泣いちゃダメだよ、高明おじちゃん   作:テン吉

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第一話

 

 

 

 世の中には主人公がいる。

 何をしても目立つ奴。お金持ちな奴。喧嘩が強い奴。頭が良い奴。

 

 そして前世を持った自分___とか。

 

 まだ齢5歳だが、産まれた時しか泣いたことがない。

 幼稚園の頃? 本を読んでいたさ。

 必死にママにせがんで買ってもらった、英才教育教本。

 前世チートにはいつか限りがあるはず。大人の知識を持って自信持ったまま突き進めば、いずれは分からなくなる問題も出てくるだろう。

 なので、大人より子供の頃が勉強の吸収がいいことを知ってる悪い大人は、早く動くのさ。

 

 国語、地理、数学、英語、理科、社会…etc.

 至って普通の教科だが、基本的なことは全て揃ってる。親には、小学生に上がるから〜と言い聞かせて読み込む5歳児は異様だった事だろう。

 

 そう、これこそが主人公。

 ____と、小学生になるまでは、そう思ってた。

 

 「せんせー!! どうしてパンツは履かなきゃいけないんですか!!」

 「せんせー!! トイレ!!」

 

 ぎゃいぎゃいと騒ぎ立てる、身長平均が100センチの小学一年生たち。その中でも際立つのが2人。

 自由時間になった瞬間に騒ぎ立てるクラスの一方、窓際で2人で固まって談話している。小学一年生にしては珍しい方のタイプ。

 

 将来頭皮が心配になりそうな男の子と、褐色肌の男の子。

 

 知ってる。あたい、知ってる。

 

 「せんせい、コウメイのライバルはシバイで合ってますか?」

 「おいコウメイ! せんせーが困ってんだろ!」

 

 上から順番に、諸伏高明、大和敢助。

 この2人は準主人公のようなものだ。

 ということは否が応でも、自分がモブだってことに気付かされた。その時の落胆は酷い様だった。

 

 青白くなって何も言わなくなった私に、担任の先生が気づいて真っ先に私の方へと近づいてくる。

 

 「大丈夫? 今から保健室行こうか」

 

 何も言えずに、コクンと頷く。

 彼らには、どうしたんだろうと視線を浴びたが、私はフイッと違う方向を向いて、彼らには顔を向けなかった。

 

 「なんだアイツ。感じわりぃ」

 「かん助くん、言っちゃだめです」

 

 後ろから声がする。

 そのまま先生に抱きかかえられて、保健室まで行った。

 

 保健室には、私の他にも子供が数人いた。

 どうやら入学式がある日は具合が悪くなる子も多いとのこと。

 その中でも青白かった私は、横になった方がいいと保健の先生から言われ、デカいベッドを占領することを許された。

 保健の先生の配慮で、ベッド周りのカーテンが全部閉められる。おかげで周りが見えなくなった。

 

 ベッドで、ゲンドウポーズをしながら私は天井を見上げた。今までの自分の思い上がりな行動に羞恥心が止まらなくて、たまったもんじゃない。

 なにが天才だ。なにが主人公だ。

 

 彼らこそ主人公なのに。

 

 我ながら自分が主人公だと思っていた。

 世界は誰もが主人公って言うでしょう? それと同じで自分も主人公なのだと。

 でも違った。この世界は名探偵コナンという世界で、明確に主演とモブの差がある。

 

 つまり私は漫画のコマにすら現れないモブなのだ。

 

 落ち込んでいると、ふと保健室の音が静かになっていることに気づく。

 そして横のカーテンがもぞもぞしていることも。

 息の仕方からして、男……それも同じガキか。

 

 その時の私はイラついていたもので、カーテンの隙間からチラッと見えた洋服を引っ張り、ベッドの上に叩きつけた。小学生の体なんて軽すぎる。

 そして反転。

 まるで私が襲っているかのように、ベッドに縫いつける。

 ベッドがギシッと軋んだ。

 

 「……ッ!おま」

 

 お前と言われる前に、その男の子__諸伏高明の唇に人差し指を持っていく。

 柔らかい唇は真一文字に結んだ。

 

 シィーッ。

 

 「静かに」

 

 すると押し黙る諸伏。

 黒い前髪の隙間から見えるマリンブルーの瞳がこちらを捉える。

 何を想像したのか分からんが、諸伏高明の喉がゴクンと上下に揺れた。

 それを見て、私はついに怒りをぶつけたのだ。

 

 正直、生まれ持った主人公に腹が立っていたところなんだ。

 八つ当たりに近い。

 

 「冷静沈着な中国史が好きな男子と言えど、冷静さを欠いてこの程度か。お前は今、女子のベッドを覗きに来たガキに過ぎない。私に何の用だ」

 

 言うと、諸伏の目が見開いたかと思えば、私と同様怒りの目に変わる。

 

 「それは!!」

 「静かにって言ったでしょ」

 「ッ〜!! それは、僕たちのせいで気分が悪くなったのかもと思ってッ、心配しに来たのに……!」

 

 確かに主人公サイドに気分悪くなったのは合っている。

 

 「半分合ってるね」

 「なんでっ」

 

 何でって。そりゃアレだ。

 諸伏高明のまだ髭のない顎をさすってから、クイッと上げる。諸伏の頬がカァッと赤くなったのをまた確認した。

 されたことが無いのだろう。初心で可愛い主人公。

 

 「………………自分よりカッコイイから」

 「……は?」

 「私、落ち込んでるんだよね、カッコイイ奴見ると」

 「うそ……ですよね」

 「嘘じゃない」

 

 だから出てって。

 そう言って、諸伏を押し倒していた体をゆっくりと起こす。攻めの姿勢だったが、今の諸伏は女の子みたいで間抜けで、自分のカッコイイ欲が満たされてちょっと、せいせいした。本当に私は性格が悪い。

 反対に諸伏は何を考えているのか分からない。

 呆然としたまま、私と目線が合えば顔を赤くしてそっぽを向く。なんだコイツ。むかつく。モブの顔でも覚えとけ。

 

 「てか、ふたりきりでベッドに居ると先生に怪しまれるから」

 「あ、あぁ……」

 

 そう言うと諸伏はヨロヨロした歩きでカーテンの向こう、教室に去っていった。

 

 あーーー何が悲しくて準主人公を押し倒すのだろうか。成り行きだな、うん。

 

 とりあえずこれでトラウマを植え付けたはず。

 長野県警組とは、教室が同じだけで縁がおサラバすることだろう。

 

 

 

 

 ……と思っていたのが前日。

 

 「なぜ、となりにいるのかって、顔してますね」

 「…………チッ」

 

 事の発端は、担任が入学式直後に行った席替えによる。名前の順だと思って慢心していた私は、保健室から帰ってきたあと衝撃を受けた。

 なんでも担任が仲良くなるのが名前の前後だけじゃ可哀想だから、という。そうは言っても席替えはもっと1年の後半だろ!!!

 すると、すかさず手を挙げた諸伏は私の隣になりたいと先生に直談判したそうな。

 なんて言ったのかは知らない。けど、諸伏の顔を見る限り、かなりの手駒で先生を言いくるめたようだ。小学一年生なのに!小学一年生なのに!!

 

 恐らく、大和敢助も席替え事件に関わっているのだろう。だって、目の前に座っているから。

 

 私が不満顔で次の授業の準備をしていると、目の前にいた椅子が動き、くるっと大和敢助がこちらを向いてくる。

 

 「おまえ、コーメイに好きって言ったらしいな」

 

 爆弾を、落とされた。

 

 「にゅーがくしきの時、カンジ悪いっていってスマン」

 

 は!?!? は!?!?

 何が、どうして、そうなる。

 横に悠長に座っている諸伏を見つめれば、ニコリと微笑まれた。違う。昨日までの照れ屋ボーイじゃなくなってる。なにか踏ん切りがついた顔だ。

 

 一体なにがどうなっている。

 

 「私、別に諸伏のことすきじゃないけど」

 「でもカッコイイって言ったんだろ!」

 「それだけでか!!!ちっげーわ!!」

 「はあー?意味わかんねえ」

 「いいか!!カッコイイってのは___」

 

 そこまで言おうとして、止めた。

 ここでモブだの主人公だの言ったら、頭おかしいし、でんぱ組として扱われる。それはやだ!!

 この準主演組たちに、そんな目で見られるのだけは御免だ!私のプライドが許さない。

 

 そんな急に黙り込んだ私に、大和敢助が「ほらやっぱり」って顔をして、肩をすくめる。

 そして隣の諸伏は、計画通りとでもいうかのように、にこやかに微笑んでいた。

 

 コイツだけは私が諸伏高明を好きじゃないのを知っている。なのに私を横に置こうとする意味が分からない。

 

 無言で睨むと、諸伏は笑みを深めた。

 だから何でだよ!!!

 

 

 

*

 

 

 

 2年生。クラスが外れても諸伏は休み時間中に話にやってきた。探偵ごっこをしているらしく、口の悪い仲間と共に問題を解決しているらしい。相変わらず主演なことだ。

 

 

 

 そして、3年生。

 同じクラスに再びなった時だった。

 

 「やーい!お前ら付き合ってやんの!!」

 

 帰り道に言われた同じクラスメイトの言葉。

 かれこれ同じ言葉を1週間は言われている。

 言われても仕方ないと思う。

 

 私は諸伏を嫌っている……はずだった。

 あー、今は苦手に昇格した。

 

 閑話休題。今はそういう話じゃない。諸伏は何の本を読んだのか知らんが、3年生になって再び同じクラスになってから、私をエスコートし始めたのだ。

 おかげで帰り道は、同じ帰路まで、一緒に帰る羽目に。

 私は何も話さない。

 が、諸伏が一方的に今日は何が起こったかを話す。

 

 今日は大和敢助よりも推理をした。

 今日は大和敢助よりも給食を残さず食べた。

 

 うん、大和敢助好きすぎだろ。

 

 

 

 _____冒頭に戻るが。

 

 「お前ら帰ったら何すんの!やーいカップル!」

 

 先程のセリフを同じクラスメイトの男子小学3年生に言われたわけだ。

 

 私は大人なので無視を決めたが、諸伏のほうは、これが1週間続いているのでプルプルと拳が震えていた。さすがの準主人公でも精神は小学3年生である。

 

 それを見て黙っていないほど、私も甘くなったもんだ。だから私は、うるさい男子小学生に自ら近づいた。

 何も言わせない為に、相手を女子のように顎を掴む。

 

 「えっ」と、諸伏と男子小学生の声が重なった。

 

 「帰ったら何するって? こうするかもな……」

 

 一気に顔を近づけて、ギリギリすんでのところで顔の位置を止める。

 そう言うと、男子小学生は、羞恥心によるのか一気に顔を真っ赤にさせた。

 ははっ。まるであの日の諸伏みたいだ。

 

 後ろで諸伏が焦燥感募らせた顔をしているが、こっちはどーだっていい。

 

 「今後の行いを決めたなら行け」

 

 そう言って、男子小学生はピューっと逃げていった。フンッ。だから低学年の頃は嫌なんだ。

 

 ようやく隣に来た諸伏が「ッ……ライバルが増えた」などとブツブツと言っている。

 

 「ライバル? お前ほどの準主演には勝てないだろうに」

 「ッ〜!!そういうところですよ」

 

 耳を赤く染めた諸伏が叫んだ。

 ふっ、可愛いな。

 

 「手を繋ぐか?諸伏」

 「は!?」

 

 全力で拒否られた。

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 小学六年生の最後の日。

 胸元に桜のピンを付けて、後輩たちは泣いていた。主にイケメン諸伏高明と大和敢助の卒業に。

 

 上原由衣は大和敢助のそばに居た。

 

 私といえば、謎の集団に絡まれている真っ最中だった。

 まさか……今までの、『諸伏と私に突っかかってくる輩を男女問わず全て返り討ち』にしたのが思わぬ仇となったとは思うまい。

 

 「あの!!付き合ってください!!!」

 「ずっと前から好きだった」

 「あの時顎クイしたのはこの先もお前しか居ない」

 

 とかウンタラカンタラ、複数名が卒業式にこぞって私に告白してきたのである。

 隣にいた諸伏に助けを求めたが、「自業自得ですね」とジト目で言われた。

 諸伏ぃー!!!!

 思わず諸伏の服を掴む。唐突なことに目を見開いてギョッと驚く諸伏。

 

 「諸伏、今助けてくれたら(勉強に)付き合う!!!」

 

 だから助けろ!!諸伏!

 私の必死な目線に耐えられなかったんだろう。

 諸伏から困ったもんだ、という蜂蜜をもっと溶かしたんじゃないかってくらい甘くて蕩ける視線を感じた。

 それに恐怖を覚えてゾクッと寒気がする。

 

 「………………仕方ないですね」

 

 すると諸伏は、服を握りしめていたはずの私の手を絡めとって、恋人繋ぎにした。

 さらに追い打ちで「この人、僕と付き合ってますのでお断りします」と声をかける。

 もろっ、諸伏ぃ〜!! もっと別に言い方あったでしょ!!

 すると後ろから、ヒュウと口笛をふく大和敢助と顔を真っ赤にした上原由衣がやってきた。

 

 そして大和敢助がまたもや爆弾を落とす。

 

 「1年生の頃から付き合ってるぞ、そいつら」と。

 

 おかげで私の周囲は阿鼻叫喚。さらに遠くからも悲鳴が聞こえる。恐らく、諸伏を狙っていた女子が複数人居たのだろう。

 

 私はただのモブなのに、なぜ?

 何をしても目立つ奴じゃないのに。

 

 諸伏はそんな私に気づいたのか、私の額にデコピンをしてくる。

 耳元で「言っておきますが、モブとか関係なく、貴方は魅力的ですよ」とコソッと言われた。

 

 「意味がわからない……」

 「分からないなら知らせる存在が居ることも忘れないでください」

 「うるさい諸伏」

 「もう付き合ってるんだからいいじゃないですか」

 

 あー言えばこー言う。バシッバシッと諸伏の横脇に攻撃をくらわせる。しかし堪えた様子はない。

 

 「てか、勉強に付き合ってくれるだけで、ありがとうね」

 

 と言うと、流石に攻撃された横腹が堪えたのだろう。諸伏がその場でしゃがみ込む。

 

 何を察したのか分からんが、大和敢助はしゃがみ込んだ諸伏に対して「なーんだ」とせせ笑った。

 

 まったくもって意味がわからない。

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 中学一年生になった。

 なんの運命か、諸伏とはまた同じクラスになった。そして何故か諸伏と付き合っていることになっている。まったくもって意味がわからない。

 相変わらず諸伏がエスコートをやめないので、いつのまにか絆されてしまった自分がここに居るのは確かだが。

 

 当初、自分はモブだったというショックは受けたが、キャラクターには触れ合えているので、そこは流せるようになった。これも諸伏のおかげ。

 相変わらず主演並に有名人になってるのがムカつくところがあるが、悪い奴ではない。

 むしろ悪役は私の方に見えてくる。

 

 ところで明日から始まる林間学校を休んだ。

 

 風邪を引いたとは、あながち間違いじゃない。なぜこんな言い方をしたかは、いつもの『諸伏高明を苦手に思っている私』ではないからだ。まるで風邪だ。一過性のね。

 

 早朝、諸伏高明が大きなリュックを持ちつつ私の家に訪ねてくる。

 対して私は、ゴホゴホと何ら痛くも痒くもない喉を擦りながら咳をした。咳をする度に諸伏高明から悲痛そうな顔をされる。

 

 「ゴホ……そんな顔をするな。戻ってきたら楽しいことがあるさ」

 「……林間学校の方が楽しいとは言わないんですね」

 

 勘のいい諸伏はそう言ってくるが、大したことでは無い。時間だから行けと言う。諸伏は渋々といった様子で出かけて行った。

 

 さて、やることがある。

 

 マスクを外して、猫背になっていた背も伸ばした。

 本日か明日か。今日は賭けだが、確定事項はある。

 諸伏高明の両親は殺される。

 小学一年生になった景光が家に居る描写があったので、恐らく諸伏高明の両親を殺す犯人は一家殺人が目的なので夕方くらいだろうか?

 しかし、それでは戻ってきた諸伏高明が発見した時刻と被ってしまう。

 諸伏景光はタンスの中で寝ていた描写があった。

 

 とりあえず、朝から張っておけばいいか。

 

 嫌な予感がしたので、早朝そのまま私は準備済みのリュックと共に諸伏家へと向かった。

 早朝にしても、諸伏高明を出発させた家にしては、あまりにも静かな家だったので、不信感が募り、ピンポンを連打する。

 

 しかし誰も出ない。

 冷や汗が流れた。まさかと思い、ドアノブを握ると勝手に開くドア。

 

 まさか。

 

 まさかまさか!!!!

 

 

 慌ててお邪魔すると、そこには死体____ではなく、襲いかかろうとする前の犯人の姿が見えた。リビングにはまだ入っておらず、廊下で潜んでいるその背中は、私が勝手に入ってくるとは思わなかったのだろう。

 驚愕の表情のあとに、包丁をこちらに向けて走ってくる。

 

 私はフゥと息を吐き切り、そして真正面を迎えた。そのわずか1秒。

 相手の手の甲を叩き、股間を蹴った。

 

 包丁が飛んでいく時に自分の左腕を掠める。

 痛みに顔を歪めると犯人が笑ったが、私は迷わずもう一度股間を蹴った。

 

 火事場の馬鹿力。頭が痛くなるほど冷静で回っている。犯人が包丁をまた掴もうとする前に、包丁を蹴った。靴を履いていたのが幸をなした。

 

 そして犯人の顔をまた蹴って、ダメージを追わせる。私は気絶をさせられるほど力は無いので、とりあえず事前に準備をしていたロープで犯人の手首足首を

縛った。

 包丁は念の為、自分がのリュックに入れておく。

 

 リビングに向かうと諸伏夫妻は、私の存在に驚いていた。正確には、ダラダラと血を流す私に驚いていた。

 呆然とした夫妻に、私は雷を落とすがごとく「今すぐ通報してください」と言う。

 そして事の経緯を話した。夫妻は廊下で倒れている殺人未遂の男に酷く狼狽していた。

 

 警察がやってくると、私は鍵が空いていたので不審に思い、念の為家からロープをもってきて侵入したと報告した。なぜ持っているのか怪しまれたが、実際に役立っているのでそこは子供が無茶しないようにと怒られただけであった。

 

 念の為、その場にいた救急隊員に包帯を巻かれる。

 病院に行くのは断った。

 

 1番怖がっていたのは諸伏景光だった。

 小学一年生というのは『もしも』を想像してしまいやすい。気分が悪くなって、警察に貰ったエチケット袋に何度も胃の内容物をぶちまけている。

 

 私は諸伏景光にそっと近づいた。

 撫でてあげると「おねえ……ちゃん」と苦しそうに見上げてくるので、見ていられず抱きしめる。

 腕の中の諸伏景光が「お、おねぇちゃん!汚いよ!」と照れた声で言ってくるが知らない。

 ツンとした酸味のある匂いなど、今はどうだっていい。

 私は落ち着かせるように、諸伏景光の背中をポン、ポン、とゆっくりのリズムで手を当ててあげる。

 

 「いいか、景光。大人ってのは知識が増えただけの子供なんだ。だから良からぬことを考えてしまう輩がいる。それは知識があるからだ。景光は知識が増えても良からぬことは絶対にするな。それは自殺も含める」

 

 周りの大人には、『両親が殺されそうなトラウマになっても自殺には走るな』と聞こえたことだろう。

 ところが数十年後になると、不思議なことに諸伏景光の拳銃自殺のことに繋がる。その時まで覚えているかは分からないが。

 

 「っ…あの、おねえちゃん……もし、しんじゃったら、どうなるの?」

 「そうだな。白い悪魔と赤い弾丸が襲ってくるだろう」

 「ひぇっ」

 

 脳裏に浮かぶは、降谷零と赤井秀一。景光を驚かせたかった訳じゃないが、結果的にはそうなるだろう。

 腕の中の子供がぎゅうっと私の背中を掴む。そして数秒後には、落ち着いた呼吸の音が聞こえてきた。

 すやすやと立ったまま寝ているようだ。

 さすが準主演の弟。降谷零の親友。

 寝言で「おねえちゃん好き」と聞こえたが、聞かなかったフリをした。

 どうせ吊り橋効果だろう。

 

 こうして諸伏家の事件は幕が降りた____と思いたかったが、帰ってきた諸伏高明を含めた諸伏家は家族会議をしたらしく。

 

 しばらくの合間、トラウマになってしまった諸伏景光を東都の親戚のところに預けるらしい。

 良くは無いけど良かったなって思った。これで諸伏景光は降谷零に会うのだから。

 

 そして今は………………なぜか説教を受けている。

 ベッドの上で正座させられ、諸伏が前に立つ。

 特に諸伏は私の包帯だらけの左腕に顔を顰めた。

 

 「風邪、嘘だったんですね」

 「ゴホゴホ」

 「嘘の咳やめてください」

 

 諸伏高明がキッと私のことを睨む。

 

 「一体どれだけ僕のことを心配させればお気に召しますか?」

 

 心配……? 誰が? 諸伏が?

 キャラクターがモブなんかに心配する訳が無い。

 

 「諸伏が心配するわけが無い」

 

 言った瞬間、諸伏に襟元を掴まれる。

 フーッフーッと背中の毛を逆立てした猫のように気が荒くなっている諸伏だった。

 なんで。どうして。

 

 どうして、私なんかを大切にするの?

 

 「怒られる理由が分からない」

 「ほう。ならば犯人がもしも貴方を刺したら、ということも考えられないのですかね?」

 「結果的に助かったし、だったら両親が殺された方が良かったか?」

 

 そう言うとピリッとした空気が漂う。

 諸伏高明が言いたいのは大人を頼ればよかったのでは?ということは分かっている。

 だが、未来予知を信じる私しか味方が居ないのも知っている。

 

 「どうして林間学校を休んだのですか」

 「もしかしたらと思った」

 「もしかしたらって……どうやって知ったのですか」

 「怪しい人物が諸伏の家の周りを彷徨いていた」

 

 嘘は言っていない。

 犯人は、自分の子供を諸伏夫妻に殺されたと勘違いしての犯行だった。だから殺しに来ることは知っていたし、マークするのは簡単だった。

 

 「あの日どうして僕の家に訪れたんですか」

 「まだ諸伏が居ると思ったから」

 「リュックを背負って、貴方の前で出かけて行ったのに?」

 

 諸伏が怪訝そうな顔をする。

 私はふにゃりと笑った。

 

 「ああ。諸伏が居なくて寂しくなった」

 「ッ……え?」

 

 そう言うと、諸伏高明は目を点にさせた。「は」とか「え」とか、言葉にならない音を出しては、「そんなはずは無い」と言い聞かせるように諸伏は言った。

 なんだその反応は。まるで私が諸伏のことを全然好きにならない、顔を向けてくれない女の子みたいじゃないか。

 

 「とにかく。私はトラウマは出来てないから安心しろ。明日からは学校に行くから、とりあえず私の部屋から出て行ってくれないか?」

 「あ、あぁ……そうですね」

 

 パタンとドアが閉じる。

 諸伏が帰ったあとで、はぁーーーと息をつく。ベッドにそのままゴロンと倒れ込んだ。

 疲れた。事件一番疲れた気がする。

 

 と思ったら、バン!といきなり自室のドアが開いて心臓が口から飛び出るかと思った。

 

 「も、ろふし……」

 

 ドアを開けた犯人は先程出ていったはずの諸伏高明だった。

 つかつかと歩み寄ってくると、私の前で膝まずく。

 えっ。

 

 「1つ、言い忘れてました」

 

 そう言った諸伏は拱手をした。

 中国古来の伝統的挨拶。右手を拳にして左手で包み込むようにして、胸の前で合わせる礼の形。

 それは敬意の表し。

 右手を拳にして左手で包み込むのは、右手が攻撃に使われる可能性があるため、それを左手で封じ込めることで「攻撃する意思はない」という意思表示を意味するため。

 

 諸伏がどうして私に敬意を表すのか分からない。オロオロと動揺した空気を読み取ったのか、黙っていた諸伏が重い口を開く。

 

 「家族を……助けてくれて、ありがとうございます」

 

 諸伏はそのまま顔を下げた。

 私はいつのまにか上がっていた肩を降ろした。なんだ……そういうことか。拍子抜けした。

 てっきり、さっきのことを怒られるのかと思った。子供みたいに、怒られることに恐怖した。

 

 「諸伏が、生きていて良かった」

 

 やっと溢れ出た言葉はありふれた言葉だった。

 諸伏高明という準主演が……いや……この私に酷く優しい男が生きていて本当に良かった。

 誰かを助けれたことに感慨深くて、目尻から塩水がこぼれ落ちる。

 

 静かに泣いている私に、諸伏は立ち上がって「お互いに、生きててよかった」と抱きしめてきた。

 私は諸伏の肩に顔を埋ませた。

 ベッドの上で男女が抱き合っている姿は、さながら恋人みたいだ。

 そして甘い蕩けた声で「今度は僕を頼ってください」と耳元で言ってくるのだ。

 

 左腕を包帯の上から優しく撫でられる。未だにズキズキするこの傷は一生消えないだろう。

 すりすりと撫でられて、くすぐったい。

 

 前日は、包帯を一度解いてみたが、ケロイドみたいになっていた。だから今は包帯を巻いて諸伏たちに隠すようにしている。

 

 この男はいつもそうだ。

 私を大事そうに扱う。私が名探偵コナンに存在しないただのモブなのに、まるで失ったら自分は自堕落な道まっしぐらな言い方をしてくる。

 唯一無二の存在かのように、大事にしてくる。

 かと言えば、私が自分を無碍に扱ったら、愛しい恋人を馬鹿にされた彼氏ヅラをして怒ってくるのだ。

 

 それが何より擽ったくて、でも痒くてもかけない、かくよりかは撫でたくなる気持ちになる。

 そういえば諸伏は女性の影が原作には無かった。いや、もしかしたら原作には無いだけで実際には居るのかもしれない。それはモブにとって私得だな。

 

 「諸伏は……良い女性が出来たら教えてくれ」

 「……なぜ」

 「準主演の情報は喉から手が出るほど欲しくてな」

 

 そう言うと肩にいたはずの諸伏の顔が目の前にあって眉間にシワが寄っていた。

 とてつもなく不快そうな顔をしている。

 

 「なんだ、モブに教えるのは嫌か?」

 「……ええ、目の前の馬鹿で鈍感な女には教えたくないですね」

 「なぜ!?!」

 「そういうところですよ」

 

 そのあと諸伏にまた抱きしめられたままだった。

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

 あれから十数年が経った。

 高校生受験の時は大変だった。

 受験ではなく、諸伏と同じ学校なことに。昔から勉強ばかりしてた私は諸伏とやっと離れられると思ったが、そうもいかず。そういえば諸伏も頭良いんだったと思い出したのが苦い思い出である。

 

 あの3人組はやはり警察官になった。長野県警に配属されたらしく、諸伏は巡査の時はたまに巡回や交番勤務で見かけた。見かける度に私に近づいてちょっかいを掛けてくるので「勤務中では」「気になる女性を見かけたものでして」「働け下っ端」という会話を何度繰り返したことか。

 しかし、今は警部をやっているらしい。さすがに忙しいのか近づいては来ず、毎日恋人みたいに朝と夕方にメールを打っている。

 

 諸伏景光とはなんの運命か、連絡を取り合っていたが急に連絡が途絶えたので公安に行ったのだろう。ちなみに最後のメールは「好きでした」。

 でしたってなんだ。

 人生の最期みたいな送り方でムカついたので、そのメールが来た途端に『最期まで愛せ』って返信しておいた。ガラケーの早連打を舐めないで欲しい。これなら相手も見たことだろう。

 私といえば、とある企業の長野市社に配属されている。

 面接や入社式は全部オンライン。だから長野からずっと出ていないのだ。

 

 会社が手厚いので、ほぼリモートワークをさせてもらっている。諸伏とは顔を合わせる機会もない。

 

 が、今年だけはそうもいかないようだ。

 新発売の商品に向けて会社全体が動いている。私は呼び出されて、会社の商品紹介の為に、お相手の企業の1人と会うことになった。

 

 コンコンコン、とノックをされた。

 

 場所は長野市社の小さい会議室。

 窓は全面ガラスで外の風景がよく見える。隣の高いビルに邪魔されているが、それでもいい景色だ。

 

 立ち上がってお互いに名刺交換をした。

 名前は田中秀臣。うん、名探偵コナンの登場人物ではない。安心安全の判断……だった。

 その人は普通の人だった。だが目が血走っていた。まるでミスひとつでも犯したら誰かに殺されるかのような、そんな必死さを醸し出している。

 

 これは、きな臭いな。

 

 紹介していたのは私の方だったが、途中から相手の新薬の話に代わり、その様子は半ば強引であった。

 おいおい、こちらが販売する側だぞ。

 なんでも世界を変えるほどの効果があるのだとか。

 売りつけたい。何がなんでもこのホワイトな会社に売りたい必死さが伝わってくる。

 だけど私は「検討します」とだけ言って跳ね除けた。相手が今売りたいと言っていてもだ。

 

 それが良くなかったのだろうか。

 

 相手の表情がごっそりと抜け落ちた。

 まるで死ぬも同然のように。

 

 「どうせ死ぬならお前も道連れにする」とまで言われた。うん、もう死ねって言われてるよね。

 

 危険を感じたので会議室から出ようとすると、いつの間にか鍵が掛けられていた。内側ドアなので鍵は開けられるが、その僅かな時間で、後ろに来た田中に羽交い締めされ、口の中に何かを入れられる。

 

 そして顎を掴まれて上を向かされ、無理やり飲み込まされてしまった。しまった。

 

 怒りで振り返って田中を殴ろうとした瞬間____ガラスが割れた音と共に鮮血が目の前で散った。

 

 真っ赤な大きく散った血。

 

 田中の頭を直撃したそれは、床に大きな痕跡を遺す。銃痕だった。

 

 まさか。まさか、まさか。

 

 黒の組織か!!!

 

 思い立ったが否や、開いたドアを開いて廊下に逃げた。たちまちガラスの割れる音が手を掠めそうになった。ドアを貫通したのはその1発だけだった。

 

 先程服薬してしまった激しい痛みを抱え込みながら、防犯カメラのない非常階段まで逃げ込む。

 

 痛い!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。

 シュウシュウと音を立てて、人の肌や肉を焦がすような気持ち汚臭がする。口の中の乾きが異常で、身体中の関節が軋む痛さ。非常階段で私はのたうち回った。そして胃から咽び上がった血が非常階段にてぶちまける。

 

 モブだったのに、最後の最後で主演と会うのか。

 悔しかった。苦しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 涙と血と嗚咽が混ざり合ったその時、ふと自分の視界が縮んでいることに気づいた。

 

 もしかして、江戸川コナン現象。アポトキシンか!

 

 自分にも運があったことに、つくづく感謝する。しかし、もしこの場で子供が発見されたら怪しまれてしまう。

 ふと過ぎったアイツの顔。

 諸伏高明に連絡するかと思ったが、やめた。

 

 連絡は毎日のようにしているが、どうせアイツのことだ。準主演の中には仲間が死んでも頑張って生きている奴がいる。

 どうせ諸伏高明も、私が死んでもケロッとしていることだろう。

 

 とりあえず血液をもっと胃から出して、この場で死んだかのように見せた。おかげで手には吐きダコ、そして失血によるフラつきがある。

 

 監視カメラは非常階段にはない。ここは運だが、洋服を被って外に出た。

 車は使えないからバスだ。足の長さが足りないのでアクセルすら踏めないだろう。

 

 現金を持って、会社前のバスに乗る。

 バスを待っている合間は生きた心地がしなかった。

 

 血が着いた所を見えないようにして、相変わらず大人の服をフードのように被っている。昼間なのでバスには人が居らず良かった。

 必死に家に帰れば、まだ偵察は家には来てないらしく、ホッとする間もなく、急いで幼児の服に着替える。

 名探偵コナンの世界だから……もしかしたら私もアポトキシンを飲むかもしれないって、馬鹿みたいに夢を見て、馬鹿みたいに用意していた小さい服だ。

 

 それが本当になるなんて。

 

 なるべく部屋の状態はそのままにして、血のついた洋服はリュックの中に入れて、金と身分証明書、栄養ゼリーのみ持っていく。

 

 目指すは、阿笠博士邸だ。

 

 新幹線はネットで予約すれば足が着いてしまうので、その場で購入するしかない。

 家からだいぶ離れた場所でタクシーを拾って、新幹線が乗れる長野駅に到着した。

 身が震えている。死への恐れだ。

 

 東都駅に着くまでは何時間も掛かる。

 

 新幹線がやっと来た。

 誰にも顔を見せないようにして、急いで乗り込み、指定席に座る。

 後ろの窓際側だった。

 

 それまで不安だった。組織があれ程度の工作で死んだと思ってくれるか。私を追って、あの男のように射殺されないか。____諸伏まで危険が及ばないか。

 

 私は失うのが怖いんだ。

 

 自分を抱え込むようにして、ギュッと腕を握る。

 血の匂いがした。

 分かる人には分かるような血の匂い。

 

 その時____ふと、隣の席に大人が座ってくる。

 

 おかしい。指定席なのに隣に座ってくるのは、違反。

 すなわち…………私の敵。

 

 

 ドキリと嫌な音を立てて心臓が早く動き始めた。

 その服は真っ黒で、先程の烏を連想させる。

 

 もしかしてここで殺すとか無いよね。

 だけど有り得るのが黒の組織。新幹線でもお構い無しに殺してくるだろう。

 

 どこか聞いたことのあるような声で、その大人は咳をした。

 

 恐る恐る横を見たいが、見れない。

 恐ろしくて前しか向けない。

 

 だが、その大人は声を掛けてきた。

 

 「おねえちゃん、だよね」

 

 え……?

 

 勢いよく横を見ると、そこには髭をそった大人の姿の景光が居て_______心底、安心した。

 

 兄弟揃って似ている猫目がこちらを優しく見る。

 

 私の肩の力が抜けたのが目に見えて分かった景光は、「おねえちゃんの死亡工作なら俺がやっておいた」と、さも当然に言ってのけた。

 

 その言葉に私は目が飛び出そうになった。

 

 「え!?なんで!?」

 「おねえちゃんが……俺の追っている奴らに目を付けられていたのは知っていたからね。盗聴器とGPSは今朝付けられたことに気づかなかった?」

 

 確かに家出る時に身長高い男性にぶつかった記憶はあるが……、まさか景光が長野に来ているとは思うまい。

 

 「は、はは……どこまで信じていいのやら」

 「しばらくの合間、おねえちゃんの身柄は俺の家で保護するよ」

 「それはどうも……。景光は大丈夫なのか?」

 

 その……、仮にも成人女性が泊まるというのは。

 ボソボソと喋ると、不思議がっていた景光は「なんだそんなことか!」とニカッと白い歯を見せて笑った。

 

 「俺、好きな人の為ならこの身も捧げるよ」

 「そっか」

 

 確か、景光は降谷零と幼なじみ。好きな人というのは日本のことだろう。

 案外さっぱりしている私に、今度は景光が動揺する。分かってるって。日本のためだろ? おけおけ。

 景光が「嘘だろ……まじか」と言っているが無視した。

 

 東都に着くまでは、景光との話題に花を咲かせた。

 もちろん誰が聞いてるのか分からないので、適当に誤魔化しながらだけど。

 

 「俺、死にそうになったことがあってさ、やっぱりおねえちゃんの言った通り来たよ。白い悪魔と赤い弾丸」

 「へえ。怖かった?」

 「全然。むしろ、おねえちゃんのこと思い出したよ。あの時からずっと俺は、おねえちゃんのことばかり考えてた」

 「へー」

 「あっ、今どうでもいいって思っただろ!」

 

 うん、熱烈な愛なら嬉しいけど、もれなく降谷零と赤井秀一がくっついてくるならNOだ。

 主演は諸伏高明でお腹いっぱいなんだよ、こんちきしょうめ。

 

 

 

 諸伏高明____私が消えても頑張れよな。

 

 

 

 





 主人公
 イケメン系。ネームレス。
 諸伏のことは好きになりつつある。


 諸伏高明
 ちょび髭どころか、顎髭まで出て、とんでもなく堕落した生活になる予定。主人公を失ったのがショック過ぎた。かんちゃん、ぼく所轄いってくる……。
 警視庁に呼び出されて東都行った時に、昼間から堕落した姿でベンチ座ってたら、フード被った主人公(幼女)と出会って、心配されるオジサン。
 タイトル回収。


 大和敢助
 諸伏高明を慰めるのに精一杯だった。
 東都で幼女に慰められてる幼なじみの姿を見て、やべぇ逮捕案件だってなる。


 上原由衣
 かんちゃん目当てじゃなくてホッとした子。
 むしろ早くくっつけ〜!と諸伏のこと見てた。


 諸伏景光
 GPSと盗聴器付けたのは今日だけじゃないよ。
 プライバシー?なにそれ笑
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