【ガチ恋プリンセス】これがVtuberのおしごと~後輩はガチで陰キャでコミュ障。。。『ましのん』コンビでトップVtuberを目指します! 作:夕姫777
47. 1期生初コラボ『すたフェス』同時視聴配信②
続いてステージのスポットライトに照らされて登場したのは、3期生の『九重キサラ』、そして2期生の『遠山さくら』と『伊集院クララ』の3人だ。
それぞれのソロ曲を個性たっぷりに披露した後、3人が合流してユニット『ららら』としてステージの中央に立つ。曲は、今SNSのダンス動画などでも爆発的に話題になっているアイドルソング『きゅん×3』だ。
それにしても、見事に癖の強いメンバーが揃ったもんだな。わがままお嬢様のクララちゃんと、とにかく元気で暴走しがちなさくらちゃん。キサラさんはこの中で1番後輩なのに、この猛獣2人をまとめるのはさぞかし大変だっただろう。
「さくらとクララとか罰ゲームみたいなユニットじゃんねw」
《2人ともすぐプロレスし始めて暴走するしね。でも、一番後輩のキサラちゃんがバランサーとして入ってるから、不思議と大丈夫だと思うよ、ひなたは》
《そうね。キサラは一度大型企画で一緒だったけど、周りが騒いでてもニコニコしてて、とても落ち着いていたわよ?》
《へぇ。ましろはまだ直接コラボしたことないから、今後コラボすることがあったら、ちょっと楽しみかも》
実際は裏では会ったことはあるけど、確かに落ち着いた人だったな。まぁ同じ3期生の鈴町さんにはもう少し落ち着いてほしいものだけどな。
画面の中でポップな曲が終わり、MCパートに入った。予想通り、さくらちゃんとクララちゃんが「私のダンスの方が目立ってましたわ!」「いやいや!」と小競り合いを始めたが、キサラさんは「はいはい、2人とも最高にキュートでしたよ」と、まるで幼稚園の先生のように手なずけていた。流石、ライバーの実態研究をしているだけあって扱いがしっかりしている。
コメント
『さすが博士!』
『猛獣使いw』
『キサラ最高』
『キサラしゅてき』
コメント欄はキサラさんを称えるコメントが多く、彼女の人気の高さが伺える。そして次に進んでいき、次は3期生の『海原あると』、ポアロさんに続いていく。ユニットは『あるアロ』。歌う曲は有名なゲームの主題歌『ライジングサン』。生粋のゲーマーコンビである2人にピッタリな、激しくてカッコいい選曲だった。
「お。次観てみんな!ほらほらポアロ出てきたよ!」
《ポアロちゃん。あるとちゃんとの初ユニット、裏ではどうだったの?》
《あ、それ私も聞きたいわね! ポアロ、先輩風吹かせて泣かせたりしてないでしょうね?》
「どんだけwそんなわけないじゃん。裏で会うのは初めましてだったけど、可愛い女の子だった。収録終わりに一緒にご飯も行ったし、ゲーム配信コラボしようねって約束もしたよ」
《……あの有名な『キルすっぞ!』はされた?》
「いや姫!流石に初対面の先輩相手に、いきなりそんな暴言吐かれなかったよ!」
《なるほど。まだポアロ大先輩にびびって猫被ってるんだよ、きっと……。ポアロさんに裏へ呼び出されて、可哀想なあるとちゃん……》
《確かに。1期生の中で、怒らせたら一番怖いのポアロだものね?》
「そんなことないし!可愛い後輩の前でポアロのイメージ下げるなwまた『ましリリィ』の2人にいじめられるんだけど!」
コメント
『闇のポアロ』
『逆らうなよ……消されるぞ』
『ポアロ先輩の圧』
『実は1期生で一番怖いのはひなちゃんだけどな』
コメント欄の鋭い指摘に、ひなたさんがふふっと優しく笑い声を漏らす。
《ふふ。ひなたは全然怖くないよ?ねぇ、ポアロちゃん?》
「はわわ!?ごめんなさい!ひなちゃん!」
《ふふ。ポアロちゃんはもう大人しくしててね?》
「ポアロの唯一の味方ひなちゃんまでもが……ぴえん」
そんな1期生ならではの容赦のないイジり合いをしながらも、配信は折り返しを過ぎて後半戦へと突入する。
次に出てきたのは、この前放送事故寸前で泣きべそをかいていた3期生の『朽木ココア』ちゃんだ。そのあとはリリィさん、ひなたさん、そして2期生の『輝聖いのり』さんと豪華なソロステージが続く。
そして、この4人が集結した大型ユニット『ひのアリ』が、今季イチオシのアニメ主題歌である『ワンダフルDAYS』を華やかに歌い上げていく。
コメント
『うおお!ポンココきたあああ!!』
『リリィママ、衣装の揺れエロすぎ』
『ひなちゃん可愛い!癒される』
『いのりんも癒される!』
『画面の圧が強いw』
「おおー、ここは4人の大型ユニットなんだね。ひなちゃんといのりがいるから、ココアがいても安心だねw」
《いや、ポアロさんさ?それよりも、リリィさんが1人混ざってるだけで、どうしても画面全体がセンシティブな雰囲気にならない?》
「あっ、確かに。リリィママは歩くだけでエロさを隠せないからね。年齢指定入りそう」
《そんなわけないでしょ!だとしたら『すたフェス』は非公開になるわよ。あなたたち、さっきから本当にいい加減にしなさいよ……》
《そこは大丈夫だよ。ましろちゃん、ポアロちゃん。ほらユニットには『センシティブ許しません』の、いのりちゃんがいるからさ》
《あーなるほど。なら問題ないね》
「納得だ。無事に収録できたから問題ないか」
《あなたたちは私を何だと思ってるのよ……》
《存在がセンシティブ?かな》
「リリィママは……エッチなお姉さん?」
《よし分かったわ。あなたたち覚悟しておきなさいね》
コメント
『リリィママwww』
『草』
『リリィママこわひ』
『リリィママの本気を見た』
コメント欄は爆笑の渦に包まれ、和やかな1期生の空気感のまま、ついに配信は最終ブロックへと突入していく。
画面が暗転し、次に映し出されるロゴのテロップ。
それは、今日のライブの大トリを飾る、最後のユニット――『姫宮ましろ』と『双葉かのん』の『ましのん』の出番を告げるものだった。
《さぁ、いよいよ本日の主役の登場ね。ましろ》
リリィさんの声色が、ふっと真面目なトーンに変わる。
……深夜の無人のスタジオで収録したとはいえ、こうして何万人ものリアルタイムの視聴者と一緒に、自分たちのパフォーマンスが放送される瞬間を待つのは、とてつもなく心臓に悪い。
自分でも驚くほど手汗をかいているのがわかる。配信の裏側とはいえ、すごく緊張するし、めちゃくちゃ恥ずかしいな……。
オレは固唾を呑んで、デュアルモニターの画面を食い入るように見つめた。