───夜。
ウルピアヌスが指定した時間にサンブリンガーを含む四人は待ち合わせ場所である喫茶店付近にいた。
そんな中、レミエールはサンブリンガー達にこの状況について苦言する。
「・・・ねぇ、ベリ。これものすっごく目立ってない?」
そう。
ベリオラにレミエール。ジョイアス、サンブリンガーと虚狩り四人が集団で行動しているのだ。
たとえ夜の人気が少ない時間帯であっても目立つには目立つ。
「まあ、アーチ教授達は別件で来ることは出来ませんでしたし。全員で来るよりかはマシでしょう?」
「まあ、それはそうだけど」
全員で来たら流石に悪目立ちが過ぎる。
「奴は人数まで指定して来なかったんだ。別に複数人で来ても問題無いだろう。それに・・・」
「始まりの主について・・・何故知っているのか問いただしておきたい」
そんなサンブリンガーに皆が頷いた。
「ホロウと始まり主が関係あるって話は最近になって分かった事だもんね。軍の情報がどこからか漏れてた?」
「彼も書類上、軍人ですからそれはないかと。ただ、そこまでの権限は与えられていない筈です」
「と、なれば・・・関係者か自力でそこまで辿り着いたかの二択だな。なんであろうと真っ当な奴じゃないってことだ」
「確かにアビサルハンターはエーギルの暗部だ。エーギルの最も卑劣な傷口から生まれ、同胞達にも哀れまれ、そして恐れられている」
真っ当な人間ではないと言うジョイアスに誰が同意した。
「「「「・・・・!?」」」」
その声と共に皆が一瞬でその影から飛び下がった。
真後ろ。
自分達の後ろに長身の男が立っていた。
赤い羽飾りがついた帽子にポンチョ状のロングコート。そしてその下には頑強な鍛え上げられた肉体を締め付けるようなインナー。手には男の身長の半分以上はある巨大な錨が吊り下げられていた。
「・・・いつの間に!?」
「・・・気づかなかったッ!」
ベリオラとレミエールは突然現れたウルピアヌスに警戒する。
街中であるとはいえ、気を抜いていた訳ではない。
ただ、彼が会話に加わるまで気付けなかったのは自分達の失態であるからだ。
「本来、質疑応答を行うべきは貴方の方だ。ウルピアヌス」
サンブリンガーの冷静な対応にウルピアヌスは感心したように彼女に言った。
「存外冷静だな。どうやら俺の事を詳しく知っているように見える。流石は虚狩りか」
「まあ、その辺りの事は式典前に詳しく見せて貰ったさ。それで?お前は何者だ?ウルピアヌス。何故、今は俺達や上層部しか知らない始まりの主の名を知っている?」
ジョイアスの質問にウルピアヌスは言った。
「俺の定義は好きにしろ。その質問に関して答えられる事は以前、ホロウ内であった讃頌会の巣穴から得た情報に過ぎん。その時に得た情報はすべてが曖昧なモノだ。お前達と接触したのも、始まりの主とは何かという事を聞くためにこうして姿を現したと言うわけだ」
淡々と話を進めるウルピアヌスにサンブリンガーは問い詰める。
「つまり、私達と情報交換をしたいと?」
「そういうことだ。結使や業核についてもすべて話してもらうぞ」
「・・・その事も知っているのか」
「ホロウを支配する力・・・何故、奴等はホロウを支配してその領土を拡大させようとするのか。そもそもホロウとはどこからきて何を目的としているのか・・・聞かせてもらうぞ。サンブリンガー」