろう

 

「俺はアイツに何をしてやればいい?アイツの喜ぶことってなんだ?

 

「…女じゃないか…?」

 

「そうか…女か…」

 

パウロがうなだれてしまった

 

俺には父親になるということが良く分かっていない

 

だけど、とてもじゃないが見ていられない

 

ちょっとしたアドバイスくらいならできるかな

 

「俺の父は…無愛想な人だった…」

 

「あ?何の話だ」

 

「まぁ聞け…父は…山に釣りに…連れて行ってくれた…その時には…父の方から喋りかけてきたり…笑いかけてくれた…」

 

気付けば、パウロは真面目な顔で聞いてくれている

 

「俺にとって…父親とは…そういうものだった…」

 

「父親らしさというのは…家庭によって…違うものだ…」

 

「だから…パウロにとって…良い父親像を…貫けばいい…」

 

「そうして…彼とぶつかって…話し合えばいい…と…俺は…思う…」

 

少し語ってしまったな

 

パウロにとっていい影響を与えられればいいが

 

「おぉ…おぉ!確かにな!俺の考える良い父親ね…ありがとなスモーク!助かった!」

 

「…なら…良かった」

 

彼の悩みを解消できたようで良かった

 

せっかく親子揃って生きているんだ

 

仲良くないと楽しくないだろう

 

そして、俺はこの後、寮に帰る途中で盛大に吐いてしまった

 

…これは内緒のことだ

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