金色の法則   作:さんふー

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第1話 ザケルVS“ゴミ”を“木”に変える能力(前編)

「なあなあ、高嶺。火野国中学の植木耕助って奴知ってるか?」

 

朝、俺が教室に入ると、唐突に山中がそう聞いてきた。

 

「え? うえき? ウエキ・・・あっ!

もしかして、この間の模試で、俺に次いで県内2位だった植木耕助か!?」

 

「あ? んなこと、知らねぇよ。

・・・俺が言ってんのは、火野中の陸上部の植木だ!

この前の大会で、新記録塗り替えそうになった植木だよっ!!」

 

若干、話が食い違ってるようだが、多分同一人物だろう。

 

「・・・で、その植木が何なんだ?」

 

「昨日、俺、火野中の野球部との合同練習で、火野中に行ったんだ。

同じグラウンドで陸上部も練習しててさ。そこに植木がいた。

やっぱ足速えーなーなんて思ってたらよ、いきなり握りこぶしつくって・・・

そしたら、手の中からにょきにょきって木が生えてきたんだよ!

これってもしかして・・・」

 

「!?」

 

「それ、宇宙人だよっ! 地球の侵略を企む植物星人だぁ!

きっと、UFOもどこかにある! アブダクショーンッ!!!」

 

話を聞きつけた岩島が叫ぶ。

 

宇宙人・・・さすがにそれはあり得ないが、手の中から木・・・

 

考えられるのは1つ・・・魔物だ!

 

「山中。その植木って奴、火野国中学の生徒で間違いないんだな?」

 

「え? あぁ、そうだけど・・・」

 

なら答えは1つだ。

 

火野国中学へ行く。 そして、状況次第では、その植木を倒す!

 

(まぁ、放課後になったらだけどな・・・)

 

***************************************

 

「こらー植木、周回遅れになってるわよー!!」

 

「うっさいな、森。これでも全力疾走だ!」

 

あんなだらだら走りのどこが全力疾走よ?

 

・・・と思わずツッコミを入れたくなるが、仕方ない。

 

植木は、「走りの才」を失ってるんだから。

 

他にも、「勉強の才」や「女子に好かれる才」も失っちゃった。

 

模試で県内2位、100mで新記録目前の文武両才だったアイツは本当にいたんだろうかと疑わしくなっちゃうくらいの違いようだ。

 

「・・・ちょっと君、いいかな?」

 

「うわっ!」

 

突然、後ろから声をかけられ、あたしは思わずのけ反った。

 

そこにいたのは、制服を着た男の人だった。

 

その知的な顔立ちに、一瞬高校生かと思ったが、校章で私と同じ中学生だと分かった。

 

「あの、私に何か?」

 

「いや、ちょっと人探しをしてるんだけど・・・

植木耕助って子知ってるかな?」

 

「植木? あぁ、植木なら、あそこでダントツ最下位で走ってるアイツですけど・・・」

 

「そうか。 ありがとう。」

 

そういうと、その人は植木の方へ向かって行った。

 

2人が何やら話し始めた。

 

と思ったら、2人でこっちに戻ってくる。

 

そして、植木が唐突にこう言った。

 

「森、ゴミない?」

 

「は?」

 

「この人、おれの能力(ちから)見たいんだって・・・」

 

「なんだそりゃ! まぁ、飴の包み紙があるけど・・・」

 

「じゃ、貸して。」

 

「あ、うん。」

 

植木は飴の包み紙を握りしめた。

 

すると手の中から、木が出てくる。

 

「ほら、お兄さん。出ただろ、木?」

 

「なるほど・・・山中が見たのは本当だったのか。

何故、魔本なしでそんな芸当ができるのかわからんが、やっぱりお前、魔物だな。」

 

「マモノ? なんだそりゃ? おれは人間だぞ。」

 

魔物・・・その言葉の意味は分からない。

 

でも、相手は中学生。 と言うことはまさか・・・

 

「植木、気をつけて! この人、きっと能力者よ!

倒すの! 才を増やすために戦うのよ!」

 

「才? 何のことだかわからねぇが、戦う意思があるってことは、どうやら優しい魔物じゃなさそうだな。

その女の子が、お前の本の持ち主か?

なら、容赦しねぇぜ。 いくぞ、ガッシュ!」

 

「うぬ!」

 

どこからともなく金髪の男の子が出てくる。

 

「ザケルッ!!」

 

あたり一面に電撃がはしる。

 

「うわ! なんだ? 口から電撃が出たぞ???」

 

「何してんのよ、植木! あんたも攻撃するのよ!」

 

一体何なの、コイツの能力(ちから)って?

 

確かに今、金髪の男の子が電撃出したわよね?

 

“呪文”を“電撃”に変える能力(ちから)!?

 

よく分からないけど、コイツが高レベルの能力者なことはわかる。

 

だって・・・

 

「高嶺清麿(中2)

 才数 400

 倒して手に入る才 優しい王の才」

 

モバイルにはそう記されているんだから。

 

つづく

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