ソードワールドの二次創作。平凡な冒険者の冒険譚   作:シットライヌ

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第二十九章:豊穣の相乗りと砂塵の王都

第二十九章:豊穣の相乗りと砂塵の王都

 

「旅人の国ロマール」を発った「擦り減り銀貨(スクラップ・シルバー)隊」は、豊かな農業国、湖岸の王国ザインの王都へと足を踏み入れていた。

シャイニングトライデント城がそびえるこの国は、アレクラスト最大の湖であるエア湖の恩恵を受け、農作物の輸出が極めて盛んである。将来自分の商会を持つことを夢見るロロが、この好機を逃すはずがなかった。

 

「東のエレミア王国へ向かう、大規模な穀物輸送キャラバンを見つけてきたぞ。荒くれの傭兵たちは馬車の前後を固めているから、俺たちの売り込み文句は『索敵と完全回避専門のナビゲーター』だ!」

ロロの見事な交渉術により、一行は食費と移動費をキャラバンに持たせた上で、荷馬車の特等席に便乗することに成功していた。

 

ザインから東に向かう街道の途中、御者台で風の精霊(シルフ)の囁きに耳を傾けていたシリアが静かに手を挙げた。

「……前方一キロ先の森の出口、街道沿いにゴブリンの群れが野営の準備をしているわ」

「よし、出番だな」

前衛のライシンが腰のマジックブレイドに手をかけることもなく、ロロが即座に動いた。レンジャーとしての初歩的な知識と鋭い地形把握を組み合わせ、キャラバンの隊商長に別の丘陵ルートへの迂回を具申する。

「戦闘になれば、流れ矢で貴重な農作物が傷つくか、馬が怯えて荷崩れを起こす。俺たちのナビゲートなら、一滴の血も流さずに荷を届けられますぜ」

説得は功を奏し、キャラバンは魔物との接触を完璧に回避。メリッサが知識神ラーダに感謝の祈りを捧げつつ、荷馬車の上で悠々と紅茶を嗜む間に、危険地帯は過ぎ去っていった。

 

数週間の旅路の末、緑豊かだったザインの景色は次第に乾燥し、肌を焦がすような熱風が吹き始めた。

「この乾いた風……間違いない。カーン砂漠からの熱風だ」

ロロが目を細め、故郷の匂いを嗅ぎ取るように鼻を鳴らす。エレミア北部に広がる「悪意の砂漠」カーンは、砂漠の民が住む過酷な地であり、同時にロロの生まれ故郷でもある。

 

やがて陽炎の向こうに、円蓋と尖塔が連なる異国情緒あふれる大都市が姿を現した。海と陸の交易が交差し、南海の“呪われた島”ロードス島からの行商人も集う「砂塵の王国」にして「職人たちの王国」、王都エレミアである。

居城『バーニングアイアン』が威容を放つ、絢爛たる大都市を前に、五人の目は野心に輝いていた。

 

世界最大級の市場と、職人たちの街……! ここなら俺たちの『隙間産業』で一財産築けるぞ!」

ロロの言葉に、四人は顔を見合わせて笑い合った。擦り減り銀貨隊の新たな「絶対消耗しない」ミッションが、この熱砂の王国で幕を開ける。

 

技能レベルアップ

 

ライシン: ファイター Lv3 / ソーサラー Lv1 / セージLv1

 

シリア: レンジャー Lv3 / シャーマン Lv3

 

メリッサ: セージ Lv3 / プリースト(ラーダ) Lv3

 

カイル: シーフ Lv3 / バード Lv3

 

ロロ: シーフ Lv4 / セージ Lv1 / レンジャー Lv1

 

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