ワシは三代目火影、猿飛ヒルゼン。
「なんじゃと?ハヤテの奴が行方不明?」
中忍試験の予選が終わって次の日の朝からハヤテと連絡がつかん。
分かっているのは、桔梗城で何者かと争った跡があったと言うことだけじゃ。現場にはハヤテの刀が抜き身で転がっておって、血痕も複数に別の生きものと思わしき体液が複数…
しかし、死体があるのではなく行方不明とは…ただでさえアンコからの報告で大蛇丸の奴が侵入しとると言うのに。
大蛇丸がさらったか?何のために?確かに怪しげな人体実験はしていたが、禁術は完成したと言っていたハズじゃ。今更木ノ葉の忍をさらう理由が薄い。ないとわ言わんが……
大蛇丸が里を抜けてから、人が不可解に減ったなんて事も起きてはいない。(里抜け前でも減ったのは犯罪者とかです)
分からない事だらけじゃ。警戒は厳するが、今は人手を割けん。中忍試験本戦を観ようと大名や同盟国の風影殿もやってきている。これらの護衛が必要じゃ。
最近できた音隠れの忍達も若干怪しい。目立った動きはないが、コソコソ動いているようじゃし。
音隠れか…もしや大蛇丸の組織か?時期は合うが…いや憶測で決めつけはいかんな。
…最低限の、暗部は放っているが……
いざとなれば、木ノ葉の力を結集して戦うのみよ。それまで、どうか無事でいてくれハヤテ…
ワタシはみたらしアンコ。元木ノ葉の三忍大蛇丸の弟子だった忍だ。あの人がまだ木ノ葉にいた頃に奇妙な奴にあった。
大蛇丸の研究室ですれ違ったのが、最初の出会いだったと思う。
そいつの名は日向ヒカゲ。日向一族の分家の養子だった。ヒカゲは白眼が開眼せず、日向の出来損ないと呼ばれていた。そんなヒカゲに大蛇丸は何の興味があったんだろう?
ヒカゲと会うようになってから大蛇丸は身体から滲み出る怪しさや恐ろしさが薄れた気がした。ワタシにも少し優しくなった気がした。
影分身を教わってる時には、正直嫉妬した。でも、今に思えば日向の白眼の使えないヒカゲなりの足掻きだったのかもしれない。結局修得出来てはいないけど。(大蛇丸とヒカゲが隠しているので)
まあ、何でアンタが!と怒鳴り付けた事もあったかも知れない。ヒカゲにワタシが大蛇丸の一番の理解者で弟子で部下だと、呪印だってもらったんだぞ!と訴えた。
「アンコさんのは憧れだよ。弟子で部下なのは揺るぎないけどね。誰が言ったんだったか…憧れは理解からもっとも遠い感情らしいからね」
何なんだコイツは!ワタシはあの人を理解してる!とその時は反発したけど、それが間違いじゃないことに気づいたのはずっと後。
大蛇丸が里を抜けた。ワタシは裏切られた気がした。なんで、連れていってくれなかったのかと!ワタシに一言あってもと…
その時わたしの愚痴を聞いてくれたのは、ヒカゲだった。なんで、ワタシに優しくするのよ!怒鳴ったりヒドイ事だって言ったのに…
ヒカゲはいつもと変わらなかった。本当に年下かと思うくらいに冷静で、大蛇丸の里抜けも、だろうね、の一言だった。
ヒカゲの事が気になり始める。里の皆が大蛇丸の弟子だったワタシを疑いの目で見てくる。でもヒカゲは、ヒカゲだけは変わらずいつもと同じだった。
「アンコさんが疑われるのなら俺だって疑われないとおかしいんだけどなあ。大蛇丸さんの研究室に出入りしてた訳だしね」
ワタシは嬉しかったんだと思う。変わらないヒカゲが。
「まぁ俺は別の意味で厄介なんだろうけどさあ」
日向なのに白眼が使えず、一族を飛び出して日向を名乗ることも許されない厄介ものさ。アンコさんと似たようなものだよ。
似た者同士…この言葉が心地よかった。そうだワタシはヒカゲのお姉ちゃんになろう。もうきめたの!ヒカゲが信頼できる大人に!お姉ちゃんって呼ぶのよヒカゲ!
その後、ヒカゲと夫婦になれば良くないかという、とんでもない結論が出ることになる。
ヒカゲとなら問題ないわね。何ならたくさんの妻がいても良いわよ!調べた限り禁止されてないみたいだしね!
日向の娘も巻き込んで!ニガサナイワヨ…ヒカゲ!