「市長です!いま市長が見えましたっ!」
一人のマスコミが前に見えるサンブリンガーを見て興奮したように叫ぶ。
エリー都の街の中心、人がごった返す中でウルピアヌスはステージに上がるサンブリンガーを観察するように目を向けた。
白い髪に長身の身体。左右非対称の色合いを持つ瞳。
凛々しい容姿に違わず、戦士としての風格も持ち合わせており、民衆からの人気も高い。
『今日、ここに集まってもらったのはエリー都の存亡の為、ホロウへと足を進める皆への感謝と貢献を心に刻む為である。この攻略によりまた、皆もホロウという災害から命を落とす者は減ることだろう』
そして少し後ろの離れた所に複数人の男女と異形の姿をした人物を確認できた。
『杖の軍』ベリオラ・ヴァイクにレミエール・ダン、ファルケンハイン傭兵団の長に星見家三代目当主、アーチ教授にジョイアス・・・そしてサンブリンガー。
・・・なるほど。これが
ウルピアヌスは内心でなるほどと納得した様子で彼等を見た。
気迫もあり、知識人としても一目見て優秀な人財だ。彼女達以上の人財はロドスでも何人か見かけた事はあるが、それにも引けは取らないだろう。
式典は進んでいく中、ウルピアヌスはふと顔を上げた。
・・・見られているな
視線は六つ。
星見家三代目当主以外の視線がこちらへと向けられているのだ。興味、警戒、疑問、そう言った思惑が見え隠れしている。
『中でも前回のパパゴ・ホロウ遠征にて未領域のロゼッタ・データを持ち帰った者がジョイアスの他、もう一人出た。ウルピアヌス、前へ』
だがウルピアヌスはそんな彼等を無視し、ステージへと上がりサンブリンガーを見下ろす。
この女・・・機械生命体か。
『彼、ウルピアヌスはジョイアスと同じ、単独で神の迷宮と言われるパパゴ・ホロウを攻略し、ロゼッタ・データを持ち帰った人物だ。よってこの事を授与する』
周囲からどよめきが産まれる中で、彼女はバッジを彼の前に差し出した。
「君の尽力にこの勲章は見合わないかもしれないが、どうか受け取って欲しい」
そう言う彼女にウルピアヌスは言った。
「どのみち死の洗礼を乗り越えねば先はない。こんな表彰など、戦士にとっては無意味だ。それに俺はお前達虚狩りに聞きたいことがあってこの場所に赴いた」
「私達に?」
「ああ」
困惑する虚狩りの面子にウルピアヌスは言った。
「
その言葉に虚狩りの皆は凍りついた。
「なるほど。その反応を見るにある程度は知っているようだ」
それぞれの反応を察してウルピアヌスはサンブリンガーに近づき、彼女にしか聞こえない音量で言った。
「ここで事を荒げるつもりはない。別の場所で話をするとしよう。互いに知りたいこともある筈だ。夜に喫茶店の付近で待っているぞ」