千年前の天与呪縛 現代で生存フラグ建築士となる 作:サイセンサイ
Side五条
初めて会ったのは確か蜘蛛寺が小学、、、何年の頃だっけ?
忘れた まぁいいや
当時『六眼』で見た限りでもかなりの量の呪力
それに反転術式の精密さ
禪院家の奴らいい拾い物したなと思ったよ
ただそれ以上に気になったのは
「貴方が現代最強の術師何ですね」
媚びもせず気圧されもせず作られているのではなく本心から俺に笑顔を向けてきた
なんか強い人に憧れを抱いているとかで色々聞かれたなぁ〜
まぁ僕も調子に乗って色々喋っちゃった♪ハハッ☆
と、茶化してはいるが
あの子 なんか なんというか
「僕のこと最強だと思ってるんだよね?」
「ん?ハイ、そうですけど?」
「な~んか違和感あるんだよなぁ〜嘘はついてない、だけどなんか違う」
「つまり?」
「まるで俺より『強い人』を知っている感じ」
「、、、、、、、、、、、、」
「まぁそんなやついないだろうけど」
「五条先生」
「ん〜?」
「上層部を皆殺しにする機会があったらどうしますか?」
あまりにも急すぎる話題転換、それも人によっては顔を青ざめさせるめちゃくちゃな話題、事実五条の隣にいた伊知地がぎょっとした顔で蜘蛛寺をみている。
「あ~時と場合によるかな~」
「そうですか」
「なに〜急に〜クーデターとか考えてんの〜?だったら面白いやつお願いね〜」
「そうですね〜面白いやつが来るといいですね〜私『には』流石に無理ですけど」
本当にただの軽口だと最初は思ってたんだけど
蜘蛛寺って意外と冗談とかは言わないんだよな〜
そんなあいつがめちゃくちゃ物騒な『もしも』を言ってきた
まるでこれから先に何かが起こることを予見しているような
「それと『もう、何にもいらねぇや』って気合入れて言ってもらっていいですか」
「え?」
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Side歌姫
「ハイ、傷『消しましたよ』」
「なっ!!」
「っ!」
私は初めて水子に出会った日、挨拶するより先に距離を詰められて顔に手のひらを当てられて
顔の傷を消された
長年わたしの顔に残っていた傷がある日突然消えたんだからそりゃ動揺したわよ
隣にいた楽巌寺学長も驚いてたし
「これから小姓の真依くんもろともよろしくお願いしますね、先生」
それから彼女との日々が始まったんだけど、あの子は術師としてはとてもまともな部類の娘に見えた。ときおり意味不明な奇行をやらかすけどまぁ東堂に比べたら許容範囲内
命の無い分体とはいえ自分の肉体を寄付するなんて狂気の沙汰だと思ったけど、本人はまるで気にしてない、むしろ上層部に貸しが売れてラッキーと喜んでいる節がある
後あの子は同僚の仲間たちとの絆をとても尊んでいる。深く関われば別れが来た時辛くなる。みんなそれを分かってて少し距離をおいてたけどあの子はそんな物どうでもいいとばかりにズカズカと他人との間合いを積極的に詰め寄るのだ
ぶっちゃけウザいくらいに
後なんかめっちゃカラオケに誘われる
私の声がどうのこうのと言って
だけど良い子と言われればそうとも言えない、あの娘も術師特有の歪みを持っている。ある日の任務、呪詛師を捕まえる内容だったんだけど、加茂くんが目的の人物を捕まえてノルマは達成した。そしてその人物の仲間たちは粗悪な奴らで罪が表に出れば死刑が妥当のことを繰り返していたチンピラ、だから上からは『情報漏洩防止』を大義名分に生死問わずの扱いの命を受けていた。
捕らえてしまえば後は他の人達が処理する。なら生徒達にわざわざ殺させる必要は無い、そう判断して指令を出していたわ
だけど 私は 私は知ることになった
「これは、、、、、!」
人のいない古びた倉庫街、隠れ家にされていた場所、そこには拘束されたチンピラ達と拘束した水子、だけどその場所はとても濃い『血の匂い』で溢れかえっていた。
水子はチンピラ達を『拷問』していたのだ
反転術式で何度も治して 何度も 何度も
何故こんな事をやったのか、女性関係の被害も出ていたから怒りを覚えたのか、それとも何か理由があったのか、直接聞いて口にした言葉は
「拷問の練習ですよ、私は比較的こういうのに向いてる倫理観を持っているんでしょうね、だからいつか拷問が必要な人に拷問をする日のために『手頃』なこの人たちで拷問の練習をしていました。何事も練習しなきゃ上手くなりませんから」
私はこの日、明確に知った
この子は他の子たちよりも 私よりも
呪術師なんだってことを
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Side楽巌寺
「受胎九相図、確かに一番二番三番から魂を感じますね」
そこは呪術高専でも秘匿中の秘匿とされる忌庫。そこに封印されているのは特級レベルの呪物がほとんどなのだが、そのなかでも『両面宿儺の指』と同様とされる呪物が『受胎九相図』
蜘蛛寺水子は特別な許可を持って楽巌寺学長と共に忌庫のなかに入り、九相図が封印されているカプセルに掌を付けていた。
本来なら一介の学生が取れる許可ではないのだが、反転術式による功績、そして『半呪半人の肉体情報』が取れれば自分の術と治癒はさらなる進化を遂げるという利益を目に入れた交渉により、短時間のみ『受胎九相図』との接触が許可された
「うん、情報のスキャンは完了しました。もう結構です」
「、、、、そうか」
楽巌寺は少し以外そうな顔をして蜘蛛を見た。彼女が九相図と接触したいと言い出したのはもう『一年以上前』のこと、実績を積み重ねて何人かの術師から太鼓判を押されて、ようやく取れた許可ではあったが、蜘蛛寺本人は九つカプセル全てに触れてその情報を抜き取ったのはごく数分のこと、好奇心が旺盛な彼女のことだからもってごねると思ったが、あまりにもあっさり終わってしまった
「万が一を想定しても、そもそも開けなければ良い話、ここに来れて目的を達成しただけでも十分ですよ」
彼女はこういうところで思いっきりがいい、諦めるべきところは諦めて合理的に行動する。彼女が評価されている理由の一つである
だが楽巌寺は知っている
彼女は諦めないところはとことん諦めないと
ゆえに
「その力は組織のために使え、間違っても規定を破るような真似はゆるさん」
「えぇ、承知しています」
「ならばいい」
例え自分の生徒であっても組織第一で行動する。あらゆる情けをかけずに
そして帰り道、楽巌寺以外にも蜘蛛寺を見張っていた術師が離れて、二人だけになった時だった
「学長先生、この世で最も人の命を救っているものって何だと思いますか」
「、、、、規律による秩序だろう」
「それもそうですけどわたしは『常識』だと思っています」
「!」
「人を殺してはいけないが前提、それを守る規律は破ってはならない、だけど規律すら常識が前提で作られている
現代ではよっぽどでもない限り生贄なんてやらない
上級国民が下の人間の命を粗末に扱うのは今もありますが、現代ではそれを『隠れて』やっている
昔では堂々とそれをやっても問題なかった
なぜなら昔の人は今の人以上に上が絶対だったから
だけど現代では『隠れて』やっている
その時点で昔より人の命が守られている証拠ですよね」
「何が言いたい?」
「もしもの話、この呪術界隈、もしくはこの国がひっくり返るようなことがあったら学長はどうしますか?」
「規律に則り時間をかけてでも沈静化にあたり変化が必要なら受け入れる」
「ですよね〜学長ならそうしますよね」
「お前は違うのか」
「正直言うと私は、いざって時に合法か無法かなら無法の道を選ぶ女です」
「お前がそうなったら儂はお前を始末するのも持参からな」
「えぇわかっています」
彼女はときおり得体が知れない
長年の感が時々囁くのだ
この娘は本能に十代なのかと
(やっぱり九相図にはあの人が関係してる可能が高い)
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Side冥冥
「やぁやぁ次の『新刊』の目処はたったかい、
『飴雨子(あめあめこ)』先生」
「目処は立っています。後は構成ですね」
「それは何よりだね」
そこは京都港の個室でとある二人が談笑していた。片方は生徒の蜘蛛寺水子、もう片方はフリーの一級呪術師の冥冥
この二人の繋がりは言うなれば『作家』と『マネージャー』である
蜘蛛寺水子はペンネーム『飴雨子』の名前を使って本を書いておりそのサポーターとして冥冥が協力しているのだ。言うなれば『金でつながったギブアンドテイク』の関係
「君が書いた本は一部でとても人気だよ。権力者同士の血みどろの足の引っ張り合いがたまらないらしい」
「そうですか、私の本で喜んでくれたなら本望です」
「君が私と初めて会っときは流石に面を食らったよ。なんせ初対面で『大金稼ぐ方法教えて下さい』だったからね」
「冥冥さんの噂は前から聞いてましたからいい考えかなって」
「それで本を書くのは少し想定外だったが」
「これでもかというくらいの見本が近くにありましたので」
「あぁ、禪院家ね」
彼女の金に対する欲は本物だ。だからこそ私もその強欲を信頼することができる。それに反転術式の使い手である彼女との繋がりは実に賢明で経済的だ
だが冥冥は一つ気になっていることがある
「君は『急いで』金を稼いでるように見えるけど、急ぐ理由があるのかい」
はっきり言って彼女の地位は中堅で急いで何かを成さなければならないような状況ではない
「いざって時のためですよ。お金で『お金より大事のもの』が守れるならそれが一番いいじゃないですか、それに生きるか死ぬかのこの世界、お金で解決できるならお金で解決するのが最善です」
「全くもってその通りだね」
何となくだが、彼女とはウマが会う。守銭奴ではあるが、ほんの少しくらいならサービスをしてやってもいいと思えるほどに
「それと『月に代わって』」
「それは断わる。流石に金をもらわないと割に合わない、私の尊厳だって傷つく、年齢を考えてくれ」
「憂憂くんなら払ってくれますよ多分」
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「交流会なんですけど、負けた方は私の術式で引率諸共『ぽっこりお腹』にするというのは」
その瞬間、強風が吹き荒れる速さで蜘蛛寺の周りに女どもが集まった。
首すじに刀 脳天に竹箒の硬いところ コメカミに銃口
みんな目がマジだった
「お願いです水子先輩を殺したくないんです!」
「交流会をバトルロイヤルにするつもり?」
「貴方時々こういうことするわよね、時々だからほんの少し脳を切除すればいいんじゃない」
「なんで引率諸共なのよ」
そりゃそうだ、なんにも悪いことしてないのに突然、努力で維持してきた聖域が崩壊してぽっこりお腹なんて罰ゲームとしては重すぎる
「でも五条先生をぽっこりお腹に出来るチャンスですよ」
「だからって!」
「考え見てくださいあの顔でですよ?あの顔でぽっこりお腹ですよ?」
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「「「先生!!?」」」
もしかしたらの可能性が湧き上がってしまい女達は青ざめて武器を握る腕に血管が浮き出るほどの力が加わる
加茂はため息をついた
メカ丸は三輪の必死に動揺した
東堂は高田ちゃん情報を検索中
楽巌寺は『やる気が出るならまぁ』という顔をしてしまい女に殺意を向けられた
蜘蛛寺をただただこれから向かう交流会を楽しみにしていた
しかし誰も知らなかった
その場所に
蜘蛛寺水子の『前世』を殺した存在がいる事を
この世界の歌姫の顔に傷はありません
東堂の顔の傷も治そうとしましたが本人に断られました