この世界について調べていくつか分かったことがある。ここはテラやヤーナムとはまた随分と違う世界のようだった。
それが今、自身がいるこの場所───
ホロウとは突如世界に現れた万物を呑み込む球状空間らしく、そのホロウにも大まかに二種類ある。
それが原生ホロウと共生ホロウの二種だ。
その違いは分かりやすく例えると親と子だ。
自ら共生ホロウを生み出すまでに巨大化したものが原生ホロウ。そして既存の原生ホロウから生まれた小さなホロウが共生ホロウと呼ばれているらしい。
ホロウ内では時空さえも無秩序に乱立しているらしく、その内部はまるで迷宮のようになっている。見た目こそただの街ではあるが、視界による情報は期待するだけ無駄と言うことなる。
そして街の彼方此方にいたあの怪物──名をエーテリアスと言うらしく、ホロウ内にはエーテルと呼ばれる未知の物質が他の物質を侵蝕する事により、あのような怪物が産まれるらしい。
そしてこのエーテルという物質は加工すればエネルギー源として活用出来るそうで、この世界の人類はこれらを用いて発電しているそうだ。
「・・・性質は
人間や動物がエーテリアス化するのはこの地に適応する為の進化、もしくは保存。
確か源石は元々、旧人類の保存の為に作られた物質だった筈。つまり、このホロウ・・・もしくはエーテル物質は源石の代わり・・・もしくはソレに近い性質のものだと考えて良いだろう。
「俺のこの推測が正しいのだとすれば、この裏に隠れている奴は何が目的だ?」
プリースティスやかつてのドクターのような旧人類そのものの生存が目的ではない。シーボーン自体も種全体の生存本能として活動するという理由はある。
仮にホロウが意識のない自然災害だったのだとしても人や動物がエーテリアス化するのは何故だ?
もしエーテルがただの物質なのであれば、
「・・・この件はもう少し調べる必要がある」
裏で糸を引いている者がいる。それもこの世界にとって確信となる者が。
そうとなればこのホロウという場所から抜け出さなければならない。とはいえ時空そのものが歪んでいるとなると、正攻法で攻略するのは効率が悪い。
ならばどうするか?
こういった入り組んだ迷宮のような場所はソナーやエコーロケーションに限る。
音の反射による地形そのものの把握。
それがウルピアヌスが自分よりも早いグレイディーアに迷宮のような海峡を早く抜けられた理由だった。
音の反響。ウルピアヌス以外、誰にも聞こえない音波が街に響き渡る。そして何ヶ所か反響しない場所を絞り込み、その場所に向けて歩みを進める。
そして空間にまるで穴のような歪な空間が目的地にあった。
「・・・・見つけた」
その揺らめく空間にウルピアヌスは躊躇いなく足を運び、そのホロウから姿を消すのだった。