ペルソナ4 the K.C.   作:黒城優輝

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自分の語彙力の無さにビビる。どうもです。黒城です。
ギリギリ一月経つ前に投稿出来ました。
今回は久しぶりにシリアスさんが仕事します。ほんのちょっとですが…。


第十一話 『最適化』

陽介?「うわぁぁぁッッッ!」

クマ?「クマァァァッッッ!」

?「軽空母、りゅ、グハァッ!」

 

痛って〜…。相棒の部屋からテレビの中に突入したはいいが、盛大に墜落しちまった…。しかも誰か下敷きにしちまってるし…。大丈夫か?この子?

 

陽介?「痛って〜…くっそ、着地失敗かよ…」

 

クマ?「クマァ…お尻が割れるかと思ったクマ。」

 

陽介?「もう割れてんだろ…」

 

 

クマのアホな発言にツッコミつつ、顔を上げる。その時、自分の声がやたら甲高くなっていて疑問に思った。けど、顔を上げたその時、目に飛び込んできたあいつの顔を見て、そんな疑問は吹っ飛んだんだ。

 

陽介?「相棒!良かった!無事だったんだな!」

 

本当によかった。俺は、相棒が無事だった事から湧き出る安堵感と嬉しさからそばに駆け寄る。

 

悠「は?」

 

陽介?「は?じゃねーよ!すぐに会えて良かったぜマジで。お前がテレビに落ちた時は久しぶりに焦ったからな…」

 

だが、なんだか様子がおかしかった。まるで、俺のことが分からないみたいに…。

 

悠「……どちら様で?」

 

なっ⁉︎本当に俺のことが分からないのか⁉︎

 

陽介?「まさか…お前⁉︎記憶がっ⁉︎俺だよ!陽介!花村陽介!」

 

くそッ!まさか、頭でも打ったのか⁉︎

とにかく俺は名前を名乗る。こんなんで思い出してくれる訳は無いだろうが、何もしないよりはマシだ!すると…

 

悠「……………………ハアァァぁァァァァァッッッッッッ!」

 

相棒は、聞いた事も無い叫び声を上げた…。

 

 

 

 

 

悠「一旦状況を整理しよう。」

 

陽介?「お、おぅ。」

 

悠は、なんとか持ち直し、状況を整理し始める。

 

悠「まず、俺たちは新しい仲間を増やす為に、イゴールさんに艦娘の召喚を頼んだ。」

 

陽介?「…それで?」

 

悠「そしたら失敗した。」

 

陽介?「おいっ!訳分かんねーよ!端折り過ぎだっての!」

 

陽介らしい艦娘の阿武隈は、その甲高い声でツッコミを入れる。その脇では…

 

クマ?「アループスーいちまんじゃーく〜♪」

 

島風「こやりのうーえで♪」

 

軽巡・球磨。おそらく中身はクマだろう。そのクマと島風がアルプス一万尺をしていた。

 

悠「いつのまに…」

 

陽介?「おいクマ!少しだ、ま…誰だよ⁉︎」

 

クマ?「クマはクマクマ。女の子になってもやっぱりクマは可愛いクマだクマ〜♪」

 

陽介?「…………まさか。」

 

変わり果てたクマ?の様子を見て、陽介?は、認めたくなかった真実から、やはり逃げられないのかと、青ざめる。

先ほどから、チラチラと視界に入る、自身が着ているセーラー服。白魚のような綺麗な手。

なによりも、自分では間違いなく出せないはずの高い声。

 

金剛「Hey!阿武隈!これ、使うといいヨー!」つ手鏡

 

そこに、トドメを刺すように、金剛が手鏡を陽介?に渡す。

 

陽介?「あ、どうも。……ウオォォッッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽介?「なんじゃこりゃ〜!!!」

 

 

 

 

本日二度目の絶叫が、ベルベットルームに響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

イゴール「どうやら、艦娘召喚の『最適化』に巻き込まれてしまったみたいですな。」

 

悠「最適化?」

 

どうやらイゴールは、こんなことになってしまった原因を知っているようだ。

 

陽介?「なんだよそれ…。てか、鼻長いな…悠、この人…人でいいのか?誰なんだ?」

 

イゴール「紹介が遅れました。私、鳴上様のサポートをさせていただいております。イゴールと申します。」

 

陽介?「あ、よろしくお願いします。」

 

イゴール「さて、そもそも、何故艦娘は『娘』なのか、皆さんは考えたことがありますか?」

 

「無いデース」「無いわ〜」「ねーな」「無いな」「無いですね」

皆、一様に考えたことは無いと答える。

 

イゴール「そうでございますか。では、もしも、『艦娘』が『艦息』だったら、どうなっていたか。少なくとも、男性の身体能力がありますから艦娘よりも強くなったでしょうな。」

 

イゴールは、もしもの話を続けていく。

 

イゴール「さらに言うならば、わざわざ意思のある艦娘を呼び出すよりも、軍艦そのものを呼び出す、もしくは建造してしまえば、それは人の道具として、思いのままに操れた筈です。」

 

イゴール「ですが、そうはいかなかった。それは何故か?

答えは、この世界そのものが争いを拒んでいるからでございます。

もし、艦息が建造されて、それが人類に反旗を翻したら…。軍艦を建造し、深海棲艦を滅ぼしたはいいが、その艦を使い、今度は人間同士で戦争を始めたら…。

無いとは言い切れませんが、女性は男性よりも攻撃性も、野心も少ない。

そして、人として自我を持たせることにより、道具として悪用されぬようにした。

つまり、最適化とは世界が示した妥協点にございます。

花村様とクマ様は、その修正に巻き込まれたわけでございます。」

 

陽介?「つまり、俺らは単なるとばっちりで…」

 

イゴール「…運が悪かった。としか言えませんな。」

 

陽介?「…元に戻る方法は?」

 

イゴール「残念ながら…。少なくともこの世界にいる間は戻れません。」

 

陽介?「そ、そんな…どうすりゃいいんだこれ…」

 

悠「陽介…まぁ、なんだ、可愛くてハイカラな女の子でよかったじゃないか。これが、アバドン系だったら…考えたくもないな。」

 

陽介?「相棒…いまいち慰めになってねーよ…」

 

 

 

武蔵「話は終わったか?」

 

イゴールの説明が終わり、うなだれている陽介と、それをなんとか慰めようとする悠。

そこに、武蔵が口を挟む。

 

イゴール「はい、これで説明は終わりでございます。」

 

武蔵「そうか。なら悠、そこで伸びている軽空母、龍驤(りゅうじょう)と言うのだが、起こせるか?」

 

悠「ああ、わかった。」

 

今まで気絶したままほったらかしにされていた不憫な軽空母に、悠は回復魔法をかけるため、ペルソナを呼び出す。

 

悠「カハク!」パリィン!

 

カハク「何々⁉︎ダウンしてる!トドメ刺すの?アギる?アギっちゃう?」

 

悠「違う!回復だ!」

 

カハク「なんだ、ツマンナイの〜。えいっ!リパトラ!」

 

龍驤「う、うーん…。あいたたた…」

 

悠「大丈夫か?」

 

龍驤「えーと、確かうち、ここに呼ばれて…」

 

悠「ああ、俺が呼んだんだ。君の力を貸してほしい。」

 

龍驤「そかそか、じゃあ君が提督さんやな。なら、自己紹介せんとな。

うちが軽空母・龍驤や。独特なシルエットでしょ?でも、艦載機を次々繰り出す、ちゃーんとした空母なんや。期待してや!」

 

どうやら気絶していた事はうやむやになった模様。しかし…

 

悠「独特なシルエットか…」ジー…

 

龍驤「な、なに?そんなじろじろ見んといてよ?」

 

島風「駆逐艦にしか見えないね!」

 

悠「ブッ!」

 

島風、爆弾投下。

 

龍驤「な、なんやて〜!誰が幼女やねん!うちはこれでも日本海軍最古参の空母なんやで!表に出ろや!うちの実力、しっかり見せたる!」

 

 

 

〜〜佐伯湾鎮守府・防波堤〜〜

 

 

龍驤「さぁ仕切るで! 攻撃隊、発進!」

 

ベルベットルームから出た一行は、防波堤にて、龍驤の航空ショーを見ることとなった。

 

龍驤は、手に持っていた巻物を広げる。そこには、飛行甲板が描かれている。

そして、懐から、かなり大雑把だが、飛行機のシルエットを形どった紙を取り出すと、それは宙に浮き、飛行甲板の巻物の上を滑るように飛んでいき、その過程の中で、艦載機へと姿を変え大空を舞う。

 

龍驤「どうや?上手いもんやろ?」

 

悠「ああ、すごいな。」

 

島風「りゅうちゃんすご〜い!ねえねえ、私にもやらせて〜!」

 

龍驤「あっはっは、ゴメンな〜?これ、うち専用やから。そもそも君、駆逐艦やろ?」

 

島風「駆逐艦じゃないもん!疾風迅雷だもん!」

 

龍驤「し、疾風迅雷?提督、この子もしかしてアホちゃう?」

 

悠「あー…島風はちょっと出生が特殊なんだ。その事についてはおいおい説明させてくれ。今はそれよりも…」

 

陽介?「うおー!なんだ今の⁉︎見たかクマ⁉︎紙が飛行機になったぜ!」

 

クマ?「すごいクマね〜!ジュネスのおもちゃ売り場にも置くクマ!」

 

陽介?「いや、無理だろ⁉︎あんなのどこのメーカーも扱ってねーよ!」

 

悠「陽介たちに現状を伝えないとな。」

 

 

 

 

 

〜〜寮・食堂〜〜

 

 

陽介?「そういえば、自己紹介がまだだったな。俺は花村陽介。今はこんな(なり)だけど、男だ。」

 

クマ?「こんにちは、美しいお嬢さん方。僕はクマと言います。是非仲良くしてくださいね?」

 

陽介?「キャラ作ってんじゃねーよ。普通にやれ普通に。」

 

二人に現状を説明する為に、寮に戻ってきた一行。昼前という事もあり、食堂で陽介とクマの自己紹介が行われていた。

 

悠「ありがとう、陽介、クマ。皆も自己紹介を頼む。」

 

 

 

 

 

陽介?「成る程な。深海棲艦に艦娘か…。

異世界に飛ばされたってだけでもキャパがヤバイってのに、まさか戦争に巻き込まれてるなんてな…」

 

お互いの自己紹介を終え、現状を二人に伝えた悠。いきなり突きつけられた『戦争』という現実に、二人は顔を曇らせる。

 

クマ?「思ってたより深刻ね〜。クマたちはこれからどうなるクマ?」

 

悠「とりあえずは、この鎮守府で働いてもらおうと思う。」

 

陽介?「まあ、そうなるよな。他に行くあてもねーし。」

 

クマ?「任せんしゃい!悪い奴らはこのクマが懲らしめてやるクマ!」

 

悠「まあ、どんな仕事をしてもらうかはおいおい考えるとして…。それよりも先に決めなくてはいけない事がある。それは…」

 

悠は、仕事の話は後回しにし、他に重要な話があるという。わざわざ一息置いて、発表された議題は…

 

悠「二人の呼び名だ。」

 

 

 

武蔵「わざわざ溜めておいてそんな議題とはな。普通に今まで通り呼べばいいだろう?」

 

どんな話かと思えば、二人の呼び名を決めるというもの。武蔵の言う通り、今まで通り呼べば済む話である。他の皆も武蔵の意見に頷いている。

 

悠「すまない。説明が足りなかったな。陽介、クマ、ペルソナを出してみてくれ。」

 

陽介?「は?ペルソナ?いやいや、テレビの中じゃないと出せないだろ?」

 

悠は、説明の為に二人にペルソナを出すように言う。が、陽介は出せないと思っている様子。

 

悠「…イザナギ!」パリィン!

 

そこで、悠はイザナギを召喚し、ペルソナ召喚が可能という事を示す。

 

龍驤「うひゃあ!な、なんやそれ!」

 

悠「あ、すまん龍驤。驚かせてしまったみたいだな。悪いが話が先に進まないから、ペルソナについては後で説明させてくれ。陽介、クマ。」

 

陽介?「成る程な。OK、いくぜ!タケハヤスサノオ!」パリィン!

 

クマ?「いっちゃうクマよ!カムイモシリ!」パリィン!

 

悠に促され、ペルソナを召喚する二人。

 

金剛「Wow!二人もPersonaUserだったのデスカ!」

 

武蔵「悠の関係者だからもしもと思っていたが…」

 

吹雪「駆逐艦の影がますます薄くなりそう…」

 

島風「わーい!仲間ー!」

 

龍田「あー…成る程ね〜。」

 

天龍「?龍田、何か分かったのか?」

 

皆、二人のペルソナ召喚に、三者三様の反応を見せるが、龍田は何かに気づいた様子。

 

龍田「鳴上提督はね、戦力過多による異動を警戒してるのよ。」

 

悠「流石だな龍田。そう、このまま馬鹿正直に、俺の仲間がやってきたと報告すれば、恐らくは、提督として別の場所に異動になる。

たとえ虚偽の報告をしても、元の呼び名で呼んでいる所を見られれば怪しまれるかもしれない。まぁ、念の為と言うわけだ。それに…」

 

悠は、呼び名を変える理由を説明し、言葉を続ける。

 

悠「いつまでも名前欄が『陽介?』に『クマ?』じゃやりにくいからな。」

 

吹雪「メタいですよ司令官!」

 

悠「まあ、そんな訳でみんなも考えてくれ。」

 

吹雪「スルーしないでくださ〜い!」

 

 

悠「といっても、クマは奇跡的に名前の読みが一緒だからな。そのままで大丈夫だろう。見た目が軽巡洋艦の球磨になっているから…表記はクマ(球磨)にすれば読者にも分かりやすいな。」

 

吹雪「さっきからメタいですよ司令官!感想欄が荒れても知りませんよ!」

 

悠「そんなツッコミをするフブキチも十分メタいがな。」

 

吹雪「揚げ足を取らないでください!」

 

悠「と、いう訳で、『第1回・チキチキ!女の子になっちゃった陽介のニックネームを考えよう選手権!』の開催をここに宣言する!」

 

金剛・島風・クマ(球磨)「イェーイ!」

 

 

武蔵「…部屋に戻ってもいいか?」

 

メタ発言をしながら、企画の説明をする悠に対し、武蔵は半ば呆れながら部屋に戻ろうとするが、

 

悠「武蔵、そんなこと言うなよ。これは、陽介とクマ(球磨)と早く打ち解けてほしいと思って考えたレクリエーションでもあるんだ。」

 

悠はそれを引きとめようとする。がそこに陽介の援護射撃が飛んでくる。

 

陽介?「あ〜、悠?そんなことしなくても俺は大丈夫だからさ。それより、他にやる事が沢山あるんじゃないのか?俺の事よりそっちを優先した方が…」

 

陽介も陽介で、この企画によって、要らん不幸が自身に降りかかってくるのでは無いかと考えているようだ。

かつての合コン喫茶と同じ匂いを感じるこの企画を、できるだけ悠を傷つけないように止めようとするが…

 

悠「大丈夫だ。この鎮守府はまだプレオープンもして無いからな。やる事が殆ど無い。」

 

陽介?「…軍の施設にプレオープンなんてあるのか?」

 

武蔵「ある訳無いだろう…。だが、仕事が無いのは事実。行政との顔合わせもまだだからな。依頼も入ってこない。」

 

どうやら失敗したようだ…。

 

悠「まあ、そんな訳だ。付き合ってくれ。」

 

天龍「まあ、どうせヒマだしな。付き合ってやるか〜。」

 

武蔵「…昼食が出来たら呼んでくれ。」

 

金剛「No!武蔵!悠がやろうと言っているんデスヨ!togatherしなきゃNoデース!」

 

 

 

 

 

ニックネーム案集計中…

 

 

 

悠「えっと、『阿武助』『ヨークマ』『ハナクマ』『阿武村』…女の子っぽいニックネームとは言い難いな。」

 

吹雪「元になってる名前が女の子のものではありませんしね。」

 

龍田「ギリギリ『ハナクマ』が採用圏内ですかね〜。」

 

島風「ねえ悠!」

 

クマ(球磨)「クマ〜…イマイチいいのが思いつかんクマね〜。」

 

陽介?「いや、もういいだろ?このままじゃ捻り過ぎて、ぜってー変なのになるだろ?」

 

島風「悠ってば!」

 

悠「おっと、なんだ島風?」

 

ニックネーム案の集計結果をまとめて、考え込む悠に、島風がプリプリ怒りながら話しかけてきた。

 

島風「私の案が入ってないよ⁉︎なんで?」

 

どうやら、自分の考えたニックネームがハブられている事にご立腹なようだ。

 

悠「…いや、それはだな…」

 

島風「この中だったら私のが一番だもん!」

 

金剛「ほー、No. 1デスカー!是非聞かせてクダサーイ!」

 

島風「それはね…『花ちゃん』だよ!」

 

陽介?「ッ!」

 

悠「あちゃ〜…」

 

クマ(球磨)「オヨヨ〜…」

 

そう、島風の考えたニックネームは、『花ちゃん』

乗り越えたとはいっても、陽介にとってはある種のトラウマでもあるニックネーム。

悠とクマはこの事を知っており、わざと候補から外していたのだ。

だが、陽介は…

 

陽介?「いや、良いんじゃねーか?女子のあだ名でもよくありそうだし、俺もそれなら呼ばれ慣れてるからな。」

 

悠「陽介…いいのか?」

 

陽介?「ああ…。小西先輩の事、忘れた訳じゃねーし、今でも思い出すとセンチな気分になっちまうけどさ…だからって、そのあだ名で呼ぶな〜!なんて言ってたらさ、きっと、天国の先輩に女々しいって笑われちまうぜ。」

 

悠「そうか。なら、決定だな。」

 

花ちゃん(陽介)「じゃあ、俺の事は『花ちゃん』って呼んでくれ!」

 

「やった!やっぱりわたしが1ばーん!」「OKデース!」「分かりました!」「そうさせてもらうわ〜」「おう!分かったぜ!」

「ようやく決まったか…」「分かったで!これからはそう呼ばせてもらうわ。」

 

金剛「muuu…どうせなら、もっとflowerのfactorを増やしまショー!後で部屋からflowerのhair accessoryを持ってきマース!」

 

龍田「あら〜、じゃあ私も探してみようかしら〜?」

 

花ちゃん(陽介)「ははは…お手柔らかに頼むぜ…」

 

荒垣「おーい!お前ら〜!メシが出来たから持ってけ〜!」

 

悠「あ、はーい!」

 

 

 

陽介?「なあ、名前欄まで花ちゃんにするつもりか?逆に分かりにくくなりそうじゃね?」

 

悠「そうか?なら、名前欄はクマ(球磨)に倣って陽介(阿武隈)にしとくか。」

 

 

 

武蔵「なあ、花村…ではなく花ちゃん。」

 

無事に陽介のニックネームも決まり、皆で昼食を取っていると、唐突に武蔵が陽介に話しかける。

 

陽介(阿武隈)「ん?何ですか?」

 

武蔵「先程の話に出てきた、小西という人物は…」

 

陽介(阿武隈)「あ〜…小西先輩は、俺が片想いしてた人で…」

 

武蔵「過去形か。つまり…」

 

陽介(阿武隈)「はい…とある事件に巻き込まれて…」

 

武蔵「…そうか。辛くは無かったのか?」

 

陽介(阿武隈)「そりゃあ辛かったですよ。でも、俺は一人じゃない。相棒にクマ、それに、他にも仲間がいますから。そいつらに支えられたり、支えたり…。

もしかしたら、一人じゃ立ち直れなかったかもしれないっす。あいつらには感謝ですね。」

 

武蔵「…そうか。すまない、変な事を聞いたな。」

 

陽介(阿武隈)「いえいえ、これくらいなら全然大丈夫っすから。」

 

 

 

悠「今日の昼は海鮮塩焼きそばか…。あっさり塩味に、魚介の旨味が最高だな!」

 

金剛「向こうは a little serious デース…

悠、そんな暢気に焼きそばすすってていいんデスカー?」

 

悠「ああ、陽介は強いからな。まあ、正直『花ちゃん』の案が上がった時はヒヤリとしたが、あの様子ならそっとしておいて大丈夫だろう。」

 

金剛「…understand.」(かなりのrelianceデスネー…。花ちゃんは、enemyに回すと厄介そうですが、上手くfriendに出来れば…。根回しはやっておくべきデスカネー…)

 

 

 

「「「ご馳走様でした〜!」」」

 

陽介(阿武隈)「いや〜!美味かったな!相棒の料理に勝るとも劣らないな。」

 

昼食を食べ終え、一息つく一同。

 

悠「うちの鎮守府の食堂のコックは一流だからな。」

 

荒垣「褒めても何も出ねーぞ〜。」

 

悠が褒めたのが聞こえていたのか、厨房から荒垣が返事をする。

 

金剛「dessert出してもいいんだからね!」

 

荒垣「考えといてやるよ〜。」

 

陽介(阿武隈)「あはは…相棒、ちょっとトイレ行ってくるわ。何処にあるんだ?」

 

悠「ああ、食堂を出てすぐの階段の脇に…ん?」

 

陽介(阿武隈)「ん?どした?」

 

悠「陽介…」

 

陽介(阿武隈)「な、なんだよ?」

 

悠「…女子トイレの使い方は分かるか?」

 

陽介(阿武隈)「………」

 

陽介は、無言でトイレに向かった…。

 

 

 

 

 

 

数分後……

 

悠「陽介…大丈夫だったか?」

 

陽介(阿武隈)「俺、こんな形で女の子の秘密ってやつを見たく無かったよ…」

 

戻ってきた陽介は、全てを悟ったかのような、全てを諦めたかのような、そんな表情だった…。

 

 

 

 

 

 

 

〜〜寮・武蔵の部屋〜〜

 

 

武蔵「ふぅ…」カラン…

 

時間は飛んで、午後11時。武蔵は部屋で一人、酒を飲んでいた。ちなみに飲んでいるのは、ジョニーウォーカー黒というウイスキー。香り高く、心地よい甘みが特徴らしい。

 

武蔵「花村陽介…彼は大切な人を失った…。だが、仲間、悠のおかげで立ち直れた…」

 

武蔵は、独り言を呟きながら、少なくなったグラスのウイスキーを呷る。

 

武蔵「私も変われるだろうか…」

 

 

 

武蔵「姉さん…」

 

武蔵の呟きに返事は無く、グラスの氷が音を鳴らすのみ…。




マーガレット「今後の日程が決まったわ。鎮守府開港記念の観艦式を県知事さんはやりたいらしいわよ。」
悠「観艦式か…。」
マーガレット「先方との会議なんかもあるから、先ずは秘書艦を決めてもらえる?」


次回 ペルソナ4 the K.C.
第一次秘書艦戦争

武蔵「秘書艦なら、この武蔵に任せておけ!」
島風「秘書艦って、悠と一緒にいれるんだよね?じゃあ私がやる!」
金剛「hey!悠!私なら前の鎮守府で秘書艦をやっていたことがアリマース!」
悠「くっ⁉︎ここは…一番良識のありそうな、龍田さん!」
龍田「あの、ごめんなさい。私は辞退させてもらうわ…」
悠「えっ⁉︎そんな!何で!」
天龍「………」
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