翌朝、俺の船とナミの船は並んで航海していた。向かう先はシロップ村。ウソップとクロがいる島だ。そこに行けば目当てのものとついでにメリー号が手に入る。
「ここから少し行ったところに人の住んでいる島があるわ。そこでまともな船が手に入ればいいけど……」
「別に船なんてなくても走っていけばいいだろ?」
「それはあんただけよ。あたしたちは無理だしルフィもカネツグも能力者なんだから沈んだら1発でアウトよ」
「ま、なんにせよ船は必要なんだよ。色々と作業もあるし」
「そういえばルフィ。お前が持ってきた袋には何が入っているんだ?」
「それはオレも気になっていたんだが」
ゾロが質問しセロリが同調してきた。袋の中は大した価値のないものだが俺にとってはかなり必要なものだ。隠しておく必要は無いので教えておくことにしよう。
「これは全部武器だよ。銃やら剣やらバギー玉やら色々入ってる」
「なんでそんなもの持ってきたのよ」
「武器を作るに決まってんだろ」
そう、俺はありとあらゆる武器を自分で作らないと気が済まない。既存の武器は使いにくいし古いしで何もメリットがない。そのため色々と武器を集めその中から部品を調達して新たな武器を作る。勿論武器以外にも作るがなぜか武器が一番作りやすい。
場所は変わってシロップ村
「海賊がきたぞ〜‼︎」
長鼻の青年が大声で叫びながら走り回っている。その声に反応し、家の中から村人たちがモップや箒などを手に飛び出てきてその青年を追いかける。青年は笑いながら林の方へと逃げ込み、村人たちは青年を見失う。青年は木の上へと逃れやり過ごしていた。村人たちはやがて諦め家へと帰っていった。これがこの村の日常なのだ。
そして今日、そんな平和な村に異変が訪れる。
「ふぁ〜あ」
ゾロの間抜けな欠伸とともに俺たちは島へと降りる。そこは狭い砂浜ですぐ目の前には崖があった。記憶は薄れているが原作と同じ場所だろう。
「気をつけろ。人の気配だ」
ゾロが何かに気づき忠告してくる。ゾロは見聞色の覇気で強さまでは量れないのかわずかに警戒している。
直後、俺の足下に何かが飛んできた。当たっても微塵も痛くないため動かずにいるがナミとカネツグはびっくりして船の影へと隠れてしまった。
そして崖の上の茂みの間からシンプルな海賊旗が次々と上がってきた。威嚇のつもりなのかかなりの数だが正直なところそんなことしたら本物の海賊には逆効果なきがする。
そして崖の上、ちょうど真正面あたりから笑い声がしてきた。
「はっはっはっは‼︎俺はこの村に君臨する大海賊団を率いるウソップ‼︎人々は俺を讃え、さらに讃え、我が船長キャプテンウソップと呼ぶ‼︎この村を攻めようとするならやめておけ!俺の8000万の部下が黙ってちゃいないからな‼︎」
そう言って手を広げるウソップ。いつの間にか崖の上は見回す限りほぼ全ての場所に同じ海賊旗が掲げられていた。勿論そんなデタラメに付き合うほど俺はお人好しではない。
「嘘だろ」
「嘘だな」
「そうだな嘘だ」
「嘘ね」
「嘘でやがりますね」
順に俺、ゾロ、セロリ、ナミ、カネツグの順に否定する。あまりの速度にウソップは呆然としたがすぐに気を持ち直して続けた。
「お、俺は3年前ゴア王国で大暴れした犯人だッ‼︎」
「ブハッ‼︎ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハアーッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ‼︎ハァー、ハァー、ヤベェ腹がイカれる‼︎」
その言葉を聞いた途端、心の底から大爆笑をしてしまった。その様子を見たセロリ以外の仲間はいきなり笑い出した俺に驚いた。
「な、何がおかしい‼︎」
「どうしたのよルフィ」
ウソップは顔を真っ赤にして反論しナミは少し引きながらも尋ねてきた。勿論無意味に笑ったわけではない。
「いやー、ここまで言い切ったバカは初めて見たものだからさぁ。本人の前で堂々と大声で言う奴は初めてだ。これまでは追い詰められた時にボソッと言う奴がほとんどだったからよかったけど」
「どういうことだよ、それは」
ゾロが尋ねる。その問いに対して俺は、ウソップや周りに隠れている奴らに対して宣言するように大声で言い放つ。
「その事件は俺が起こしたものだ‼︎」
だが流石にこれだけでは信じられないはずだ。否、信じようとさえしないだろう。信じる方が馬鹿だろう。ウソップと同じように嘘ついているだけと思われる。無論信じてもらおうとは思っていない。
「また馬鹿なこと言ってんじゃないわよ。その事件は億越え賞金首の仕業って話よ」
「そうでやがりますよ。確かにセンパイは強いですけどそこまでは無理でしょう」
「チッチッチッ。甘いぞお前ら。タウマチンよりも甘い」
ここで一つ補足説明が必要だろう。先ほどから出ているゴア王国の事件というのは3年前、都の大門付近から約3割ほどにかけて災害レベルの破壊が行わた事件の事で、未だ完全に復旧が終わっていない。その時の目撃者は、破壊者を小柄な悪魔とか魔人だとか破壊神だとか証言したが実際のところ犯人の目星は全くついていない。
その犯人こそ俺である。真相としてはサボを殺された腹いせとただ本気を出してみたかっただけなのだ。その事件以降チンピラ達の中にその事件の犯人だと言いふらす奴が少なからず表れたがその者たちは真っ先に
「そうは言ってもあんたの力をあたしは知らないんだけど」
「ルフィはかなりの強さを持っているけどどーせ嘘だろwww」
ゾロの言葉に無性に腹が立った。なぜか馬鹿にされたような気がしてならない。
「おいゾロ。しっぺ、デコピン、マジチョップのどれがいい?」
恐がらせないようにニッコリと笑みを浮かべて尋ねる。作り笑いになっているだろうが威圧してしまうようなことはないだろう。
「どれぐらいの強さかによる」
「そりゃそうだな。えーっとだな、俺の本気のデコピンは一軒家程度なら消滅させることができる。本気のしっぺは鉄程度なら切断できる。マジチョップは艦船を叩き切れる。もう一度聞こう。どれがいい?」
「すみません俺が悪かったですやめてください謝ります土下座します本気でやめてください」
「おいルフィ。お前の顔、悪役に向いてるぞ。てかカネツグが泣きそうなんだが」
「信じられないわね」
ナミは未だに信じられないらしい。この分だとウソップもまだ信じていないだろう。ゾロは一度俺の嵐脚を見ているから俺の言っていることがあり得ると理解しているのだろう。
「悪いが今本気を出すことはできない。代わりと言っちゃなんだが面白いものを見せてやるよ」
ウソップ、ナミ、カネツグの3人は揃って「面白いもの?」と首をかしげる。ナミとカネツグは可愛いから許すがウソップはやめて欲しい。見せるのはゾロに見せたものとは違う、六式の技でもゴムゴムの技でもない全くの別のものだ。
「おいセロリ、悪いがその辺の海からデカイ獲物連れてきてくれ。くれぐれも傷つけないようにな」
「わかった。3分くらい待っていてくれ」
セロリは一瞬で姿を消した。視認できる速度ではあったがかなりの速度で俺以外は全く見えなかっただろう。
180.24秒後
3分の間に軽くゾロにデコピンをしたがそれでも樽を軽く破壊するデコピンだ。「ウゴッ‼︎」と言ったきり頭を押さえてうずくまってしまった。
「連れてきたぞ」
そう言って現れたセロリ。後ろからは近海の主と同じくらいの大きさの魚がきた。もう少し大きい方がやりやすいが文句を言う気はない。
「よーし、見てろよ。Show timeだぜ」
右手を魚に向ける。そのまま右手を握ると魚は一瞬で細切れになった。俺たちの頭上で汚い花火になった魚は予想通りに砂浜を紅く染めた。その光景を愕然としていたみんなだったが予想と違いセロリがなぜか一番驚いていた。その驚き方も他とは違い、愕然ではなく驚愕だった 何故だ?
しばらくの間沈黙していたが、その沈黙は泣き声で破られた。
「…………ッ……ッ……ッグ……ヒグッ…………グスッ……ウワァァァァァァァァァアアアン!!!!」
この時、ウソップも含めたその場にいる全員が思った。
『ヤベェ、泣いちゃった』と。
カネツグの泣き声を皮切りに全員が動き始める。ナミは全力であやしにかかり、それ以外はウロウロと何をしていいのかわからずにいる。
「ちょっとルフィ‼︎泣いちゃったじゃない‼︎なに泣かせてんのよ‼︎」
「TI☆GA☆U‼︎泣かせるつもりなんて無かったんだ‼︎本当‼︎マジだって‼︎」
そう言ってボロボロと大粒の涙を流しながら泣き続けているカネツグに近寄る。
「ヒッ!」
カネツグは俺を見た途端明らかに怖がった。確かにいきなり目の前で巨大な魚が爆散し、自分は血まみれ。さらには内臓や眼球が目の前を通ったとなれば心に途轍もないダメージを負うだろう。まだカネツグが子供であることを失念していた。
「拒絶……された……。鬱だ、死のう」
「待てルフィ‼︎踏み止まれ‼︎」
「そうよ
「そうだ‼︎お前のせいなんだぞルフィ‼︎」(ゲス顏)
なぜか止めてくれないゾロ。後でぶっ飛ばす。
「はぁ、ウソップよ。お前ヤソップの息子だろ?」
泣き止まないカネツグを見かねてウソップは俺たちを村の中へと案内してくれた。全身の血はセロリが波を起こして洗い流してくれた。俺がゴア王国事件の犯人だとは信じきれないがかなりの強者だと信じてくれた。そして、ナミがカネツグをなだめている最中に質問した。
「あ、ああ。そうだが、なぜそんなことを知っている?」
「ヤソップは俺の昔の知り合いでな、かつて俺の故郷の村に滞在していたんだよ」
そして俺は語った。ヤソップは天才的な射撃の才能を持っていたこと。シャンクスの仲間として勇敢なる海の戦士になっていること。鼻以外は激似だということ。昔からウソップの事を聞かされていたこと。色々と話した。
「あ、そうだ。ちょっと船に忘れもんした。少し待っていてくれ」
「忘れ物?」
「まあ、それは後でのお楽しみってことで」
そう言って話を切り上げ、剃で船まで移動する。船にたどり着くと、中からあるものを取り出す。コレはあったほうがいいかもしれないから一応渡しておくことにしたのだ。
帰る途中、クロネコ海賊団の襲撃に備えてちょっとしたトラップを仕掛けることにした。仕掛けるポイントは原作通りに進むと仮定して船の周囲と村への入り口の坂道にする。
「何してるんだルフィ?」
坂道付近にトラップを仕掛けている時セロリが話しかけてきた。おそらく俺と同じように出てきたのだろう。
「ん?コレか?コレは糸で罠を仕掛けてるんだよ」
地面の中と地面の上に糸を張り巡らせて振動察知装置として使用する予定だ。ついでに糸を足首の高さまで上げることによって足を引っ掛ける事にも使う。
「糸?」
「そう。俺が作った特殊な糸で蜘蛛の糸よりも強靭。それにナノデバイスでできているから自由自在に操ることができる」
そう言って糸で崖の一部を切断する。先ほど魚を切ったのもこの糸でやったことだ。あれは魚の周りに糸をめぐらせ、瞬時に動かすことで細切れにしたのだ。だが、いくら蜘蛛の糸より強靭だとしても覇気をまとわせないと物体を切ることは不可能に近い。それに殺傷力が強すぎるためドフラミンゴのように人を操ることはできない。ドフラミンゴの能力はイトイトだと思うがそれに対抗しようとはしていない。ただなぜか糸の使い方が体に染み付いていたのだ。前世の記憶はないがなぜかそういう体に染み付いたことはできる。
「……なぁ、それって自分で作ったのか?」
「当たり前だろ。なんかよく知らないけどこれが一番使いやすい武器なんだよ。あ、完全オリジナルねコレ」
セロリはしばらく考えるようなそぶりを見せ首をかしげる。約100度ほど回る首は気持ち悪い。そしていきなり何か答えにたどり着いたのか一瞬で首を戻した。
「そうか、そうだったのか。いや、待てよまだ確証が持てない」
「ハァ?何言ってんのお前」
「なんでもない。こっちの話だ」
それだけ言って姿を消した。変な奴だな。
ルフィ武器
拳
脚
鉄パイプ
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