セラリス・オブ・カラーリー ―赤箱世界冒険譚― 作:ぶーく・ぶくぶく
スペキュラム滞在の最後の夜、セラリスは、久しぶりに少しばかり気分が軽くなっていた。
大公府へ呼び出された時には、さすがに何を言われるのかと身構えたものだったが、終わってみれば処罰でも叱責でもなく、いくつかの条件を付けたうえで現状を認めてもらうという、彼女にしてみれば思いのほか穏当な結末であった。
シャーレーンには余計な心配をかけた。
アリーナにも苦労をさせた。
それは分かっている。
だが、少なくともヴァルザリオンを討伐せよという話にはならなかったし、ミスタメア城の冒険者訓練所も閉鎖せずに済んだ。
ならば。
せっかく都まで出てきたのだ。
一晩くらい、羽を伸ばしてもよいだろう。
そう考えたこと自体は、別に間違いではなかった。
問題は、セラリスが羽を伸ばす時には、時として本人の想像を越えたところまで物事が飛んでゆく、ということだった。
*
その夜、彼女は港に近い酒場の一角で、旅芸人から借りた竪琴を抱えていた。
酒場は広く、天井は低く、梁には何年分とも知れぬ煙が染みついている。
船乗り。
商人。
傭兵。
冒険者。
どこの国の者か分からぬ旅人。
それから、何をして生計を立てているのか、あえて聞かない方がよさそうな顔つきの者までいる。
酒場というものは、少々怪しげな話ほどよく受ける。
まして、竜の歌となればなおさらだった。
セラリスが弦をひとつ鳴らすと、近くの卓にいた男が声をかけた。
「何を歌うんだ?」
セラリスは少し考えた。
別に用意してきた歌があるわけではない。
なら、最近よく知っている相手を題材にすればよい。
「北の方にいる、若いグリーンドラゴンの歌」
それだけで、何人かが振り向いた。
ドラゴン。
その言葉は、どこの酒場でもよく効く。
酔っていた者が顔を上げ、カードをしていた男が手を止め、向こうの卓では誰かが「竜だってよ」と隣の者へ肘をぶつけた。
セラリスは少し楽しくなった。
竪琴を鳴らし始める。
歌は半分以上、その場で作った即興だった。
ミスタメアの古びた城。
その地下深くに巣を持つ、若き緑竜。
毒の息。
森を越え、山を渡る翼。
赤竜に挑み。
黒竜を屈服させ。
戦った竜を必ずしも殺さず、その首を自らの前へ伏せさせる。
従う者から金貨を受け取り。
宝石を受け取り。
コボルドと冒険者を雇い、それを城へ運ばせる。
そして歌の最後に、セラリスは少し大げさに竪琴を鳴らし、
「若き緑竜王ヴァルザリオン、その宝の山は日ごと高くなる」
と締めた。
一瞬。
本当に一瞬だけ、酒場が静かになった。
それから、爆発したような歓声が起きた。
「もう一度!」
「本当にいるのか、その竜!」
「どこの城だ!」
「何頭従えてる!」
「宝はどれくらいだ!」
セラリスは笑った。
受けた。
思っていた以上に受けた。
それが純粋に嬉しくて、彼女は深く考えることもなく答えてしまった。
「本当にいるよ」
「どこだ!」
「スレスホールドの近く。ミスタメア城」
途端に、何人かが互いの顔を見た。
それに気づかず、別の男が酒杯を高々と掲げた。
「若き緑竜王に!」
「ヴァルザリオンに!」
笑い声。
杯の鳴る音。
竪琴の音。
セラリスもつられて杯を上げた。
その時には、まだ考えていなかった。
彼女の歌の中で、冒険者たちの心をもっとも強く掴んだものが、勇壮な竜の姿でもなければ、赤竜や黒竜を屈服させたというくだりでもなかったことを。
宝の山。
そこだった。
*
歌は広まった。
酒場の歌というものは奇妙なもので、誰が作ったのかなどすぐに忘れられるくせに、歌そのものが面白ければ、驚くほどしぶとく残る。
船乗りが覚えた。
傭兵が別の町で歌った。
旅商人が鼻歌で持ち帰った。
冒険者が酒の席で盛った。
そうして人から人へ渡っていくうちに、歌詞は少しずつ変わり、増え、育っていった。
ヴァルザリオンが従えている竜は、最初は二頭だった。
そのうち三頭になった。
五頭になった。
ひどいものになると七頭になった。
宝も増えた。
もともとは地下の一角に積み上げられている程度だったはずが、やがて一室を埋め尽くし、次には地下階そのものが黄金で埋まっていることになり、そのうち「古王国の宝冠」だの「失われた魔法剣」だの「竜帝の宝珠」だの、誰も見たことのない品まで加わっていった。
さらに、誰が最初に付け足したのかは分からない。
「竜王を倒した者には、七王の黄金すべてが与えられる」
などという一節まで歌われるようになった。
もちろん。
そんな約束は存在しない。
そもそもヴァルザリオンは、自分を倒した相手へ財宝を譲るなどとは一度も言っていない。
だが、冒険者にとっては大した問題ではなかった。
倒せば奪える。
それだけは、確かに間違いではない。
*
最初の一組がやって来た時、ヴァルザリオンは少し驚いた。
四人だった。
戦士が二人。
魔法使いが一人。
僧侶らしき者が一人。
彼らは山道を慎重に登り、途中で何度も立ち止まり、武器を確かめ、魔法使いは何かの呪文を準備しながら、ようやく洞窟の前まで来た。
そして叫んだ。
「緑竜王ヴァルザリオン!」
ちょうど肉を食べていたヴァルザリオンは、顔を上げた。
「誰だ?」
「その財宝、いただく!」
ヴァルザリオンはしばらく彼らを見た。
何を言っているのか分からないのではない。
意図はよく分かる。
ただ、なぜわざわざ向こうから来たのだろう、と少し不思議に思ったのだ。
そして、すぐに別のことへ気づいた。
最近、セラリスとの訓練だけでは、少し物足りないと思っていた。
セラリスは強い。
だが、何度も戦っていると癖を覚える。
魔法の選び方も。
距離の取り方も。
逃げる方向も。
ところが、人間の冒険者は毎回違う。
盾を固める者もいれば、散開する者もいる。
魔法を重ねる者もいる。
罠を使う者もいる。
目くらましを使う者もいる。
竜同士の戦いとはまるで違う。
それは、実戦相手としてはかなり面白そうだった。
「よかろう」
ヴァルザリオンは肉を置き、ゆっくり立ち上がった。
翼を広げる。
「来い」
四人は帰らなかった。
ただし。
彼らが持っていた金貨。
宝石。
魔法の剣。
治癒薬。
それらはすべて、ヴァルザリオンの財宝へ加わった。
*
数日後、また来た。
今度は六人だった。
その次は三人。
さらにしばらくすると、十人近い集団まで現れた。
ヴァルザリオンは、だんだんこの状況を気に入り始めた。
相手は向こうから来る。
戦える。
勝てば、相手の装備と財宝が残る。
しかも、毎回戦い方が違う。
人間という種族が、弱いくせに妙なことをよく考えるのだということも分かった。
毒が効きにくい薬を用意してきた者がいた。
大きな網を持ち込んだ者もいた。
翼を狙って縄を投げた者もいた。
魔法で視界を奪おうとした者もいた。
眠らせようとした者もいた。
ヴァルザリオンにしてみれば、その一つ一つが新しかった。
敵としては弱い。
だが、だからといって何も学べないわけではない。
むしろ弱いからこそ、彼らは工夫する。
そして、その工夫が面白かった。
*
ある日。
セラリスがミスタメア地下の巣へ下りていくと、ヴァルザリオンは金貨や宝石、武器や装飾品が積み上がった山の上で、ひどく満足そうに寝そべっていた。
以前より明らかに増えている。
それも、かなり。
「ヴァル」
「何だ」
「最近、冒険者が来てるって聞いたんだけど」
「来ている」
「どれくらい?」
ヴァルザリオンは少し考えた。
「覚えていない」
セラリスの顔がわずかに引きつった。
「……帰した?」
「逃げた者は帰った」
「逃げなかった人は?」
「死んだ」
「ヴァル!」
思わず声が大きくなる。
だが、ヴァルザリオンの方はまるで動じなかった。
「俺を殺して財宝を奪いに来たのだぞ?」
「それは……」
セラリスは言葉に詰まった。
正論だった。
少なくとも、ヴァルザリオンの側から冒険者を襲ったわけではない。
巣まで押しかけ、殺すと宣言し、武器を抜き、魔法を撃ったのは相手の方である。
それに対して反撃した結果、相手が死んだ。
それをヴァルザリオンに「人間だから手加減しろ」と要求するのは、少し違うような気もする。
ヴァルザリオンは鼻を鳴らした。
「それに、なかなか良い」
「何が?」
「人間との実戦だ」
セラリスは嫌な予感を覚えた。
「お前との訓練では、お前の癖を覚えてしまう」
「まあ……それはあるけど」
「だが、冒険者は毎回違う。火を使う奴もいる。雷を使う奴もいる。網を投げる奴もいた。眠らせようとした奴もいた」
「勉強しないで!」
思わず言った。
ヴァルザリオンが怪訝そうに首を傾げる。
「なぜだ?」
「いや、勉強するのはいいの。いいんだけど、そういう教材を増やさないでほしいというか」
「向こうから来るのだぞ」
「そうなんだけど!」
「それに」
ヴァルザリオンは大きな爪で、足元の金貨をざらりと掻いた。
ひどく満足そうだった。
「財宝も増える」
そこで。
セラリスは。
ひとつ。
非常に嫌なことを思い出した。
スペキュラム。
港近くの酒場。
竪琴。
喝采。
笑い声。
そして。
《若き緑竜王ヴァルザリオン》。
「……まさか」
ヴァルザリオンが彼女を見る。
「何だ?」
「いや」
セラリスは目を逸らした。
「なんでもない」
もちろん。
なんでもないはずがなかった。
*
スレスホールドでは、それより少し前から、冒険者の失踪が目立つようになっていた。
最初は誰も気にしなかった。
冒険者というものは、消える。
昨日まで酒場にいた若者が、今日は山へ入り、二度と帰ってこない。
迷宮へ潜ったまま戻らない。
盗賊に襲われる。
怪物に食われる。
そういうことは珍しくない。
だから一人や二人ならば、誰も大ごとにはしない。
だが、数が増えた。
しかも、少し調べれば共通点が見えてきた。
彼らは皆、ミスタメア方面へ向かっている。
目的も似ている。
若き緑竜王。
ヴァルザリオン。
財宝。
*
シャーレーン・ハララン男爵の執務室では、その日、机の上へ何枚もの紙が並べられていた。
失踪した冒険者の名前。
年齢。
出身。
最後に確認された場所。
同行者。
目的地。
その向かいにはアリーナが座っていた。
シャーレーンはしばらく黙って一覧を眺めていたが、やがて顔を上げた。
「アリーナ」
「はい」
「なぜ急に、これほど増えた」
アリーナは少し困った顔をした。
「噂が広がったようです」
「どんな噂だ」
「ヴァルザリオンが莫大な財宝を持っている、と」
「それは以前から知られていただろう」
「はい。でも」
そこでアリーナは、わずかに言いづらそうになった。
「歌があります」
シャーレーンの眉が動く。
「歌?」
「《若き緑竜王ヴァルザリオン》」
沈黙した。
しばらく。
本当に、しばらく。
シャーレーンは何も言わなかった。
「誰が作った」
アリーナは目を伏せた。
その反応だけで、シャーレーンの表情が少しずつ変わっていった。
疑問。
予感。
そして理解。
「……まさか」
アリーナは答えなかった。
答える必要もなかった。
*
その日の午後。
セラリスは呼び出された。
「セラリス」
「はい」
「スペキュラムで歌を歌ったそうだな」
「あ」
その一言だけで、全部ばれた。
シャーレーンは額へ手を当てた。
「なぜ歌った」
「……受けるかなって」
「受けたな」
「はい」
「たいへんよく受けた」
「はい」
「その結果として、冒険者が死んでいる」
セラリスは、本当に申し訳なさそうな顔をした。
「そこまで行くと思わなかったんです」
「私も思わなかった」
シャーレーンは疲れ切ったように言った。
彼自身、セラリスを強く責める気にはなれなかった。
悪意があったわけではない。
冒険者へ「行け」と命じたわけでもない。
ヴァルザリオンに人を襲わせたわけでもない。
ただ。
歌った。
そして歌が受けた。
それだけだった。
だが、酒場で語られた宝の話は、それを聞いた者の心の中で勝手に育ち、膨らみ、命を賭けるに足る夢へと変わってしまった。
「だが、もう実際に死んでいる」
シャーレーンはそう言った。
「はい」
「だから、止める」
*
その日のうちに、スレスホールドでは正式な告示が出された。
役所。
宿屋。
冒険者が集まる酒場。
街道沿いの掲示板。
そしてゴールド・ドラゴン亭。
人の目につく場所には、同じ文面が貼り出された。
―――
告示
ミスタメア城周辺を縄張りとするグリーンドラゴン、ヴァルザリオンは、現在カラメイコス大公国およびスレスホールド当局との取り決めに従い、人間の集落、住民、街道ならびに旅人に対する敵対行動を行っていない。
よって、財宝獲得その他の私的利益を目的としてヴァルザリオンへ攻撃を仕掛ける行為を禁ずる。
当該ドラゴンへ自ら攻撃を行い、その結果として死亡、負傷、装備または財産を喪失した場合、当局はその損害について責任を負わない。
また、ヴァルザリオンが所有する金貨、宝石、魔法具その他の財産は、所有者なき財宝ではない。これを許可なく奪取する行為は認められない。
―――
文面だけを読めば、きわめて常識的な告示だった。
人を襲っていない竜へ、宝欲しさに襲いかかってはならない。
その竜の持ち物は無主物ではない。
襲って返り討ちに遭っても、領主は責任を負わない。
言われてみれば当然の話である。
ところが翌朝。
ゴールド・ドラゴン亭の前に貼られた告示の下へ、誰かが炭で小さく書き足していた。
つまり本当に宝がある。
シャーレーンは、それを見た。
何も言わなかった。
ただ長いあいだ、その一文を見つめたあと、
「消しなさい」
とだけ命じた。
声には、怒りよりも深い疲労が混じっていた。
/*/
告示は、それでも効果があった。
少なくとも、まともな冒険者は考え直すようになった。
ヴァルザリオンは人間を襲っていない。
領主も敵対対象とは見なしていない。
そのうえ、財宝が正式に「ヴァルザリオンの所有物」とされた。
となれば。
わざわざ赴いて殺し、宝を奪えば、それは勇敢な竜退治ではなく、いささか別のものになってしまう。
酒場では、
「でも本当にあるらしいぞ」
「あるのは分かった」
「じゃあ」
「領主が手を出すなって言ってる」
「誰にも見つからなければ」
「お前、緑竜相手に誰にも見つからず盗めると思ってるのか」
そんな会話が交わされた。
噂そのものは消えなかった。
歌も残った。
だが少なくとも、命知らずが毎週のようにミスタメアへ向かうような状況は収まっていった。
/*/
一方。
それをもっとも不満に思ったのは、当のヴァルザリオンだった。
ミスタメア地下の巣で、彼は珍しく不機嫌そうに鼻を鳴らしていた。
「最近、人間が来なくなった」
「来なくていいの」
セラリスは即答した。
「良い訓練だったのだが」
「訓練は私がやるから」
「毎回同じ相手では意味がない」
「じゃあ模擬戦の相手を増やす方法を考えるから」
「人間は変なことをしてくる」
「それは否定しないけど」
「火を撃つ奴もいれば、網を投げる奴もいた」
「聞いた」
「盾の後ろへ隠れながら槍を突き出した奴らもいた」
「それも聞いた」
「なかなか面白かった」
「面白がらないで」
ヴァルザリオンは明らかに納得していなかった。
しかも、問題は戦闘だけではなかった。
大きな前脚を動かし、金貨の山をざらりと鳴らす。
「財宝も増えた」
「それも増やさなくていい!」
「なぜだ?」
「だって、それ全部、死んだ人の持ち物でしょう!」
「俺を殺しに来た者のな」
「そうだけど!」
またしても。
正論だった。
セラリスは頭を抱えた。
ヴァルザリオンにとっては、話はあまりにも単純だった。
敵が来る。
敵は自分を殺そうとする。
戦う。
勝つ。
敵が持ってきた財宝が残る。
それを自分のものにする。
どこに問題があるのか、本気で理解出来ないのである。
「だいたい」
ヴァルザリオンは少し不満そうに続けた。
「俺は一度も呼んでいない」
「うん」
「来いとも言っていない」
「うん」
「向こうが勝手に来た」
「それもそう」
「なら何が悪い」
セラリスはしばらく黙った。
そして、結局は言うしかなかった。
「……歌った私かな」
「何の話だ?」
「何でもない」
「またそれか」
ヴァルザリオンはますます怪訝そうな顔をした。
/*/
だが、その一件は、ただの笑い話だけでは終わらなかった。
シャーレーンにとっても。
セラリスにとっても。
そしてスレスホールドの冒険者たちにとっても。
ひとつ、妙な前例が残った。
竜がいるからといって、必ず討伐する必要があるわけではない。
怪物だからといって、その所有物が誰にでも奪ってよい無主物になるわけでもない。
人間の集落を襲わず、街道を荒らさず、取り決めを守って生きているのであれば、その竜にも縄張りがあり、財産があり、それを守る権利がある。
そんなことを、これまで誰も真面目に法の言葉へ直そうとはしなかった。
必要がなかったからである。
竜とは、普通。
もっと遠くにいるか。
もっと危険であるか。
もっと一方的に人間と敵対しているものだった。
ところがミスタメアには、領主と取り決めを守り、冒険者から勝手に襲撃され、それを撃退したあとに相手の装備を自分の宝へ加える若いグリーンドラゴンがいる。
しかも、本人には罪を犯しているという自覚がまるでない。
実際、法の上でもそう簡単に罪とは言えない。
シャーレーンは後に、告示の草案を読み返しながら、ひどく奇妙なものを作ってしまったような気分になった。
コボルドを領民として認めるかどうか。
竜の財産権をどう考えるか。
亜人や怪物を、法の外にいる存在として扱い続けるのか。
ミスタメアで起こる問題は、どういうわけかいつも、最初は妙に小さく、滑稽ですらある形で始まる。
コボルドが皿を売った。
竜のことを歌った。
洗濯物が増えた。
その程度の話だったはずなのに、気がつくと税法や領民資格や所有権や都市衛生の話になっている。
その中心には、たいていセラリスがいる。
しかも本人は、毎回たいして大げさなことをしているつもりがない。
シャーレーンは、そう考えながら長く息を吐いた。
ミスタメアという土地は。
どうも領主の仕事を増やすために存在しているのではないか。
そんな疑いが、最近になって少しずつ確信へ変わりつつあった。