Thriller '83: 11/18   作:ムニムニムーニン

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Prologue

 1983年11月17日、アメリカ太平洋標準時午後4時49分。アメリカ合衆国・カリフォルニア州ロサンゼルス。

 

 ウエストウッドの、とある地下の非公開の試写室。その暗がりの中、マイケル・ジャクソンは、パイプ椅子の前端に浅く腰掛け、画面を食い入るように見つめていた。

 スクリーンに映し出されているのは、真っ赤なレザージャケットを着たマイケルが、墓場から這い出してきたゾンビたちを従えてダンスを繰り広げる14分間のショートフィルム──『Thriller(スリラー)』だった。

 同じ試写室では、監督のジョン・ランディスと、マネージャーのフランク・ディレオもまた座席に座っていた。

 マイケルがスクリーンからディレオに顔の向きを変える。

 

 "So, how did everyone react, Frank? Did they laugh?"

(「そういや、皆の反応はどうだったの、フランク?笑ってた?」)

 

 "At the right places."

(「時たまね」)

 

 "Scream?"

(「悲鳴をあげてた?」)

 

 "Yeah. You should've seen Diana's face when the zombies came out. She was practically jumping out of her seat."

(「ああ。ゾンビが出てきたときのダイアナ(・ロス)の顔、見せてやりたかったよ。椅子から飛び上がりそうだった」)

 

 マイケルはわずかに微笑んだ。

 

 "Then the credits rolled. Nobody moved. Eddie started yelling that they had to run it again. Diana was applauding, and pretty soon the whole damn theater was on its feet."

(「クレジットが流れ始めてもだ。誰も動かなかった。エディ(・マーフィー)はもう一度最初から回せと大声で叫びだしたし、ダイアナの拍手につられてやがて劇場全体が総立ちになってたさ」)

 

 "They watched it twice?"

(「二回目も流したの?」)

 

 "Twice. And they would've watched it a third time if we hadn't stopped the projector."

(「二回目もね。俺たちがプロジェクターを止めなかったら三回目もいってただろうな」)

 

 "And Prince?"

(「プリンスは?」)

 

 "Didn't say a word. Just stared at the screen."

(「絶句していた。スクリーンを凝視してるだけだったね」)

 

 "Nothing? Only stared?"

(「絶句?見入ってばかりいたの?」)

 

 マイケルがくすくすと笑う。

 

 "That's Prince."

(「プリンスらしいね」)

 

 隣に座っていた弁護士のジョン・ブランカが、書類のファイルを開きながら口を挟んだ。

 

 "Michael, the AVCO Theatre in Westwood is all set for the theatrical run next week. We're opening it with Disney's Fantasia. That gives us a shot at an Oscar nomination."

(「マイケル、ウエストウッドのAVCOシアターでの来週からの劇場上映は手配済みだ。ディズニーの『ファンタジア』との併映になる。そうすれば、アカデミー賞のノミネート資格が得られるぞ」)

 

 "An Oscar... Imagine that. A pop star winning an Oscar for a short film."

(「アカデミー賞か……考えてもみろよ。ポップスターが短編映画でアカデミー賞を獲るなんて」)

 

 ディレオがニヤリと笑った。

 しかし、マイケルの意識は賞やビジネスの数字よりも、画面上のわずかな「音」と「光」のズレに向いていた。彼は不意に立ち上がり、細い指でスクリーンを指さした。

 

 "John, look at the wolf transformation scene. The thunderclap is coming two frames too late. It destroys the magic."

(「ジョン、狼男に変身するシーンを見て。雷の音が2フレーム遅れてるよ。それじゃ魔法が台無しだ」)

 

 監督のジョン・ランディスが振り向き、苦笑した。

 

 "Michael, nobody in the world is going to notice two frames of thunder."

(「マイケル、雷が2フレーム遅れてるなんて、世界中の誰も気づかないよ」)

 

 "I notice it, John. And the kids will feel it, even if they don't know why."

(「僕が気づくんだよ、ジョン。それに子供たちは言葉で説明できなくても、肌でそれを感じ取るんだ」)

 

 マイケルの目には、揺るぎない情熱と、エンターテインメントの頂点に君臨する者だけが持つ鋭い光が宿っていた。

 

 "Oh boy... Okay, I'll see what I can do."

(「まったく、君というやつは……わかった、調整するよ」)

 

 苦笑混じりのランディスの言葉に、マイケルは満足げに頷いた。

 そしてそっと自身の胸に手を当て、彼は呟く。

 

 "We’re going to change everything... Just wait."

(「僕たちはすべてを変えるんだ…見ていて」)

 


 

 同刻、同じくロサンゼルス。

 

 ユニバーサル・スタジオの試写室。暗闇の中で、映画編集機「KEM」の機械音がカタカタと鋭く響いている。画面には、鋭意製作中の映画『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』のワンシーン、泥と汗にまみれたハリソン・フォード──インディ・ジョーンズが、地下鉱山のレールの上を猛スピードで走るトロッコにしがみついている映像が映し出されていた。

 野球帽を深めにかぶった監督のスティーヴン・スピルバーグは、編集技師のマイケル・カーンに声を飛ばしていた。

 

 "Back up."

(「戻して」)

 

 カーンがフィルムを戻す。

 

 "Again."

(「もう一度」)

 

 "Here?"

(「ここか?」)

 

 "Right there. Three frames out."

(「そこだ。3フレーム頼む」)

 

 "After Willie screams?"

(「ウィリーが叫んだ後のことか?」)

 

 "Yeah. Take ’em out."

(「ああ。そこを削ってくれ」)

 

 長年スピルバーグの右腕を務めるカーンがため息をつく。

 

 "The cut’s getting aggressive. We’re losing the geography."

(「カットがかなり攻めてるぞ。位置関係が分からなくなる」)

 

 "Only for a second."

(「ほんの一瞬さ」)

 

 "That’s a long second. Why?"

(「その一瞬が長いんだよ。なんで削る?」)

 

 "He’s not falling."

(「あいつは落っこちてるんじゃない」)

 

 "What?"

(「何だって?」)

 

 スピルバーグが肘掛けから身を乗り出す。

 

 "Indy, he’s not just falling, Michael. He’s defying gravity!"

(「インディはただ落っこちてるんじゃない、マイケル。重力そのものに逆らってるように見えなきゃいけないんだ!」)

 

 "Steven, if I cut any more frames, people are gonna get motion sick."

(「スティーヴン、これ以上カットを縮めたら観客が酔っちまう」)

 

 "Good!"

(「それでいいんだよ!」)

 

 スピルバーグがにやりと笑う。

 

 "I want them to feel like they’re on the ride with him! That’s what a roller-coaster ride is supposed to do!"

(「最前列の観客がポップコーンを吐き出すくらいでちょうどいい!ジェットコースターってのはそういうもんだろ!」)

 

 スピルバーグは疲労の溜まった顔に無邪気な少年のような笑みを浮かべる。

 そこへ、音響デザイナーのベン・バートが、磁気テープのオープンリールを抱えて部屋に入ってきた。

 

 "Got something!"

(「ついにできたぞ!」)

 

 "What?"

(「何がだ?」)

 

 "The wheels!"

(「トロッコの車輪の音さ!」)

 

 "Really!?'

(「本当か!?」)

 

 "Yeah! I visited Disneyland at night and recorded the metal screeching on the Big Thunder Mountain tracks."

(「ああ!夜のディズニーランドにお邪魔させてもらって、ビッグサンダー・マウンテンの線路から金属の摩擦音を録音してきたんだ」)

 

 バートがスイッチを入れると、小さな試写室に、キーッという耳を劈くような金属音が鳴り響いた。

 

 "Too much?"

(「やりすぎか?」)

 

 "No."

(「いや」)

 

 スピルバーグが感嘆のため息をつく。

 

 "...Perfect."

(「……最高だ」)

 

 バートが誇らしげに口元を歪める。

 

 "That’s it. That sound. It feels like your teeth are gonna vibrate right out of your mouth… GREATEST!!"

(「これだよ。この音……自分の歯がガタガタ震えて抜け落ちそうな感じ……最高だよ!」)

 

 コーヒーの匂いと古くなったピザの箱が転がる編集室で、スピルバーグはふと、壁に掛けられたカレンダーに目をやる。1984年夏の公開まで、残された時間は半年あまりだった。

 

 "All right, let’s go back to the heart-removal scene."

(「よし、次は心臓を抜き取るシーンに戻ろう」)

 

 "Are we going to do what George said?"

(「ジョージ(・ルーカス)の言ってた通りにするのか?」)

 

 カーンの問いに、悪戯な笑顔でスピルバーグが答える。

 

 "Yeah, George wants it darker. So let's give him a nightmare!"

(「ああ、ジョージはもっとダークにしたいと言ってたからな。だったら、悪夢そのものにしてやろうじゃないか!」)

 


 

 1983年11月18日、モスクワ時間午前3時52分。ソビエト社会主義共和国連邦・モスクワ。

 

 モスクワ中央臨床病院の奥深くに設けられた秘匿の病室には、夜更けにもかかわらず灯りがともっていた。

 病床に横たわるユーリ・アンドロポフ・ソ連共産党中央委員会書記長は、震える指で眼鏡を押し上げ、ベッド脇の机に積まれた中央委員会の報告書を一枚ずつ読み進めていた。

 

 "Планы США по размещению ракет средней дальности в Европе, последствия уничтожения южнокорейского пассажирского самолёта, утечка информации из 17-го сектора «Специального военно-учебного объекта»…"

(「アメリカによる欧州へのINF配備計画、大韓航空機撃墜の事後処理、『特殊軍事教育施設』の第17収容区画の情報漏洩……」)

 

 アンドロポフが病に蝕まれた土気色の顔で、なおも書類に目を通す中、病室の扉が開く。

 アンドロポフが直々に後継者として目をかけ、アンドロポフが病床に伏して以来は政治局でその代行役を務めることの多かった中央委員会書記・ミハイル・ゴルバチョフは、一つの資料を抱えながら、病床に横たわるアンドロポフの元に歩み寄った。

 

 "Юрий Владимирович…… Дальнейшая работа может серьёзно повредить вашему здоровью. Врачи настоятельно рекомендовали вам воздержаться от работы по ночам."

(「ユーリ・ウラジーミロヴィチ……これ以上の執務はお身体に障ります。医師団も夜間の執務は控えるようにと申しておりました」)

 

 "У меня нет времени на отдых, Михаил."

(「休んでいる暇などないのだよ、ミハイル」)

 

 ゴルバチョフの諌言を一蹴したアンドロポフは、目の前の報告書を机の上に置いた。

 

 "Американцы хотят приставить «Першинг-II» к нашему горлу… Но и это еще не все. Секретные сведения о наших вооружённых силах попали в руки одного американского журналиста."

(「西側の連中は、我々の喉元に『パーシングII』を突きつけようとしている……それだけではない。我が軍の機密が、たった一人のアメリカ人記者の手に渡ったのだぞ」)

 

 "Секретные данные…… Вы имеете в виду детей из 17-го сектора содержания?"

(「機密情報……第17収容区画の子供たちのことですか」)

 

 "Да. О наших «морских свинках»."

(「そう、『モルモット』たちだ」)

 

 "Что касается этого вопроса, сейчас через нашу агентуру КГБ уже оказывается давление на западные СМИ, чтобы замять этот скандал. А солдат, который слил информацию этому журналисту, согласно докладу, уже ликвидирован."

(「そちらに関しては現在、KGBの工作員を通じて西側諸国のメディアに圧をかけて火消しを図っています。またそのジャーナリストのリーク元の兵士については、既に処理済みとの報告です」)

 

 "Хорошо. Свободен."

(「うむ、ご苦労」)

 

 そうアンドロポフが言い終わると、ゴルバチョフは本題である、手元の資料をアンドロポフに提示した。

 

 "Юрий Владимирович. Только что поступило экстренное донесение из Министерства иностранных дел. Вот этот отчет."

(「ユーリ・ウラジーミロヴィチ。先程外務省からの緊急報告が入りました。こちらはその報告書です」)

 

 "Что это?..."

(「これは……?」)

 

 "В здании «Стандард Ойл Билдинг», семнадцатого числа около шести часов вечера по местному времени…… По московскому времени это примерно час назад… произошла массовая стрельба."

(「スタンダード・オイル・ビルにおいて、現地時間、17日午後6時頃……モスクワ時間では、およそ一時間前にあたります、大規模な銃撃事件が発生したとのことです」)

 

 "Стрельба…… Теракт?"

(「銃撃……テロか」)

 

 "Да."

(「はい」)

 

 一通り報告書を読み終えたアンドロポフは、ゴルバチョフに対して神妙な面持ちで語りかける。

 

 "Михаил…… Как думаешь, американское правительство посчитает, что это наших рук дело?"

(ミハイル……アメリカ政府は、これを我々の仕業だと考えるだろうか?)

 

 "Не знаю. Но…… если Вашингтон заподозрит нас в причастности, переговоры по РСМД станут еще более сложными."

(「わかりません。しかし……もしワシントンが我々の関与を疑えば、INFをめぐる交渉はさらに困難になるでしょう」)

 


 

 1983年11月17日、アメリカ東部標準時午後7時54分。アメリカ合衆国・ワシントンD.C.。

 

 ホワイトハウス西棟。大統領執務室のテレビには、シカゴから送られてきた生中継の映像が映し出されていた。

 画面の向こうでは、夜の闇に包まれたスタンダード・オイル・ビルの一角から、濃い黒煙が噴き上がっている。建物の周囲には無数の警察車両と消防車が集まり、赤と青の警光灯が煙の向こう側で不規則に明滅していた。

 合衆国第40代大統領・ロナルド・レーガンは、ソファから身じろぎひとつせず、その映像を凝視していた。

 レーガンの傍らに立つ秘書官が、一枚の報告書を手に口を開く。

 

 "Mr. President... About an hour ago, there was a major shooting at the Standard Oil Building in Chicago, Illinois..."

(「大統領……約一時間前、イリノイ州シカゴのスタンダード・オイル・ビルで、大規模な銃撃事件が発生しました……」)

 

 レーガンは画面から目を離さなかった。

 

 "Sure. I can see that."

(「ああ。見れば分かる」)

 

 その声には、いつもの穏やかさがなかった。

 レーガンはゆっくりと立ち上がる。

 

 "How bad is the damage?"

(「被害状況は?」)

 

 秘書官は手元の報告書に視線を落とした。

 

 "Much remains unclear. But preliminary reports indicate that the number of casualties could easily exceed fifty."

(「まだ不明な点が多くあります。しかし、初期報告によれば、死傷者は五十人を優に超える可能性があります」)

 

 レーガンの眉がわずかに動いた。

 

 "Fifty..."

(「五十人……」)

 

 秘書官は続ける。

 

 "The perpetrators have already been subdued. But one of them attempted to detonate an explosive device during the assault. We don't yet know whether there were any additional explosives inside the building."

(「犯行グループはすでに制圧されています。しかし、そのうちの一人が襲撃の最中に爆発物を起爆させようとしました。建物内に別の爆発物が仕掛けられていたかどうかは、まだ確認できていません」)

 

 レーガンは拳を握った。

 

 "How many of them?"

(「犯人は何人だ?」)

 

 "We don't have a confirmed number yet, sir."

(「まだ確定した人数は分かっていません、大統領」)

 

 "What was the purpose of the attack?"

(「犯人の目的は?」)

 

 "Still…… unknown."

(「未だ……不明です」)

 

 短い沈黙が部屋を覆った。

 テレビの中では、消防士たちが煙に包まれた建物へ向かって走っている。

 レーガンは画面から目を離し、片手で顔を覆った。

 

 "God..."

(「神よ……」)

 

 やがて彼は手を下ろした。

 その顔から、困惑に代わって明確な怒りが浮かび始めていた。

 

 "What does the FBI say?"

(「FBIは何と言っている?」)

 

 秘書官は別のページをめくった。

 

 "Director Webster believes there may be a political motive."

(「ウェブスター長官は、政治的な動機が存在する可能性があると見ています」)

 

 レーガンの目が細くなる。

 

 "The USSR?"

(「ソ連か?」)

 

 "We don't know, sir. Hezbollah is one possibility. But at this point, we have no conclusive evidence."

(「分かっていません、大統領。ヒズボラが関与している可能性もあります。しかし現時点では、決定的な証拠はありません」)

 

 レーガンは答えなかった。

 ベイルート。

 その言葉が、脳裏をよぎった。

 わずか数週間前、レバノンの首都ベイルートで米海兵隊兵舎が自爆テロの標的となった。数百人もの人命が一瞬にして奪われた記憶は、まだ生々しく残っている。

 そして今度は、アメリカ本土だ。

 

 "It's Beirut all over again..."

(「ベイルートの再来だな……」)

 

 秘書官は黙っていた。

 やがてレーガンが振り返る。

 

 "How certain is Webster that this was politically motivated?"

(「ウェブスターは、政治的動機だとどの程度確信している?」)

 

 "He's not certain yet, sir. He's asking for more time and more intelligence."

(「まだ断定はしていません、大統領。さらなる情報と時間が必要だと」)

 

 "Time."

(「時間」)

 

 レーガンはその言葉を繰り返した。

 そして、苛立たしげに机へ歩み寄る。

 

 "People are dying in Chicago, and we're supposed to wait for more information?"

(「シカゴで人が死んでいるというのに、我々は情報が揃うまで待っていろというのか?」)

 

 秘書官は言葉を失った。

 レーガンは拳を机の上に置いた。

 

 "Listen to me."

(「いいか」)

 

 低い声だった。

 だが、その声には先ほどまでの困惑はもうなかった。

 

 "Whatever their motive, and whatever is going on behind the scenes, the United States government will not tolerate an outrage like this under any circumstances."

(「何が目的であろうと、そして裏で何が動いていようと、アメリカ合衆国政府は、このような蛮行を断じて許容しない」)

 

 レーガンは一語一語を噛みしめるように続けた。

 

 "Those responsible will pay for what they've done."

(「この事件の責任者には、必ずその代償を払わせる」)

 

 秘書官は無言で頷いた。

 レーガンはさらに命じる。

 

 "Convey these exact words to Webster immediately. I want every possible lead pursued. Every suspect questioned. I want to know who planned this, who financed it, and who gave the order."

(「この言葉をウェブスターに即刻伝えろ。あらゆる手掛かりを追わせろ。容疑者を一人残らず徹底的に取り調べろ。誰が計画し、誰が資金を提供し、誰が命令を下したのか──すべてを突き止めるんだ」)

 

 "Yes, sir."

(「了解しました、大統領」)

 


 

 1983年11月18日、日本時間午前9時55分。日本国・長野県軽井沢町。

 

 初冬の柔らかな陽光が、薄い霧の残る碓氷峠を照らしていた。

 黒塗りのトヨタ・クラウンが、落ち葉を踏みながら曲がりくねった旧道を登っていく。車内には、少し開けられた窓から流れ込む澄んだ山の空気が満ちていた。

 後部座席の窓に肘をつき、葉を落としたカラマツの木立が流れていくのを眺めていたのは、丸い金縁眼鏡をかけた()()()()()()()であった。

 

 "Look at that mist, Yoko."

(「あの霧を見てごらん、ヨーコ」)

 

 レノンが微笑む。

 

 "It’s like the world hasn’t quite decided to wake up yet."

(「世界がまだ目覚めるかどうか決めかねているみたいだ」)

 

 隣に座るオノ・ヨーコが、膝の上で組んでいたレノンの手に自分の手を重ねた。

 

 "Karuizawa always waits for us like this. No photographers, no noise from the Dakota. Just the trees and time flowing slowly."

(「軽井沢はいつもこうして私達を待っていてくれるのよ。パパラッチも、ダコタの喧騒もない。あるのは木々と、ゆっくりと流れる時間だけ」)

 

 レノンは深く息を吐き、シートの背もたれに頭を預けた。

 ダッシュボードのラジオから、NHKのAM放送が聞こえている。やがて流れ始めたシンセサイザーの音。

 レノンが小さく鼻で笑う。

 

 "Synthesizers everywhere these days."

(「最近はどこもかしこもシンセサイザーばかりだ」)

 

「嫌い?」

 

 "Not exactly."

(「別に、そういう訳じゃない」)

 

 肩を竦めるレノン。

 

 "Paul called me from London last week, talking all about music videos and MTV. He said everyone’s dancing in front of cameras like bloody puppets now."

(「先週、ポールがロンドンから電話してきて、ビデオクリップだのMTVだのの話ばかりしてたよ。みんなカメラの前で操り人形みたいに踊ってるんだとさ」)

 

 ヨーコが笑う。

 

 "And what about you, John?"

(「で、あなたはどうするの、ジョン?」)

 

 "Me?"

(「僕かい?」)

 

 "Are you going to dance for MTV?"

(「あなたもMTVのために踊るの?」)

 

 レノンが丸眼鏡を押し上げる。

 

 "Nah. I’ll just sit in the conservatory at the Mampei Hotel, drink my royal milk tea, and write songs about getting old."

(「まさか。僕は万平ホテルのサンルームに座って、ロイヤルミルクティーを飲みながら、年を取って白髪になってくことについて歌った曲でも書くさ」)

 

 車外の風景が山の中から軽井沢の街に移る。

 その時、運転席のバックミラー越しに、ふと年配のドライバーの目がレノンと一瞬合った。

 ドライバーは意を決したように、バックミラーに視線を固定したまま、丁寧な日本語で話しかけてきた。

 

「お客さん……ひょっとして、レノンさんじゃありませんか?」

 

 レノンはミラー越しにドライバーの穏やかな目を見返すと、口元をほころばせ、ヨーコに小声で囁いた。

 

 "Tell him I’m just a retired househusband on vacation, Yoko."

(「ただの休暇中の引退した主夫ですよ、って伝えてくれよ、ヨーコ」)

 

 ヨーコがくすくす笑いながらこれを訳すと、運転手は目を丸くした。

 

「あぁ! やっぱり! レノンさんですか!」

 

 ドライバーは興奮を抑えるようにしっかりとハンドルを握り直し、何度もバックミラーを見た。

 

「いやあ、驚いた! 昔、若かった頃にね、ラジオで『ヘイ・ジュード』や『イエスタデイ』をよく聴いてたんですよ。英語の意味はさっぱり分からなかったけど、良い曲だなぁと思ってねぇ」

 

 ヨーコがそれを英語で伝えると、レノンは声を上げて笑った。

 

 "Ah, those are Paul’s songs! Arigato. Paul is my friend. Great songwriter. But I wrote Imagine, you know?"

(「ああ、ポールの曲だね!アリガトウ。ポールは僕の友達で、良い曲を書くんだ。でも『イマジン』を書いたのは僕なんだよ、知ってるかい?」)

 

 レノンが笑うと、ヨーコもつられて笑った。運転手も、堪えきれないように声を上げた。

 

「はいはい、『イマジン』も知ってますよ! あれも素晴らしい曲だ。……それにしても、レノンさんは本当に軽井沢がお好きなんですね」

 

 "I love this town."

(「この街が大好きなんだ」)

 

 レノンは窓の外の静かな街並みを眺めながら、心を込めて言った。

 

 "It doesn’t ask me to be a 'Beatle' or a 'Rock Star. It just lets me be a human being. A father, a husband... just a guy drinking tea."

(「この街は僕に『ビートル』や『ロックスター』であることを求めない。ただの人間でいさせてくれるんだ。父親で、夫で……ただお茶を飲んでいるだけの男でいさせてくれる」)

 

「いいですねぇ。……おっと、万平ホテルまで、あと五分ほどですよ。今日もロイヤルミルクティーですか?」

 

 "Ah, Absolutely! Oishi tea, please!"

(「あぁ、もちろん!『オイシイ』お茶を頼むよ!」)

 


 

 世界では、さまざまな営みが、それぞれの場所で続いていた。

 

 1983年11月17日、ハワイ・アリューシャン標準時午後2時58分。アメリカ合衆国・ハワイ州ホノルル。

 

 先日起きたカオイキ地震の記憶も、まだ人々の胸から消え去ってはいなかった中。

 そんなホノルルの街を、一人の黒人青年──()()()()()()()が歩いていた。

 ニューヨークから急遽ホノルルへ戻ってきた彼は、やがて祖父母の暮らす家へと足を踏み入れた。

 玄関の扉が開いた瞬間、祖母マデリンが目を見開く。

 

 "Barack!? Is that you!?"

(「バラク!?バラクなのかい!?」)

 

 オバマはその顔を見て、安堵で顔を綻ばせる。

 

 "Madelyn! Thank God, you’re all right! Looks like Honolulu made it through all right."

(「マデリン!よかった、無事なんだね!ホノルルは無事みたいだね」)

 

 その声を聞きつけ、家の奥から祖父スタンリーも姿を現した。

 

 "Barack! Oh, thank the Lord…"

(「バラク!ああ、主よ、感謝します…」)

 

 そこまで大袈裟にしなくてもいいだろう、とオバマは冗談めかして笑う。

 

 "Stanley, you're being dramatic. Was the earthquake really that frightening?"

(「スタンリー、大袈裟だなあ!地震って、そんなに怖かったの?」)

 

 しかし、スタンリーは笑わない。むしろ、その顔には未だ緊張が残っていた。

 

 "Oh… You don’t know…?"

(「大袈裟って…あんた、知らないの?」)

 

 マデリンが横から口を挟む。

 

 "We heard there was a shooting in Chicago about an hour ago. We were worried sick about you!"

(「シカゴで一時間ほど前に銃撃事件があったって聞いたんだよ。お前のことが心配で心配で……」)

 

 オバマの表情が止まった。

 

 "A shooting…? In Chicago?"

(「銃撃…?シカゴで?」)

 

 "Yeah!"

(「そうだぞ!」)

 

 スタンレーの言葉に、オバマの顔から血の気が引いていく。

 ほんの数日前まで、会社の仕事でシカゴへ行く話が出ていたことについて祖父母に話していた。コロンビア大学を卒業したばかりの彼は、ニューヨークのビジネスインターナショナル社で働き始めたばかりだった。そして、ごく最近になって、仕事の都合でシカゴへ赴く可能性が浮上していたのだった。

 しばらく沈黙したあと、祖父母を安心させるように、オバマは努めて笑顔を作った。

 

 "Well, about that trip... It was called off after all."

(「ああ、あの話なら……結局、立ち消えになったんだ」)

 

 "Called off?"

(「立ち消えに?」)

 

 "Yeah. I was supposed to go, but it didn't work out."

(「うん。行くことになるはずだったんだけど、話が流れたんだ」)

 

 オバマは苦笑した。

 

 "Funny... I guess I got lucky."

(「妙な話だけど……僕は運がよかったんだな」)

 

 その言葉を聞いたマデリンは、胸元で小さく十字を切った。

 

 "Oh, God... Thank you for bringing our grandson home."

(「ああ、神様……この子を私たちのもとへ帰してくださって、ありがとうございます」)

 

 

 1983年11月18日、クラスノヤルスク時間午前7時58分。ソビエト社会主義共和国連邦・ロシアSSRアルタイ地方。

 

 とある寒村。古びたトタン屋根の家の中で、一人の少女が窓から差し込む陽光に包まれながら、目を輝かせて兄に話しかけていた。

 

 "Мишенька, расскажи, а какая у тебя школа?!"

(「ねえねえ、ミーシャ!ミーシャの通ってる学校ってどんなところなの!?」)

 

 ()()()()()()()を輝かせながら、少女──()()()()()()、名はターニャという──は、兄・ミーシャに彼が通う学校の様子などを問い詰めていた。

 

 "Да ладно, Таня, опять? Тебе же ещё целый год до школы!"

(「おいおいターニャ、またそれか?まだお前が学校に行くのにあと一年くらいあるんだぞ?」)

 

 "Ну как же! Ещё целый год ждать?! Я уже не могу дождаться!"

(「えー!まだ一年もあるんだよ!?待ちきれないなー!」)

 

 "Ну, не знаю... Вообще-то там не так уж и круто, поверь."

(「うーん、でもなー…つってもそんないいとこでもないぜ?」)

 

 "Интересно, я смогу завести целых сто друзей?! Я столько всего хочу узнать, когда пойду в школу!"

(「友達百人できるかな!?学校に通ったらいっぱい学びたいことがあるの!」)

 

 "Хмм, ну и например?"

(「ふーん、例えば?」)

 

 "А что у мальчиков внутри яиц?!"

(「男の子のキンタマって中に何が入ってるのかな!?」)

 

 "Ты извращенка!"

(「このエロ女!」)

 

 そんな中、台所で料理をしていた母親がミーシャに声をかける。

 

 "Миша! Тебе же скоро в школу! А ну, живо собирайся, пока не опоздал!"

(「ミーシャ!あなたもうすぐ学校の時間でしょ!遅刻するような子なんてうちにはいらないんだからね!」)

 

 "У-у, мам! Я не хочу в «Тайную комнату»!!"

(「うへえ、母ちゃん!『秘密の部屋』なんかには行きたくねえよ!」)

 

 "«Тайная комната»... Что это, мама?"

(「『秘密の部屋』…ってなに?お母さん」)

 

 母親がターニャを抱き寄せて、優しい声色で語りかける。

 

 "Послушай, Таня… Говорят, в пороховых погребах Красной армии есть «Тайная комната», куда запирают детей, которых бросили родители."

(「いい?ターニャ…赤軍の弾薬庫にはね、お父さんやお母さんから捨てられた子供たちがぎゅうぎゅうに押し込められてる『秘密の部屋』があるのよ」)

 

 "Брошенные своими матерями…?"

(「お母さんから捨てられた…?」)

 

 "Да, именно. Те дети, которых туда запирают, больше никогда не увидят свободы. Они не могут выйти наружу, и с ними обращаются не как с людьми, а как с вещами. Это ужасное, страшное место."

(「そうよ。そこに捕まった子供たちには一生自由は与えられない。外にも出られないし、ただの物のように扱われる、怖ーい場所なのよ」)

 

 ターニャの目に、恐怖からか大粒の涙が溜まる。

 

 "Мама… Мама, неужели ты бросишь меня и увезёшь в это страшное место?"

(「お母さん…お母さん、私を捨てて、そんな怖い所に連れていくの?」)

 

 母親がターニャを安心させるために笑顔で答える。

 

 "Конечно нет, Таня. Если ты будешь послушной девочкой, мама ни за что тебя не бросит. …Ну, а вот насчёт этого непослушного брата я не уверена."

(「そんなことはないわよ、ターニャ。あなたが良い子でいればお母さんがあなたを捨てるなんて真似はしないわ。…まあ、そこの悪いお兄ちゃんならわからないけどね」)

 

 "Я всё понял, мам! Уже иду!"

(「わ、わかったよ母ちゃん!いってきます!」)

 

 ドアが勢いよく開く音が響く。

 

 ターニャは母親の言葉に安心して、再び意識をまだ見ぬ学校という場所に向けていた。

 

 "Как же я хочу поскорее в школу…"

(「学校…早く行きたいな…」)

 

 

 同日、日本時間午前9時59分。日本国・北海道某所。

 

 父親から一緒にキャッチボールをすることを拒否され、不貞腐れながら雪の積もる道を歩く少年──早川アキは、自分の後ろをついてくる弟の姿に苛立っていた。

 

「ついてくんなよ!ウザい!」

 

 そう言い放ち、アキは背後の存在──自らの弟・タイヨウに雪玉を投げつける。

 父親が自分とのキャッチボールを断った原因でもあり、アキにとっては、病弱で、何かにつけて自分の自由を奪う忌々しい弟だった。一緒にいることすら鬱陶しいと言わんばかりに、アキは「自分は一人でも遊べる」とタイヨウを突き放した。

 

 その瞬間、視界が暗転する。

 

 顔面に走った冷たい感触に、アキはタイヨウが雪玉を投げつけたのだと理解した。

 雪が落ち、視界が開けると目の前には、してやったりと笑みを浮かべる、嫌いな弟の姿があった。

 苛立ちを爆発させたアキは再び雪玉を投げつけ、タイヨウも負けじと応戦する。

 そんな雪玉の投げ合いが、しばらく続いた。

 

「冷てっ…」

 

 タイヨウの言葉で我に帰るアキ。

 そうだ、これでタイヨウの気分が悪くなったら自分が両親から責められるのだ。

 

「…お前が風邪ひくと俺が怒られんだよ」

 

 そう息を切らしながらアキは、再びタイヨウを拒絶する。

 そして、アキがタイヨウの顔を見遣ると、そこには、兄から拒絶され、意気消沈したタイヨウの姿があった。

 タイヨウの顔を見たアキは、しばらく黙っていた。

 

「…キャッチボールなら手、冷たくならないだろ。家からグローブ持ってこい」

 

 その瞬間、タイヨウの顔が輝く。

 

「や〜った!!」

 

 そう叫びながら家に舞い戻るタイヨウの後ろ姿を見て、アキの表情も、少しずつほぐれていった。

 向こうでは、玄関でタイヨウが母親に呼びかけている。

 

「ねえねえお母さん!グローブってどこだっけ!」

 

 

 誰もが自分の世界で、自分自身の生活を営んでいる。

 

 同じ頃、軽井沢でタクシーに乗るレノンは、不意に自らの腕時計に目をやった。

 

 "Oh, it's already 10 a.m."

(「ああ、もう10時か」)

 

 時計板の針が、午前10時を指していた。




 どうも、作者です。
 まずは、読了ありがとうございます。すごい読みにくかったでしょ…。
 一応AIなどを用いて推敲に推敲は重ねたのですが、まあ元の文が元の文なので、そこは許してください(涙)。

 一応、本作の出発点になったのは「チェンソーマン世界における史実の偉人たちの動向ってどんな感じなんだろう?」という疑問からでした。
 チェンソーマンって舞台設定自体は90年代の現実世界で、それでいて独自の世界観などもうまく構築されてて、その並行世界な感じが魅力の一つなのかなと勝手に推察させていただいているのですが、そこで紡がれるミクロな心情描写、いやはや見事です。
 しかし、これに関しては当然なのは本当にそうなのですが、やはり描写範囲が主人公・デンジの周辺世界に収まっているなあ、という風には思ってて。いや、アメリカ大統領とか出るやん、色んな国際的なイベント起きるやん、勿論そうなんですよ。ただ、もっと視点をマクロに拡大してみたら、もっと面白い景色が見られるんじゃないかなって。
 実を言うと、僕も劇場版のレゼ編公開でチェンソーマンという作品にハマったクチなんですが。映画の視聴中、ずっと「…この世界、ゴルバチョフ何やってるんだろうな…」という風に思ってたので(笑)。自分で言うのもあれなんですが、結構独特な視点で観ちゃってるんだろうなって。
 でまあ、そういうチェンソーマンの二次創作とかあるかなーと思ってネットサーフィンしてたのですが。中々無いなあ、というのが正直な思いでしたので、なら折角だし自分で書いてみるかと。「必要は発明の母」などと言いますしね(意味が微妙に違う気もしますが、まあ気にしない気にしない)。

 でまあ早速執筆してみたのですが、いやこれが難しい。まず冒頭が思いつかない。話の流れそれ自体は頭の中にあるのですが、それをいざ文字情報として出力しようとすると中々上手くいかない。世の大文豪と呼ばれる方々たちはこんな難事を一作品、一段落書くごとにやってのけたのかと思うと、彼らが歴史に名を残すのも納得というか。読む側に多大な影響を与えたからってのは本当にそうなんですが、そもそもこんなことが易々とできるようになるなんてそれこそノーベル賞級の頭脳がなければ土台無理な話ですよ。あ、だから『ノーベル文学賞』があるのか。なるほどね。
 これが本作においてAI利用を導入した真実です。最初の部分やけに説明口調だなと思ったでしょ?もちろん元は手作りの代物なのですが、いろいろAIに加筆修正を頼んだらこうなっちゃいました。ただまあ、ここまでのものは流石に今回が最初で最後ですね。今も未熟な筆致ですが、この話の最初のマイケルのシーンって本当に今と比べても目も当てられないレベルの時代に書き上げちゃったものなので。

◼️ジョン・レノンの生存について

 うーん、ここはかなり批判を浴びそうな部分ですね。コメント欄で「えなんでレノン生きてんの?」「根拠全くねえやんけ!!」という罵詈雑言が並びそうで怖い(涙)。
 折角だしビートルズ全員出したいな、っていうのがまず僕の理想として先行してて。本作って結構な量の文化人が活躍するので、その一組としてビートルズというビッグネームを出したかったんです。今、映画『Michael/マイケル』が公開されてるでしょ?それ以来僕の中で空前の洋楽ブームが起きてて。このプロローグの冒頭をマイケルが飾っているのもそういう理由です。でまあ、マイケルに並ぶ存在ってそれこそビートルズ、そしてそのリーダーのジョン・レノンしかいないじゃないですか。個人的にはビートルズの曲だと(死んじゃった)タクシー運転手の言っているようにポール・マッカートニーの曲の方が好みなんですが(『イエスタデイ』とか素晴らしいし、個人的には『エレノア・リグビー』が一番好き)、やはり知名度があるのはレノンの方ですからね。初期の名作アルバム『ハード・デイズ・ナイト』での活躍とかを見ても、やはりレノンこそビートルズの核と言って差し支えないと思います。
 で、じゃあレノンが生存してる理由について。これに関してはベタに救助が成功したからーってのでもいいかなとは思ったのですが、いやそもそも銃撃事件自体無くすか?とも思いつき。でまあ色々悩んだんですけど、でもまあ、そもそもそこの描写って削ったほうがいいのかなと。原作だって、何の根拠も語られることなくソ連が平然と残ってる訳ですし。何の理由づけも無い方がかえってチェンソーマンらしいのかなって。ポチタとかいう全てを解決してくれる地獄のヒーロー、もとい優秀な舞台装置も居るわけですし。


 とまあ、長々と言い訳を語らせて貰いましたが、要約すると「こんな駄文読ませて時間無駄にさせてごめんなさい」ってなります。いや、申し訳ない。でもきっと次回くらいにはもっと文章力上がってるはずやから…。

 次回はもちろん皆さんお待ちかねの銃の悪魔降臨の巻です。登場人物自体はここのと変わり映えはしないと思いますが、次々回からはさらなるビッグネームが登場していきます。是非お楽しみに。
 では、改めて。読了ありがとうございます!
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