【ガチ恋プリンセス】これがVtuberのおしごと~後輩はガチで陰キャでコミュ障。。。『ましのん』コンビでトップVtuberを目指します!   作:夕姫777

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192. ましのんは『新しく始める』ようです

192. ましのんは『新しく始める』ようです

 

 

 

 年越しの準備を終えて、時間は21時。『Fmすたーカウントダウンライブ』が始まる。去年は興味もなかったし、何より自分が歌う姿が恥ずかしかったので配信観なかったんだよな……

 

 それが今年は、隣に好きな人で同じFmすたーらいぶの仲間と共に観ることができている。こんなに嬉しいことはない。もうすぐ始まるというタイミングで桃さんが声を掛けてくる。もうすでに何本かビールをあけているので、上機嫌な様子だ。

 

「今年は各期のオリジナルユニット曲もあるから盛り上がるわよ」

 

「確かにな。Fmすたーらいぶには人気のユニットもあるし、これから多くのオリジナル曲が出てくるだろうしな」

 

「え?それって遠回しに『ましのん』で出したいってことかしら?本当にあんたは変わったわ。歌なんて一番嫌いだったでしょうに」

 

「まぁな。でも『姫宮ましろ』が歌って踊って、それこそただ話すだけでもいい。だって彼女はオレだから。オレが頑張ってきた結果がこれだ。今は誇らしく思うよ」

 

 そんなことを恥ずかしげもなく言えるのは、隣で大きな海老天を食べている彩芽ちゃんのおかげでもある。あの日、事務所で出会わなければ今のオレはいない。

 

 そして、こうして彩芽ちゃんと仲良くなることも、1期生たちとの関係性も変わることはなかった。オレは彩芽ちゃんに出会えて本当によかったと思う。

 

「あっ始まるわね」

 

 桃姉さんがそう言ったと同時にFmすたーカウントダウンライブが始まる。

 

「最初は彩芽ちゃんよね?」

 

「はい……ルナ先輩とですごく緊張しました」

 

「でもルナちゃんと歌う『フェアリーテイル』か……なんかすごく格好良さそうなんだけど」

 

「はい……色々フォローもしてもらいました……でも楽しかったです」

 

 双葉かのんと黒夜ルナの『フェアリーテイル』が終わり、次々とユニットが登場し、Fmすたーカウントダウンライブは進んでいく。やはり目玉は各期生のユニットオリジナル曲。公式配信のコメント欄には、各期生の新曲に対する期待の声が数多く寄せられていた。

 

 そしてまずは3期生の『5-FIVE-COLOR CREATION』5人の個性が詰まった楽曲でその想いは1つになって色鮮やかに輝くという内容の歌詞で5人それぞれにソロパートがあり、最後のサビは全員で歌う3期生の仲の良さが溢れた曲だ。

 

 その次は2期生の『FREE 4,s』ちなみにFREEは『自由』と4,sは『4人の』+『力』という意味の造語だそうだ。ルナちゃんの格好良い歌声といのりさんの癒しボイス、そこにさくらちゃんとクララちゃんの声が合わさる、まさに2期生らしい曲だ。

 

 最後は1期生の『RE:STAR☆T』新たな始まり、これまでの想いと新たな決意が歌詞に込められている。この曲は、オレたちFmすたーらいぶのVtuberやファンの皆に向けた応援歌であり、1つの物語でもあると、そんな風に感じさせる曲だ。

 

 そんなこんなで楽しみながら視聴していると、気づけば残りは最後のユニット『ましリリィ』になっていた。

 

「颯太さん。リリィ先輩と……何歌ったんですか?」

 

「ん?観れば分かるよ」

 

「あ。これって……3年くらい前に……流行ったボカロ曲……ですよね?『真実Gravitation』……でしたっけ?」

 

「うん。立花さんが、この曲がいいって。これが流行っていた時にデビューしたから、良く聞いてたんだって」

 

「なんか……最後にFmすたーらいぶのトップ2人の『ましリリィ』のユニットって……エモいですよね」

 

 彩芽ちゃんは少し涙ぐんでいるようだった。そしてそのまま最後の曲が終わり、最後の『すたライフ』アニメーションが流れ始める。

 

「残すはカウントダウンだけだな」

 

「今年も終わりなんですね……」

 

 そしてしばらく沈黙が続くが、それもいつも通り。ただ側にいてくれるだけで幸せな気持ちになる。いよいよあと20秒。オレは彩芽ちゃんの手を握り、一緒にカウントを始める。

 

 19……18……17……16……

 

 そして、0になり、新しい年を迎える。それと同時にオレたちの手は離れ、お互いに向き合う。

 

「明けましておめでとう彩芽ちゃん。今年もよろしくお願いします」

 

「こちらこそ……よろしくお願いします……」

 

「初詣行こうか。近所の神社だけど」

 

「はい。初詣デート……です」

 

 新年を迎えた瞬間は、お互いに顔を真っ赤にして照れながらも笑顔だった。こうしてオレと彩芽ちゃんの……『姫宮ましろ』と『双葉かのん』の新しい年が始まった。

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